グロリア

「グローリア」はラテン語の「栄光」。神の栄光を称える賛歌。冒頭文は『ルカによる福音書』の「天には神に栄光、地には善意の人々に平安」から取られる。これに神とキリストへの讃美と嘆願が続き、「汝は独り聖なり、父の独生の子、世の罪を贖う小羊、イエス・キリストよ。聖霊とともに父の栄光にありて。アーメン」と結ばれる。典礼文の起源は東方教会の「早課の大栄頌」である。

原文(ラテン語)

Gloria in excelsis Deo. Et in terra pax hominibus bonae voluntatis.
Laudamus te. Benedicimus te. Adoramus te. Glorificamus te.
Gratias agimus tibi propter magnam gloriam tuam.
Domine deus, rex caelestis, deus pater omnipotens.

Domine fili unigenite, Jesu Christe.
Domine deus, agnus dei, filius patris.
Qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Qui tollis peccata mundi, suscipe deprecationem nostram.
Qui sedes ad dexteram patris, miserere nobis.
Quoniam tu solus sanctus, Tu solus dominus.
Tu solus altissimus, Jesu Christe.

Cum Sancto spiritu, in gloria dei patris, Amen.

和訳

天のいと高き所には神に栄光。地には善意の人に平和あれ。
我ら主をほめ、主をたたえ、主をおがみ、主をあがめ、
主の大いなる栄光のゆえに主に感謝したてまつる。
神なる主、天の王、全能の父なる神よ。

主なる御一人子、イエズス・キリストよ。
神なる主、神の子羊、神の御子よ。
世の罪を除きたもう主よ、我らをあわれみたまえ。
世の罪を除きたもう主よ、我らの願いをききいれたまえ。
父の右に座したもう主よ、我らをあわれみたまえ。
主のみ、聖なり。主のみ、王なり。
主のみ、いと高し、イエズス・キリストよ。

聖霊とともに父なる神の栄光のうちにアーメン。

成立

冒頭はルカ福音書2:14である。
ルカ2:8-14
その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」
すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
「いと高きところには栄光、神にあれ、
地には平和、御心に適う人にあれ。」

最終更新:2017年07月25日 05:42