ここではレクイエムに用いられる
固有文の詠唱(Tractus)について説明する。
通常のミサでは
福音書の朗読前に、聖福音の中に語られる
イエス・キリストの教えをたたえて「アレルヤ唱」が歌われるが、レクエイムなど、悲しみや悔い改めの情を表すミサでは、輝かしい「アレルヤ」に代えて音を「長く伸ばした (tractus)」詠唱が歌われることになっている。テクストはその性質上、「入祭唱」等よりずっと主観的である。
原文(ラテン語)
Absolve Domine, animas omnium fidelium defunctorum
ab omni vinculo delictorum.
Et gratia tua illis succurrente,
mereantur evadere judicium ultionis.
Et lucis aeternae beatitudine perfrui.
和訳
主よ、全ての死せる信者の霊魂を
ことごとく罪のほだしより解いてください。
彼らが主の聖寵の助けによって
刑罰の宣告をまぬがれ、
永遠の光明の幸福を楽しむにいたらんことを。
最終更新:2017年07月03日 21:44