ヴェニ・サンクテ・スピリトゥス (Veni Sancte Spiritus) 『聖霊来たりたまえ』は
キリスト教カトリック教会の聖歌の一つ。
中世に多く書かれた
セクエンツィアの一つで、
聖霊降臨祭(ペンテコステ)の祝日のミサのためのもの。作者や作られた時期については、例えば11世紀初頭のフランス国王ロベール2世由来説や、1220年に記されたエッケハルト5世の『ノトケル伝』の中で又聞きとして述べられているローマ教皇インノケンティウス3世説など諸説があり、どれも確証に欠けるため現在のところ不明である。ただしセクエンツィアの形態としては、韻を踏むなどノトケルの頃から比べれば明らかな進化を示しており、原型はともかく現在の形になったのは12世紀中頃であろうと見られている。
原文(ラテン語)
Veni, Sancte Spiritus,
Et emitte coelitus
Lucis tuae radium.
Veni, Pater pauperum,
Veni, dator munerum,
Veni, lumen cordium.
Consolator optime,
Dulcis hospes animae,
Dulce refrigerium:
In labore requies,
In aestu temperies,
In fletu solatium.
O lux beatissima,
Reple cordis intima
Tuorum fidelium.
Sine tuo numine,
Nihil est in homine,
Nihil est innoxium,
Lava quod est sordidum,
Riga quod est aridum,
Sana quod est saucium.
Flecte quod est rigidum,
Fove quod est frigidum,
Rege quod est devium.
Da tuis fidelibus,
In te confidentibus,
Sacrum septenarium.
Da virtutis meritum,
Da salutis exitum,
Da perenne gaudium.
Amen, Alleluia.
和訳
聖霊来たり給え
天より御光の輝きを放ち給え
貧しき者の父、
恵みの与え主、
心の光にます御者来たり給え。
いと優れたる慰め主、
霊魂の甘美なる友、
心の和やかなる楽しみ。
疲れたる時の憩い、
暑き時の涼しさ、
憂うる時の慰め。
至って幸いなる光よ、
主を信じる者の心に来たり満ち給え。
主の御助けあるにあらざれば、
人には罪ならざる所なからん
乞い願わくば汚れたるを清め、
乾けるを潤し、
傷つけられたるを癒し給え。
固きを和らげ、
冷えたるを暖め、
曲がれるを直くし給え。
主を頼む信者に
神聖なる七つの賜を施し給え。
善徳の功を積み、
救霊の彼岸に至り、
永遠に喜ぶを得しめ給え。
アーメン、アレルヤ。
最終更新:2017年07月08日 14:43