マタイ27:3-10
そのころ、イエスを裏切ったユダは、イエスに有罪の判決が下ったのを知って後悔し、銀貨三十枚を祭司長たちや長老たちに返そうとして、「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」と言った。しかし彼らは、「我々の知ったことではない。お前の問題だ」と言った。そこで、ユダは銀貨を神殿に投げ込んで立ち去り、首をつって死んだ。
祭司長たちは銀貨を拾い上げて、「これは血の代金だから、神殿の収入にするわけにはいかない」と言い、相談のうえ、その金で「陶器職人の畑」を買い、外国人の墓地にすることにした。このため、この畑は今日まで「血の畑」と言われている。
こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。
「彼らは銀貨三十枚を取った。
それは、値踏みされた者、すなわち、イスラエルの子らが値踏みした者の価である。
主がわたしにお命じになったように、彼らはこの金で陶器職人の畑を買い取った。」
ところが、
使徒言行録には異なる物語が語られている。
使徒1:15-19
そのころ、ペトロは兄弟たちの中に立って言った。百二十人ほどの人々が一つになっていた。
「兄弟たち、イエスを捕らえた者たちの手引きをしたあのユダについては、聖霊がダビデの口を通して預言しています。この聖書の言葉は、実現しなければならなかったのです。ユダはわたしたちの仲間の一人であり、同じ任務を割り当てられていました。ところで、このユダは不正を働いて得た報酬で土地を買ったのですが、その地面にまっさかさまに落ちて、体が真ん中から裂け、はらわたがみな出てしまいました。このことはエルサレムに住むすべての人に知れ渡り、その土地は彼らの言葉で『アケルダマ』、つまり、『血の土地』と呼ばれるようになりました。
「血の畑」もしくは「血の土地」と呼ばれる土地があったことはあるようだが、その伝承は全く異なっている。
ゼカリヤ書の預言
マタイ
福音書27:9には
エレミヤ書とあるが、これは正しくは
ゼカリヤ書の引用である。福音派はこれを、エレミヤの精神がゼカリヤの内にあるという伝承があったからとみなしている。
ゼカリヤ11:12-13
わたし(ゼカリヤ)は彼らに言った。「もし、お前たちの目に良しとするなら、わたしに賃金を支払え。そうでなければ、支払わなくてもよい。」彼らは銀三十シェケルを量り、わたしに賃金としてくれた。主はわたしに言われた。「それを鋳物師に投げ与えよ。わたしが彼らによって値をつけられた見事な金額を。」わたしはその銀三十シェケルを取って、主の神殿で鋳物師に投げ与えた。
最終更新:2020年09月29日 16:42