ペトロの黙示録

ペトロの黙示録とは、使徒のペトロ(ペテロ)による天国と地獄の旅についての新約聖書の外典である。原典はギリシャ語で、2世紀前半に成立したと考えられている。エジプトのアフミーム(英語版)の墳墓からエノク書のギリシャ語版と共に発見された。著作全体を含むものはエチオピア語とアラビア語で書かれているものしか残存していない。ナグ・ハマディ写本にその一部が含まれていた。

かつては非常に重要とされた文書で、2世紀末から3世紀末にかけて活躍したアレクサンドリアのクレメンスはこれを引用しており、5世紀のパレスチナ教会では復活祭直前の金曜日の礼拝に朗読された。また2世紀末から3世紀初頭に編まれたとされる『ムラトリ断片』にも正典の一つとして挙げられている。

最終更新:2018年01月20日 08:28