今日の『
ダニエル書』には、ユダヤ教および一部キリスト教教派が正典と認めない部分が3つ存在する。これらは
七十人訳聖書等ギリシア語訳に見られるが、現在残るヘブライ語写本には対応する箇所をもたない。
上記の3つの短編がそれである。
元々、これらの短編文書は同一時期に成立したものではなく、起源がそれぞれ異なるが、いずれの話も主人公がダニエルであるという共通点から、七十人訳聖書の編者が『ダニエル書』の前後に付け加えたと考えられる。
ダニエル書においては、以下のように書かれていた。
1.ダニエルと新バビロニア(1-6章)
- ダニエルと三人の若者(1章)
- ネブカドネツァル王の夢(2章)
- 燃え盛る炉に投げ込まれる三人1(3:1-23)
- 『アザルヤの祈りと三人の若者の賛歌』(3:24-90)
- 燃え盛る炉に投げ込まれる三人2(3:91-97)
- 大きな木の夢(3:98-4:34)
- 壁に字をかく指(5章)
- 獅子の洞窟に投げ込まれるダニエル(6章)
2.ダニエルの幻視(7-14章)
- 四つの獣の幻(7章)
- 雄羊と雄ヤギの幻(8章)
- 定めの七十週(9章)
- 終わりのときについての幻(10-12章)
- 『スザンナ』(13章)
- 『ベルと竜』(14章)
最終更新:2017年07月05日 21:52