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兵士  物心ついた頃からずっと、戦いが君の人生だった。子供のころから訓練を受け、武器と防具の使いかたを学び、サバイバルのイロハを身につけた――戦場での生きのびかたを含めて。君は国の常備軍、あるいは傭兵団に属していたのかもしれない。それとも故郷の民兵の一員で、最近の戦で大手柄を立てたのかもしれない。
 この背景を選択する場合、DMと話し合って、君がどのような軍事組織に属していたのか、その組織内でどこまで昇進したのか、軍歴においていかなる経験をしたのかを決めよう。君が属していた組織は常備軍だったのだろうか、町の衛兵隊や村の民兵隊だったのだろうか。貴族や商人の私兵だったのだろうか、あるいは傭兵団だったのだろうか。

兵士の利益

 兵士の背景を選択した場合、君は以下の利益を得る。
修得技能〈威圧〉、〈運動〉
道具習熟 ゲーム道具のうち1種類、乗り物(陸)
追加言語なし
初期装備階級章、倒した敵の記念品(ダガー、折れた刃、旗の切れ端など)、骨のダイス一揃いまたはゲーム用カード一揃い普通の服1着、ベルトポーチ(10gp入り)
特徴軍の階級

兵士の種類

 兵士として過ごす間、君は部隊の中で何かしらの役目を果していた。その役目を決定するには、次の表で1d8をロールするか、表から自由に選択すること。
1d8 種類             1d8 種類            
1 士官 5 軍医
2 斥候 6 補給係
3 歩兵 7 旗持ち
4 騎兵 8 支援要員(料理人、鍛冶屋など)

特徴:軍の階級

 君は兵士としての経歴から軍の階級を有している。君の属していた軍事組織に忠誠を誓っている兵士は、君の権威と影響力がどれほどのものかを理解しており、もし君のほうが階級が上ならば君に敬意を払う。君は自分の階級を示して他の兵士に影響力を及ぼし、ありふれた装備や馬を一時借り受けることができる。また、君の階級が意味を持つ友好的な軍隊の駐屯地や要塞に立ち入ることもできる。

おすすめの人物像

 戦の恐ろしさと軍規の厳しさはあらゆる兵士に何らかの痕跡を残してゆく。兵士の重んじる理想も、戦友どうしの堅い絆も、そこから来るもの。兵士がしばしば心身に傷を受け、折にふれて恐怖や恥辱や憎悪が眼前に蘇るようになるのも、そこから来るものである。
1d8 人格的特徴
1 常に礼儀正しく物腰が丁寧である。
2 戦の記憶に悩まされており、蛮行の幻影を振り払うことができない。
3 余りに多くの友を失ったため、なかなか新しい友を作ることができない。
4 軍務を経て、戦いにつきものの、勇ましい話や用心をうながす話を多く知るに至った。
5 地獄を覗きこんでも眉一つ動かさない。
6 力自慢で物を打ち壊すのが好きだ。
7 言う冗談が荒っぽい。
8 問題は正面から突破する。単純直截な手段こそが成功への一番の道だ。

1d6 尊ぶもの
1 公益。我らの務めは身を捨てて他者を守るにある。(
2 責務。私は務めを果し、正当な権威に従う。(秩序
3 独立。物を考えずただ命令に従うのは、暗君の暴虐を受け入れるに等しい。(混沌
4 力。戦でも人生でも強い者が勝つ。(
5 人それぞれ。どんな立派な理想も、殺し、戦う理由にはならない。(中立
6 国家。私の都市/国家/民族こそが最も重い。(属性問わず)

1d6 関わり深いもの
1 古い戦友のためには命を捨てて悔いない。
2 かつて戦友に命を救われたため、決して仲間を見捨てようとしない。
3 名誉を命と心得ている。
4 自分の部隊の壊滅や、部隊を壊滅させた敵のことが脳裡を離れない。
5 肩を並べて戦った戦友だというのは、戦友のためなら死ねるということだ。
6 自分の身を守れない弱い者のために戦う。

1d6 弱み
1 戦で出会った恐ろしい敵のことを思うと今でも震えが来る。
2 実戦を経た戦士以外の者にはほとんど敬意を抱かない。
3 戦いで自分の大失敗ゆえに多くの命を犠牲にしたことがある。その失態を秘し隠しておくためなら何でもする。
4 敵を激しく理不尽に憎んでいる。
5 常に規則に従う――その規則がどんな不幸や悲惨をもたらそうとも。
6 自分の非を認めるぐらいなら自分の鎧を食ってみせる。

兵士のヴァリアント:歴戦の傭兵

 君は金のために戦う傭兵として、宝物目当てで命をなくしたり手足をなくしたりする危険に慣れ親しんできた。君は経験から傭兵暮らしの事情に通じているし、戦場の恐ろしいできごとを話のネタに持っていることだろう。君はゼンタリムミンターン島の傭兵たち(注:いずれもフォーゴトン・レルム世界の傭兵団)のような大手の組織で働いていたのだろうか。もっと小さな傭兵集団にいたのだろうか。ひょっとしたら複数の傭兵団を渡り歩いていたのかもしれない。
 さて、今や君はもっと他のものを求めている。命を賭ける以上、もっと大きな見返りが欲しいものだと思ったのかもしれない。活動を自分で選びたいと思ったのかもしれない。ともあれ君は雇われ兵の生活を捨てたが、身につけた技術が戦闘向きなのは間違いない。君はただ、これまでと違う戦いを戦い続けるのだ。
 君が歴戦の傭兵になりたいなら、この背景に以下の変更を加えるとよい:
✦“技能”の項にある〈威圧〉の代わりに〈交渉〉を“修得済み”にする。
✦“装備”の項の“ベルトポーチ1着”を“傭兵団の制服1着”(品質は旅人の服と同様)に置き換える。
✦“軍の階級”の特徴の代わりに“傭兵暮らし”の特徴を得る。
✦“おすすめの人物像”を適宜、修正する。
 君の“関わり深いもの”には、むかし働いた傭兵団や、肩を並べた戦友たちが含まれるかもしれない。どんな“尊ぶもの”があるかは、君の世界観や君が戦う動機によるところが大きいだろう。

歴戦の傭兵の特徴:傭兵暮らし

 君は傭兵暮らしをよく知っている。実際に傭兵だったものならではである。君は紋章から傭兵団を見分けることができ、どんな傭兵団についても多少の知識がある。その知識の中には、団の指導者や指揮官の名前と評判、団が最近誰に雇われて働いたか……などが含まれる。君は言葉が通じる土地ならどこへ行っても傭兵の集まる酒場や宴会場を見つけられる。冒険と冒険の間には、“快適”の生活レベルを維持できるだけの傭兵仕事を見つけられる。
最終更新:2022年09月06日 16:40