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イカサマ師  君は人の心をつかむのがうまい。何が人を怒らせるかも心得ており、少し話せばたちまち相手の望みを見抜き、ほんのいくつかの質問で子供の絵本を読むがごとくたやすく相手の心を読む。これはまったく役に立つ才能であり、そして君はこの才能を利用する気満々である。
 君は人が何を望むかを知り、自分が何を提供できるか(より正確にいえば、自分が何を提供すると約束できるか)をよく知っている。なるほど、常識ある人間なら、あまりにうまい話からは距離を置くもの。だが、どうも君の前では、人の心は常識を失うようだ。ごらんくださいこの瓶の中のピンクの液体、これがあれば見苦しい吹き出物とはさようならです。いつまでも若く健康でいたい、そんなあなたにこの霊験あらたかな軟膏(実際には油脂に銀色の粉を混ぜただけの代物)。ごぞんじですかこの街の橋が売りに出されているというのを。――こうしたうまい話は、単体では、とても信じられない。けれどもそれを正真正銘本当の話のように見せることが君にはできるのだ。

イカサマ師の利益

 イカサマ師の背景を選択した場合、君は以下の利益を得る。
修得技能〈盗賊〉、〈はったり〉
道具習熟偽装用具変装用具
初期装備上等な服一そろい、変装用具、1種類の詐欺に必要な用具一式(色つきの液体が入った栓をしてあるビン10本、重りを仕込んだダイス一式、目立たぬ印をつけたカード一式、架空の公爵の印章指輪など)、ベルトポーチ(15gp入り)
特徴身元偽装

得意ネタ

 あらゆるイカサマ師には得意な釣針(アングル)があって、その手を他の手よりもよく使う。以下の表から任意の得意ネタを選択するか、ロールして決定すること。
1d6 得意ネタ
1 運の要素のあるゲームでイカサマをする。
2 文書を偽造し、小銭をくすねる。
3 人に取り入って弱点を突き財産をまき上げる。
4 服を着替えるように自分の身元素性の設定を変える。
5 街角で手先の早業をもって詐欺をする。
6 ガラクタを売りつけ、他人が汗水たらして稼いだ金をまき上げる。

特徴:身元偽装
 君はもうひとつの身元素性の設定をつくりあげている必要な文書も、設定に対応した知人も、変装も用意した。その人格になりすます用意もばっちりだ。かてて加えて、君は公文書や個人的な手紙などの文書を偽造できる(ただし、範例となる同種の文書や、真似ようとする筆跡を目にしたことがある場合に限る)。

おすすめの人物像

 イカサマ師はイキイキとした魅力的な人物で、つくりあげた仮面の下に本心を隠している。彼らは相手が見たい、信じたいと思ってるもの、相手の世界観にあわせて態度を変える。そんな彼らの中にも本心からの悩みを抱えている者はある。良心の呵責、古い仇敵、あるいは結局信じずにいられない何事かを、抱えている者もある。
1d8 人格的特徴
1 惚れっぽく飽きやすく、いつも誰かを追いかけている。
2 どんなときにも冗談を言わずにいられない。冗談を言ってはいけない時は特にそうだ。
3 欲しいものを手に入れるために好んでおべっかを使う。
4 生来賭け事が大好きで、大きな報酬の可能性があればリスクを冒さずにはいられない。
5 ほとんど何事に関しても嘘をつく。嘘をつく理由がない時にも。
6 好き好んで皮肉を弄し侮辱を加える。
7 複数の聖印を持ち歩き、時に応じてご利益のありそうな神の名をあげて祈りまた誓う。
8 少しでも値打ちのありそうなものを見たら懐に入れずにはおかない。

1d6 尊ぶもの
1 独立。私は一本立ちの人間だ――誰も私にあれをやれ、これをやれと命令することができない。(混沌
2 公正。貨幣を数枚盗まれたら暮らしがたちいかなくなるような貧乏人からは決して盗まない。(秩序
3 慈善。手に入れた金は、本当に金の要る者に分け与える。(
4 独創。同じ手口の詐欺を2度はやらない。(混沌
5 友情。物は入っては出ていくが友情は永遠だ。(
6 大望。私はいつかひとかどのものになる。(属性問わず)

1d6 関わり深いもの
1 私は手を出すべきではない相手をだましてしまった。そいつが私や、私の大事な者たちに害を働かぬよう、何か手を打たねばならない。
2 私は何もかもを師匠から学んだ。師匠は恐ろしい人だったが、今ではどこかの牢屋で死にかけていることだろう。
3 私にはよそに子供がいるが、子供は私のことを知らない。私はこの世界をこの子にとって住みよいところにする。
4 私はもとは貴族の出だ。奪われた領地と称号をいつの日か取り返す。
5 私は愛する者を権力者に殺された必ず仇は討つ。
6 私はある人物をだまして破滅させてしまった――そんなしうちをすべきではない人物を。私は心ないしわざをつぐなわねばならないが、つぐない終えたとしても自分を許すことができるかどうか。

1d6 弱み
1 美男/美女に目がない。
2 不浄の金を稼いだ端から退廃的な贅沢に使い果たしてしまうため、いつも借金を抱えている。
3 自分は人を騙すことはあっても騙されることはないと思いこんでいる。
4 欲の皮が突っ張っており、金のためならどんな危ない橋も渡る。
5 自分より力のあるものをだませる機会があれば、必ずそうせずにはいられない。
6 状況が不利になったら保身に走る。認めたくないことだし、そんな自分がイヤでしょうがないのだが。
最終更新:2022年09月06日 15:27