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『ルールズ・コンペンディウム』掲載時に再定義されたルール
 D&D4eはアップデート、些細な数値変更を繰り返していたこともあり、常に最新サプリ、場合によっては『D&D Insider』による確認を要求されてきた。
 ルールに関しては『ルールズ・コンペンディウム』(以下、『RC』)の発表により確認は容易になり、また日本語版公式サイトでも再定義されたルールがエラッタとして確認できるようになっているものの、一部のルールに関しては(『RC』掲載時に再定義されたにもかかわらず)エラッタが出ないまま展開を終了してしまっている。
 本項では、プレイ中の混乱を避けるため、『RC』掲載時に初出のものから再定義があり、かつ日本語版公式サイトでエラッタが掲載されていないルールを掲載している。

技能

技能の使用

難易度

 技能判定を行う場合、結果は高ければ高いほどよい。判定を行う際、クリーチャーは常に、その判定の“難易度”と呼ばれる特定の数値以上の判定結果を出そうと試みることになる。技能判定の難易度は、その技能判定でクリーチャーが何を達成しようとしているかによって決まり、最終的にがDMが決定する。
 通常、クリーチャーが技能判定に成功するか失敗するかは、判定結果が難易度以上であるか、未満であるかで判断される。いくつかの技能判定においては、難易度と判定結果の間の差分によってその判定の成功の度合い、または失敗の度合いが決定される。特記ない限り、技能判定に失敗したクリーチャーは新たな判定に再挑戦できる。
 各技能の項目では、それぞれの技能に対する難易度の例が与えられている。難易度のいくつかは固定値であるが、レベルによって変化するものもある。固定値の難易度は、その作業が冒険者がレベルを上昇させて行くにつれ、より簡単になって行くものであることを表現している。冒険者たちが神話級に達したなら、そうした作業はごくささいなものとなっているだろう。その一方で、難易度がレベルに対応するというのは、その作業が、冒険者のキャリアの中で常に、何がしかの脅威となるものであることを表現している。
 DMは、特定の行為に対して、あらかじめ指示されている通りの難易度を用いてもいいし、以下の『レベルによる難易度』表の難易度を用いてもよい。この表は各レベルでの“簡単”、“標準”、“困難”の3段階の難易度を示したものだ。この表から難易度を導く際には特記ない限り、DMはその判定を行おうとするクリーチャーのレベルを用いること。

レベルによる難易度
レベル    簡単   標準   困難  レベル    簡単   標準   困難  レベル    簡単   標準   困難 
1 8 12 19 11 13 19 27 21 19 26 35
2 9 13 20 12 14 20 28 22 20 27 36
3 9 13 21 13 14 20 29 23 20 27 37
4 10 14 21 14 15 21 29 24 21 28 37
5 10 15 22 15 15 22 30 25 21 29 38
6 11 15 23 16 16 22 31 26 22 29 39
7 11 16 23 17 16 23 31 27 22 30 39
8 12 16 24 18 17 23 32 28 23 30 40
9 12 17 25 19 17 24 33 29 23 31 41
10 13 18 26 20 18 25 34 30 24 32 42

 以下の説明文は、DMが特定の判定に3つのうちいかなる難易度を用いるのがふさわしいかを判断する目安になるだろう。目指すべきはそのアドベンチャーや遭遇において適切な脅威となる難易度を選択することである。
  • 簡単:“簡単”な難易度は、特定の技能を修得していないクリーチャーに対して妥当な脅威となる難易度である。そうしたクリーチャーは、同レベルの“簡単”な難易度の判定に約65%の確率で成功する。“簡単”な難易度はその技能を修得しているクリーチャーにとっては最小の脅威であり、その技能に高いボーナスを得ている者にとっては、ほぼ疑いなく成功できる難易度である。集団判定、あるいはパーティ内のすべての冒険者が試みるような技能判定で、誰もその技能を修得していないかもしれないような場合においては、“簡単”な難易度を選ぶのが基準となる。
  • 標準:“標準”の難易度は、特定の技能を修得しているクリーチャー、およびその技能を修得してはいないものの、対応能力値が高い(18以上)のクリーチャーに対して妥当な脅威となる難易度である。そうしたクリーチャーは、同レベルの“標準”な難易度の判定に約65%の確率で成功する。技能チャレンジにおいて、1体のクリーチャーが行う技能判定の難易度は、“標準”なのが普通である。
  • 困難:“困難”の難易度は、特定の技能を修得しており、かつ対応能力値が高い(18以上)のクリーチャーに対して妥当な脅威となる難易度である。そうしたクリーチャーは、同レベルの“困難”な難易度の判定に約65%の確率で成功する。“困難”な難易度は通常、確実に成功できるのは専門家だけであるような技能判定の難易度である。

知識に関する技能

知識判定

情報がどれだけ一般的かに基づく知識判定の難易度
情報        難易度   
一般的 簡単
専門的 標準
秘奥的 困難

モンスター知識判定でわかることと難易度
情報        難易度   
そのモンスターの起源、種別、キーワード1、そして典型的な気性2 識別するモンスターのレベルでの“標準
そのモンスターのパワー3、抵抗力4、脆弱性 識別するモンスターのレベルでの“困難
1……古蛇卓では“起源、種別、キーワード”として、そのモンスターの種別、および副種別が識別できる。
2……古蛇卓では“典型的な気性”として、そのモンスターのレベル、役割、および一般的な属性が識別できる。
 ただし、特定の個体の属性を見抜くには、モンスター知識判定による識別とは別にそのモンスターのレベルでの“困難”の難易度で〈看破〉判定に成功する必要がある。また、その個体は自身の属性を見抜こうとする試みに対して〈はったり〉による対抗判定を行なうことができる。
3……古蛇卓では“パワー”として、そのモンスターの有するパワー、特徴、特殊感覚、移動速度、技能、および能力値を識別できる。
4……古蛇卓では“抵抗力”として、そのモンスターの有する完全耐性および抵抗を識別できる。

探険と環境

環境とのかかわり

物体への攻撃

 質疑応答物体への攻撃の項も参照のこと。
物体の完全耐性
 特記なき限り、物体は以下のものに対する完全耐性を持つ(注:第4版における“物体の完全耐性”には[死霊]ダメージに対するものも含まれるが古蛇卓においては、[死霊]ダメージは物体にも作用を及ぼすものとする)。
  • [毒]
  • [精神]ダメージ
  • 意志防御値に対する攻撃すべて
  • 精神作用

戦闘

戦闘中のアクション

行動遅延

  • アクション:フリー・アクション。このアクションは自分のターンがこれから始まろうという瞬間にしか行えない。
  • 後のイニシアチブ順まで遅延:そのクリーチャーはより後のイニシアチブ順まで自分のターンを遅らせる。しかし、以下に述べるように、クリーチャーのターンの一部は行動遅延を行った瞬間に処理される。
  • イニシアチブ順への復帰:他の戦闘参加者のいずれかがそのターンを終えた後で、行動遅延していたクリーチャーはイニシアチブ順に復帰して自分のターンを行うことができる。このクリーチャーのイニシアチブは、イニシアチブ順内の新たな位置(注:自分のターンを行った位置)に変更される。戦闘中のアクションに関する質疑応答の項も参照のこと。
  • ターンの開始時:そのクリーチャーの“ターンの開始時”は、そのクリーチャーが自分のターンを行う時点ではなく、行動遅延を行った瞬間に発生する。したがって、ターンを開始することをトリガーとするような効果の発生を行動遅延によって遅らせることはできない。
  • ターンの終了時:そのクリーチャーの“ターンの終了時”は2つの分割される:そのクリーチャーが行動遅延を行った瞬間に発生する部分と、行動遅延したターンが実際に終了した時点に発生する部分である。それぞれのタイミングで別々のことが起きることになる。
    • 行動遅延した時の“ターンの終了時”:クリーチャーが行動遅延を行った時点で、そのクリーチャーが維持していた効果はすべて終了する。さらに、そのクリーチャーのこのターンの終了時まで持続する効果のうち、“このクリーチャーやその味方にとって利益があるもの”はすべて終了する。そういった効果を行動遅延によって長続きさせることはできない。
    • クリーチャーが行動した後の“ターン終了時”:行動遅延していたクリーチャーがイニシアチブ順に復帰して自分のターンを行った後、そのクリーチャーは通常通り自分のターンの終了時にセーヴィング・スローを行う。また、そのクリーチャーのこのターン終了時まで持続する効果のうち、そのクリーチャーに有害なものはこの時点で終了する。たとえば、クリーチャーが次の自分のターンの終了時まで弱体化状態にされていたとする。そのクリーチャーは行動が終わるまで、その弱体化状態は終了しない。
  • 遅延していたターンの喪失:あるクリーチャーが、もう一度自分のイニシアチブが回ってくるまで遅延していたターンを実行しなかったならば(=イニシアチブ順に復帰しなかったならば)、そのクリーチャーは遅延していたターンを喪失し、そのクリーチャーのイニシアチブは元通りの位置にとどまる。

脱出

 つかまれているクリーチャーはつかみからの脱出を試みることができる。その他、クリーチャーを移動できなくする効果の中にも、脱出の試みが可能なものはある

つかみまたは動けなくする効果からの脱出
  • アクション:移動アクション。
  • 〈運動〉か〈軽業〉で判定:そのクリーチャーは1回の〈運動〉判定または〈軽業〉で判定を行う。通常、動けなくするような効果には脱出判定の難易度(注:脱出難易度と省略して記述される)が書かれている。脱出難易度が書かれていない場合、難易度は以下の通り:
    • 〈軽業〉判定:難易度は動けなくしているクリーチャーまたは効果の“反応”である。
    • 〈運動〉判定:難易度は同じく“頑健”である。
  • 複数のものにつかまれている場合:脱出を試みようとするクリーチャーが複数のものからつかまれている場合、そのクリーチャーは最も高いつかみの脱出難易度に対して1回だけ判定を行う。この時、難易度は(つかんでいるものの数-1)*2だけ増加する(最大で8増加)。
  • 成功:脱出の判定に成功すると、そのクリーチャーを移動できなくしていた効果は終了し、そのクリーチャーは1マスのシフトを行える。

つかむ

 あらゆるクリーチャーはつかむというパワーを使用して目標の体をつかみ、その移動を封じることができる。目標の移動を封じることに関してはつかむよりも効果的なパワーを持っているクラスやモンスターも多いが、つかむというパワーにはクラスに関係なく誰でも使えるという利点がある。
(注:通常、パワーの効果に「目標をつかむ」という意味合いのテキストがあった場合、このパワーを使用することではなく、その目標を“つかまれた状態”にすることを意味する)
つかむ 攻撃
[無限回]
標準アクション  近接・接触
必要条件:使用者は片手が空いていなければならない
目標:使用者よりも1段階大きいサイズか、使用者以下のサイズであるクリーチャー1体
攻撃:【筋力】対“反応”
ヒット:使用者は次の自分のターンの終了時まで目標をつかむ。使用者はフリー・アクションでこのつかみを終了させることができる。
維持・マイナー:このつかみは使用者の次のターンの終了時まで持続する。

つかんだ目標を動かす

 目標をつかむのにつかむパワーを使用したかどうかに関係なく、クリーチャーは自分がつかんでいる目標を移動させようと試みることができる
つかんだ目標を移動させる
  •  アクション:標準アクション。
  •  【筋力】判定:このクリーチャーは自分がつかんでいる目標1体の“頑健”に対して【筋力】判定を行う。目標がこのクリーチャーの味方であり、かつ無防備状態であるなら、この判定は自動的に成功する。
  •  成功:このクリーチャーは移動速度の半分までの移動を行いつつ、目標を引き寄せることができる。
     クリーチャーはこの移動によって、自分がつかんでいる目標からの機会攻撃を誘発することはないが、それ以外の機会攻撃は通常どおり誘発する。
最終更新:2023年02月18日 03:10