判定のやり方

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判定のやり方
 本項で紹介しているのは、判定に関するさまざまなハウス・ルールである。技能判定については技能の項も、攻撃ロールについては攻撃の後も参照のこと。

“20”の目と“1”の目OP

 冒険の中で発生する遭遇とはキャラクターたちの能力が試される、成功と失敗が紙一重の状況である。そして、その紙一重を運が左右することも往々にしてあるものだ。
  • ダイスの目が20:冒険者が“難易度のある、何らかの判定”を行った際のd20の目が“20”であった場合(これを“ダイスの目が20”と呼ぶ)、その判定は自動的に成功する。ボーナスもペナルティも関係ない。
  • ダイスの目が1:クリーチャーが“難易度のある、何らかの判定”(攻撃ロールは“難易度のある判定”とみなされる)を行った際のd20の目が“1”であった場合(これを“ダイスの目が1”と呼ぶ)、その判定は自動的に失敗する。ボーナスもペナルティも関係ない。
     これによって判定に失敗した冒険者はインスピレーションを得る。その判定がアクションの一部として行われたものであるのなら、インスピレーションを得るのは“そのアクションが解決された後”となる。

“有利”と“不利”OP

 状況やパワーの効果によって、君の技能判定やセーヴィング・スローや攻撃ロールが“有利”または“不利”になることがある。そうなった時、君はそのロールを行う際に2つ目のd20をロールする。
  • 君が“有利を得ているなら、2つのd20のうち高い方を用いる
  • 君が“不利を得ているなら、2つのd20のうち低い方を用いる
 たとえば、君が“不利”を得ており、d20の目が17と5だったなら、君は5の目を用いることになる。一方君が“有利”を得ており、出た目が前述のとおりであったなら、君は17の目を用いることになる。
 1つのロールに対して複数の状況が“有利”を与えたり“不利”を与えている場合でも、追加でロールするd20は常に1つだけだ。例えば、君に“有利”を与える要因が2つあったとしても、君はd20を(追加で2つ=合計3つではなく)追加で1つ=合計で2つだけロールする。
 1つのロールに“有利”と“不利”の両方が適用される場合、君はそのロールに“有利”も“不利”も得ていないものとみなされる。“不利”をもたらす要因が複数あり、“有利”をもたらす要因が1つしかない場合でも(あるいはその逆の場合でも)、このルールに変わりはない。
 君が“有利”または“不利”を得ているロールにおいて、何らかのゲーム的な効果(たとえばエルヴン・アキュラシィALのパワー)などによってそのd20を再ロールすることになった場合、君は2つのd20のうちどちらか一方だけを再ロールする。たとえば、エルフは“有利”つきの攻撃ロールにおいて1と13の目をロールした場合、エルヴン・アキュラシィALのパワーによって1の目の方を再ロールする、ということができる。
 もし君が1つのロール中に“有利”または“不利”を得たのなら、その時点で2つ目のd20をロールする(あるいは2つ目のd20を取り除く)こと。

ボーナスとペナルティ

習熟ボーナス

 君のキャラクターは武器に対する習熟だけでなく、道具芸能の各分野に対する習熟からもボーナスを得られる。このボーナスは、道具芸能の各分野が関連する技能判定、能力値判定に適用される。
  • 道具芸能の分野に対する習熟:冒険者は、背景などから道具芸能の各分野に対する習熟を得ることができる。
  • 習熟ボーナス:冒険者はある道具芸能の分野に習熟している場合、その道具芸能の分野に関連した技能判定、能力値判定に+1の習熟ボーナスを得る。
     このボーナスはレベル6で+2に、レベル11で+3に、レベル16で+4に、レベル21で+5に、レベル26で+6に増加する。

芸能、製作OP

 このゲームは壮大で英雄的な冒険の世界を舞台としているが、キャンペーン・セッティングの隅から隅までモンスターと悪人に満ち溢れているわけではない。現実世界のように、この世界には一般的な職人、商人、交易商も住んでいる――彼らは道具を作って売り、特別な知識が必要な専門技術を使って生計を立てている。冒険に導かれるまで、英雄の多くは見習いや職人としてつつましい人生を始めていた。冒険中であっても、以前の技術や才能を保ち、その技術や知識を役立たせようとする者さえいるだろう。
 こういった職能のほとんどは道具に対する習熟で表現することができる。一方で、芸能の分野の中でも歌唱や舞踏、朗誦などには必ずしも道具の使用を伴わないし、鍛冶道具を扱う者も、防具武器といった、特定のアイテム類を製作することに長けているのが普通だろう。
芸能 Perform
 音楽、踊り、芝居、物語その他の芸能によって観衆をどれだけ喜ばせられたかを決定する際には、適切な能力値判定を行なうこと。
 芸能は幾つもの分野があり、分野ごとに別個に習熟する必要がある。君が背景などから芸能の分野への習熟を得るたびに、自分が熟達した1種類の分野を表:芸能の分野から選択するか、ロールして決定すること(DMの許可があれば表にない分野を選択してもよい)。
 君がある分野の芸能に習熟しているなら、くだんの分野の芸能によって観衆に感銘を与えるための〈芸能〉判定に習熟ボーナスを得ることができる。
表:芸能の分野
1d8  分野   1d8  分野  
1 芝居 5 手品
2 踊り 6
3 火食い 7
4 道化 8 物語

製作 Craft
 この選択ルールを導入する場合、鍛冶道具に対する習熟は製作するアイテム類ごとに別々の道具習熟となる。一般的な鍛冶道具を扱う分野には、武器(ただし、は含まれない)、防具がある。君は望むなら、さらに細かい分野に関する習熟を得てもよい。

インスピレーションOP

 インスピレーションとは君が自分のキャラクターをその人格的特徴尊ぶもの関わり深いもの弱みに忠実にプレイした時に、それに対して報いるためにダンジョン・マスターが用いることができるルールである。インスピレーションを使うことで、君は“抑圧された人々に対する同情”という“人格的特徴”を上手く使って、乞食の親分との交渉を有利に進めることができる。あるいはインスピレーションが君に“自分の故郷の村を守る”という“関わり深いもの”を思い出させ、君にかかっていた呪文の効果を押しのけさせるということも可能なのだ。

インスピレーションを得る

 DMが君にインスピレーションを与えると決める理由には様々なものが挙げられる。典型例としては、“人格的特徴”に沿ったプレイをしたり、“弱み”や“関わり深いもの”によってもたらされる不利益を受け入れ(それによって有意義かつセッションを進行させ)たり、その他の説得力のある方法で君がキャラクターを上手く描写した際に、DMはインスピレーションを与えてくれる。
(ただし、DMはキャラクター1人の個性ーーすなわち、“人格的特徴”、“尊ぶもの”、“関わり深いもの”、“弱み”ーーそれぞれについて、そのキャラクターが大休憩をとるまで、DMがインスピレーションを与えたものからは、再度DMからのインスピレーションを得れないと判断してもよい)
 最後に、インスピレーションは“ある”か“ない”かのどちらかだ――あとで使うように複数のインスピレーションをためこむことはできない。

インスピレーションを渡す

 他のキャラクターがよいロールプレイをしたり、いい考えを出したり、ゲームを楽しくするような何かをした時に、君は自分の持っているインスピレーションを使ってこれに報いることができる。すなわち、他のプレイヤー・キャラクターが楽しく興味深い方法で物語に多大な貢献をした場合、君はそのキャラクターにインスピレーションを渡すことができる

インスピレーションを使う

 インスピレーションを持っている場合、君はそれを消費することで以下のいずれか1つの効果を得れる。
  • 有利を得る:君は1回の攻撃ロール、技能判定、能力値判定、セーヴィング・スローを行う際に、“有利”を得る。
  • 不利を与える:君に1回の攻撃ロールが行われる際、攻撃者はその攻撃ロールに“不利”を得る。
  • ダメージ・ロールまたは追加ダメージの振り直し:君が1回の“ダメージ・ロール、またはクリティカル・ヒット時の追加ダメージを決定するためのダイスのロール”を行い、その結果が気に入らなかった場合、そのロールを再ロールし、目の高い方を用いる。
  • アクション・ポイントを1点消費する:君は、たとえ既にその遭遇でアクション・ポイントを使用してしまっていても、この効果によってもう1度アクション・ポイントを消費することができる。ただし、君は少なくとも1点のアクション・ポイントを持っていなければならず、同じ利益を得れるのは1ラウンドに1回までである。
最終更新:2023年02月16日 14:55