種族的特徴
蛇の髪を持ち危険と魅惑を等しく備えた人。永遠の呪いに苦しむ者。
- 能力値:+2【魅力】;+2【耐久力】または+2【敏捷力】
- サイズ:中型
- 移動速度:6
- 視覚:暗視10
- 言語:共通語、加えて好きな言語1つ
- 技能ボーナス:+2〈隠密〉、+2〈はったり〉
- 人型怪物:君は怪物だが人型生物に似た姿形をしている。
君は(人型怪物)の副種別を持つとみなされる。
- 石の肌:君はACに外皮による+3鎧ボーナスを得る。この鎧ボーナスはレベル16の時点で+4に、レベル26の時点で+5に増加する。
- [毒]に対する抵抗:君は(5+君のレベルの1/2)に等しい[毒]に対する抵抗を持つ。
- ヒューマンの末裔:君は自分の蛇のような外見を何かで隠している間、ヒューマンのふりをする際の〈はったり〉判定に+5の種族ボーナスを得る。
- 蛇語:君は蛇およびそれと同種のクリーチャーと、普通に話すのと同様に意思疎通することができる。また、君はそのようなクリーチャーに対する〈威圧〉判定、〈交渉〉判定、および〈はったり〉判定に+2ボーナスを得る。
- 蛇の髪:君は、自分の毒蛇の髪によって“噛みつき”による肉体攻撃を行うことができる。ただし、この“噛みつき”のダメージ・ダイスは1d4であり、スネーキィ・ヘアによる攻撃にしか使用できない。
加えて、スネーキィ・ヘアのパワーを有する。
- ペトリファイイング・ゲイズ:同名のパワーを有する。
- 亜種族:多元宇宙にはメドゥサの亜種族が存在する。君のメドゥサが亜種族を持つ場合、以下の選択肢から1つを選ぶこと:ゴルゴン。
メドゥサの亜種族:ゴルゴン
君はメドゥサの中でもラヴニカのゴルゴン、あるいはそれによく似た亜種族の一員である。
- 能力値:君の種族的特徴による能力値は+2【魅力】;+2【敏捷力】または+2【知力】に置き換えられる。
- 爪:君は鋭い“爪”による肉体攻撃を行うことができる。この爪は“妙技”特性を持った軽刀剣類として使用できる。肉体攻撃パワーの項も参照のこと。
種族パワー
攻撃パワー
スネーキィ・ヘア
スネーキィ・ヘア |
蛇の髪 |
メドゥサ/種族/攻撃 |
[無限回]✦[毒]、[武器] 標準アクション 近接・接触 必要条件:このパワーは種族的特徴“蛇の髪”によって得た“噛みつき”を用いて使用しなければならない。 目標:クリーチャー1体 |
攻撃:“【耐久力】、【敏捷力】のいずれか”対AC |
ヒット:1[W]ダメージ。目標は使用者のレベルにおける“標準”の難易度の〈持久力〉判定に成功しなければならず、さもなくは2d6の追加[毒]ダメージを受ける。 レベル11:3d6の追加[毒]ダメージ。 レベル21:2[W]ダメージ。4d6の追加[毒]ダメージ。 |
特殊:このパワーは近接基礎攻撃として使用できるが、突撃の際には使用できない。 |
攻撃パワー
ペトリファイイング・ゲイズ
ペトリファイイング・ゲイズ |
石化の凝視 |
メドゥサ/種族/攻撃 |
[遭遇毎]✦[凝視] 標準アクション 近接範囲・噴射5 目標:噴射内のクリーチャー1体 攻撃:【魅力】対“意志”。使用者は攻撃ロールに+4ボーナスを得る。 レベル11:ボーナスは+6に増加する。 レベル21:ボーナスは+8に増加する。 |
ヒット:目標は拘束状態となる(セーヴ・終了)。この攻撃がクリティカル・ヒットしたなら、目標は即座にこのパワーによるセーヴィング・スローに1回失敗したものとみなされる。 セーヴ失敗・1回目:目標は拘束状態の代わりに石化状態となる(セーヴ・終了)。 セーヴ失敗・3回目:目標はこのパワーによる石化状態を終了させるためのセーヴィング・スローを行えなくなる。 |
選択可能になるパワー
メドゥサのキャラクターは、1レベルより後にクラス・パワーを得られるか、“すでに得ているクラスの遭遇毎攻撃パワーの使用回数を追加する”クラス特徴を得られる場合、“そのパワーを得ない”または“その特徴を取らない”ことにしてもよい。そうしたなら、代わりに同一レベル以下のメドゥサのパワーを得ることができる。
レベル3
遭遇毎攻撃パワー
クイック・スネーキィ・ヘア |
素早き蛇の髪 |
メドゥサ/攻撃/3 |
[遭遇毎] マイナー・アクション 使用者 前提条件:種族的特徴“蛇の髪”を有していなければならない。 |
効果:使用者はスネーキィ・ヘアを使用する。 |
特殊:使用者は突撃を行った後も、このパワーを使用するためのアクションを行える。 |
メドゥサの身体的特徴
メドゥサは美しいヒューマンの女性に似ている。しかし、その髪は無数の毒蛇であり、その肌は石に似て、堅く冷たい。知られている限り全てのメドゥサは女性である。メドゥサは30フィート以上離れたら、自分の怪物的な外見を何かで隠せば簡単に美しいヒューマンの女性で通る。頭と顔を布で隠している場合はもっと近い距離でもヒューマンと思わせることができる。
メドゥサは永遠の命を持つ。その肉体は若く美しいままで、殺されない限り永遠に生き続ける。しかし、彼女たちは子どもを作れない。メドゥサは永遠に独りで生き続けなければならないのだ。
ラヴニカと呼ばれる世界におけるメドゥサによく似た種族である
ゴルゴンは、他の世界のメドゥサよりも怪物的でない。彼女たちの髪は文字通りの蛇ではなく、黒く曲がりくねった管のようである。また、その手には鋭い爪がある。ラヴニカの
ゴルゴンは永遠の命を持たないが、ヒューマンと同じくらいの年齢で成人に達するものの、成人した後は年齢による変化がほとんど見られなくなる。
ゴルゴンは500歳ほどまで生きる。
メドゥサに関する知識
〈魔法学〉難易度30:メドゥサの血液は
石化したクリーチャーを元に戻すことができる。そのためには、1回の標準アクションとして、
石化したクリーチャーの唇や口にメドゥサの血を数滴垂らし、“
石化状態をもたらした効果の発生源のレベル”での“
標準”の難易度の〈治療〉判定に成功する必要がある。この血液は、過去24時間以内に殺されたメドゥサの血液でなければならない。
メドゥサの態度と哲学
メドゥサは自分自身を隠蔽するのが常である。一部のものは自らの湿地にある住処のアクセントとして、石化した死体を使って複雑な飾り付けをすることを楽しむが、ほとんどの者は新しい敵に自分たちの存在を知らせてあらかじめ警戒をさせないように、以前の戦いの痕跡を注意深く隠す。
メドゥサは“自分たちの石化の凝視に完全耐性のある、視力のない”クリーチャーや知性のあるアンデッドとよく同盟を結んでいる。また、ユアンティと協働し、彼らを高く評価している。
また、従者や兵士、盗人や密偵、暗殺者として使役するため、人型生物を集め、悦に入ることもある。メドゥサが敵を石に変えるには充分に近づいて視線を合わせなければならないが、しかし、人型生物を従わせ続けるには、大抵の場合、石にしてやるぞと脅しつければ充分である。
戦闘におけるメドゥサは石化の凝視を使えるようになるまで敵に接近するために嘘と変装を使って顔を隠すが、彼女たちは獲物で遊ぶことも好きで、敵を罠に誘い込むため遠くから矢を射るかもしれない。
稀に、メドゥサは男性の人型生物を夫にすることを決めることがあり、通常は魔法のアイテムや儀式など様々な手段を講じ、彼女が心囚われた男を石に変えてしまわないよう常に注意を払う。少なくともメドゥサが彼との付き合いに飽きるまでは。
メドゥサの恐るべき凝視はメドゥサ自身にも影響を及ぼしうる。鏡などに写った自分の姿を見てしまったが最後、定命の生者たちと同様に、メドゥサ自身も石に変わる。それゆえ、メドゥサは自分の住居にある鏡および反射面を持つ物体をすべて破壊するか捨て去る。
メドゥサの歴史
永遠に若く美しくありたい、皆の憧れであり続けたいと願う女が、悪の神に祈ったり、ドラゴンに太古の魔法を請うたり、強大なる大魔道士を探し出したりして、なんとか願いを叶えてもらおうとする。またある者は
アーチデヴィルや
デーモン・ロードに生贄を捧げ、この願いが叶うなら他のすべてを差し出すと約束してしまう――その願いに伴う呪いのことには気づかぬままに。
このような契約を交わしたものは若く美しい肉体と永遠の命を獲得し、見る者すべてに称賛され求愛されるようになる。そして、望むなら思うがままの影響力と権力を行使できる。だが、定命の者たちの間で神のごとく崇められる歳月が続いた後、虚栄と傲慢の代価を強制的に取り立てられる時が訪れる。呪いによって髪は無数の毒蛇に変わる。彼女を見た者はみな石になり、その堕落を象徴する石像へと変わる。そして、その時になって彼女は自身が子どもを作れないことに気づく。永遠の命を願った彼女は、それに伴う呪いによって永遠に独りで生きることを運命づけられているのだ。そうして誕生したメドゥサは今なお己の虚栄心のせいで受けた永遠の呪いに苦しんでいる。
一方、ラヴニカと呼ばれる世界では、他の世界のメドゥサよりも怪物的でない、一般的に
ゴルゴンと呼ばれるよく似た種族が存在する。
メドゥサの社会
前述のとおり、彼女たちは自分自身を隠蔽するのが常である。それは都市であっても荒野であっても変わらない。メドゥサは単体か小規模のグループでの生活を好む。しかし、一方で富貴を好み、そしてもっと重要なこととして他の人型生物の社会に対して権力を振るい、思うままにする渇望を抱いているメドゥサたちもいる。最も悪名高く伝説的なメドゥサは、魅力的で知的な都市のメドゥサであり、盗賊ギルドやその他の犯罪界の裏の面をまとめている。メドゥサの一家が王族として恐れおののく人々を統治していることもある。
メドゥサの冒険者
都市に住むメドゥサは通常はローグであるが、荒野ではしばしばレンジャーや追跡者として過ごしている。
呪文を使う才能を活かすメドゥサもいる。高い魅力を持つメドゥサは、しばしば盗賊ギルドやその他の犯罪界の裏の面をまとめている。
メドゥサの名前
メドゥサは自分が生まれ育った(主にヒューマンの)文化圏の名前を持つのが普通である。
(現実世界のメドゥーサの伝説の起源を考えると、例えば『ザナザーの百科全書』P185掲載の「古代ギリシャ風、女性名」の名前も適切でしょう)
メドゥサの身長・体重ランダム決定表
基本身長 |
身長修正値* |
基本体重 |
体重修正値** |
4フィート10インチ |
+2d8インチ |
180ポンド |
×(2d10)ポンド |
*身長=基本身長+身長修正値。1フィートは12インチである。
**体重=基本体重+(身長修正値×体重修正値)
特技
英雄級特技
か行
《器用な髪》 Clever Hair
- 前提条件:メドゥサ、種族的特徴“ゴルゴン”
- 利益:1ラウンドに1回、君はフリー・アクションとして、自分の髪を使って重さ1ポンド以下の物体1つを取り出すか、しまうことができる。または、自分の接敵面ないし隣接するマスにあるそのような物体1つを持ち上げたり、操作したりすることができる。
君の髪は同時に“【敏捷力】または【知力】”修正値の1/2に等しい数(最低1)まで物体を持ったり、操作したりすることができる。
ただし、君の髪またはそれが持った物体によって[武器]攻撃を行うことはできない。
な行
《肉体攻撃強化》 Improved Natural Attack
- 前提条件:いずれかの(素手を除く)肉体攻撃への習熟
- 利益:君が習熟している(素手を除く)肉体攻撃から1種類を選ぶ。《肉体攻撃強化:噛みつき》などのように記述すること。選択した肉体攻撃は、あたかも君のサイズが1段階大きくなったかのように、武器ダメージ・ダイスが大きくなる。
さらに、その肉体攻撃は《強打AL》および《強力突撃AL》に関してのみ、両手武器とみなされる。
加えて、レベル2の時点で君はその肉体攻撃を用いた[武器]攻撃の攻撃ロールとダメージ・ロールに+1強化ボーナスを得る。加えて、その攻撃がクリティカル・ヒットした際には強化ボーナスのプラスの数値ごとに1d6の追加ダメージを与える。このボーナスはレベル6の時点で+2に、レベル11の時点で+3に、レベル16の時点で+4に、レベル21の時点で+5に、レベル26の時点で+6に増加する。
- 特殊:君はこの特技を複数回修得することができる。この特技を修得するたびに自分が習熟している別の肉体攻撃(素手を除く)を選択すること。
《肉体攻撃練達》 Natural Attack Experties
- 前提条件:いずれかの(素手を除く)肉体攻撃への習熟
- 利益:君は自分が習熟している(素手を除く)肉体攻撃を用いた[武器]攻撃の攻撃ロールに+1の特技ボーナスを得る。さらに、自分が習熟している(素手を除く)肉体攻撃を用いた[武器]攻撃のダメージ・ロールに+1ボーナスを得る。
どちらのボーナスもレベル11で+2に、レベル21で+3に増加する。
伝説級特技
冒険者が遭遇するメドゥサの多くは伝説級の脅威である。伝説に謳われる彼女たちの能力には次のものが挙げられる。
か行
《凝視高速化》 Quicken Gaze
《凝視の達人》 Master of Gaze
さ行
《石化への完全耐性》 Immune petrification
- 前提条件:11レベル、メドゥサ
- 利益:君は自分のパワー以外による石化状態に対する完全耐性を得る。
は行
《ペトリファイイング・ゲイズ範囲拡大》 Enlarged Petrifying Gaze
- 前提条件:11レベル、メドゥサ、種族的特徴“ペトリファイイング・ゲイズ”
- 利益:自分のターンにペトリファイイング・ゲイズのパワーを使用する際、君はその目標を“噴射内のクリーチャー1体”ではなく、“噴射内のクリーチャーすべて”にすることができる。
ただし、そうしたなら噴射内に君自身の姿が映る鏡のように磨かれた表面があり、かつその場所の明るさが“明るい”なら君自身もこのパワーの目標となってしまう。
《蛇の髪による全周囲視覚》 Serpent Hair's All-Around Vision
- 前提条件:11レベル、メドゥサ、種族的特徴“蛇の髪”
- 利益:敵は君を挟撃しても戦術的優位を得られない。また、君は視認に関する〈知覚〉判定に+4の種族ボーナスを得る。
さらに、君は近接パワーまたは遠隔パワーによって盲目状態になっている間も“通常どおりにものを見ることができている”とみなされる(ただし、あらゆるクリーチャーは依然として君の[凝視]攻撃に対する完全耐性を得る)。
ら行