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戦闘遭遇のデザイン法
 本項で紹介されているのはダンジョン・マスター向けのハウス・ルールのうち、戦闘遭遇のデザインに関するものである。

遭遇と消耗

長い戦闘

限界突破

 英雄は非常に厳しい遭遇のさなかにあって、その限界を超えることができる者もある。あるいは、これこそが英雄(つまり、PC)を普通の人々から抜きんでた存在たらしめる分水嶺とも言える。
 これを表現するため、DMは長い遭遇を作る際、その戦闘に明確な達成目標や転換点を設け、PCたちが戦闘の途中でそれらに到達するごとに戦力を回復する機会を与えることができる。達成目標の例として、以下のようなものが挙げられる。
  •  敵軍を象徴するような特定のモンスターを倒す。敵1グループごとにそういったモンスターが1体含まれることにしても良いし、長い戦闘の序盤で1体だけ登場させてもよい。
  •  戦闘が始まってから一定ラウンドが経過する(それによってPCたちに加勢すべく援軍が到着し、PCたちは意気軒昂となる)。
  •  PCたちは血路を開いて太古の祭壇まで辿り着き、戦闘中に短い技能チャレンジをこなすことで神格の祝福を授かる。
  •  PCたちが敵部隊の半分、1/3、その他前もって決めておいた一定の割合を討ち果たす。
     あるいは、(レベルがPCの平均レベルを5以上上回るような単独モンスターといった)極めて強力なモンスターを[形態変化]させたり、そのhpが一定の割合以下になることをトリガーとする“妨害不可”のパワーをトリガーさせる
  •  PCたちは戦場において格段に防御に適した場所を確保し、一息入れる機会を得る。

 DMがその戦闘において設定した条件をPCたちが満たしたなら、“PCたちは限界突破を果たし”、以下の利益の中から各自が1つを選択して得ることができる。
  • 遭遇毎パワーの回復:使用済み注1の遭遇毎パワーを1つ選び、その使用回数を1回ぶん回復する。
  • 回復力の消費:底力の使用回数を回復するか(この底力は自分のターンに1回のフリー・アクションとして使用できる)、または(気絶状態であろうとも)回復力を1回ぶん消費することができる。
  • マイルストーンへの到達:即座に1回のマイルストーンに到達する。
     これによって獲得したアクション・ポイントは、すでにその遭遇においてアクション・ポイントを消費していても、その遭遇に限ってもう1度だけ消費することができる。また、このアクション・ポイントを消費することで“追加のアクションを得る代わりに、即座にセーヴィング・スローを1回行なう”こともできる。
  • 一日毎パワーの回復:使用済み注1の一日毎パワーを1つ選び、その使用回数を1回ぶん回復する。この利益は、DMが“戦闘の真っ最中に顕著な功績を達成した”と判断した時のみに選択できる。
注1……パワーが使用済みになるのは“それが解決された後”であるため、あるパワーの解決中に限界突破が発生した場合、そのパワーの使用回数を回復することはできない。
最終更新:2023年02月28日 19:35