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ハーフドラゴン

 ドラゴンが姿を変えた形態のまま他のクリーチャーとつがいになると、この結びつきからハーフドラゴンの子どもが生まれることがある。また、狂えるウィザードの呪文や、竜の血に湯浴みする儀式によって、クリーチャーがハーフドラゴンに変化を遂げることもある。いずれの場合にも、結果として生まれるのは、竜の性質と本来の形態の性質を組み合わせたクリーチャーである。彼らの姿形は竜でない片親(あるいは本来の形態)と似ているが、しばし、鱗や尻尾、爬虫類のような瞳、牙のように発達した歯や鋭い爪を備えている。中には翼を持つ者さえいる。
 本項のルールは、自分たちのキャンペーンにおいてハーフドラゴンのキャラクターを導入したいPLとGMのためのものである。このルールにおいて、ハーフドラゴンは独立した種族ではなく血統として扱われる。血統特技の項も参照のこと。

追加ルール

追加血統:ハーフドラゴン

男は百段目で足を止め、将の言葉を待ち受ける戦士たちに向きなおった。彼は丈高く力強く、ホブゴブリンの長の1人であった。けれど、その肩には鈍い青色をした鱗がきらめき、頭からは後方に三本の角が伸びていた。

英雄級血統特技

 ハーフドラゴンであるということは、すなわち《ドラゴンの血》特技を修得したということだ。
た行
《ドラゴンの血》[ドラゴンの血統] Draconic Heritage
  • 前提条件:(生ける人造)でない、生きているクリーチャー
  • 利益:君はハーフドラゴンである。『片親の竜』表で1種類の竜種を選択すること。君の片親のは選択した竜種となる。DMの許可があれば表にない竜種を選択してもよい。この選択は、君の生涯を通じて2度と変更できない。
     君は以下の種族的特徴を得る。加えて、ハーフドラゴンの追加可能な種族的特徴も選択できるようになる。
    • 竜の特性:君の種別ドラゴンになり、もし(竜の血)の副種別を有していたなら、それは失われる(他の副種別は変更されない)。君のもともとの種別人型生物であるか、種族的特徴によって“人型生物と同じように装備品を装備したり使用したりできる”なら、君は依然として人型生物と同じように装備品を装備したり使用したりできる。レイズ・デッド儀式は、君をあたかも人型生物であるかのように生き返らせることができる。
       また、夜目と暗視10を得る。
       さらに、他の前提条件を満たしている限り、(竜の血)の副種別を前提条件とする特技を修得することができる。
    • ドラゴン譲りの抵抗力:君は“片親の竜に対応した種別のダメージに対する抵抗5”を得る。この抵抗はレベル11の時点で10に、レベル21の時点で15に増加する。
    • ドラゴン譲りのブレス:君はドラゴン・ブレスALを種族パワーとして得る。このパワーのダメージ種別、効果範囲および目標は、祖先の竜の代わりに片親の竜によって決定される。
       君がすでに別の利益から同名のパワーを得ている場合、それぞれのパワーの使用回数は別々に数えること。
片親の竜
竜種 ダメージ種別 効果範囲 目標
カッパー [酸] 噴射31 噴射内のクリーチャーすべて2
グリーン [毒] 噴射3 噴射内のクリーチャーすべて
ゴールド [火] 噴射3 噴射内のクリーチャーすべて
シルヴァー [冷気] 噴射3 噴射内のクリーチャーすべて
ブラス [火] 噴射31 噴射内のクリーチャーすべて2
ブラック [酸] 噴射31 噴射内のクリーチャーすべて2
ブルー [電撃] 噴射31 噴射内のクリーチャーすべて2
ブロンズ [電撃] 噴射31 噴射内のクリーチャーすべて2
ホワイト [冷気] 噴射3 噴射内のクリーチャーすべて
レッド [火] 噴射3 噴射内のクリーチャーすべて
1……直線状OP選択ルールを採用しているなら直線状6となる。
2……直線状OP選択ルールを採用しているなら直線内のクリーチャーすべてとなる。

ハーフドラゴンの追加可能な種族的特徴

  • 能力値:この特徴は君の種族の“能力値”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
    • 利益:+2【筋力】;+2【耐久力】または+2【魅力】
  • ハーフドラゴンの鱗:君の肌は片親の竜のそれによく似た強靭な鱗に覆われている。
    • 利益:君はACに外皮による+3鎧ボーナスを得る。この鎧ボーナスはレベル16の時点で+4に、レベル26の時点で+5に増加する。また、この特徴は“ドラゴン譲りの鱗”であるともみなされる。
       ただし、君の素肌を見れば竜の血を引いていることは明らかだ。君がこの外見的特徴を隠していない場合、鱗を持たない種族であるかのように振る舞うための〈はったり〉判定に自動的に失敗する。また、[変身]パワーや[幻]パワーから利益を得ずに変装をするために〈はったり〉判定を行う際、DMは「外見的特徴の存在が邪魔になる」と判断したなら-2から-10のペナルティを課すことができる。
  • ハーフドラゴンの尻尾:君は片親の竜のそれによく似た長さ4~5フィート(120~15cm)の、強靭な筋力を持った尻尾を有している。ただし、この尻尾で物をつかんだりすることはできない。
    • 利益:君はによる肉体攻撃を行うことができる。
       ただし、この尻尾を隠すことは難しい。君が[変身]パワーや[幻]パワーから利益を得ずに変装のための〈はったり〉判定を行う際、DMは「尻尾の存在が邪魔になる」と判断したなら-2から-10のペナルティを課すことができる。
  • ハーフドラゴンの噛みつき:君の頭部は片親の竜のそれによく似ている。
    • 利益:君は噛みつきによる肉体攻撃を行うことができる。
       ただし、君の素顔を見れば竜の血を引いていることは明らかだ。君がこの外見的特徴を隠していない場合、鱗を持たない種族であるかのように振る舞うための〈はったり〉判定に自動的に失敗する。また、[変身]パワーや[幻]パワーから利益を得ずに変装をするために〈はったり〉判定を行う際、DMは「外見的特徴の存在が邪魔になる」と判断したなら-2から-10のペナルティを課すことができる。
  • ハーフドラゴンの翼:君は肩甲骨の部分から片親の竜のそれによく似た翼を生やしている。この翼で実際に飛行することはできないが、君が落下した時は助けとなる。
    • 利益:君は〈軽業〉が“修得済み”でなくても落下ダメージの軽減を試みることができ、その〈軽業〉判定を〈運動〉判定で代用できる。
       ただし、この翼を隠すことは難しい。君が[変身]パワーや[幻]パワーから利益を得ずに変装のための〈はったり〉判定を行う際、DMは「翼の存在が邪魔になる」と判断したなら-2から-10のペナルティを課すことができる。
  • ドラコニック・バーストハーフドラゴンの中には、見た目には竜の血を引かない同族あるいはハーフドラゴンになる前の形態とほとんど姿が変わらない者もいる。そのような者の一部はドラゴン譲りのブレス能力を有さず、代わりにその身に宿る竜の力を瞬時的に放出し爆発的に能力を向上させる能力を持つ。
     この特徴は“ドラゴン譲りのブレス”の種族的特徴と入れ替えで獲得し、“ハーフドラゴンの鱗”および“ハーフドラゴンの噛みつき”を獲得できなくなる。
    • 利益:同名のパワーを有する。
ドラコニック・バースト
Draconic Burst/竜力放出 ハーフドラゴン/種族/攻撃
[遭遇毎][元素];[さまざま]
マイナー・アクション  近接範囲・噴射3
効果:使用者は噴射の範囲に隣接するマスまで飛行する。この移動は機会攻撃を誘発しないが、1マス移動するごとにくだんのマスに近づかねばならない。
 このターンの終了時まで、使用者の行う近接[武器]攻撃および近接範囲[武器]攻撃は、ヒットした目標に(1d6+【耐久力】修正値)の片親の竜に対応した種別のダメージを与える。
 レベル11:(2d6+【耐久力】修正値)の片親の竜に対応した種別のダメージ。
 レベル21:(3d6+【耐久力】修正値)の片親の竜に対応した種別のダメージ。
特殊:このパワーはドラゴン・ブレスとしても扱われる。

身体的特徴

 君の身体には、竜の特徴が現れている。君は見た目には竜の血を引かない同族あるいはハーフドラゴンになる前の形態と変わらず、ただ眼、角、鱗などごく一部に竜の特徴が現れているだけかもしれないし、四肢や頭、上半身や下半身など、外見に竜の特徴が大きく現れているかもしれない。
 ハーフドラゴンは子供を作れない。子供を作りたい者は、ほとんどの場合、魔法の力に頼らねばならない。代わりにハーフドラゴンの寿命は長い。典型的なハーフドラゴンの寿命は、竜の血を引かぬ同族の2倍であり、たとえばハーフドラゴン・ヒューマンは150年以上も生きる。

ハーフドラゴンをプレイする

 ハーフドラゴンはしばし自分が血を引く竜の性格を受け継ぐ。たとえばハーフゴールド・ドラゴンはしばしば内気で無口で、ハーフカッパー・ドラゴンはいたずら者で遊び好き。ハーフグリーン・ドラゴンは嘘つきで、ハーフホワイト・ドラゴンは頭のにぶい暴れん坊、といった具合。こういった性格はハーフドラゴンのもう一方の血筋によって緩和される。
 しかし、欲深でおごりたかぶり誇大妄想を抱きがちというのは、善属性のハーフドラゴンもしばしば備える性質である。

追加特技

英雄級特技

 本項の特技は前提条件さえ満たしていれば、どのレベルのハーフドラゴン・キャラクターでも修得できる。
た行
《ドラゴンの尾》[ドラゴンの血統] Dragon Tail

《ドラゴンの翼》[ドラゴンの血統] Dragon Wing
  • 前提条件:ドラゴンの血》特技、種族的特徴“ハーフドラゴンの翼
  • 利益:君は跳躍の助けとなる翼を持ち、跳躍のための〈運動〉判定に+10の種族ボーナスを得る。また、その判定結果に等しいマスだけ垂直方向にも跳ぶこともできる。
     さらに、君が落下した際、ダメージを計算するための落下距離を10フィート減少させることができる。
     通常荷重を超えて運搬している際、君はこれらの利益を得ることはできない。

ら行
《竜尾の打撃》[ドラゴンの血統] Tail Slap
  • 前提条件:ドラゴンの尾》特技
  • 利益:君は自分が修得している、レベル1以上のクラスの遭遇毎攻撃パワー1つを、テイル・スラップと入れ替えることができる。
テイル・スラップ
竜尾の打撃 特技/攻撃
[遭遇毎][武器]
即応・対応  近接・武器
トリガー:敵1体が使用者のの間合い内にあるいずれかのマスに入る
目標:トリガーを発生させた敵
攻撃:“【筋力】または【敏捷力】”対AC(
ヒット:(1[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ。目標は倒れて伏せ状態になる。
 レベル13交換:(2[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ。
 レベル23交換:(3[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ。
特殊:使用者がレイジ・ドレイクの野獣形態に変身している間、このパワーは[原始]かつ[野獣形態]の攻撃パワーとして使用でき、かつ攻撃ロールとダメージ・ロールにおいて本来の能力値の代わりに【判断力】を用いることができる。

伝説級特技

 本項の特技はすべて、前提条件を満たしたレベル11以上のハーフドラゴン・キャラクターのみが修得できる。
た行
《ドラゴンの翼強化》[ドラゴンの血統] Improved Dragon Wing
  • 前提条件:レベル11、《ドラゴンの翼》特技
  • 利益:君は(自分の地上移動速度+2)に等しい飛行移動速度を得る。君は通常荷重を超えて運搬している際、この移動速度を使用することはできない。
最終更新:2022年12月24日 09:16