エルフ
本項のルールはエルフに関連するハウス・ルールである。
種族的特徴AL
代替種族版のエルフのキャラクターは以下の特徴を持つ。この
代替ルールを使用する場合、その一部だけを使用することはできない。
- サイズ:中型
- 移動速度:6マス
- 視覚:夜目
- 言語:共通語、エルフ語
- トランス:エルフは睡眠を必要としない。
君は睡眠をとる代わりに、トランスと呼ばれる瞑想状態に入ることができる。1日に4時間のトランスを行うことにより、君は他の種族が6時間の睡眠で得るのと同一の利益を得られる。トランスの間、君は周囲の状況に普段どおり注意を払っており、近づく敵やその他のできごとには通常どおり気がつく。
- フェイの血筋:君は[魅了]効果に対するセーヴィング・スローに+5種族ボーナスを得る。また、[催眠]効果に対する完全耐性を得る。
- 亜種族:エルフは太古の分裂によって3つの主要な亜種族に分かれた。すなわちウッド・エルフAL(森のエルフ)、ハイ・エルフ(上のエルフ)、ダーク・エルフ(闇のエルフ。一般にドラウALと呼ばれる)である。また、これらに加えて、水中に住むシー・エルフ、妖精界フェイワイルドを故郷の次元とするほど順応したエラドリンと呼ばれる者たちもいる。これらの亜種族のうち1種類を選ぶこと。
一部の世界では、これらの亜種族の中にさらに細かな分類がある(フォーゴトン・レルムにおけるハイ・エルフである、サン・エルフやムーン・エルフなどが好例である)。それゆえ、君は望むなら、(各亜種族の、追加可能な種族的特徴として)もっと細かな亜種族を選択することもできる。
- 能力値:冒険者は同じ種族の“普通の人々”から抜きんでた存在だが、君は同じ種族の“典型的な冒険者”と比べても非凡な存在である。
- 利益:君の種族(または亜種族)の種族的特徴による“能力値”は以下に置き換えられる:好きな能力値1つに+2
- 暗視:珍しいことではあるが、夜目ではなく暗視を備えて生まれるエルフもいる。多くの場合、これはそのエルフの祖先の中に居るドラウの名残であると受け止められ、そのエルフが生まれた共同体における迫害へとつながり得る。
- 利益:君の種族的特徴による“視覚”は以下に置き換えられる:暗視10
エルフの亜種族:ウッド・エルフAL
ウッド・エルフである君は、鋭敏な五感と直感を備えており、慣れ親しんだ森の中、足取り軽く速やかに音もなく動く。
エベロンの
ターナダル、グレイホークの
ワイルド・エルフ(
グルガック)、ドラゴンランスの
カガネスティ、それにグレイホークやフォーゴトン・レルムで
ウッド・エルフと呼ばれている者たちがこの亜種族に属する。
また、フェイルーンのウッド・エルフは2つの文化グループに分かれている。どちらも森に住んでいるが、数の多い
カッパー・エルフ(赤銅エルフ)とも呼ばれるウッド・エルフは親しみやすく、他の種族と日常的に交易しているし、付き合ってすらいる。一方、
グリーン・エルフ(緑エルフ)とも呼ばれる
ワイルド・エルフ(野生エルフ)は人里を離れて隠れ住み、エルフ以外の者に疑いの目を向けている。
ウッド・エルフALの種族的特徴
- 能力値:+2【敏捷力】;+2【知力】または+2【判断力】
- 技能ボーナス:+2〈自然〉、+2〈知覚〉
- ウッド・エルフ武器習熟AL:ロングソード、ショート・ソード、ショートボウ、ロングボウに習熟している。
- 集団警戒:君から5マス以内にいる、ウッド・エルフでない味方全員の〈知覚〉判定に+1種族ボーナスを与える。
- 俊足:歩行移動速度が7マスに増加する。
- 荒地渡り:シフトを行う際、移動困難な地形を無視する。
- エルフの正確さ:ボーナス特技として《エルフの正確さ》を得る。前提条件を満たしている必要はない。
ウッド・エルフALのもっと細かな亜種族:カッパー・エルフ
君はウッド・エルフの中でもフォーゴトン・レルムにおけるウッド・エルフ(カッパー・エルフ)、あるいはそれに類する亜種族に属している。
- 敵意感知AL:この特徴はウッド・エルフALの“エルフの正確さ”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
- 利益:1日1回、イニシアチブをロールする際、君は〈知覚〉判定を行ない、その結果を君のイニシアチブ判定の結果とすることができる。そうする場合、君から10マス以内にいる味方のうち、君よりイニシアチブの低い者は全員、イニシアチブに+2種族ボーナスを得る。
- とっさの隠れ身AL:この特徴は“集団警戒”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
- 利益:君がイニシアチブをロールする時点で何らかの遮蔽または視認困難を得ているなら、君は隠れるための〈隠密〉判定を同時に行うことができる。
ウッド・エルフALのもっと細かな亜種族:ワイルド・エルフAL
君はウッド・エルフの中でもフォーゴトン・レルムにおけるワイルド・エルフ(野生エルフ)、あるいはそれに類する亜種族に属している。
- 捉えがたき歩みAL:この特徴はウッド・エルフALの“エルフの正確さ”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
- 利益:1遭遇に1回、君は移動アクションとして自分の移動速度に等しいマスまでのシフトを行うことができる。
- ワイルド・エルフ武器訓練AL:この特徴は“集団警戒”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
エルフの亜種族:エラドリンAL ※この亜種族は一般的でない種族とみなされる
エラドリンである君は、美と、変化の激しい感情と、野放図な魔法の世界フェイワイルド現住のエルフだ。君は四季の1つに結びついており、その季節を思わせる色合いを帯びているだけでなく、感情にも季節の影響を受けることがある。
エラドリンALの種族的特徴
- 能力値:+2【魅力】;+2【敏捷力】または+2【知力】
- 技能ボーナス:+2〈魔法学〉、+2〈歴史〉
- エラドリンの季節: 秋、冬、春、夏から君の結びついている季節を1つ選ぶこと。この選択は君の人格的特徴の1つと弱みに影響する。君は『表:エラドリンの“いかにもその季節らしい”性格設定』でロールしてランダムに決めてもよいし、表の内容を元に自分で考えても構わない。
君は大休憩の終了時に自分の季節を変えることができる。その際、君の人格的特徴の1つと弱みも変更後の季節に応じたものに変更される。
- エラドリン武器習熟AL:ロングソード、ショート・ソード、ショートボウ、ロングボウに習熟している。
- プライマル・エルフの血:他の前提条件を満たしている限り、君はエラドリン専用の特技に加えてハイ・エルフを前提条件とする特技を修得することができる。
- 森語:君は追加の言語として森語の会話と読み書きができる。
- フェイ・ステップAL:君はボーナス特技として《フェイの一跳び》を得る。前提条件を満たしている必要はない。
加えて、君のフェイ・ステップは君の現在の季節に応じた追加の効果を得る:秋、冬、春、夏。- 秋:フェイ・ステップの通常の効果解決後、以下の攻撃を行う。
- 攻撃([秘術]、[魅了])
- 近接範囲・爆発2
目標:爆発内の、使用者を見ることができるクリーチャー1体、または2体
2次攻撃:“【知力】または【魅力】”対“意志”。使用者は攻撃ロールに+2ボーナスを得る。
11レベル:ボーナスは+4に増加する。
21レベル:ボーナスは+6に増加する。
ヒット:目標は使用者に魅了された状態になる(セーヴ・終了)。この魅了された状態は、使用者または使用者の味方が目標にダメージを与えた場合にも終了する。
- 冬:フェイ・ステップによる瞬間移動を行う前に以下の攻撃を行う。
- 攻撃([恐怖]、[秘術])
- 近接範囲・爆発1
目標:爆発内の、使用者を見ることができるクリーチャー1体
攻撃:“【知力】または【魅力】”対“意志”。使用者は攻撃ロールに+2ボーナスを得る
11レベル:ボーナスは+4に増加する。
21レベル:ボーナスは+6に増加する。
ヒット:目標は使用者の次のターンの終了時まで、使用者に対する恐怖状態になる。
- 春:フェイ・ステップを使用する際、君の代わりに、“隣接し、同意しているクリーチャー”1体を、同じ距離だけ瞬間移動させることができる。
- 夏:フェイ・ステップの通常の効果解決後、以下の攻撃を行う。
- 攻撃([火]、[秘術])
- 近接範囲・爆発1
目標:爆発内のクリーチャーすべて
効果:目標は君の【魅力】修正値に等しい値(最低1)の[火]ダメージを受ける。
11レベル:(3+【魅力】修正値)の[火]ダメージ。
21レベル:(5+【魅力】修正値)の[火]ダメージ。
- フェイワイルドの申し子:君はフェイワイルドを故郷の次元とするほど順応している。
この特徴は“フェイの血筋”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
表:エラドリンの“いかにもその季節らしい”性格設定
エラドリンはその独特の魔法に満ちた性質ゆえに、気分が変わるのにあわせて姿形も変わる。
秋は夏の実りを皆で分かち合う平和と善意の季節だ。
冬はこの世界にみなぎるエネルギーが眠りにつく沈思と悲嘆の季節だ。
春は冬の悲しみが過ぎ去ったことを喜び祝う陽気な祭典の季節だ。
夏は制御不能なエネルギーの時、大胆さと攻撃性の季節だ。
エラドリンの中には一生を通じて1つの季節との結びつきを保つ者もいれば、別の季節と結びついて変化し新たな季節の特徴を得る者もいる。エラドリンが自分の季節を変える時、この世界の現在の季節に変わることもあれば、その時点の自分の感情に最も近い季節に変わることもある。たとえば、安らぎに満たされたエラドリンは秋に変わる。喜びに満ち溢れたエラドリンは春に変わる。怒りに身を焼くエラドリンは夏に変わる。
以下の表はエラドリンの“いかにもその季節らしい”性格設定を示している:
秋、
冬、
春、
夏。
1d4 |
秋のエラドリンの人格的特徴 |
1 |
困っている人がいれば助けずにいられない。 |
2 |
自分のことは考慮せず、持てるものはみな他人と分かち合う。 |
3 |
質素な食事などというものはない。すべての食事は充分なごちそうだ。 |
4 |
上質な飲食物の備蓄を欠かさない。美食家ではないがメシが不味いのは我慢ならん。 |
1d4 |
秋のエラドリンの弱み |
1 |
よく考えずに他人を信用してしまう。 |
2 |
他人に惜しみなく与えすぎて、自分の生活費が足りなくなってしまう。 |
3 |
人は2種類に分けられる。友と、これから友になる相手だ。 |
4 |
快適な衣食住、とりわけ飲食物に金を使いすぎる。 |
1d4 |
冬のエラドリンの人格的特徴 |
1 |
起きてほしくないことほどよく起きるものだ。 |
2 |
自分の物を使い減らしたがらない。今日の空腹をこらえてでも明日の食べ物を確保するべきだ。 |
3 |
人生は危険に満ちているが、自分は備えができている。 |
4 |
一銭を笑う者は一銭に泣く。 |
1d4 |
冬のエラドリンの弱み |
1 |
万物はやがて死ぬのに、どうしてわざわざ長続きするものを作ろうとするのか。 |
2 |
君にとってはすべてのものがどうでもいいので、他人に言われるがままに動いてしまう。 |
3 |
自分の事情が最優先だ。冬の間は誰もが自分のみの安全を図るべきなのだから。 |
4 |
他人の計画の欠点を指摘するときしか口を開かない。 |
1d4 |
春のエラドリンの人格的特徴 |
1 |
今日がこれまでの人生で最高の日だ。 |
2 |
あらゆる物事に全力で取り組むどんなにつまらない日常的なことでも。 |
3 |
詩と音楽が大好きだ。音楽がなければ自分で奏でる |
4 |
じっとしていることができない。 |
1d4 |
春のエラドリンの弱み |
1 |
飲みすぎる。 |
2 |
つまらない仕事はあくせく働くのが好きな連中に任せよう。私の人生は楽しいものであるべきだ。 |
3 |
美人を見ると一瞬で惚れるが、恋が冷めるのも一瞬だ。 |
4 |
やる価値のあることは、いつも何度だってやる価値がある。 |
1d4 |
夏のエラドリンの人格的特徴 |
1 |
問題を解決する最高の手段は直接対決だと信じている。 |
2 |
圧倒的な力があれば大抵の事は成し遂げられる。問題が難しいなら、そのぶん強い力をかければいい。 |
3 |
他の者たちから頼られるため、高く強く立っていよう。 |
4 |
いつも怖そうな顔をしている。他人を傷つけるよりは、怖がらせて戦いを避けるほうがよいからだ。 |
1d4 |
冬のエラドリンの弱み |
1 |
自分の意見を変えず、他人の意見を変えさせようとする。 |
2 |
複数の選択肢がある場合、一番いいのはてっとり早いほう、人の予想外に出る方、力押しでいけるほうだ。 |
3 |
口より先に手が出る。 |
4 |
怒りで頭がいっぱいになると他のことをすべて忘れてしまう。 |
コラム:エラドリンとフェイワイルド
エラドリンはすべてのエルフの中で最も第一世代のエルフに近い容姿と能力を持つ。
ハイ・エルフと言っても通用する者もいるが、ほとんどはエラドリン特有の外見的特徴を備えている:非常に細身で、髪と肌は彼らが最も親和性が高いと感じている季節の色を帯びている。そして、彼らの両目はしばしばフェイの魔力に輝いている。
プライマル・エルフとのつながり故に、エラドリンは他の
エルフたちに傲慢な態度をとりがちである。彼らは自分たちが継承してきたものを誇りにしているが、脅威に満ち、弱いクリーチャーを容赦なく押し潰し破滅させるフェイワイルドの地で繁栄を謳歌できる能力も、同じくらい誇りに思っている。エラドリンの中には、近縁種の
エルフたちに上から目線で親切に世話を焼く者もいる。彼らは他のエルフたちの多くが、フェイと共に生きる恍惚的な喜びを味わったことも、古の社や初めて妖精界を訪れたプライマル・エルフたちの作った栄光ある遺物のそばで何年も暮らしたことがないことを知っている。彼らのように親切な部類のエラドリンは、自分たちの領域を他人に紹介することに特別な喜びを感じるのである。
エルフの亜種族:シー・エルフ ※この亜種族は一般的でない種族とみなされる
シー・エルフは多元宇宙の開闢初期に、大海原の荒々しい美しさに魅せられた、エルフの水棲亜種族である。他のエルフ族が土地土地を旅して回る間に、シー・エルフは海流の奥底へ潜り、水中を通って百の世界を泳ぎ回った。今日の彼らは大洋の浅瀬や水の次元界にある小さな隠れ里で暮らしている。陸地に住むエルフに多くの敵がいるのと同様に、水中に住むシー・エルフにも多くの敵がいるが、中でも最悪の敵はサフアグンだ。
フォーゴトン・レルムにおける彼らはアルゥ=テル=クェシア、または水のエルフとも呼ばれる。彼らが落星海に築いた素晴らしい海底都市のミス・ナンターは、フェイルーンのシー・エルフ文化の中心で、絶えず発展を続けている海底王国の首都であり、強力なミサルに守られている。海上に“アボレス主権国”が潜んでいるにもかかわらず、シー・エルフは比較的平和な時代を何十年も海底で謳歌してきた。落星海の水位が下がったため、現在のミス・ナンターの一部は海中に、一部は海上にある。ここの宿泊施設の一部は完全に乾燥しているため、シー・エルフと地上の種族が混ざることができるし、実際混ざっている。彼らは現代フェイルーンが直面している脅威について議論したり、交易したりしている。この世界でもシー・エルフは有史以来ずっとサフアグンと戦争状態にある。
シー・エルフの種族的特徴
- 能力値:+2【敏捷力】;+2【耐久力】または+2【判断力】
- 技能ボーナス:+2〈自然〉、+2〈知覚〉
- 海の子:君は(水棲)の副種別を有し、水泳移動速度6を得る。
- 海の友:君は音を出し身振りをすることで“野獣(水棲)”との間で単純な概念を伝え合うことができる。また、これによって君は“野獣(水棲)”に対する“動物を訓練する”、“動物をなだめる”ための判定に+2種族ボーナスを得る。
- シー・エルフ武器習熟:スピア、トライデント、クロスボウ、ネットに習熟している。
- 水界語:君は追加の言語として水界語の会話と読み書きができる。
- エルフの正確さ:ボーナス特技として《エルフの正確さ》を得る。前提条件を満たしている必要はない。
エルフの亜種族:ハイ・エルフ
ハイ・エルフ(上のエルフ)は、いまや遠縁となった
エラドリンのような次元と次元の境を踏み越え、姿を消したと思うとたちまち別の場所に現れる能力を持っているものはまれであるが、それでもなお鋭敏な精神を備え、魔法を(少なくとも魔法の基礎を)修めている。
エベロン世界では
エアレナルと呼ばれている者たちがこの亜種族に属している。一方、D&Dの諸世界の多くにおいて、ハイ・エルフには2種類がある。片方(フォーゴトン・レルムなら
サン・エルフ)はプライドが高く、世間を離れて隠れ住み、自分たちのことをエルフ以外の者にまさり、他のエルフにもまさっていると考えている。もう一方(フォーゴトン・レルムなら
ムーン・エルフ)はより親しみやすく、ヒューマンその他の種族に混じっていることも多い。
ハイ・エルフの種族的特徴
- 能力値:+2【知力】;+2【敏捷力】または+2【魅力】
- 技能ボーナス:+2〈魔法学〉、+2〈歴史〉
- エルフ武器習熟AL:ロングソード、ショート・ソード、ショートボウ、ロングボウに習熟している。
- ハイ・エルフの教育:任意の技能1つを修得済みにするか、任意の言語1つを修得する。
- ハイ・エルフの初級呪文:ウィザードの初級呪文から1つと、ウィザードのレベル1の無限回攻撃パワーを1つ得る。
- ハイ・エルフの亜種族:この特徴は“亜種族”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
ハイ・エルフのもっと細かな亜種族:サン・エルフAL
君はハイ・エルフの中でもフォーゴトン・レルムにおけるサン・エルフ(太陽のエルフ)、あるいはそれに類する亜種族に属している。
ハイ・エルフのもっと細かな亜種族:ムーン・エルフAL
君はハイ・エルフの中でもフォーゴトン・レルムにおけるムーン・エルフ(月のエルフ)、あるいはそれに類する亜種族に属している。
- 技能ボーナス:この特徴はハイ・エルフの“技能ボーナス”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
- 追加言語:広く旅するムーン・エルフは、多くの言語を学び、行く先々で他の人々の情報を集めることの価値を知っている。
- エルフの正確さ:この特徴はハイ・エルフの“ハイ・エルフの初級呪文”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
エルフの亜種族:ドラウAL ※この亜種族はモンスター種族とみなされる
ドラウの祖先は黒い肌をしたエルフの亜種族であった。ドラウは女神ロルスに従って悪と腐敗の道を辿ったために地上世界を追われた。今や彼らは、地下世界アンダーダークの深みに“ロルスの道”に従う独自の文明を築き上げた。ダーク・エルフとも呼ばれるドラウは、磨き上げた黒曜石にも似た黒い肌と、純白や薄黄色の髪を持つ。目の色は淡く、白と間違われることもあるほどで、そこに藤色や銀色や桃色や赤や青の色合いが混じっている。体つきはおおかたのエルフよりも小柄で痩せぎすの者が多い。
ドラウの冒険者は稀である。多くの者にとって、ドラウというのは、デーモンを崇め、略奪をこととする輩、普段はアンダーダークの深みに住まうが、真の闇夜に限って地上に姿を現し、彼らが日頃から見下している地上の者どもを相手に略奪と殺戮の限りを尽くす輩である。そしてドラウたちも、地上の諸種族は劣等種族であり、奴隷としての価値しかないと信じて育ってきた。ドラウのうち、良心に目覚めた者や、他種族と協力せざるを得なくなった者にとっても、この偏見に打ち勝つのは容易でない。相手がドラウを白眼視するのはなおさらである。
一方、
エベロンのドラウは些か事情が違う。太古の昔、ゼンドリック大陸において、彼らは巨人族の奴隷として他のエルフと戦っていた。他のエルフ族がエアレナル島へ逃げ延びた後も、ドラウは巨人族の奴隷としてゼンドリックに留まり続け、巨人文明の崩壊に巻き込まれた。
ドラウは現代でもゼンドリックに残っているが、巨人族の邪悪な影響から解き放たれて、自主独立の道を歩んでいる。数万年の歳月の中で、
エベロンのドラウにとって他のエルフは伝説の中の存在に過ぎなくなっている(エベロンの他のエルフから見た
エベロンのドラウも同じである)。
コラム:フェイルーンにおけるエルフの少数亜種族
テル=クェシア――“人々”を意味する、エルフが自分たちを呼び表す際に用いる言葉――は、遥か昔にフェイルーンへ移り住み、いくつもの強大な帝国を築いた。この世界で亜種族に分かれたドワーフと異なり、エルフは亜種族に分かれた後でこの世界にやってきた。最初にフェイルーンへ移り住んだエルフたちの後裔は一般的に知られている
ウッド・エルフ(森のエルフ。
スイ=テル=クェシアとも呼ばれる)、
ハイ・エルフ(上のエルフ)たる
サン・エルフ(
アル=テル=クェシアとも呼ばれる)と
ムーン・エルフ(
テウ=テル=クェシアとも呼ばれる)、そして
ダーク・エルフ(闇のエルフ。一般に
ドラウと呼ばれる)のほかにもいる。しかし、彼らはあまりにも人口が少ないため、伝説的な、それどころか神話に語られるだけの架空の存在と考えられていることも珍しくない。
アヴァリエル:アリル=テル=クェシア、または“翼あるエルフ”とも呼ばれる彼らは、最初にフェイルーンに居を定めた者たちのひとつである。彼らは羽根のある翼と飛行能力で名高い。上古の竜との争いで絶滅寸前となり、現在ではまったくと言っていいほど姿を見られない稀有な存在になっている。
スター・エルフ:ルアル=テル=クェシア、または星のエルフとも呼ばれる彼らは背の高いムーン・エルフのように見える。彼らはフェイワイルド近くのシルデユアという疑似次元界に住んでいる。エーテル界から来たニルシャイという蠕虫に似た魔法種族との争いのために、スター・エルフの一部は故郷を離れてフェイルーンに来ざるを得なくなった。
ライサリ:ルイ=テル=クェシアは狼に変化する能力を持っている。ワーウルフと異なり、ライサリは中間形態を持たず、呪いにかかっているわけでもない。彼らは同族だけの群れとして共同生活をしており、この世界の原野の奥地で、ほぼ常時ウルフ形態で、自由に暮らしている。
種族パワーAL
レベル1
汎用パワー
クラウド・オヴ・ダークネスAL
クラウド・オヴ・ダークネスAL |
Cloud of Darkness/闇の雲 |
ドラウAL/種族/汎用 |
[遭遇毎]✦[区域]、[秘術] マイナー・アクション 近接範囲・爆発1 |
効果:爆発内に使用者の次のターンの終了時まで持続する魔法的な暗闇の区域が作り出される。 使用者はこの区域の効果に対する完全耐性を有する。 |
ダークファイアーAL
ダークファイアーAL |
Darkfire/闇の火 |
ドラウAL/種族/汎用 |
[遭遇毎]✦[火]、[秘術] マイナー・アクション 遠隔・10 目標:クリーチャー1体 攻撃:“【知力】、【判断力】、または【魅力】のいずれか”対“反応”。使用者は攻撃ロールに+4ボーナスを得る。 11レベル:ボーナスは+6に増加する。 21レベル:ボーナスは+8に増加する。 |
ヒット:使用者の次のターンの終了時まで、(1)この目標は半径2マスの範囲を“薄暗い”明るさで照らし、(2)この目標に対する攻撃にはすべて戦術的優位が付き、(3)かつ目標は不可視や視認困難の利益を得ることができなくなる。 |
特殊:このパワーを得た時に、このパワーの攻撃ロールに用いる能力値を【知力】、【判断力】、または【魅力】の中から1つ選ぶ。この選択は君のキャラクターの生涯を通じて2度と変更できない。 |
特技
英雄級特技
あ行
《ヴァラナーの騎兵訓練UP, E》 Valenar Rider Training ※『Dra#385』より;“代替種族:エルフ”のルールを使用する場合、この特技のゲーム的効果は以下に置き換えられる。
- 前提条件:ウッド・エルフ、種族的特徴“ヴァラナー・エルフ武器習熟”、《騎乗戦闘》特技
- 利益:君は単純武器および軍用武器であるスピア類への習熟を得る。また、騎乗中に自分の習熟しているスピア類、ボウ類、および“種族的特徴で習熟を得た武器”を用いて[武器]攻撃を行う際、君はその武器をモンク武器として扱うことができ、そのダメージ・ロールに+2の特技ボーナスを得る。このボーナスは11レベルで+3に、21レベルで+4に増加する。
さらに、君が騎乗中に使用する“[武勇]、およびモンクまたはモンクの伝説の道”の近接[武器]攻撃パワーは、通常の射程に加えて“遠隔・武器”を得る。君はこの利益による遠隔攻撃を行うことによって機会攻撃を誘発しない。ただし、君はこの遠隔攻撃を、(1)モンク武器であるボウ類を用いて行わなければならない。また、(2)1つのパワーで2体以上のクリーチャーに対して行う場合、どの目標も“少なくとも1体の別の目標”から5マス以内の距離にいるクリーチャーから選択しなければならない。また、(3)フラリー・オヴ・ブロウズALによる攻撃において通常射程より遠いクリーチャーは目標にできない。
《ヴァラナーの武器訓練UP, E》 Valenar Weapon Training ※『Dra#385』より;“代替種族:エルフ”のルールを使用する場合、この特技のゲーム的効果は以下に置き換えられる。
《ヴァラナーのブレードシンガーUA, E》 Valenar Bladesinger
《エアレナルのハーフライフAL》 Aerenal Half-Life
- 前提条件:ハイ・エルフ、背景“エアレナルE(『EPG』P149)”
- 利益:君は[死霊]ダメージ・ロールに+2特技ボーナスを得る。このボーナスは11レベルで+3に、21レベルで+4に増加する。
また、追加のアクションを得るためにアクション・ポイントを消費した際、“次の自分のターン”の終了時まで、君の[死霊]パワーは“アンデッドの持つ、ダメージに対する抵抗および完全耐性”を無視する。
《エラドリンの精兵AL》 Eladrin Soldier
- 前提条件:エラドリン
- 利益:君はすべてのスピア類への習熟を得る。また、スピア類および“種族的特徴で習熟を得た武器”を用いて行う[武器]攻撃および[装具]攻撃のダメージ・ロールに+2の特技ボーナスを得る。このボーナスは11レベルで+3に、21レベルで+4に増加する。
加えて、君はロングソードに関して得る利益を、スピア類および“種族的特徴で習熟を得た武器”を用いる際も得ることができる。
《エルフ流武器訓練》 Elven Weapon Training
- 前提条件:エルフAL
- 利益:君は以下の利益をすべて得る。
《エルフの戦の技》 Elven Art of War
- 前提条件:【筋】13、エルフAL、任意の武勇系クラス
- 利益:君は“種族的特徴、またはエルフ専用特技で習熟を得た武器”を用いた“近接基礎攻撃、または[武勇]攻撃パワー”の攻撃ロールとダメージ・ロールにおいて、【敏捷力】を【筋力】の代わりに用いることができる。
《エルフの正確さ》 Elven Accuracy
エルヴン・アキュラシィAL |
エルフの正確さ |
特技/汎用 |
[遭遇毎] フリー・アクション 使用者 必要条件:使用者は《エルフの正確さ》特技を修得していなければならない。 トリガー:1回の攻撃ロールを行い、その結果が気に入らない |
効果:その攻撃ロールを再ロールする。たとえ2度目のロールのほうが低かったとしても、必ず2度目の結果を適用すること。 |
か行
《カッパー・エルフの身のこなしUP, FR》 Copper Elf Agility ※“代替種族:エルフ”のルールを使用する場合、《ウッド・エルフの身のこなし》(『FRPG』P132)はこの特技に置き換えられる。
- 前提条件:カッパー・エルフ
- 利益:君が〈運動〉判定または〈軽業〉判定を行い、ダイスの目が2~7だった場合、ダイスの目が8とみなすことができる。
《剣術呪文の使い手》 Bladespell Mastery
- 前提条件:エルフAL、少なくとも1つの“レベルを有するウィザードの無限回攻撃パワー”
- 利益:君が持つ、レベルを有するウィザードの無限回攻撃パワーを1つ選ぶ。君はそのパワーを失い、代わりに[剣術呪文]キーワードを有するウィザードの無限回攻撃パワーを1つ得る。
さ行
《サン・エルフの気品UP, FR》 Sun Elf Grace ※“代替種族:エルフ”のルールを使用する場合、この特技のゲーム的効果は以下に置き換えられる。
- 前提条件:サン・エルフ
- 利益:1遭遇に1回、君がその遭遇で一度でも重傷になる前にフェイ・ステップか、“ウィザードの、遭遇毎攻撃パワーあるいは一日毎攻撃パワー”を使用した場合、君の次のターンの終了時まで、すべての防御値に+1ボーナスを得る。
《シー・エルフ流武器訓練》 Sea Elven Weapon Training
- 前提条件:シー・エルフ
- 利益:君はすべてのクロスボウ類とスピア類への習熟を得る。さらに、君はネット、クロスボウ類、およびスピア類を用いた[武器]攻撃のダメージ・ロールに+2の特技ボーナスを得る。このボーナスは11レベルで+3に、21レベルで+4に増加する。
加えて、君は《ネット訓練》特技に加えて、もう1つ別のクラスに対応するマルチクラス特技を修得することができるようになる。
《持続的空中浮遊》 Continuous Levitation
- 前提条件:6レベル、ドラウ、《ドラウ上級魔法》特技
- 利益:1日1回、君はレヴィテーションのパワーを使用した時、“その遭遇の終了時まで、このパワーに以下の維持の項目を追加する”ことを選択できる。
- 維持・移動:使用者は垂直方向に3マス、水平方向に1マスまで移動する。使用者は自分の次のターンまで空中にとどまることができる。
《ゼンドリックの武器訓練UP, E》 Xen'Drik Weapon Training
た行
《ダーク・エルフ流武器訓練》 Dark Elven Weapon Training
《太陽光適応》 Daylight Adaptation
- 前提条件:“日光過敏”を有する。
- 利益:君はもはや“日光過敏”によるペナルティを受けない。
《ドラウ上級魔法》 Drow High Magic
- 前提条件:2レベル、ドラウ
- 利益:君はレヴィテーションのパワーを得る。また、6レベルの時点で君はディスペル・マジックALのパワーを得る。君はこのディスペル・マジックALの攻撃ロールにおいて、“【判断力】または【魅力】”を【知力】の代わりに用いることができる。
君は1遭遇につき、この特技によって得たパワーを1つしか使用できない。
レヴィテーション |
空中浮遊 |
特技/汎用 |
[遭遇毎]✦[秘術] 移動アクション 使用者 |
効果:使用者は垂直方向に4マス、水平方向に1マスまで移動し、次の自分のターンの終了時まで空中にとどまることができる。ただし、このパワーによる移動によって地面よりも5マス以上の高さに移動することはできない。何らかの効果によって使用者と地面の間隔が4マスを超えた場合、その効果の解決後に使用者は地面から4マスの位置まで降下する。 空中にとどまっている間、使用者はホバリング中とみなされるが、自分の手の届く範囲に登攀することができる物体や水平面がなければこのパワーの効果以外による自分の意思による移動を行えない。 |
は行
《フェイの一跳び》 Fey Step
- 前提条件:2レベル、ハイ・エルフ
- 利益:君はフェイ・ステップを種族パワーとして得る。この特技で得たフェイ・ステップは[秘術]キーワードを得る。
君は1遭遇につき遭遇毎の種族パワーを1つしか使用できない。
ま行
《ムーン・エルフの回復力UP, FR》 Moon Elf Resilience ※“代替種族:エルフ”のルールを使用する場合、この特技のゲーム的効果は以下に置き換えられる。
- 前提条件:ムーン・エルフ
- 利益:1遭遇に1回、君が重傷で、かつ君から5マス以内に味方が1人もいない時にフェイ・ステップか、“ウィザードの、遭遇毎攻撃パワーあるいは一日毎攻撃パワー”を使用した場合、君は1回のフリー・アクションとして回復力を1回ぶん消費することができる。
わ行
《ワイルド・エルフの狙いUP, FR》 Wild Elf Aim “代替種族:エルフ”のルールを使用する場合、《ワイルド・エルフの幸運》(『FRPG』P138)はこの特技に置き換えられる。
- 前提条件:ワイルド・エルフ
- 利益:エルヴン・アキュラシィALを使用する際、君は再ロールのダイスの目に+1d4する。これによってダイスの目が20以上になったなら、“ダイスの目が20”だったものとみなされる。
《ワイルド・エルフ流武器訓練FR》 Wild Elven Weapon Training
- 前提条件:ワイルド・エルフ
- 利益:君はすべてのスピア類への習熟を得る。さらに、君はスピア類および“種族的特徴で習熟を得た武器”を用いた[武器]攻撃のダメージ・ロールに+2の特技ボーナスを得る。このボーナスは11レベルで+3に、21レベルで+4に増加する。
加えて、君が自分の意志で移動を行い、かつその移動を“君がその移動を開始した位置”から4マス以上離れた場所で終了したならば、君は自分の次のターンの開始時まで、スピア類および“種族的特徴で習熟を得た武器”を用いて行うすべての攻撃は1d8の追加ダメージを与える。
伝説級特技
た行
《敵意感知強化》 Improved Sense Threat
ら行
《レヴナントの刃UA》 Revenant Blade
レヴナント・ブレード |
Revenant Blade/レヴナントの刃 |
特技/汎用 |
[無限回]✦[構え]、[武器] マイナー・アクション 使用者 必要条件:使用者はヴァラナー・ダブルブレーデッド・シミターを双方の手でそれぞれ、1つずつ片手武器を持っている用途で使用していなければならない。 |
効果:使用者は“レヴナントの刃”の構えをとる。構えが終了するまでの間、使用者はレヴナント・ブレードの2次パワーを使用できる。 |
特殊:使用者はこの構えと同時に1つまでの一日毎パワーによる構えをとることができる。 もし使用者がモンクまたは武勇系クラスの一員とみなされるなら、このパワーを得た時に、“モンクまたは武勇系クラスのうち自分が一員とみなされるクラス”の中からいずれかを選ぶ。このパワーおよび2次パワーは選んだクラスのパワーとしても扱われる。さらにモンクを選んだなら[サイオニック]キーワードを、武勇系クラスを選んだなら[武勇]キーワードを得る。 レベル22交換:使用者は2次パワーを1ターンに2回まで使用できるが、トリガーとなる攻撃パワー1つにつき1回までしか使用することができない。さらに2次パワーによる攻撃は、ヒットしたなら1[W]の追加ダメージを与える。 |
魔法のアイテム
魔法の武器
レベル2
パクト・ソードAL
パクト・ソードAL |
Pact Blade/契約の剣 |
レベル2+ アンコモン |
ハイ・エルフのウォーロックは、武器と魔法を結びつけ、敵の位置を自在に操るこの不吉な剣を好んで用いる。 |
レベル2 +1 520gp レベル7 +2 2,600gp レベル12 +3 13,000gp |
レベル17 +4 65,000gp レベル22 +5 325,000gp レベル27 +6 1,625,000gp |
武器:ロングソード 強化ボーナス:攻撃ロールおよびダメージ・ロール クリティカル:プラスの数値ごとに+1d6ダメージ |
特性 |
“エラドリン、およびハイ・エルフ”のウォーロックはこの武器に装具として習熟し、かつこれをロッドとして扱うことができる。 |
汎用パワー([瞬間移動]、[秘術]) ✦ [一日毎](フリー・アクション) |
トリガー:使用者の“ウォーロックの呪いAL”によって呪われているクリーチャー1体に対してこの武器を用いた攻撃をヒットさせた。 効果:目標を(この武器の強化ボーナス+1)に等しいマスだけ瞬間移動させる。 |
最終更新:2023年02月28日 15:02