冒険者とモンスター > クリーチャーのデータ

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クリーチャーのデータ
 本項で紹介されるのはクリーチャーのデータに関連するハウス・ルールである。

サイズ分類UP

 サイズ分類が“中型”以外のクリーチャーのhp防御値〈隠密〉物体の破壊とこじ開けには、以下のルールが適用される。運搬、持ち上げ、押し引きUP鎧、盾とサイズ分類OP武器とサイズ分類UPの項も参照のこと。
 本サイトで紹介されている、あるいは古蛇卓で冒険者が遭遇するモンスターには以下のルールはすべて適用済みである。

超小型UP

  • hp:1レベル時のhpが2減少する。また、レベルが上昇するたびに増加するhpの値が2減少する(最低1)。
  • 防御値:反応防御値に+2サイズ・ボーナスを得る。また、“軽装鎧またはハイド・アーマーを着用しているか、あるいは鎧を着用していない”とき、ACに+2サイズ・ボーナスを得る。
  • 〈隠密〉:隠れるための〈隠密〉判定に+5サイズ・ボーナスを得る。
  • 物体の破壊とこじ開け:物体を壊したりこじ開けたりする際、【筋力】判定に-5ペナルティを受ける。

小型UP

  • hp:1レベル時のhpが1減少する。また、レベルが上昇するたびに増加するhpの値が1減少する(最低1)。
  • 防御値:反応防御値に+1サイズ・ボーナスを得る。また、“軽装鎧またはハイド・アーマーを着用しているか、あるいは鎧を着用していない”とき、ACに+1サイズ・ボーナスを得る。
  • 〈隠密〉:隠れるための〈隠密〉判定に+2サイズ・ボーナスを得る。
  • 物体の破壊とこじ開け:物体を壊したりこじ開けたりする際、【筋力】判定に-2ペナルティを受ける。

大型UP

  • hp:1レベル時のhpが1上昇する。また、レベルが上昇するたびに増加するhpの値が1上昇する。
  • 防御値:反応防御値に-1ペナルティを受ける。また(1)外皮を持たず、かつ(2)“軽装鎧またはハイド・アーマーを着用しているか、あるいは鎧を着用していない”なら、ACに-1ペナルティを受ける。
  • 〈隠密〉:隠れるための〈隠密〉判定に-2ペナルティを受ける。
  • 物体の破壊とこじ開け:物体を壊したりこじ開けたりする際、【筋力】判定に+2ボーナスを得る。

超大型UP

  • hp:1レベル時のhpが2上昇する。また、レベルが上昇するたびに増加するhpの値が2上昇する。
  • 防御値:反応防御値に-2ペナルティを受ける。また(1)外皮を持たず、かつ(2)“軽装鎧またはハイド・アーマーを着用しているか、あるいは鎧を着用していない”なら、ACに-2ペナルティを受ける。
  • 〈隠密〉:隠れるための〈隠密〉判定に-5ペナルティを受ける。
  • 物体の破壊とこじ開け:物体を壊したりこじ開けたりする際、【筋力】判定に+5ボーナスを得る。

巨大UP

  • hp:1レベル時のhpが3上昇する。また、レベルが上昇するたびに増加するhpの値が3上昇する。
  • 防御値:反応防御値に-3ペナルティを受ける。また(1)外皮を持たず、かつ(2)“軽装鎧またはハイド・アーマーを着用しているか、あるいは鎧を着用していない”なら、ACに-3ペナルティを受ける。
  • 〈隠密〉:隠れるための〈隠密〉判定に-10ペナルティを受ける。
  • 物体の破壊とこじ開け:物体を壊したりこじ開けたりする際、【筋力】判定に+10ボーナスを得る。

超巨大NEW

  • hp:1レベル時のhpが4上昇する。また、レベルが上昇するたびに増加するhpの値が4上昇する。
  • 防御値:反応防御値に-4ペナルティを受ける。また(1)外皮を持たず、かつ(2)“軽装鎧またはハイド・アーマーを着用しているか、あるいは鎧を着用していない”なら、ACに-4ペナルティを受ける。
  • 〈隠密〉:隠れるための〈隠密〉判定に-15ペナルティを受ける。
  • 物体の破壊とこじ開け:物体を壊したりこじ開けたりする際、【筋力】判定に+15ボーナスを得る。

種別UP ※このルールは起源のルールを置き換える

 このアップデートを導入する場合、モンスター知識判定はその起源ではなくその種別または副種別に基づいて行われる。
 また、“永劫”起源およびに“シャドウ”起源に該当する種別は存在しない―――“永劫”起源のクリーチャーはそのほとんどがセレスチャルまたはフィーンドのいずれかとなる。さらに、デーモンエレメンタルではなく、フィーンドとして扱われる(たとえ、アビス元素の渾沌の一部である場合でも)。加えて、“シャドウ”は種別ではなく副種別のひとつとして扱われる。
 なお、本サイトで紹介されている、あるいは古蛇卓で冒険者が遭遇するモンスターには以下のルールはすべて適用済みである。

種別

 クリーチャーの種別は、そのクリーチャーの根本的な性質を言い表すものだ。
 ある種のパワー、魔法のアイテム、特徴、その他のゲーム的な効果は、特定の種別のクリーチャーに対して特別な作用を及ぼすことがある。たとえば、ジャイアントスレイヤー・ウェポン(巨人殺しの武器)は、ジャイアントという名前のクリーチャーだけでなく、種別が巨人であるすべてのクリーチャー(オーガやトロルなど)に対するダメージ・ロールにもアイテム・ボーナスを得る。
 クリーチャーの種別には以下のものがある:アンデッド異形エレメンタル怪物巨人植物人造セレスチャル大群ドラゴン粘体人型生物フィーンドフェイ野獣。これらの種別そのものは特記ない限りルール的な効果を持たない(大群を除く)。

アンデッド

 アンデッドは、死霊術の魔法や不浄な呪いなどの力でおぞましい不死の姿に変化した“かつては生きていた”クリーチャーだ。アンデッドにはヴァンパイアやゾンビなどの“歩く死体”もいれば、ゴーストやスペクターのような肉体を持たない亡霊もいる。

異形

 “異形”は完璧に異質な存在だ。異形の多くは生まれつき魔法を使う能力を持っているが、それはこの世界の神秘的な力に由来するものではなく、異形クリーチャー自身の異質な精神に由来するものである。異形の典型例は、アボレス、スラード、ビホルダー、マインド・フレイヤーだ。また、“彼方の領域”を出身とするか、同次元界の影響を受けたクリーチャーも異形である。

エレメンタル

 “エレメンタル(元素精霊)”は内方次元界(元素界とも呼ばれる)の住人だ。
 この種別に属するクリーチャーには、自律行動能力を備えた特定の元素の塊に過ぎないものもいる。ファイアー・エレメンタルなどの単に“エレメンタル”と呼ばれる者たちはその一例である。
 また、ジンやイフリートなどのジンニーたちのような、元素エネルギーを帯びた生物的な肉体を持つエレメンタルもいる。彼らは諸元素界において最も重要な文明を築いている。
 他のエレメンタルとしては、インヴィジブル・ストーカー、ウォーター・ウィアード、エイザーなどがいる。

怪物

 “怪物”とは最も狭義の“モンスター”である――すなわち、普通でなく、自然でもなく、(ごく一部の例外を除いて)善良でもない、恐るべきクリーチャーだ。アウルベアのように魔法実験の暴走によって生まれたものもいれば、メドゥサやユアンティのように恐るべき呪いによって生まれたものもいる。怪物を細かく分類することは不可能であり、他の種別に収まらないクリーチャーをまとめて放り込むために作られた種別であるとも言える。

巨人

 “巨人”はヒューマンやその親戚よりも遥かに大きい。姿形は人型だが、頭が2つあったり(エティン)、畸形を持つ(フォモール)者もいる。中でも、ヒル・ジャイアント、ストーン・ジャイアント、フロスト・ジャイアント、ファイアー・ジャイアント、クラウド・ジャイアント、ストーム・ジャイアントの6種類は“トゥルー・ジャイアント(本物の巨人族)”と呼ばれる。また、オーガやトロルといったクリーチャーも巨人に含まれる。

植物

 クリーチャーの種別としての“植物”は、普通の草木ではなく、植物質の体を持つクリーチャーを指す。植物クリーチャーのほとんどは歩行能力を備えており、肉食のものも少なくない。植物クリーチャーの代表格はシャンブリング・マウンドとトリエントだ。ガス・スポアやマイコニドなどの菌類クリーチャーもこの種別に含まれる。

人造

 “人造”は産まれるのではなく、造られる。作成者が設定した単純な命令に従う人造もいれば、知性を与えられて独立した思考能力を持つ人造もいる。人造のうち、前者の代表格はゴーレムだ。後者の代表格であるメカヌスの住人の中で大多数を占めるモドロン――外方次元界の1つであるメカヌスの原物質を材料として、より強力なクリーチャーの意志によって作り出された存在――である。
  • 完全耐性:人造は“生きているクリーチャー”ではない。そのため、生きているクリーチャーのみを目標とする効果は人造に対して機能しない。また、人造は呼吸したり、食べたり、眠る必要がない。さらに、[催眠]効果および[病気]効果に完全耐性を有する(完全耐性:欄に“人造”と記述される)。
     

セレスチャル

 セレスチャル(天の存在)は上方次元界の住人だ。セレスチャルの多くは神々のしもべであり、神の使者または活動員として、定命の世界および他の次元界に送り込まれる。セレスチャルは本質的には善の存在であり、善属性を踏み外すセレスチャルなどというものは、ほぼいないといってよい。セレスチャルにはエンジェル、コアトル、ペガサスなどが含まれる。
 

大群UP

 “大群”は複数のクリーチャーの集団である。大群は副次的な種別であり、以下のルールに従う:
  • 1体のクリーチャー:1つの大群は1体のクリーチャーとみなされる。
  • サイズ・種別:大群の“サイズ・種別”は次のように記述される:
     
     [大群を構成するクリーチャーのサイズ]の[大群を構成するクリーチャーの種別]からなる[大群のサイズ]の大群
     
     例:スウォーム・オヴ・バッツ(コウモリの大群)は、バット(超小型野獣)で構成されている中型の大群UPであり、データ・ブロックの“サイズ・種別”欄には“超小型野獣からなる中型の大群”と記述される。
  • 接敵面:大群の接敵面の形状は常に立方体とは限らない:飛行移動速度を持たないクリーチャーで構成される大群の接敵面の高さは、その大群のサイズ分類に関わらず“その大群を構成するクリーチャーのサイズ分類のもの”に等しい。
     大群は他のクリーチャーと同じマスを占めることができる。敵は大群の接敵面内に入り込むことができるが、大群の接敵面内は“移動困難な地形”とみなされる。
  • 完全耐性、抵抗、脆弱性:大群は近接攻撃または遠隔攻撃によって押しやられる/引き寄せられる/横滑りさせられることも、つかまれることもない(完全耐性:欄に“大群の完全耐性”と記述される)
     大群は近接攻撃および遠隔攻撃からは半減ダメージを受ける(抵抗:欄に“大群の抵抗”と記述される)。ただし、そのダメージの発生源も大群である場合、この抵抗を無視される
     大群は近接範囲攻撃および遠隔範囲攻撃に対する“級”ごとに5の脆弱性を有する。また、がどう効果を及ぼすかに関しては、実際のサイズではなく、“その大群を構成するクリーチャーのサイズ”であるものとみなされる。加えて、hpを回復できない。重傷の間、大群は半減ダメージを与える(脆弱性:欄に“大群の脆弱性”と記述される)
  • 無理矢理入り込む:大群は、それを構成するクリーチャーの1体でも通り抜けられるだけの大きさの開口部なら“無理矢理入り込む”ことができる。たとえば、スウォーム・オヴ・バッツのサイズは中型だが、1体の超小型のバットが入り込めるだけの大きさの開口部なら“無理矢理入り込む”ことができる。
     

ドラゴン

 ドラゴン(竜)は太古から存在し、とてつもない力を備えた、身体の大きな爬虫類に似たクリーチャーだ。善なるメタリック・ドラゴン(金属竜)および悪のクロマティック・ドラゴン(色彩竜)を含むトゥルー・ドラゴン(真竜)は高い知性と生まれつきの魔法を備えている。また、この種別には、ワイヴァーンやスードゥドラゴンなど、トゥルー・ドラゴンの遠い血縁ではあるが力も知力も魔法も劣るクリーチャーたちも含まれている。
 

粘体

 “粘体”はほぼ常に不定形なゼラチン状のクリーチャーだ。ほとんどの粘体は地下に棲み、洞窟やダンジョンを徘徊して、ゴミや死肉(そして運悪く粘体と出くわしたクリーチャーを)喰らう。粘体の代表格と言えば、何と言ってもブラック・プティングとゼラチナス・キューブだろう。
  • 移動速度:クリーチャーをつかんでいない間、粘体は幅1インチ以上の場所であれば“無理矢理入り込む”ことができる。
     また、“無理矢理入り込”んでいる間でも、半分の移動速度ではなく通常の移動速度で移動し、攻撃ロールには-5のペナルティを受けず、さらに“無理矢理入り込”んでいることで戦術的優位を与えない。(移動:欄に“;粘体”と記述される)。
     

人型生物(人型)

 人型生物はD&D世界で多数派を占める“人々”だ。人型生物には文明的な者もいれば野蛮な者もおり、ヒューマンをはじめとして多種多様な種族が存在する。人型生物は言語と文化を持つ。生まれつき魔法的な能力を持つ種族も少数ながら存在するが、ほとんどの人型生物は学習によって魔法の使い方を身につけることができる。人型生物は二足歩行に適した肉体を持つ。最も一般的な人型生物は、PCに最もふさわしい種族(ヒューマンドワーフエルフハーフリング)だ。これと同じくらい数が多いが、はるかに野蛮で暴力的で、ほぼ例外なく悪なのが、ゴブリン類(ゴブリンホブゴブリンバグベア)、オークノールリザードフォークコボルドだ。
 冒険者たちの種別は特記ない限り“人型”である
 

フィーンド

 フィーンド(魔物)は下方次元界の住人である邪悪なクリーチャーだ。神格に仕えている者も多少はいるが、アーチデヴィルデーモン・ロードの下で働いている者のほうが多い。邪悪な司祭や魔法使いには物質界にフィーンドを召喚して使役することがある。悪のセレスチャルが極めて稀に存在するのに対して、善のフィーンドなどというものはほとんど想像すらできない。フィーンドにはデヴィルデーモン、ヘル・ハウンド、ユーゴロス、ラークシャサなどが含まれる。

フェイ

 フェイ(妖精)は自然の諸力と密に結びついた魔法的なクリーチャーで、黄昏の木立や霧の森をうろついている。いくつかの世界において、フェイは妖精界フェイワイルドとも密に結びついている。上方次元界、とりわけアルボレアビーストランズに住むフェイも少なくない。サテュロス、ドライアド、ピクシーなどは皆フェイである。

野獣

 野獣はファンタジー世界の生態系の自然な一部であるクリーチャーのうち、人型生物以外の者たちだ。野獣の中には魔法的な力を持つ者もいるが、ほとんどは知性が低く属性や言語を持たない。野獣にはあらゆる普通の動物、恐竜、そして普通の動物の巨大版(ジャイアント・~)が含まれる。

副種別 ※このルールはクリーチャーのキーワードのルールを置き換える

 クリーチャーの種別の直後に、( )つきでいくつかの“タグ”が付記されていることがある。例:フィーンド(デーモン)。この( )内のタグは、副種別と呼ばれ、そのクリーチャーが特定の種族またはクリーチャー群に属することを示している。
 特記ない限り副種別キーワード自体にはルール的な効果はないが、ゲーム内の何か(魔法のアイテムなど)が特定の副種別キーワードに言及していることはある。たとえば、デーモンと戦うのに役立つ槍は、(デーモン)の副種別を持つあらゆるクリーチャーに対して有効である。クリーチャーの副種別の項も参照のこと。

 冒険者の副種別は特記ない限り、その種族となる

 例えば、ウッド・エルフALエラドリンシー・エルフドラウAL、そしてハイ・エルフの副種別は、いずれも(エルフ)である。しかし、ゴブリンALバグベアAL、そしてホブゴブリンALはその例外に当たる。これらの種族は皆、別の種族であるが、いずれも副種別は(ゴブリン類)となる。
 また、種族的特徴などにより、追加の副種別を得ることもある。

特殊な副種別

アーチデヴィル
 (アーチデヴィル)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。準神格の項も参照のこと。
  • クリーチャーの副種別に関わる効果に関しては、そのクリーチャーは()および(デヴィル)であるともみなされる。
  • 識別:(アーチデヴィル)は識別する際には()であるとみなされる:〈宗教〉を用いて判定しなければならず、かつ〈宗教〉が“修得済み”でなければならない
     
アスペクト
 (アスペクト)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。準神格の項も参照のこと。
  • クリーチャーの副種別に関わる効果に関しては、そのクリーチャーは()であるともみなされる。
  • 識別:(アスペクト)は識別する際には()であるとみなされる:〈宗教〉を用いて判定しなければならず、かつ〈宗教〉が“修得済み”でなければならない
     
生ける人造
 (生ける人造)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。
  • 種別:クリーチャーの種別に関わる効果に関しては、そのクリーチャーは本来の種別であると同時に人造であるものとみなされる。
  • 完全耐性:(生ける人造)は人造と同様の完全耐性を有するが、以下の点が異なる。(生ける人造)は“生きているクリーチャー”である(完全耐性:欄に“生ける人造”と記述される)。
     
 (神)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。
  • 識別:(神)を識別するには〈宗教〉を用いて判定しなければならず、かつ〈宗教〉が“修得済み”でなければならない
     
霧状
 (霧状)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。霧状化の項も参照のこと。
  • 移動速度:(霧状)であるクリーチャーは少なくとも“飛行2(ホバリング高度限界0)”に移動モードを有する。
     また、他のクリーチャーと同じマスを占めることができる。敵はこのクリーチャーの接敵面内に入り込むことができる。加えて、このクリーチャーは空気が通れるほどの隙間であれば“無理やり入り込む”ことなく通過できる。しかし、水中などの液体や“強風”のマスに入るたび、1マス多い移動と数える(移動:欄に“;霧状”と記述される)。
  • 完全耐性:(霧状)であるクリーチャーはつかまれた状態および石化状態に完全耐性を有する。また、[出血]ダメージに対して完全耐性を有する(完全耐性:欄に“霧状”と記述される)。
     さらに、呼吸したり、食べたり、眠る必要がない。
  • 抵抗:(霧状)であるクリーチャーは[殴打]ダメージ、[斬撃]ダメージ、[刺突]ダメージから半減ダメージを受ける(抵抗:欄に“霧状”と記述される)。
  • 脆弱性:(霧状)であるクリーチャーはがどう効果を及ぼすかに関しては、実際のサイズよりも2段階小さいものとして扱われる(脆弱性:欄に“霧状”と記述される)。
  • 〈隠密〉判定:“隠れ身”のための〈隠密〉判定に+10パワー・ボーナスを得る(技能:欄に“霧状”と記述される)。
  • 物体の操作:(1)物体の操作を行えず、(2)いかなる物体も運搬できない。
     
ゴブリン類
 ゴブリンバグベアホブゴブリンは、ハーフリングエルフドワーフが別の種族であるのと同じ程度に別の種族であり、それぞれが独自の性向、外見、文化、そして神々を持っているが、“征服神”マグルビイェト(“暁の戦”ではベイン)によって1つにまとめ上げられている。
 (ゴブリン類)の副種別を持つクリーチャーの副種別は、その種族ではなく(ゴブリン類)となる。
 
自律体
 自律体(自律行動物体)は、魔法によって自律行動能力を与えられた物体である。
 (自律体)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。
水棲
 (水棲)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。水中戦闘の項も参照のこと。
  • 水中で呼吸できる。“水中呼吸”の脆弱性を有していなければ、水の外でも通常どおり生存できる。
  • 水泳移動速度を有する。
      
タイタン
 (タイタン)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。準神格の項も参照のこと。
  • クリーチャーの副種別に関わる効果に関しては、そのクリーチャーは()であるともみなされる。
  • 識別:(タイタン)は識別する際には()であるとみなされる:〈宗教〉を用いて判定しなければならず、かつ〈宗教〉が“修得済み”でなければならない
     
地下
 (地下)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。
  • 視覚:暗視擬似視覚振動感知または超視覚のいずれかの特殊感覚を有する。
  • クラス技能:(地下)クリーチャーにとって、〈地下探険〉は常にクラス技能である。
  • 識別:(地下)クリーチャーを識別するには、識別する者が(地下)クリーチャーでない限り、〈地下探険〉が“修得済み”でなければならない。
     
デーモン・ロード
 (デーモン・ロード)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。準神格の項も参照のこと。
  • クリーチャーの副種別に関わる効果に関しては、そのクリーチャーは()および(デーモン)であるともみなされる。
  • 識別:(デーモン・ロード)は識別する際には()であるとみなされる:〈宗教〉を用いて判定しなければならず、かつ〈宗教〉が“修得済み”でなければならない
     
人間の血
 (人間の血)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。
  • クリーチャーの種族および副種別に関わる効果に関しては、そのクリーチャーは本来の種族や副種別であると同時にヒューマンであるものとみなされる。
     
非実体
 (非実体)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。非実体化の項も参照のこと。
  • 移動速度:(非実体)であるクリーチャーは位相移動を行える(移動:欄に“;非実体”と記述される)。
  • 完全耐性:(非実体)であるクリーチャーはつかまれた状態および石化状態に完全耐性を有する。また、[出血]ダメージに対して完全耐性を有する(完全耐性:欄に“非実体”と記述される)。ただし、その発生源も(非実体)であるか[力場]製である場合、つかまれた状態に対する完全耐性は無視される。
     さらに、呼吸したり、食べたり、眠る必要がない。
  • 抵抗:(非実体)であるクリーチャーは“非物質的”である。雑魚であるなら、ダメージを受けた際に1回のセーヴィング・スローを行なうことができ、成功したならダメージを受けない(抵抗:欄に“非実体”と記述される)。
     ただし、(1)そのダメージ種別が[精神]ダメージまたは[力場]ダメージであるか、(2)その発生源も(非実体)である場合、この抵抗は無視される。
  • [武器]攻撃:(非実体)であるクリーチャーは、そうでない目標のACに対して行う[武器]攻撃において、ACではなく反応防御値に対して行うことができる。この時、その目標は使用していることによる利益を得られない。
  • 〈隠密〉判定:“隠れ身”のための〈隠密〉判定に+10パワー・ボーナスを得る(技能:欄に“非実体”と記述される)。
     
人型怪物
 (人型怪物)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。
竜の血
 (竜の血)の副種別を持つクリーチャーは以下の特性を有する。
  • クリーチャーの種別に関わる効果に関しては、そのクリーチャーは本来の種別であると同時にドラゴンであるものとみなされる。
     ただし、そのクリーチャーは、決してトゥルー・ドラゴンであるとはみなされない。
  • ドラゴンボーンの種族特技の項も参照のこと。

特別な役割

 質疑応答の項も参照のこと。

相棒 ※この追加ルールは本サイトに掲載された版の“相棒”にのみ適用される

 冒険者、とりわけドルイドレンジャーの中には自身に忠実な動物などを連れ歩く者がいる。“相棒”とは、そのような冒険者が連れ歩くクリーチャーが有する特別な役割である。
 ドルイド動物の相棒レンジャー野獣の相棒などはいずれも“相棒”の役割を持つクリーチャーとして扱われる。ただし、元素の相棒は、その名に反して使い魔として扱われる。
 特記ない限り、“相棒”は以下のルールに従う。
  • 味方のクリーチャー:“相棒”は、君および君の味方にとって“味方”であるものとみなされる。
     
  • レベル:“相棒”のレベルは君のレベルに等しい。
     
  • 防御値:“相棒”の防御値は(“相棒”のデータ・ブロックに書かれている値+“相棒”のレベル)に等しい。
     
  • ヒット・ポイント:“相棒”のデータ・ブロックにhpが書かれていない場合、その最大hpは君の重傷値に等しい。
     
  • 回復力の共有:“相棒”のデータ・ブロックに回復力が書かれていない場合、その“相棒”と君は回復力を共有する。つまり、何らかの効果が“相棒”に回復力を消費させる場合、君の回復力がそのぶんだけ減ることになる。質疑応答の項も参照のこと。
     加えて、君と回復力を共有する“相棒”には以下のルールが適用される。
    • 底力:君が底力を使用した際は常に、“相棒”も君の回復力値に等しいhpを回復する。
    • 小休憩:小休憩の終了時に、“相棒”のhpはすべて回復する。
       
  • 相棒のイニシアチブ:“相棒”は常に、君と同じイニシアチブ順で、かつ君の直後に自分のターンを行う(複数の“相棒”がいる場合、どの“相棒”からターンを行うかは君が任意に決定する)。
     行動遅延”や“アクションの待機”などによって君のイニシアチブ順が変化したなら、“相棒”のイニシアチブ順も同時に変化する
      
  • 相棒のアクション:“相棒”は自分のターンに(通常の一揃のアクションの代わりに)1回の標準アクション、1回の移動アクション、または1回のマイナー・アクションのいずれか1つのみしか行えない。フリー・アクション、即応アクション、機会アクションは、“相棒”も通常のクリーチャーと同様に行える(ただし、“行動遅延”と“アクションの待機”は行えない)。
     加えて、君が1回の移動アクションを行うたび、(その移動アクションが“相棒”にアクションを行わせるために費やされたのでない限り)“相棒”も1回のフリー・アクションとして、1回の移動アクションを行うことができる。
     ただし、“相棒”が行える行動は、その肉体の形状や性質によって行えるものに限る。
     
  • “相棒”に命令する:君がフリー・アクションを行え、かつ“相棒”が君を見ることができるか、君の立てる音を聞くことができるなら、君はその“相棒”に命令を与えることができる。“相棒”は君の制御下に置かれたクリーチャーであり、厳密に君の指示に従って行動する。
     もし君が何の命令も与えなかった場合、その“相棒”はあらかじめ与えられた命令に従って行動する。あらかじめ与えられた命令も果たしていたなら、その“相棒”は毎ラウンド自分のターンに、可能な限り安全な経路で君に向かって近づくように移動する。ひとたび君と隣接するマスに着いたなら、以降君からの命令がない限り、敵対的なクリーチャーから君および自身の身を護るためにアクションを費やす。
    • “相棒”にアクションを行わせる:自分のターンの間、君が“相棒”に命令できる状況にある時、君は自身のアクションを費やすことで、“相棒”に1回のフリー・アクションとして、1回のアクションを行わせることもできる(これに要するアクションの種別は、“相棒”に行わせるアクションの種別と同じである)。相棒のアクションの項も参照のこと。
       
  • 独立行動:君が自分の“相棒”に命令できない状況にある時、君の“相棒”は独立して行動できる。
    • イニシアチブ:君が遭遇に参加していない場合、君の“相棒”は通常のクリーチャー同様イニシアチブをロールし、自分のイニシアチブ順でターンを行う。
       その遭遇に君が参加した場合、以降は通常の“相棒”のルールに従い、自分のターンを行う(ただし、そのラウンド中すでに君の“相棒”が自分のターンを行っていた場合、そのラウンドにおける君のターンの直後に再度“相棒”がターンを行うことはできない)。
    • アクション:独立行動している間、君の“相棒”は通常の一揃いのアクションを行える。
       この時、君の“相棒”の行動は君が選択するが、1つだけ制限がある:君のPCが遭遇に参加しており、かつ“相棒”に命令を与えれない状況に陥ったなら、その“相棒”はひとたび君と隣接するマスに移動するまでは、毎ラウンド自分のターンに、可能な限り安全な経路で“君に向かって近づくように移動を行う”ためにそのアクションを費やさなければならない。
       
  • 装備および肉体攻撃:“相棒”が装備品または肉体攻撃を有している場合、そのデータ・ブロックに書かれている。
    • 習熟ボーナス:“相棒”は自分のデータ・ブロックに書かれている装備品および肉体攻撃に習熟している。
       ただし、“相棒”の攻撃ロールにはすでに習熟ボーナスが反映されているものとみなされる。
    • 武器ダメージ・ダイス:“相棒”のデータ・ブロック書かれている装備品および肉体攻撃の武器ダメージ・ダイスには武器やそれのサイズ分類などが反映されたものが武器の名称の後に( )書きで記述されている。
       これは、何らかの効果でその“相棒”の[W]を参照する必要が生じた場合に使用される。

召喚されたクリーチャー ※この追加ルールは本サイトに掲載された[召喚AL]パワーによって召喚されたクリーチャーにのみ適用される

 冒険者の中には、どこか別の場所(他の次元界であることが多い)からクリーチャーを魔法的な手段で連れてきて自分のために働かせる者もいる。“召喚されたクリーチャー”とは、そのような冒険者に召喚され、使役されるクリーチャーが有する特別な役割である。
 特記ない限り、“召喚されたクリーチャー”は以下のルールに従う。召喚ALの項も参照のこと。
  • 味方のクリーチャー:召喚されたクリーチャー(以下、そのクリーチャーまたはそれは、[召喚AL]パワーの使用者(以下、召喚者)およびその味方すべてにとって、味方であるものとみなされる。
     ただし、制御不能である間はその限りではない。召喚者の制御下を離れるの項も参照のこと。
     
  • レベル:そのクリーチャーのデータ・ブロックにレベルが記載されていない場合、それのレベルは召喚者のレベルに等しい。
     
  • サイズ、移動速度、位置:そのクリーチャーのサイズ、移動速度は、そのデータ・ブロックに書かれている。それがどこに出現するのかは、個々の[召喚AL]パワーで指定されている。
     
  • 召喚者の防御値:そのクリーチャーのすべての防御値は、召喚者の防御値に等しい*1
     
  • ヒット・ポイント:そのクリーチャーの最大hpは召喚者の重傷値に等しく、重傷値はその1/2に等しい。そのクリーチャーのhpが0になったなら、それは破壊され、召喚者は回復力を1回ぶん失う
     そのクリーチャーは回復力を持っていないが、それが“何らかの効果によって回復力を消費することができる”場合には、召喚者は代わりに自分の回復力を消費することができる。この時、召喚者は回復力を消費したことによる利益を得られず、それがその利益を得ることになる。質疑応答の項も参照のこと。
     
  • 召喚されたクリーチャーのイニシアチブ:そのクリーチャーは、召喚者と同じイニシアチブ順で、召喚者の直後に自分のターンを行う(複数の“召喚されたクリーチャー”がいる場合、どれからターンを行うかは召喚者が任意に決定する)。
     行動遅延”や“アクションの待機”などによって召喚者のイニシアチブ順が変化したなら、それのイニシアチブ順も同時に変化する
     
  • 召喚されたクリーチャーのアクション:そのクリーチャーは自分のターンに(通常の一揃のアクションの代わりに)1回の標準アクション、1回の移動アクション、または1回のマイナー・アクションのいずれか1つのみしか行えない。フリー・アクション、即応アクション、機会アクションはそれも通常のクリーチャーと同様に行えるが、“行動遅延”と“アクションの待機”は行えない“制御不能な召喚されたクリーチャー”のアクションの項も参照のこと。
     また、そのクリーチャーが行える行動は、その肉体の形状や性質によって行えるものに限る。質疑応答の項も参照のこと。
     加えて、ほとんどの“召喚されたクリーチャー”は近接基礎攻撃を持たないため、特記ない限り機会攻撃を行えない。
     
  • 召喚されたクリーチャーに命令する:そのクリーチャーは、自分が理解できる言語で話された、召喚者の言葉によるあらゆる命令に従う(それ属性に反しない限り。召喚者の制御下を離れるの項も参照のこと):つまり、召喚者が“会話”ができ、かつそれが理解できる言語を話せるなら、それは召喚者の制御下に置かれたクリーチャーであり、厳密に召喚者の指示に従って行動する。しかしながら、朦朧状態である間、召喚者はそれに命令を与えることはできない。
     召喚者からの命令がないか、与えられた命令を果たしてから新たな命令を与えられていないか、あるいは制御不能である場合、“インスティンクティヴ・エフェクト/本能的効果”の特徴を持たない召喚されたクリーチャーは敵対的なクリーチャーから身を護る以外のアクションを行わない。また、召喚されたクリーチャー制御不能である間、召喚者はそれに対して命令を与えることはできない。
    • 召喚されたクリーチャーにアクションを行わせる:召喚者は自分のターンにアクションを費やしてそのクリーチャーに命令を下すこともできる。そうしたなら、それ1回のフリー・アクションとして、命令された1回のアクションを行う(この命令に要するアクションの種別は、それに行わせるアクションと同じ種別となる)。その命令がそれ属性に反している場合、それは即座に1回のセーヴィング・スローを行い、成功すればそのアクションを行わず、制御不能となる(命令に費やしたアクションは無為に失われる)。
      • マイナー・アクションによる命令:命令に要するアクション種別がマイナー・アクションである場合、召喚者は自分のターンに1回しかその命令を行わせることができない。
         また、召喚者はマイナー・アクションとしてそのクリーチャーに命令し、以下の行動のうちいずれか1つを行わせることができる:疾走、シフト、脱出、這い進み、伏せ状態から起き上がる、歩行、無理矢理入り込む。
    • 知識と感覚:召喚者がそのクリーチャーに命令する際、両者は知識を共有するが、感覚を共有するわけではない。
       
  • 攻撃および判定AL特記なき限り、そのクリーチャーの判定や攻撃には召喚者のデータを用いる(このため、そのクリーチャーは召喚者の特技や特徴などから利益を得ることができる)。
     ただし、そのクリーチャーが行う判定や攻撃には、召喚者が被っている一時的なボーナスやペナルティは適用されない。
    • 攻撃:そのクリーチャーのデータ・ブロックに攻撃パワーが書かれている場合、それはそのパワーの記述に従って攻撃を行う(レベルや能力値修正値を参照する場合、召喚者のそれを参照する)
      • 習熟ボーナス:そのクリーチャーは自分のデータ・ブロックに書かれている装備および肉体攻撃に習熟している。
         ただし、それの攻撃ロールにはすでに習熟ボーナスが反映されている
      • 武器ダメージ・ダイス:そのクリーチャーのデータ・ブロック書かれている装備および肉体攻撃の武器ダメージ・ダイスには武器やそれのサイズ分類などが反映されたものが武器の名称の後に( )書きで記述されている。
         これは、何らかの効果でそのクリーチャーの[W]を参照する必要が生じた場合に使用される。
      • 強化ボーナス:そのクリーチャーを召喚する[召喚AL]パワーが[装具]キーワードを有する場合、それが行う攻撃は、(注:たとえ[装具]攻撃でなくても)召喚者が使用している装具から強化ボーナスや特性などの利益を得ることができる。
         [装具]キーワードを持たない[召喚AL]パワーによって召喚されたクリーチャーは、2レベルの時点で攻撃ロールとダメージ・ロールに+1強化ボーナスを得る。加えて、その攻撃がクリティカル・ヒットした際には強化ボーナスのプラスの数値ごとに1d6の追加ダメージを与える。このボーナスは6レベルの時点で+2に、11レベルの時点で+3に、16レベルの時点で+4に、21レベルの時点で+5に、26レベルの時点で+6に増加する。
         ただし、それの攻撃ロールが“レベル+X”である場合、すでに強化ボーナスが反映されている
    • 判定:そのクリーチャーが技能判定や能力値判定を行う必要が生じた時は、召喚者がそれらの判定を行う。
       
  • 制御不能:時として召喚されたクリーチャーが召喚者の制御下を離れてしまうことがある。そうなった場合、そのクリーチャー再度制御下に置くまで“制御不能”となる。
     制御不能である間も、それは依然として召喚者の特技や特徴などによる一時的でない利益を得ることができ、かつ召喚者はそれを抑制することはできない。
    • 召喚されたクリーチャーが制御不能となるのは以下のような場合である:
    • “制御不能な召喚されたクリーチャー”のアクション:そのクリーチャーが制御不能である間、それは自分のターンに(1回のアクションではなく)通常の一揃のアクションを行うことができる。ただし、それの持つパワーや特徴は敵のみに効果を発揮するものであっても、召喚者およびその味方に対してもその効果が及ぶようになる
      • 本能的効果:そのクリーチャーが“本能的効果”の特徴を有する場合、それ制御不能になった時点でフリー・アクションとして本能的効果の特徴に書かれている行動を行う。
         また、それ制御不能である間、可能な限り、自分のターンの最初のアクションとして本能的効果の特徴に書かれている行動を行わなければならない。
    • 制御不能になった召喚されたクリーチャーを再度制御下に置く:召喚者は自分のターンにおいて、“制御下を離れている、自分が召喚したクリーチャー”に効果線が通っているなら、1回の標準アクションを費やしてそれが理解できる言語によって命令することで“それに対する、1回の〈威圧〉判定、〈交渉〉判定、または〈はったり〉判定”(難易度:それのレベルにおける困難の難易度)を行うことができ、成功したならそれを再度自分の制御下に置くことができる。この試みに成功したなら、“それに対してアクションを費やす命令を与えた”とみなされる。
       
  • 共生:そのクリーチャーが“シンビオシス/共生”の特徴を有しているなら、それが持続している間、召喚者はそこに書かれている利益を得る。
     1つのパワーが2体以上の同種のクリーチャーを召喚する場合、そのうちの1体でも持続しているなら、召喚者はこの利益を得ることができる。ただし、同種のクリーチャーが2体以上持続しているからといって、その利益が累積することはない。

使い魔

 冒険者、とりわけ秘術系クラスの者の中には、冒険の助けになる小さなクリーチャーを呼び寄せて奉仕させる者がいる。“使い魔”とは、そのような冒険者に奉仕するクリーチャーが有する特別な役割である。
 《秘術の使い魔》特技(『AP』P139『HoF』P129『HoEC』P144)で得れる使い魔、《元素の相棒》特技(『HoEC』P142)で得れる元素の相棒などはいずれも“使い魔”の役割を持つクリーチャーとして扱われる。
 特記ない限り、“使い魔”は以下のルールに従う。
  • 使い魔の説明:それぞれの“使い魔”のデータ・ブロックには、それがもたらす利益も記されている。
    • 恒常的利益:“使い魔”は少なくとも1hpを有している限り、現在のモードに関係なく君に恒常的利益をもたらす。
    • 能動的利益:“使い魔”が能動モードである時には、君は能動的利益を得られる。
       
  • 霊的な存在:“使い魔”は霊的な存在であり、食事も呼吸も必要としない。
     
  • 意思疎通:君と“使い魔”は特殊な秘術言語で会話することができる。しかし他のクリーチャーにはどちらの言っていることも理解できない。
     “使い魔”は秘術言語以外で会話することも言語を理解することもできない。ただし、君が知っている言語を理解することもでき、(それが君が知っている言語で話されていたのなら)自分が聞いた話し言葉をそのまま繰り返すことができる。
     加えて、“使い魔”が君が特定の言語の会話と読み書きを行えるようになる恒常的利益を有しているなら、その言語によって会話をしたり、その言語で書かれた文書を読んだりすることができる。
    • 元素の相棒:元素の相棒である“使い魔”は上記に加えて、始原語による会話が可能である。また、君が話せるすべての言語も流暢に話すことができる。さらに、君はその“使い魔”とテレパシーで意思疎通することもできる。このテレパシーには視線も効果線も不要である。“使い魔”に命令するの項も参照のこと。
       
  • モード:“使い魔”には2つのモード、受動モード能動モードがある。君は1回のマイナー・アクションとして、自分の“使い魔”を受動モード能動モードの間で自由に変更できる。
受動モード
 受動モードにある間、“使い魔”は君と接敵面を共有している(肩に止まったりポケットに隠れたり、あるいは君と一体化しているのだ)。そしていかなる効果の目標にもならず、いかなる効果からもダメージを受けない。また、フリー・アクションとして会話を行う以外のいかなるアクションも行えない。
 君が“使い魔”を能動モードから受動モードに変更した時に、君の“使い魔”が君の接敵面内にいなかったら、“使い魔”は君の接敵面内に出現する。

能動モード
 能動モードにある間、“使い魔”は君に能動的利益を与える。さらに、そのデータ・ブロックに記載された特性に加えて、以下の特性を有する。
  • 味方のクリーチャー:“使い魔”は、君および君の味方にとって“味方”であるものとみなされる。
  • 接敵面:“使い魔”は超小型クリーチャーとしての接敵面を有する。
  • ヒット・ポイントと破壊:“使い魔”のhpは1である。しかし、ミスした攻撃は“使い魔”に一切のダメージを与えない。“使い魔”はhpが0以下になった時点で破壊される。
     破壊された“使い魔”は、君が次に小休憩あるいは大休憩を取った後で、君のいるマスに受動モードで再出現する。
     君が死亡した時点で“使い魔”もまた死亡する。君が生き返ったなら、その時点で使い魔も生き返る。
  • 防御値:“使い魔”は君の防御値を用いる。ただし、君が得ている一時的なボーナスやペナルティは含まない。
  • 完全耐性:“使い魔”は君の攻撃に対して完全耐性を持つが、君はこの利益を無視することができる。
  • 感覚:“使い魔”の中には、擬似視覚や夜目といった特殊感覚を持つものもあるが、それらは君には適用されない。
  • 射程:“使い魔”は君から20マスより遠く離れることはできない。もし20マス以上離れたなら、“使い魔”は受動モードで君の接敵面内に出現する。
     
  • イニシアチブ:“使い魔”は常に、君と同じイニシアチブ順で、君の直後に自分のターンを行う(複数の使い魔がいる場合、どの“使い魔”からターンを行うかは君が任意に決定する)。
     行動遅延”や“アクションの待機”などによって君のイニシアチブ順が変化したなら、“使い魔”のイニシアチブ順も同時に変化する
     
  • アクション:“使い魔”は自分のターンに(通常の一揃のアクションの代わりに)1回の標準アクション、1回の移動アクション、または1回のマイナー・アクションのいずれか1つのみしか行えない。フリー・アクション、即応アクション、機会アクションは、“使い魔”も通常のクリーチャーと同様に行えるが“行動遅延”と“アクションの待機”は行えない
     また、“使い魔”が行える行動は、その肉体の形状や性質によって行えるものに限る。
    • 攻撃:“使い魔”は攻撃を行うことができない。また、挟撃もできない。
    • 技能と判定:“使い魔”は、あらゆる技能判定と能力値判定に君の修正値を用いる(ただし、君が得ている一時的なボーナスやペナルティは含まれない)。
    • 物体の操作:特記ない限り、“使い魔”は物体を持ち上げることも操作することもできない。
       
  • “使い魔”に命令する:君が“使い魔”から20マス以内にいて、“使い魔”が君の声を聞くことができる場合、君はその“使い魔”に命令を与えることができる。“使い魔”は君の制御下に置かれたクリーチャーであり、、厳密に君の指示に従って行動する。
     もし君が何の命令も与えなかった場合、その“使い魔”は敵対的なクリーチャーから身を護る以外何のアクションも行わない。
     元素の相棒:君は元素の相棒である“使い魔”に対してテレパシーで命令を下すことができる(これによって、その“使い魔”が君の声を聞くことができない状況でも命令を下すことができる)。
     ただし、その場合でも、君とその“使い魔”は知識は共有するが、感覚を共有するわけではない。
    • “使い魔”にアクションを行わせる:自分のターンの間、君が“使い魔”に命令できる状況にある時、君は自身のアクションを費やすことで、“使い魔”にフリー・アクションとしてアクションを行わせることもできる(これに要するアクションの種別は、“使い魔”に行わせるアクションの種別と同じである)。

クリーチャーの共通ルール

  • 防御値:以下のルールは、クリーチャーの防御値に修正を与える。モンスターの場合、データ・ブロックの防御値の項にはすでに適用済みである。
    • 外皮NEW[AC]/Natural Armor:外皮(分厚く頑丈な皮膚や、皮膚を覆う鱗、甲羅など)を有するクリーチャーは、を着用していなくても外皮による鎧ボーナスを得る。そのクリーチャーが鎧を着用している場合でも、鎧に基づくACが外皮に基づくACより低いなら、外皮に基づくACを使用することができる。
       モンスターの場合、そのACの値には外皮による鎧ボーナスは(もしあるなら)データ・ブロックに適用済みである。
       
  • 完全耐性:以下のルールは、クリーチャーの完全耐性とみなされる。モンスターの場合、データ・ブロックの完全耐性:の項に表記される。
    • レベルxNEW[完全耐性]/Level:あるレベル未満のクリーチャーはに対して影響を与える能力を文字通り持たない。本物の神格ではないが、それに匹敵する力を持つ存在(神的存在)の中にもそのような能力を持つ者もいる。
       この完全耐性を有するクリーチャーはレベルがx未満のクリーチャーの使用する攻撃パワーや攻撃からダメージをまったく受けず、ダメージを与えない効果の作用を受けない。この完全耐性は通常なら完全耐性を無視する効果によっても無視できない。ただし、そのようなクリーチャーであっても、レベルがx以上の魔法の武器や装具を用いた[武器]攻撃および[装具]攻撃ではこの完全耐性を無視することができる。
       
  • 抵抗:以下のルールは、クリーチャーの抵抗とみなされる。モンスターの場合、データ・ブロックの抵抗:の項に表記される。
    • 息こらえNEW[抵抗]/Hold Breath:この抵抗を有するクリーチャーは、自身が呼吸できない環境でも一定時間の間、〈持久力〉判定の必要なしに息を止めていられる。どれくらいの間、息を止めていられるかは()内に書かれている。水中戦闘の項も参照のこと。
       例:クロコダイル(鰐)は“抵抗:息こらえ(15分間)”を持つ。そのため、水中でも15分間は〈持久力〉判定の必要なしに息を止めていることができる。
       
    • ダメージ減少(DR)NEW[抵抗]/Damage Reduction:魔法的なクリーチャーの中には、武器によるダメージが即座に治癒したり、まるで不死身であるかのように攻撃をまったく無視する能力を持ったものがいる。
      • 利益:この抵抗を有するクリーチャーは通常の攻撃(訳注:発生源が魔法的なパワーでなく、かつダメージ種別が[殴打]、[斬撃]、または[刺突]のいずれかであるもの)に対する抵抗を有する。DRのxに記された数値は、その抵抗の値を示している。もしxの値が書かれていない場合、クリーチャーは通常の攻撃からダメージをまったく受けない。
         通常、この抵抗は特定の種類の武器によって無視することができる(DR克服を参照)。DR克服は抵抗の値と“/”で区切って記載されている。例えば、“抵抗:DR5/+4”を有するクリーチャーは、“発生源が魔法的なパワーでない[殴打]、[斬撃]、または[刺突]ダメージに対する抵抗5”を有し、“強化ボーナスが+4以上の魔法の武器”を用いた攻撃はこの抵抗を無視することができることを意味する。もし“/”の後に“―”が記されているなら、そのダメージ減少は、ダメージ減少を無視できるもの(発生源が魔法的なパワーであるか、ダメージ種別が[殴打]、[斬撃]、または[刺突]以外であるもの)を除いたあらゆる攻撃に対して有効である。
      • DR克服:ダメージ減少には特殊な素材(“”や“アダマンティン”など)、魔法の武器(“魔法”や“レベルx”など)、特定の形状の武器(“[殴打]”や“[斬撃]”など)、特定の属性を帯びた武器によって克服できるものなどがある。
         また、ダメージ減少を有するクリーチャーの肉体攻撃は、ダメージ減少を克服する際、“自分が有するダメージ減少を克服できる武器”として扱われる。例えば、“抵抗:DR5/+4”を有するクリーチャーの肉体攻撃は、ダメージ減少を克服する際、“強化ボーナスが+4の魔法の武器”として扱われる。
        • 魔法:“/”の後に“魔法”が記されているなら、魔法の武器を用いた[武器]攻撃はそのダメージ減少を無視する。
          • +x:“/”の後に“+x”が記されているなら、“強化ボーナスのプラスの数値がx以上の魔法の武器”を用いた[武器]攻撃はそのダメージ減少を無視する。
  • 脆弱性:以下のルールは、クリーチャーの脆弱性とみなされる。モンスターの場合、データ・ブロックの脆弱性:の項に表記される。
    • 水中呼吸NEW[脆弱性]/Water Breathing:この脆弱性を有するクリーチャーは、水中でしか呼吸できない。
       
  • 特徴:以下のルールは、クリーチャーの特徴とみなされる。モンスターの場合、データ・ブロックの特徴の項に表記される。
    • スレトニング・リーチ/機会攻撃の間合い[特徴]:この特徴を有するクリーチャーは、機会攻撃の射程が“近接・武器”となり、トリガー:が“使用者から見える敵1体が、使用者の間合い内のマスを離れるか、使用者の間合い内にいる時に遠隔パワーまたは遠隔範囲パワーを使用する”になる。
       例:ロングスピア(通常は間合いが2である武器)を使用している、スレトニング・リーチを有するクリーチャーは自分から2マス以内の敵に対して機会攻撃を行える。
       
    • レジェンダリー・アクション/伝説的アクションNEW[特徴]:このクリーチャーは、1ラウンドに2回以上の即応アクションを行える。クリーチャーは自分のターンの開始時に、使用済みの即応アクションの使用回数をすべて回復する。
       このクリーチャーの即応アクションの中には1度に複数回の即応アクションの使用回数を消費するものもある。たとえば、使用回数種別の後ろに(2即応アクション消費)と記載されているアクションは、使用する際2回ぶんの即応アクションの使用回数を消費する。消費できる即応アクションの使用回数が残っていない場合、クリーチャーはその即応アクションを行うことができない。
       この特徴を持つクリーチャーは、少なくとも1回の即応アクションの使用回数を有しているなら、自身を攻撃または“即応アクションを行えなくする”効果の内、(1)ゲームから除外された状態、(2)時間停止状態、(3)石化状態または瀕死状態による気絶状態、を除く効果を受けるたびに、代わりに1回ぶんの即応の使用回数を失う。
       
  • 言語以下のルールは、クリーチャーの言語に関する特徴とみなされる。モンスターの場合、データ・ブロックの言語の項に表記される。
    • 真言NEW言語]/Truespeech:言語の項に;真言が書かれているクリーチャーは、いかなる言語の会話も理解し、いかなる言語の文面も読むことができる。また、そのクリーチャーは自分の言葉を、何らかの言語を理解するいかなるクリーチャーにも理解できるようにすることも選べる。
最終更新:2023年03月13日 19:02

*1 ただし、召喚者が得ている一時的なボーナスやペナルティは含まれない