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ティーフリング
 本項のルールはティーフリングに関連するハウス・ルールである。

アップデート

アップデートされる特技

英雄級特技

か行
《神々の末裔UP, FR Scion of Gods

た行
《トゥラス流武器訓練UP, DW  Turathi Weapon Training

伝説級特技

か行
《グラーシャの魅惑の囁きUP  Glasya’s Charming Words

た行
《ディスパテルの鉄なる規律UP  Dispater’s Iron Discipline

は行
《バールゼブルの危険な賭けUP  Baalzebul’s Desperate Gambit

バールゼブルズ・デスパレイト・ギャンビット
バールゼブルの危険な賭け 特技/汎用
[一日毎][構え]、[秘術]
マイナー・アクション  使用者
必要条件:使用者は《バールゼブルの危険な賭け》特技を修得していなければならない。
効果:使用者は“バールゼブルの危険な賭け”の構えをとる。構えが終了するまでの間、使用者は以下の利益と弱点を得る。
 ✦使用者は戦術的優位を与え、すべてのダメージに対する脆弱性5を得る。
 ✦1体の敵から攻撃を受けるたび、その攻撃が解決された後に、使用者は1回の機会アクションとして攻撃者に対して1回の基礎攻撃を行える。

《ベリアルの秘蹟UP  Secrets of Belial
  • 前提条件:11レベル、インファーナル・ティーフリング;“ネッソスの血の遺産”、または“プレゲトスの血の遺産”の種族的特徴
  • 利益:自分のクラス以外のクラスの、レベルを有する汎用パワー1つを選ぶ。そのパワーのレベルは君のレベル以下でなければならない。
     1遭遇に1回、1回のフリー・アクションとして、君は選択したパワーのレベル以上の、しかるべき使用回数(遭遇毎、または一日毎)を持つ未使用のクラスの汎用パワーの使用回数を1回ぶん失うことで、その遭遇の間、君は選択したパワーを使用できるようになる(使用するためには、選択したパワーの使用に必要となるアクションも通常通り行わなければならない)。

《ベルの約定されし勝利UP  Bel's Impending Victory

ま行
《メフィストフェレスの地獄の業火UP  Hellfire of Mephistopheles
  • 前提条件:11レベル、インファーナル・ティーフリング;“カニアの血の遺産”、または“ネッソスの血の遺産”の種族的特徴
  • 利益:君は[秘術]の[火]パワーのダメージ・ロールに+2ボーナスを得る。このボーナスは21レベルで+3に増加する。
     さらに、君が“[火]に対する抵抗または完全耐性を持つ敵”に[秘術]の[火]攻撃をヒットさせるたびに、攻撃の解決後、その敵は[火]に対する抵抗および完全耐性を失う(セーヴ・終了)。もしこの攻撃がインフェルノによるものなら、(攻撃の解決後の代わりに)“攻撃をヒットさせる”か“このパワーによる継続的[火]ダメージが発生する”たびにこの利益を得る。

《マモンの精髄盗みUP  Mammon's Theft of Health

ら行
《レヴィストスの凍れる血UP  Blood of Levistus

神話級特技

あ行
《アスモデウスの勅令UP  Royal Command of Asmodeus

追加ルール

追加特技

英雄級特技

さ行
《財宝の気配》  Promise of Wealth
プロミス・オヴ・ウェルス
財宝の気配 特技/汎用
[遭遇毎][秘術]、[魅了]
フリー・アクション  近接範囲・爆発5
必要条件:使用者は《財宝の気配》特技を修得していなければならない。
トリガー:使用者が攻撃を1体の敵にヒットさせる。
目標:爆発内の味方すべて
効果:使用者の次のターンの開始時まで、目標は“トリガーを発生させた敵が莫大な財宝を持ち歩いていると思いこむ”。この作用を受けている間、目標は(1)くだんの敵に対する攻撃ロールに“有利”を得るが、(2)戦術的優位を与えてしまう。

《地獄の小頭》  Infernal Ring Leader
インファーナル・リングリーダー
地獄の小頭 特技/攻撃
[遭遇毎][秘術]、[魅了]
即応・割込  近接範囲・爆発1
必要条件:使用者は《地獄の小頭》特技を修得していなければならない。
トリガー:使用者が攻撃の目標になる。
目標:爆発内の、その攻撃の目標に含まれていない味方1人
効果:使用者と目標は位置を入れ替える
 目標は使用者の代わりに、トリガーとなった攻撃の目標となる(この時、攻撃者は目標を自分の間合いに収めていなくてもこの攻撃を行うことができる)。
 トリガーとなった攻撃が解決した後、目標はフリー・アクションとして攻撃者に対して1回の基礎攻撃を行える。

《地獄の洞察力》  Infernal Insight
インファーナル・インサイト
地獄の洞察力 特技/汎用
[遭遇毎][秘術]
アクション不要  使用者
必要条件:使用者は《地獄の洞察力》特技を修得していなければならない。
トリガー:使用者が1回の攻撃ロール、技能判定、能力値判定のいずれかを行い、その結果が気に入らない。
効果:使用者はトリガーとなった1回のロールを、“有利”を得て再ロールする。

ま行
《魔物の視界》 Fiend Sight
  • 前提条件:ティーフリング、暗視10
  • 利益:君の暗視の範囲はなくなる(君の暗視は視界と同じだけ広がる)。すでに“範囲のない暗視”を有しているなら、代わりに闇の見通しを得る。
  • 特殊:君はこの特技を2回まで修得できる。

《魔物の魔術》 Fiendish Sorcery
  • 前提条件:ティーフリング、ソーサラー、クラス特徴“魔物の魔法
  • 利益:ティーフリングの種族パワーから[秘術]キーワードを有する遭遇毎パワーを1つ選んで得る。
     君は1遭遇につき1つのティーフリングの種族の遭遇毎パワーしか使用できない。
     さらに、君の“[秘術]キーワードを有するティーフリングのパワー”は“ソーサラーのパワー”であるともみなされる。
     加えて、[恐怖]または“君がソーサラーのクラス特徴から抵抗を得ている、または既存の抵抗が増加しているダメージ種別”に対応したキーワードを有する、ソーサラーまたはソーサラーの伝説の道の[秘術]パワーを使用した際、君はダメージ・ロールに+1ボーナスを得る。このボーナスは11レベルの時点で+2に、21レベルの時点で+3に増加する。
     最後に、君が“魔物の呪文”で選択したパワーが、ウォーロックまたはその伝説の道のパワーであり、かつ“フィーンドの契約”によって追加の利益を得ることができるなら、君はその利益を得ることができる。

代替ルール

代替種族:ティーフリング AL

 以下の代替ルールはティーフリングの種族的特徴を置き換えるものである。この新しいオプションを使用することを選択した場合、その一部だけを使用することはできない。

ティーフリングALの種族的特徴

  • サイズ:中型
  • 移動速度:6マス
  • 視覚:暗視10
     
  • 手負い狩り:重傷の敵に対する君の攻撃ロールに+1の種族ボーナスを得る。
  • 亜種族:フィーンドの血を引くヒューマンたちの子孫であるティーフリングは、先祖のフィーンドによって2つの主要な亜種族に分かれる:インファーナル・ティーフリング(地獄の血脈のティーフリング)、フェラル・ティーフリング(化外の血脈のティーフリング)。
     これらの亜種族のうち1種類を選ぶこと。君は選択した亜種族の利益を得る。
     上記の亜種族の中にさらに細かな分類がある。それゆえ、君は望むなら、DMの許可を得て、もっと細かな亜種族を選択することもできる。 

ティーフリングAL追加可能な種族的特徴

  • 能力値:冒険者は同じ種族の“普通の人々”から抜きんでた存在だが、君は同じ種族の“典型的な冒険者”と比べても非凡な存在である。
    • 利益:君の種族(または亜種族)の種族的特徴による“能力値”は以下に置き換えられる:好きな能力値1つに+2
       
  • ヒューマンの子:君は(人間の血)の副種別を得る。ヒューマン譲りの英雄的奮闘の項も参照のこと。
     君は変装をすることなく(ティーフリングではなく)ヒューマンとして振る舞うことができる。
     もし君が魔物の血脈に由来する外見的特徴を有しているとしても、それを何かで隠している間、ヒューマンのふりをする際の〈はったり〉判定に+5の種族ボーナスを得る。
     この利益を選択した場合、君のキャラクター種族による“言語”は“共通語、加えて好きな言語1つ”に置き換わるが、地獄語および奈落語は選択できない。

ティーフリングの亜種族:インファーナル・ティーフリング

 ティーフリングという種族の中で圧倒的最多数を占めているのは、インファーナル・ティーフリング(地獄の血脈のティーフリング)だ。そして、インファーナル・ティーフリングとして知られている者は、ほぼ間違いなくアスモデウスの子孫である。地獄の支配者には、他のデヴィルよりも、遥かに多数の子孫がいる。おそらく、他のアーチデヴィルを含めた、アスモデウス以外のデヴィルすべての子孫を合わせたものよりも、数が多いだろう。
 とはいえインファーナル・ティーフリングのすべてがアスモデウスの血を受けているわけではなく、そうした者たちは通常のインファーナル・ティーフリングとは異なる特徴を持っている。この血縁と、それに由来する特徴はもっと細かな亜種族という形で表される。

インファーナル・ティーフリングの種族的特徴
  • 能力値:+2【魅力】;+2【耐久力】または+2【知力】
  • 言語:共通語、地獄語
  • 技能ボーナス:+2〈威圧〉、+2〈魔法学〉
  • 地獄の抵抗力:[火]ダメージに対して、(5+レベルの1/2)に等しい抵抗を有する。
  • ネッソスの血の遺産:君は以下の利益をすべて得る。

インファーナル・ティーフリングの追加可能な種族的特徴

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:アスモデウスの末裔
 “九層地獄”の第9階層“ネッソス”の支配者にして地獄の君主アスモデウスの子孫である君は、地獄の支配者と関係を持つ者にふさわしく、闇と炎の力を操り、鋭い知性に恵まれる。

“アスモデウスの末裔”の種族的特徴
 アスモデウスの末裔のキャラクターを作成する際、君は通常のインファーナル・ティーフリングとまったく同様の利益を得る。

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:グラーシャの末裔
 “九層地獄”の第6階層“マーレボルジェ”の支配者グラーシャの子孫である君は、地獄の犯罪王女との縁から、盗みを働くのに便利な力を授けられている。

“グラーシャの末裔”の種族的特徴

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:ディスパテルの末裔
 “九層地獄”の第2階層の“ディス”の支配者ディスパテルの子孫である君は、この階層のほとんどを占める大いなる都市ディス――秘密が競売にかけられ、最も高値をつけた者が秘密を授かる場所――の支配者との縁から、諜報と潜入の適性がある。

“ディスパテルの末裔”の種族的特徴
  • 能力値:+2【魅力】;+2【耐久力】または+2【敏捷力】
     
  • 技能ボーナス:+2〈隠密〉、+2〈はったり〉
  • ディスの血の遺産:君は以下の利益を得る。

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:バールゼブルの末裔
 “九層地獄”の第7階層の“マラドミニ”の支配者たるバールゼブルの子孫である君は、他者の心身両面を堕落させることができる。この廃墟の階層を治めるアーチデヴィルが“そいつがちょっと罪を犯してくれれば大事が起きるようなヤツを堕落させる”ことに長けているのと同様に。

“バールゼブルの末裔”の種族的特徴
  • 能力値:+2【魅力】;+2【耐久力】または+2【知力】
     
  • 技能ボーナス:+2〈隠密〉、+2〈はったり〉
  • マラドミニの血の遺産:君は以下の利益を得る。

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:フィアーナの末裔
 “九層地獄”の第4階層の“プレゲトス”の支配者フィアーナの子孫である君は、人心操作の達人である彼女との縁から、他者に影響を及ぼしやすくなるカリスマ性を授けられている。

“フィアーナの末裔”の種族的特徴

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:ベルの末裔
 “九層地獄”の第1階層の“アヴェルヌス”の支配者ベルは強大なピット・フィーンドだ。彼はその忠誠と軍事的才能を買われてアスモデウスによって任命された。アーチデヴィルでないにもかかわらず。他の君主たちは彼を「君主の器ではない」といって見下しているが、それでも彼の成功を高く評価している。
 ベルの子孫である君は、普通のティーフリングよりも腕力に優れ、肉弾戦に役立つ魔法的な能力を持つ。

“ベルの末裔”の種族的特徴
  • 能力値:+2【魅力】;+2【筋力】または+2【耐久力】
     
  • 技能ボーナス:+2〈威圧〉、+2〈運動〉
  • アヴェルヌスの血の遺産:君は以下の利益を得る。

“ベルの末裔”の追加可能な種族的特徴
  • ピット・フィーンドの翼:君は肩甲骨の部分から蝙蝠のような皮膜を持つ翼を生やしている。
     この特徴は“シアリング・スマイト”の特徴と入れ替えで獲得する。
    • 利益:君は(移動速度+4)に等しい飛行移動速度(劣悪)を得る。
       通常荷重を超えて運搬している際、君はこの飛行移動速度を使用することはできない。

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:マモンの末裔
 “九層地獄”の第3階層の“ミナウロス”の支配者マモンは途方もない守銭奴であり、他の何よりも金銭を愛する。
 彼の子孫である君は富を集めて守ることに長けている。

“マモンの末裔”の種族的特徴
  • 能力値:+2【魅力】;+2【敏捷力】または+2【知力】
     
  • 技能ボーナス:+2〈盗賊〉、+2〈はったり〉
  • ミナウロスの血の遺産:君は以下の利益を得る。

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:メフィストフェレスの末裔
 “九層地獄”の第8階層の凍てつく領域“カニア”に座するメフィストフェレスは、彼に請願した者に秘術の力を授ける。
 彼の子孫である君も、いくばくかの秘術魔法を操れる。

“メフィストフェレスの末裔”の種族的特徴
  • 能力値:+2【魅力】;+2【耐久力】または+2【知力】
  • 技能ボーナス:+2〈威圧〉、+2〈魔法学〉
  • カニアの血の遺産:君は以下の利益を得る。

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:レヴィストゥスの末裔
 “九層地獄”の第5階層の凍てつくステュギアの支配者レヴィストゥスは、避けようのない破滅に直面した者に取引を持ちかけることで有名なアーチデヴィルだ。
 その子孫である君の血脈の力にも、彼の支配する階層や彼が与えることができる恩寵が反映されている。

“レヴィストゥスの末裔”の種族的特徴
 レヴィストゥスの末裔のキャラクターを作成する際、君は以下の利益を得る。
  • 能力値:+2【魅力】;+2【耐久力】または+2【知力】
     
  • 技能ボーナス:+2〈はったり〉、+2〈魔法学〉
  • ステュギアの血の遺産:君は以下の利益を得る。

インファーナル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:地獄の存在の末裔
 九大君主よりもさらに稀なことではあるが、“九層地獄”においてその廷臣を務める公爵や女侯爵(あるいはザリエルゲリュオンモロクといった、“九層地獄”の“過去における支配者”)たるアーチデヴィル(大悪魔)や、エリニュスピット・フィーンドの中でも特に奸智と力を兼ね備えた者もまた、定命の存在との間にカンビオン(ハーフフィーンド)の子をもうけることがある。
 君はそのようなカンビオンの子孫であり、その血脈に由来する力を有している。

“地獄の存在の末裔”の利益
  • 能力値:好きな能力値1つに+2
     
  • 技能ボーナス:好きな技能1つに+2のボーナス
  • 地獄の血の遺産:魔物の血の特徴”を得る。

ティーフリングの亜種族:フェラル・ティーフリング

 ティーフリングはフィーンド(魔物)の血を引くヒューマンの末裔だが、かれらのほとんどは地獄の落とし子たるインファーナル・ティーフリングである。だが、その魔の血の起源を地獄の存在以外に持つ者たちもいる。そのような者たちはフェラル・ティーフリング(化外の血脈のティーフリング)と呼ばれている。
 彼らのフィーンドの祖先は普通、サキュバスやインキュバスだ。彼女あるいは彼とヒューマンの子たるカンビオンは“魔物の魅了”能力を有し、その子孫であるフェラル・ティーフリングも“魔物の血の遺産”としてこの能力を発現させることが多い。しかし、フェラル・ティーフリングの中にはデーモンやナイト・ハグ、ラークシャサの子孫もいる。彼らの中には、単なるフィーンドの子孫ではなく、強力な神々の末裔である者すらいる。フェイルーン(フォーゴトン・レルム世界における主要な冒険の舞台となる地域)ではベシャバ女神やマスク神の末裔たるティーフリングが知られている。かつてムルホランドでは、“最も一般的なティーフリング”はセト神やセベク神の子孫たるフェラル・ティーフリングであったことすらある。

フェラル・ティーフリングの種族的特徴
  • 能力値:君の好きな能力値1つは2増加する。
     
  • 言語:共通語;地獄語または奈落語
  • 技能ボーナス:好きな技能1つに+2のボーナスを得る。
  • 魔物の抵抗力:[電撃]に対する抵抗2、[火]に対する抵抗2、および[冷気]に対する抵抗2を得る。すでにこれらに対する抵抗を有している場合は、代わりに既存の抵抗が2増加する。
     これらの値は11レベルで5に、21レベルで10に増加する。
  • 魔物の血の遺産:魔物の血の特徴”を得る。

フェラル・ティーフリングの追加可能な種族的特徴

フェラル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:奈落の存在の末裔
 奈落の存在の末裔ヒューマンデーモンとの間に生まれたカンビオン(ハーフフィーンド)の子孫たるフェラル・ティーフリングだ。
 定命の存在と子をなすデーモンは極めて少ないが、そのような欲求を抱いた稀なデーモンがいないわけではない。
 デーモンの中でも特に多数の子をもうけているのがデーモン・ロードグラズズトで、彼の子として生まれたカンビオンは多元宇宙中に散らばっている。その中で最も有名なのはアイウーズ――父から受け継いだアビスの力と、母から受けた最高の秘術教育によって、デミゴッドにまで成り上がった存在だ。
 デーモン・ロードバフォメットオルクスのカルト教団員は、邪悪な儀式によって子どもや胎児に主人の力を吹き込みカンビオン(ハーフフィーンド)に変容させることがある。特別な力を備えた教団の精鋭戦士として育て上げるためだ。
 バロールやマリリスといった強力なデーモンの中にも、そのような欲求を抱くことがある。かのデミリッチのアサーラックも、バロールの父とヒューマンの母との間に生まれたカンビオンであると言われている。
 祖先のデーモンがいかなる存在であれ、君の血管を流れる不浄の血は、その祖先の混沌とした性質を反映している。

“奈落の存在の末裔”の種族的特徴
  • 言語:君の種族的特徴による“言語”は以下に置き換えられる:共通語、奈落語
  • 奈落の抵抗力:この特徴は“魔物の抵抗力”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
     [電撃]に対する抵抗2、[火]に対する抵抗2、および[冷気]に対する抵抗2を得る。すでにこれらに対する抵抗を有している場合は、代わりに既存の抵抗が2増加する。
     これらの値は11レベルで5に、21レベルで10に増加する。
  • 奈落の血の遺産:この特徴は“魔物の血の遺産”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
     “魔物の血の特徴”を得る。 

フェラル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:オルクスの末裔
 アビスの第113階層(第333階層とも言われる)“タナトス”の支配者オルクスは、“デーモン・プリンス・オヴ・アンデス(不死のデーモン・プリンス)”や“ブラッド・ロード(流血公)”の名で知られるデーモン・ロードだ。
 オルクスの子孫であるティーフリングは、その“祝福”によってしばし生と不死の境界線上を彷徨っている。特に強力な者であれば、死せるクリーチャーを自らの従僕たるアンデッドに変える能力を持つ。

“オルクスの末裔”の追加可能な種族的特徴
 オルクスの末裔のキャラクターを作成する際、君は“奈落の存在の末裔”と同じ特徴を得ることにしても構わない。だが、君は以下の特徴のリストの中から(特に明記されていない限り)好きなものを何個でも、標準の“奈落の存在の末裔”の種族的特徴と入れ替えることができる。
  • 能力値:君の種族的特徴による“能力値”は以下に置き換えられる:+2【耐久力】;+2【知力】または+2【判断力】
     
  • 技能ボーナス:君の種族的特徴による技能ボーナスは以下に置き換えられる:+2〈宗教〉、+2〈魔法学〉
  • タナトスの抵抗力:この特徴は“奈落の抵抗力”の種族的特徴と入れ替えで獲得する。
     [光輝]ダメージおよび[死霊]ダメージに対して、(5+レベルの1/2)に等しい抵抗を有する。さらに、[毒]効果および[病気]効果に対するセーヴィング・スローに+5種族ボーナスを得る。
  • タナトスの血の遺産:この特徴は“奈落の血の遺産”の種族的特徴と入れ替えで獲得し、前提条件を満たしているかどうかを判断する際には、“奈落の血の遺産”とみなされる。
     【知力】または【判断力】のいずれかを選択すること。君がウォーロックのクラス特徴“フィーンドの契約”またはソーサラーのクラス特徴“魔物の魔法”を有しているなら、“フィーンドの契約”であればウォーロックおよびその伝説の道のパワーの、“魔物の魔法”であればソーサラーおよびその伝説の道のパワーの、攻撃ロールとダメージ・ロールにおいて、選択した能力値を本来の能力値の代わりに使用することができる。
     加えて、君は以下の利益を得る。

フェラル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:グラズズトの末裔

“グラズズトの末裔”の追加可能な種族的特徴
 グラズズトの末裔のキャラクターを作成する際、君は“奈落の存在の末裔”と同じ特徴を得ることにしても構わない。だが、君は以下の特徴のリストの中から(特に明記されていない限り)好きなものを何個でも、標準の“奈落の存在の末裔”の種族的特徴と入れ替えることができる。
  •  :

フェラル・ティーフリングのもっと細かな亜種族:バフォメットの末裔

“バフォメットの末裔”の追加可能な種族的特徴
 バフォメットの末裔のキャラクターを作成する際、君は“奈落の存在の末裔”と同じ特徴を得ることにしても構わない。だが、君は以下の特徴のリストの中から(特に明記されていない限り)好きなものを何個でも、標準の“奈落の存在の末裔”の種族的特徴と入れ替えることができる。
  •  :

魔物の血の特徴

 君のティーフリングが“魔物の血の特徴”の利益を有する場合、以下の選択肢から1つを選択すること:鱗の肌魔物の尾魔物の大暴れ魔物のエネルギー放出魔物の舌魔物の翼魔物の魅了。君は選択した利益を得る。
  • 鱗の肌:君の肌は鎧のように堅い。
     君はACに外皮による+3鎧ボーナスを得る。この鎧ボーナスは16レベルの時点で+4に、26レベルの時点で+5に増加する。
     さらに、ダメージ種別を以下から選択する:[酸]、[死霊]、[電撃]、[毒]、[火]、[雷鳴]、[冷気]。君は選択した種別のダメージに対する抵抗5を獲得する。この抵抗は11レベルの時点で10に、21レベルの時点で15に増加する(君がすでに選択したダメージ種別に対する抵抗を有しているなら、代わりに既存の抵抗が5増加する)。もし君が種族的特徴“奈落の存在の末裔”を有しているなら、ダメージ種別を選択するかわりにヴァリアブル・レジスタンスのパワーを得ることを選択できる。
  • 魔物の尾:君は先端に毒針の生えた、長くしなやかな尾を持つ。
     君は尾の針による肉体攻撃を行える。いずれの肉体攻撃も“間合いUP”特性を有する。
     さらに、君はテイル・スティングのパワーを有する。
  • 魔物の大暴れ:モンクの素手攻撃以外の肉体攻撃から2つを選択すること。君は選択した肉体攻撃を行える。
     さらに、君はフィーンディッシュ・ランページのパワーを有する。
  • 魔物のエネルギー放出:君はチャネル・エナジーのパワーを有する。
     さらに、君は自分のチャネル・エナジーで選択したダメージ種別に対する抵抗5を得る。この抵抗は11レベルで10に、21レベルで15に増加する。
  • 魔物の舌:君は〈はったり〉判定に+2種族ボーナスを得る。加えて、以下の利益を得る。
  • 魔物の翼:君は肩甲骨の部分から翼を生やしている。君はこの翼を羽ばたかせることで飛行できる。この翼は蝙蝠のような皮膜を持つ翼であることもあれば、黒や赤、紫の羽毛でまばらに覆われていることもある。ほとんどないことだが、もっと異様な姿を取ることさえある。
     この利益を選択した時点で、この翼が君に与える飛行移動速度を以下の中から選ぶ:(1)君の移動速度に等しい飛行移動速度、(2)(君の移動速度+4)に等しい飛行移動速度(劣悪)。
     重装鎧を着用している間、君はこの利益で得た飛行移動速度を使用することはできない。
  • 魔物の魅了:君はフィーンディッシュ・チャームのパワーを有する。
     君は自分のターンに“このパワーによって魅了しているクリーチャーに口頭で命令を下す”ことで、そのクリーチャーにフリー・アクションとしてアクションを行わせることもできる(この命令に要するアクションの種別は、それに行わせるのと同じ種別のアクションである)。この命令は支配状態のクリーチャーに対する命令と同様に機能する。この命令の結果、そのクリーチャーがセーヴィング・スローを行い、成功すればそのクリーチャーは君から“危害を与えられた”とみなされる。

代替種族パワー:ティーフリング

種族パワー

攻撃パワー
インファーナル・ラスAL
地獄の怒り ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][火]、[秘術]
フリー・アクション  近接範囲・爆発10
トリガー:使用者から10マス以内の敵が、使用者にヒットを与える。
目標:爆発内の、トリガーを発生させた敵1体
効果:目標は(1d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージを受ける。
 レベル11:(2d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージ。
 レベル21:(3d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージ。

インフェルノ
灼熱地獄 ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][火]、[秘術]
標準アクション  近接範囲・噴射5
目標:噴射内のクリーチャーすべて
攻撃:“【知力】または【魅力】のいずれか”対“反応”。使用者は攻撃ロールに+2ボーナスを得る。
 レベル11:ボーナスは+4に増加する。
 レベル21:ボーナスは+6に増加する。
ヒット:(1d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージ。
 レベル11:(2d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージ。
 レベル21:(3d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージ。
効果:目標は1d6の継続的[火]ダメージを受ける(セーヴ・終了)。

グレイシャル・アーマー
凍てつく鎧 ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][秘術]、[冷気]
標準アクション  使用者
効果:使用者は(5+“【知力】または【魅力】”修正値)に等しい一時的hpを得る。この一時的hpがすべて失われるまで、使用者に近接攻撃をヒットさせたクリーチャーは1d6の[冷気]ダメージを受ける。
 レベル11:(10+“【知力】または【魅力】”修正値)に等しい一時的hp、2d6の[冷気]ダメージ。
 レベル21:(15+“【知力】または【魅力】”修正値)に等しい一時的hp、3d6の[冷気]ダメージ。

シアリング・スマイト
灼熱の一撃 ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][火]、[秘術]
フリー・アクション  特殊
トリガー:使用者が近接[武器]攻撃パワーで敵を目標にする。
効果:目標1体は1d6の[火]ダメージを受ける。もしトリガーとなった攻撃がヒットしたなら、くだんの目標はさらに(1+“【耐久力】または【魅力】”修正値)に等しい継続的[火]ダメージを受ける(セーヴ・終了)。
 レベル11:2d6の[火]ダメージ、(3+“【耐久力】または【魅力】”修正値)に等しい継続的[火]ダメージ(セーヴ・終了)。
 レベル21:3d6の[火]ダメージ、(5+“【耐久力】または【魅力】”修正値)に等しい継続的[火]ダメージ(セーヴ・終了)。

チャネル・エナジー
エネルギー放出 ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][さまざま]
マイナー・アクション  近接範囲・噴射3または爆発1
目標:噴射または爆発内のクリーチャーすべて
攻撃:“【筋力】、【耐久力】、または【魅力】のいずれか”対“頑健”([死霊]、[毒]、[冷気])、“反応”([酸]、[電撃]、[火]、[力場])、または“意志”([精神])。使用者は攻撃ロールに+2ボーナスを得る。
 レベル11:ボーナスは+4に増加する。
 レベル21:ボーナスは+6に増加する。
ヒット:(1d6+“【筋力】、【耐久力】、または【魅力】”修正値)ダメージ。
 レベル11:(2d6+“【筋力】、【耐久力】、または【魅力】”修正値)ダメージ。
 レベル21:(3d6+“【筋力】、【耐久力】、または【魅力】”修正値)ダメージ。
特殊:このパワーを得た際に、このパワーの範囲を“噴射3”か“爆発1”のいずれかから選ぶ。また、このパワーのダメージ種別を以下の中から選ぶ:[酸]、[死霊]、[精神]、[電撃]、[毒]、[火]、[雷鳴]、[力場]、[冷気]。これらの選択は君のキャラクターの生涯を通じて2度と変更できない。

テイル・スティング
尾の毒針 ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][毒]、[武器]
即応・対応  近接・武器
必要条件:このパワーは種族的特徴“魔物の尾”で得た“尾の針”を用いて使用しなければならない。
トリガー:1体の敵が使用者の“尾の針”の間合い内にあるマスから離れる。
目標:トリガーを発生させた敵
攻撃:“【筋力】または【敏捷力】”対AC
ヒット:(1[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ。目標は使用者のレベルにおける“標準”の難易度の〈持久力〉判定に成功しなければならず、さもなくは2d6の追加[毒]ダメージを受ける。
 レベル11:(2[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ、3d6の追加[毒]ダメージ。
 レベル21:(3[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ、4d6の追加[毒]ダメージ。

フィーンディッシュ・チャーム
魔物の魅了 ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][秘術]、[魅了]
標準アクション  遠隔・5
目標:人型クリーチャー1体
攻撃:“【知力】または【魅力】のいずれか”対“意志”。使用者は攻撃ロールに+2ボーナスを得る
 レベル11:ボーナスは+4に増加する。
 レベル21:ボーナスは+6に増加する。
ヒット:目標は魅了状態になる。使用者または使用者の味方が目標に何であれ危害を与えると、この魅了状態は終了する。
 後効果:目標は使用者に魅了されていたことに気づく。
特殊:遭遇の終了後も目標がこのパワーによる魅了状態であるなら、その後大休憩の終了時に使用者がこのパワーの使用回数を消費する限り、この効果は持続する。

フィーンディッシュ・ランページ
魔物の大暴れ ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][武器]
フリー・アクション  近接・武器
トリガー:使用者が攻撃によって1体の敵を重傷にするか、hpを0以下にする。
効果:使用者は攻撃の前に移動速度の半分までの移動を行う。
目標:クリーチャー1体以上
攻撃:“【筋力】または【敏捷力】”対AC(種族的特徴“魔物の大暴れ”で得た肉体攻撃)。両手のまたは叩きつけが使用できるなら、1つのまたは叩きつけごとに1回ずつ、最大2回攻撃。2回以上攻撃を行う場合、すべての攻撃ロールに-2ペナルティを受ける。
ヒット:(1[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ。
 レベル11:(2[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ。
 レベル21:(3[W]+“【筋力】または【敏捷力】”修正値)ダメージ。
 両手のまたは叩きつけ1回の攻撃ごとに1[W]ダメージ。
  レベル11:2[W]ダメージ。
  レベル21:3[W]ダメージ。

マリシャス・モッカリィ
悪意持つ嘲り ティーフリング/種族/攻撃
[無限回][精神]、[秘術]、[魅了]
標準アクション  遠隔・10
目標:使用者の声を聞くことができるクリーチャー1体
攻撃:“【知力】または【魅力】”対“意志”。使用者はこの攻撃ロールに+2ボーナスを得る。
 レベル11:このボーナスは+4に増加する。
 レベル21:このボーナスは+6に増加する。
ヒット:(1d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[精神]ダメージ。目標は、目標自身の次のターンの終了時まで使用者を目標に含まない攻撃を行う際には、攻撃ロールに【魅力】修正値に等しいペナルティを受ける。
 レベル21:(2d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[精神]ダメージ。

レイ・オヴ・シックネス
不調光線 ティーフリング/種族/攻撃
[遭遇毎][死霊]、[秘術]
マイナー・アクション  遠隔・10
目標:クリーチャー1体
攻撃:“【知力】または【魅力】”対“反応”。使用者は攻撃ロールに+2ボーナスを得る。
 レベル11:ボーナスは+4に増加する。
 レベル21:ボーナスは+6に増加する。
ヒット:(1d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[死霊]ダメージ、目標は使用者の次のターンの終了時まで不調状態となる。
 レベル11:(2d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[死霊]ダメージ。
 レベル21:(3d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[死霊]ダメージ。

レイ・オヴ・ステュギア
ステュギアの冷気光線 ティーフリング/種族/攻撃
[無限回][秘術]、[冷気]
標準アクション  遠隔・10
前提条件:使用者は種族的特徴“ステュギアの血の遺産”を有していなければならない。
目標:クリーチャー1体
攻撃:“【知力】または【魅力】”対“反応”。使用者はこの攻撃ロールに+2ボーナスを得る。
 レベル11:このボーナスは+4に増加する。
 レベル21:このボーナスは+6に増加する。
ヒット:(1d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[冷気]ダメージ。使用者の次のターンの開始時まで、目標は移動速度に-2のペナルティを受ける。
 レベル21:(2d6+“【知力】または【魅力】”修正値)の[冷気]ダメージ。

汎用パワー
アンダイイング・ソウル
死せざる死の魂 ティーフリング/種族/汎用
[遭遇毎][死霊]、[秘術]
アクション不要  使用者
前提条件:使用者は種族的特徴“タナトスの血の遺産”を有していなければならない。
トリガー:使用者のhpが0になった。
効果:使用者のhpは1までしか減らない。
 さらに、この遭遇の終了時まで、使用者は[毒]と[病気]に対する完全耐性を得、(5+レベルの1/2)に等しい[死霊]に対する抵抗を得、それと同じ値の[光輝]に対する脆弱性を得る。すでにこれらに対する抵抗や脆弱性を有している場合は、代わりに既存の抵抗や脆弱性が同じ値だけ増加する。
 加えて、あるパワーや効果が生きているクリーチャーとアンデッドに対して別々の効果を発揮する場合、君は自分にどちらの効果が及ぶかを選択できる。

ヴァリアブル・レジスタンス
選択式抵抗 ティーフリング/種族/汎用
[遭遇毎](特殊)
アクション不要  使用者
前提条件:使用者は種族的特徴“奈落の存在の末裔”を有していなければならない。
トリガー:使用者が[酸]、[電撃]、[火]、[雷鳴]、[冷気]ダメージを受ける。
効果:使用者はこの遭遇の終了時、または再びこのパワーを使用するまで、(5+使用者のレベルの1/2)に等しい“トリガーとなったダメージ種別に対する抵抗”を得る。
特殊:11レベルの時点で、このパワーは1遭遇につき2回使用できるようになる。21レベルの時点で、このパワーは1遭遇につき3回使用できるようになる。

ソーマタージー
小奇跡 ティーフリング/種族/汎用
[無限回][秘術]
標準アクション  遠隔・5
効果:使用者は以下の効果のうち1つを発生させる。
 ✦1分間、使用者の声を通常の3倍の音量に増幅する。
 ✦1分間、炎を揺らめかせたり、パチパチと爆ぜさせたり、明るくしたり、薄暗くしたり、あるいは色を変えたりする。
 ✦1分間、射程内の地面を無害な振動で震わせる。
 ✦射程内の使用者が選んだ1マスを起点として、雷の轟音、カラスの鳴き声、あるいは不吉な囁きといった、一瞬の音を作り出す。
 ✦射程内の鍵のかかってない扉や窓を、瞬間的に勢いよく開けたり、あるいはバタンと閉めたりする。
 ✦1分間、使用者の両眼の外見を変化させる。
特殊:使用者はこのパワーの効果を同時に3つまで稼働させておくことができる。このパワーによって発生したものは決してダメージを与えず、武器や道具として用いることはできず、他のクリーチャーのアクションを妨げることもない。このパワーによって他のパワーと同じ効果を生じさせることはできない。

インスタント・フレンズ
即席の友情 ティーフリング/種族/汎用
[無限回][秘術]、[魅了]
標準アクション  遠隔・10
必要条件:このパワーは戦闘遭遇以外の状況でしか使用できない。
目標:クリーチャー1体
効果:目標は1回のセーヴィング・スローを行う。目標のレベルが使用者以上なら、このセーヴに+5ボーナスを得る。目標のレベルが使用者未満であるか、レベルを持たないなら、このセーヴには-5のペナルティを受ける。
 このセーヴに成功した場合、このパワーの効果は即座に終了する。
 セーヴに失敗した場合、目標は1d4時間の間、使用者に対して友好的になる。
 使用者またはその味方が、目標または目標の味方を攻撃したなら、この効果は終了する。
 後効果:目標は使用者が自分にこのパワーを使用したことに気づく。さらに、24時間の間、使用者のこのパワーに対する完全耐性を得る。

マイナー・イリュージョン
初級幻術 ティーフリング/種族/汎用
[無限回][秘術]、[幻]
標準アクション  遠隔・5
効果:使用者は射程内の1マスを起点として1分間の間持続する、1種類の音、あるいは1種類の映像のうち、どちらか1つを作り出す。この幻は使用者がこのパワーをもう1回使用するか、使用者が1回のマイナー・アクションとして終了させるまで持続する。
 難易度(10+使用者のレベルの半分+使用者の“【知力】または【魅力】”修正値)の〈看破〉判定に成功したクリーチャーはこのパワーが発生させている音や映像が幻であると確信する。クリーチャーがそれを幻だと確信したならその幻はただのぼんやりとしたものとなる。
 ✦音:使用者はささやき声ほどに小さな音から絶叫のように大きな音まで、好きな音を発生させる。使用者は任意の音を発生させることができる。その音は終了するまでずっと耐えずに続けることも、別のタイミングで不連続に鳴らすこともできる。
 ✦映像:射程内の1マスに、中型サイズ以下の大きさの、1つの物体または1体のクリーチャーの幻が現れる。この幻は、音を立てることも、光や匂いを放つことも、その他いかなる感覚的な効果も作り出すことはない。この幻の防御値はすべて10である。クリーチャーは以下のいずれかの条件が満たされたなら、これが幻であると確信する。(1)この幻に攻撃がヒットする。(2)この幻に触る。(3)クリーチャーがこの幻を通過して移動する。

ディセプティヴ・ヴェイル
欺きの帳 ティーフリング/種族/汎用
[遭遇毎][秘術]、[幻]
マイナー・アクション  使用者
効果:使用者は自分自身および自分の衣服や装備を異なった外見に見せかけることができる。使用者はサイズ分類と大まかな体の形(注:手足の数や付き方など)が同一である任意のクリーチャーの姿に化けることができ、自分が出会ったことのある特定の人物に化けることもできる。使用者は化けた姿の能力や癖を身につけるわけではないし、変装した形態や装備の触感や音まで再現することはできない。たとえば、使用者がプレート・アーマーを身につけたドワーフのファイターの幻をまとったとする。使用者に触れた者は皆、使用者が実際にはプレート・アーマーを着用していないことに気がつくし、使用者は歩く際にガチャガチャギシギシと音を立てることはない。この幻は、1時間が経過するか、使用者がこのパワーをもう1回使用するか、使用者が1回のマイナー・アクションとして終了させるまで持続する。
 使用者の変装を見破ろうとする者は使用者の〈はったり〉判定と対抗で〈看破〉判定を行う。使用者はこの〈はったり〉判定に+5のパワー・ボーナスを得る。

フローティング・ディスク
浮遊盤 ティーフリング/種族/汎用
[一日毎][創造]、[秘術]、[力場]
標準アクション  遠隔・5
効果:使用者は射程内の何ものにも占められていないマスに、直径3フィート厚さ1インチの水平な[力場]製の円盤を1つ作り出す。この円盤はその場所の地面から3フィートの高さに浮かび続け、最大で500ポンド(約230kg)までの重量を支えることができる。この円盤は24時間が経過するか、これを超える重量を載せるまで持続する。
 使用者が円盤から5マスより離れて自分のターンを終了したなら、円盤は使用者に向かって、使用者の移動速度までの移動を行う。このとき、1マス移動するごとに使用者に近づかなければならない。

選択可能になるパワー

 ティーフリングのキャラクターは、クラス・パワーを得られるか、“すでに得ているクラス・パワーの使用回数を追加する”クラス特徴を得られる場合、“そのパワーを得ない”または“その特徴を取らない”ことにしてもよい。そうしたなら、代わりに同一レベル以下のティーフリングのパワーを得ることができる。
  • レベル交換:この記述は、君が示されたレベルかそれ以上のパワーまたはクラス特徴と交換した場合、このパワーがどのように変化するかを記している。君は同じ名前のパワーを2つの異なるレベルでもって修得することはできない。

レベル2の汎用パワー
インヴィジビリティ・セルフ
インヴィジビリティ・セルフ
自己不可視化 ティーフリング/汎用/2
[一日毎][秘術]、[幻]
標準アクション  使用者
効果:使用者は自分の次のターンの終了時まで不可視となる。使用者が攻撃を行った時点で、この効果は終了する。
維持・標準:この効果は使用者の次のターンの終了時まで持続する。

ダークネス
君が“アスモデウスの末裔”なら、君はティーフリングのパワーとしてダークネスを修得できる。

レベル5の一日毎攻撃パワー
フレイム・ブレード
フレイム・ブレード
炎の刃 ティーフリング/攻撃/5
[一日毎][創造]、[火]、[秘術]
標準アクション  遠隔・10
効果:使用者は射程内の何ものにも占められていないマスに炎の刃を1つ創造する。この刃は使用者の次のターンの終了時まで持続する。この刃は2マス以内のマスに“明るい”光を放つ。この刃に隣接して自分のターンを開始した、使用者以外のクリーチャーは皆、(1d4+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージを受ける。使用者は1回の移動アクションとしてこの刃を10マスまで移動させることができる。
 この刃が出現した時、この刃は即座に以下の攻撃を行う。
 目標:刃に隣接するクリーチャー1体
 攻撃:“【知力】または【魅力】”対“反応”。使用者はこの攻撃ロールに+2ボーナスを得る。
  レベル11:このボーナスは+4に増加する。
  レベル21:このボーナスは+6に増加する。
  ヒット:(1d10+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージ。
   レベル15交換:(2d10+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージ。
   レベル25交換:(3d10+“【知力】または【魅力】”修正値)の[火]ダメージ。
維持・マイナー:この刃は使用者の次のターンの終了時まで持続し、上記の攻撃を行う。

レベル6の汎用パワー
ディテクト・ソウツ
ディテクト・ソウツ
思考感知 ティーフリング/汎用/6
[一日毎][秘術]
標準アクション  使用者
効果:使用者は自分から5マス以内にいる、思考能力を持つクリーチャーの存在を感知する。ただし、これによって【知力】が3以下であるか、いかなる言語も話せないか、あるいは占術によって感知されないクリーチャーを感知することはできない。この効果が終了するまで、使用者はディテクト・ソウツの2次パワーを使用でき、加えて以下のアクションを行うことができる。
 標準アクション:使用者は自分から見えているか、ディテクト・ソウツの効果によって感知しているクリーチャー1体に心の焦点を合わせる。それによって、そのクリーチャーの表層的な思考――その瞬間にそのクリーチャーの心を占めている物事を読み取ることができる。この効果が終了するまで、使用者はこのパワーの効果によって他のクリーチャーを感知できない。使用者は1回の標準アクションによってこのアクションの効果を終了させることができる。
維持・マイナー:この効果は使用者の次のターンの終了時まで持続する。
ディテクト・ソウツの2次パワー
ティーフリング/汎用
[無限回][秘術]
標準アクション  近接範囲・噴射5
必要条件:使用者のディテクト・ソウツの効果が持続していなければならない。
目標:噴射内の、使用者がディテクト・ソウツの効果で心に焦点を合わせているクリーチャー1体
攻撃:“【知力】または【魅力】”対“意志”。使用者はこの攻撃ロールに+2ボーナスを得る。
 レベル11:このボーナスは+4に増加する。
 レベル21:このボーナスは+6に増加する。
ヒット:使用者は目標が何かを考えているならその思考内容を知り、また、目標の感情や目標の心に大きくのしかかっている何か(たとえば心配事、愛する者、憎悪の対象など)を知る。
ミス:使用者のディテクト・ソウツの効果は即座に終了する。
効果:目標は使用者に心を探られていることに気づく。

身体的特徴

 すべてのティーフリングはその血管を流れるフィーンド(魔物)の血が与える、不浄なる特徴を有している。
  • インファーナル・ティーフリング地獄の住人の末裔たるインファーナル・ティーフリングの外見には、その証が現れている。最も数の多い“アスモデウスの子”らには大きな角があり、長さ4~5フィート(120~150cm)の太い尻尾がある(この尻尾でものをつかんだりすることはできない)。歯は鋭く尖っていて、眼球は黒、赤、白、銀、あるいは金一色の球体である。肌の色は人間と同様に多様だが、加えて血色の良い褐色から煉瓦色まで赤系の肌の者もいる。髪の色も、人間の間でよく見られる色に加えて、紺、赤、あるいは紫もある。それ以外の血統に属するインファーナル・ティーフリングにも、祖先のデヴィル(あるいはアーチデヴィル)の秩序とした性質を反映し、不浄な特徴がある程度の一貫性を持って現れる。
  • フェラル・ティーフリングフェラル・ティーフリングの外見はほとんどヒューマンと変わらないが、それでもフィーンドを思わせる特徴を少なくとも1つは有している:小さな角(複数本である場合もある);牙または鋭い歯;二又に分かれた舌;猫のような目;鋭利な爪;山羊のような脚や蹄のある足;尻尾(爬虫類めいていたり、二又に分かれていたり、棘がある場合もある);革状または鱗状の皮膚;赤や暗い青色の肌;小さな翼;硫黄の臭い(あるいは血の臭いや腐臭)がする等。
     普通、こうした特徴はそのティーフリングの血脈を誕生させた魔物の種類に何らかの形で遡れるものである。例えば、ラークシャサの子孫は、毛皮のような肌や猫のような目のいずれかの特徴を示すことが多い。デーモン・ロードグラズズトの子孫であれば、炭のように真っ黒な肌、6本指の手を持つ。強力な神々の子孫はしばし、その祖先を示す独自の身体的特徴を有している。グラズズトの子孫ベシャバ女神の子孫は黒い枝角を有し、青白い髪を。マスク神の子孫は影がない、あるいは鏡に映らないことで知られている。
     それでもまったく同じ外見的特徴を示す者は二人といない。たとえ祖先のフィーンドを同じくする者であるにも関わらず。ヒューマンと魔物の血の混血が分別のある定命の存在の規則に拘束されているのは稀であるし、その混血が個々のティーフリングに生じさせる多方面における柔軟性は不可思議で、奇妙な美しさからまったく恐ろしいものまで広範に渡っている。
 普通、フィーンドの血筋は数世代に渡って薄くなる傾向がある。そして最後には、汚染は完全に潜在化する。しかしながら、極めて稀なケースでは、潜在化していた魔物の血筋が表に現れる。それによって、その他の点では特に異常のない2人の定命の存在がティーフリングの子どもを生む。しかし、フォーゴトン・レルムや“暁の戦”といった、“アスモデウスが神位に至った世界”においては“アスモデウスの子”からは常にアスモデウスの印を帯びた子どもが生まれる。
 いずれのティーフリングもヒューマンと同じほどの年齢で成人となるが、寿命はより長く、160歳まで生きる者もいる。

コラム:フェイルーンのティーフリング
 ティーフリングはフィーンドの血を引くヒューマンだが、フェイルーンにおける彼らのほとんどは、1世紀前のアーチデヴィルアスモデウスの計略によるつながりを共有している。
 “呪文荒廃”の折り、アスモデウスはアズースの神気を奪い神の位に至った。続いて、アスモデウスと“トリル十三人衆”なるウォーロックの魔女団は、この世界にいるすべてのティーフリングに“アスモデウスの血”と呼ばれる呪いをかけ、彼らをアスモデウスの所有物にしようとした。これによって、フェイルーンのティーフリングのほとんどには、実際の血統に関係なく九層地獄の君主の“子孫”であることを示す印が刻まれ、“先祖”とされる存在に似た姿へと変化させられてしまったのである。この世界の他の種族の人々は、彼らのデヴィルに似た姿に狼狽し、すべてのティーフリングを疑惑の目で見るようになり、しばし敵意さえ向けるようになった。
 しかしながら、一部の人々の疑念に反して、アスモデウスは彼の“子どもたち”に対して何の力も行使しておらず、ティーフリングは以前と変わらない自由意志――と我の強さ――を保ち続けていた。一部には“九層地獄”の諸侯に仕え、アスモデウスの企みに与することを選ぶ者もいたが、他の者たちは別のフィーンドの派閥に関わったり、あるいは下方次元界の政治から距離を置くようにしている。
 アスモデウスの呪いを撒き散らした1世紀前の儀式以後も、他の魔物の血統に属するティーフリングはフェイルーンで生まれ続けている。しかし、かのアーチデヴィルの印を帯びた者たち(とその子孫)は依然としてフェイルーンのティーフリングという種族の中で圧倒的最多数を占め続けている。


最終更新:2023年12月05日 15:22