ゼビウス3D/G

【ぜびうす すりーでぃーじー】

ジャンル 縦スクロールシューティング
対応機種 アーケード(SYSTEM11)
発売・開発元 ナムコ
稼働開始日 1996年
判定 なし
ポイント ゼビウスらしさの排除
ファードラウトサーガに終止符を打ったが…?
プレイヤー泣かせの高難度
誰得な『鉄拳』要素
またしてもタイトーSTGの引立て役という不運
ゼビウスシリーズリンク

概要

1990年の『ソルバルウ』に続く、3Dポリゴンを全面的に採用した『ゼビウス』。
現在、アーケードで展開された最後のゼビウスである。

本作は、一応は『ファードラウトサーガ』(ゼビウスシリーズの背景に共通するストーリー)に終止符を打つものだといわれているが…。

システム

  • プレイヤーはゼビウスの看板であるソルバルウを操作し、全7面のステージをクリアして打倒ガンプを目指す。
    • システム的にはこれまでのゼビウスを踏襲しており、地上と空中に敵が分かれている方式。ソルバルウの武器もお馴染みのザッパー(対空)とブラスター(対地)である。
    • しかし様々な面で、元祖ゼビウスと差別化を行ったと思われる変更箇所が多い。
  • ブラスターの仕様変更
    • 地形に高低差の概念が発生して着弾までのタイムラグが一定ではなくなったためか、サイトに相手を捉えてブラスターを発射することでブラスターが誘導するようになった。また、連射も効くようになっている。
  • 強化アイテムの登場
    • 過去作では『スーパーゼビウス』に存在したパワーアップアイテムが本作では形を変えて復活し、さらにショットを場面場面で使い分けることができるようになった。
    • 地上にあるパワーアップカプセル(ポラドーム)を破壊するとアイテムが出現する。現在のショットとは違うアイテムを取るとショットの性能が変化し、同じアイテムを取得すると最大3段階までパワーアップする。
      • ショットの強化は別のアイテムを取得してショットが変化しても引き継がれ、初期化されることはない。これを利用して局面に応じてアイテムを取得することでショットを使い分けることができる。
      • 撃破されてもショットの種類は保持されるが、強化段階は最低まで下がってしまう。
+ 強化アイテム
強化アイテムの色 効果
青(ディオス) お馴染みのザッパーで、初期装備。
パワーアップすると連装数が増加し、拡散して発射するようになる。通称ワイドザッパー。
広範囲に攻撃できる他、大型敵などに接近して全弾命中するように撃てば高いダメージが出せる。
緑(ゲルマック) 正面に太いレーザーを撃つ。破壊力が絶大だが攻撃範囲は通常のザッパー並に狭い一点集中型。
パワーアップすると火力が上がる。最大強化時の火力はかなりのもの。
赤(ドークト) 画面内の敵を自動でサーチして攻撃し続けるサーチレーザー。パワーアップで同時照射数が増加する。
ショットだけではなく、ブラスターも対地レーザーに変化する。その為、対地・対空攻撃を同時に行うと攻撃が分散してしまう。
回避に専念できるが、その分火力は控え目。
  • シームレスな展開からステージクリア式へ
    • ゼビウスと言えば流れるようなシームレスのゲーム進行が特徴的だが、今作ではステージクリアごとに区切られる仕組みになっている。
      • 各エリアの最後にはボスがおり、倒さないと次ステージには進めない。

問題点

  • 当時の派手さを追求したシューティングに対抗したのか、パワーアップ要素や派手な3Dを引っさげて現れたゼビウス3D/Gだが、逆に追加した要素やゼビウス的な要素の希薄化のために「ただの凡庸な縦STGになってしまった」と当時のファンからは言われることが多かった。
  • また、難易度の高さを指摘する声もある。
    • 「凡庸な縦STG」となった割には、ボムのような敵や敵弾を一気に殲滅する手段が存在しないため、所謂『ガチ避け』を強いられる。さらに、得点によるエクステンドがなく、1ゲーム通して数カ所にしか存在しないスペシャルフラッグ*1を探し当てて自機を補充するしかない。クォータービュー特有の癖も手伝って慣れないうちは敵弾で事故死しやすい。
    • それを抜きにしても基本の難易度が高く、2面後半辺りから自機を狙い撃つ弾とランダムで飛ぶ弾を混合させた弾幕や嫌らしく配置された地上物が増えていくほか、後述するランクの影響で加速度的に難易度が上昇する。加えてボムがなくごまかしが効かないため、クリアには相応のプレイヤースキルと集中力が必要。
      • また3DSTG永遠の課題である「エフェクトで弾が見づらい」という欠点もしっかり持っており、シューターたちを悩ませた。
    • ランクのシステムが存在し、敵を倒しているだけでランクがモリモリ上がっていく*2。僅かな得点の変動やランクの上昇・下降で敵の内容が変化してしまうためにパターンを組みづらい。ランクが上がると特定の場所に中ボスが追加される場合もあり、生き残ることで難易度はどんどん上昇していく。
    • 2面とは思えない攻勢を展開してくるボス・イーリアザーナイドやゲーム後半に登場する「曲がるバキュラ」、変則的な攻撃を行いパターン化が難しい5ボスのギャリアジードなど、全体的に難所も多い。
  • 新システムであるパワーアップアイテムだが、ゲルマックとドークトは癖の強い性能であり使える場面が限定される。その為多くの場面で癖がなく、ある程度火力も出せるディオス(ワイドザッパー)が重宝され、本作のアピールポイントでありながら追加された2つのショットはやや不遇な位置に置かれてしまっている。
    • ドークトは元の火力が低いため耐久力の高い敵を仕留めにくい。その上敵が大量に出現すると、乏しい火力が更に分散されてしまう。
      • また全自動で攻撃してくれるため回避行動に集中できるが、逆に任意の敵に照準を合わせることが出来ないため「突進してくる敵をロックしてくれず撃ち漏らして激突死」というケースも多い。
      • 通常のブラスターでは破壊できない場所にある地上物をも破壊できるメリットはある。
    • ゲルマックは高火力で多くの敵をさくさく殲滅できるのだが、正面しか攻撃できないため、回避しながらだと敵に火力を集中できないことも多い。そのため、精緻な避けを求められる後半になればなるほど、売りの火力を発揮できる局面が少なくなっていく。
  • また、『ファードラウトサーガ』を締めくくる作品という割には、作中でストーリーの説明が一切なされない。プレイヤーは超展開を通り越して「ストーリーあったの?」という感覚に陥ること必死。
    • ゼビウスの象徴的な敵キャラであるアンドアジェネシスが1面の中ボスに格下げされてしまったのは当時物議を醸した。
    • エンディングでさえ何も語られず、ソルバルウがガンプの陣取る宇宙基地を破壊してそれで終わりである。ついに宿敵ガンプが倒れた、ということしかわからない。

評価点

  • 多くのファンは「ただの凡ゲーになってしまった」と本作を評したが、一部のプレイヤーからは「隠しキャラのソル*3を探しながらプレイすることで緊張感が生まれ、このゲーム特有の楽しさが生まれる」という意見があった。
    • ステージ中に埋没したソルの探索はゼビウスシリーズ共通の要素であり、そういう意味では「このゲームに唯一残された数少ない『ゼビウス特有の味付け』」とも言える。
    • 他、「場合に応じてショットアイテムを取得し、場面場面に応じたショットを使い分ける」という他のSTGにはない戦略性を求められるシステムを評価する声もある。
  • ゲームの合間に挟まれるハイエンドCGの出来は当時としては素晴らしいもので、多くのプレイヤーを驚嘆させた。
    • ゲーム中でも、これまでのゼビウスに見られなかった「遺跡」「砂漠」「雪原」「宇宙」などの個性豊かなステージはプレイヤーを楽しませてくれる。
    • レイストームと比較されるゲーム中のCGについても「これはゼビウスならではのソリッドな質感を追求した結果であり、技術力不足からくるものではないのでは」とする意見もある。
  • 音楽も聞けないことは全くない。1面の曲などが好評である。
    • ただ曲調が「地味」であり、環境音楽としての色が強め。そのためBGMとしての評価も他作品に奪われがちだった。

総評

アーケードで展開された最後のゼビウスであり、その作りに決して妥協はない。過去のゼビウスを超えようという、スタッフの意気込みが伝わってくる場所も少なくはない。
しかし多くのプレイヤーが指摘したように「凡庸なSTGになってしまった」感は拭えず、今なお語り継がれる名作STGに敗北を喫したのも必然と言えるかもしれない。

余談

  • 出たタイミングも悪かった。まずひとつ、1996年という格ゲーブーム全盛の時代(=STG下火の時代)にリリースされてしまったこと。皮肉にもナムコ自身が、『鉄拳シリーズ』を引っ提げて格ゲーブームに殴り込みをかけている真っ最中だったのだ。
    • そして『19XX』『レイストーム』『バトルガレッガ』などの、今なお語り継がれる名作・話題作の出た年にリリースされてしまったことである。
    • 特に同じ3Dを扱ったレイストームとは当時から何かと比較され、このゲームは1ランク下に見られてきた。
      • 確かに3Dを生かした演出、という点では文句なくレイストームの圧勝であり、背景などの書き込みの密度も高い。大量ロックによるホーミングレーザーの爽快感やGRAY2のサンダーレーザー、ZUNTATA(TAMAYO)の手がけたBGMなど、話題も完璧にレイストームに持っていかれてしまった感がある。ナムコからリリースされた『ネビュラスレイ』が『レイフォース』に話題を持って行かれたように、ナムコSTGはまたしても『レイシリーズ』の席巻に対抗できなかった。
    • そのため、このゲームは評価云々の前に、時代の波に埋もれてしまったマイナーゲーという悲運を背負ってしまったのだった…。

ゼビウス3D/G+

【ぜびうす すりーでぃーじぷらす】

対応機種 プレイステーション
発売日 1997年3月28日
定価 5,800円(税別)
配信 ゲームアーカイブス:2013年6月26日/600円
判定 なし

『ゼビウス』『スーパーゼビウス』『ゼビウスアレンジメント』『ゼビウス3D/G』のカップリングでPSに移植されている。
このうち『アレンジメント』はACで出た『ナムコ・クラシックコレクションVol.1』からの移植。
ただしFC版オリジナルの『ガンプの謎』は収録されていない。

3D/Gに対する追加要素

  • 移植に際して追加されたアレンジBGMは好評。
  • CGムービーがなぜか全て差し替えとなっており、クオリティが上がっている…のだが、最終面クリア後のムービーは一部で物議を醸した。
    • その内容は、ガンプの宇宙基地からソルバルウが脱出した後、ナスカの地上絵にビームを照射し、その地上絵からビームが発射されてガンプの宇宙基地を破壊するというもの。わけがわからないよ。

余談

  • AC・家庭用どちらでも隠しキャラとして、『鉄拳シリーズ』のポール・フェニックスと三島平八が使える。STGに人気格ゲーの要素を持ち込むことで話題を集めようとしたことがうかがえる。
    • しかし平八は常にショットの強化段階が最大である代わりに最終ステージの浮き沈みする障害物を避けきれないほどの低速であり、逆にポールは制御困難なほどの高速で使い勝手が悪すぎるため、どちらも使用に耐えない。
    • 当時のゲーメストでは「お金を払ってまで使う価値はない」とまで言われ、「使用する価値が見いだせない隠しキャラ」という世にも奇妙な存在となってしまった。まさに 誰得 である。
      • 他にも他ゲーのゲストとして、道中である条件を満たしていると『ドラゴンスピリット』のブルードラゴン、『ディグダグ』のプーカが敵キャラとして出現する。
  • 裏ジャケットに『ゲームファンを震撼させた不朽の名作「ゼビウス」がついにプレイステーション版に!!』…と書かれているが、実は先に「ナムコミュージアムVol.2」に収録されている。
    • 単なるナムコの見落としなのかもしれないが、この3D/Gの立ち位置や扱いが透けて見えるとまで言われていた。

動画

+...