スーパーマリオブラザーズ スペシャル
【すーぱーまりおぶらざーず すぺしゃる】
|
ジャンル
|
アクション
|
|
|
|
対応機種
|
PC-8801II X1
|
|
発売・開発元
|
ハドソン
|
|
発売日
|
1986年10月
|
|
定価
|
6,800円
|
|
判定
|
クソゲー
|
|
劣化ゲー
|
|
ポイント
|
無茶移植
スペシャルに理不尽な難易度 当たり判定が甘すぎ 目に悪い配色
|
|
マリオシリーズ
|
概要
知らない人はいない有名作『スーパーマリオブラザーズ』の、パソコン向けアレンジ移植版。移植を担当したのは、当時『ファミリーベーシック』の開発を請け負うなど任天堂と親密であったハドソンである。
しかし当時のパソコンはスプライト機能やスクロール表示をサポートしていなかったため、原作の内容を再現させるには到底至らず、遊ぶに堪えない劣化移植となってしまっている。
問題点
-
FC版と違い画面がスクロールせず、画面右端に行くと表示が切り替わる方式である。しかもその際
PC-8801II版では画面がブラックアウトする
ため、難易度が非常に高くなっている。
-
X1版も画面の移動単位は画面単位だが、スクロール切り替えとなっており、画面端で一画面分スクロールし切り替わる。
-
特に足場が狭く、正確な着地地点を予測する必要があるアスレチック面はこのシステムのせいで肝心な「向こう」が見えないために地獄と言われている。足場の位置やジャンプの力加減を覚える為にも無限増殖は必須。
-
FC版に比べて全体的なゲームスピードが上がっており、これも難易度の上昇につながっている。
-
キノコ・スター等のアイテム、ファイアバー等のステージギミック、さらには敵キャラクターの動作まで、とにかくスピードが上がっている。
特にまともにアイテムが取れなくなってしまう点は痛く、スターの無敵もすぐに切れてしまうので、FC版経験者にとっては理不尽の極み。
-
さらには制限時間の減少も速くなっている。そのくせ中間地点は無く、時間が切れたらコースの最初からやり直しである。
-
入ったら二度と出られない土管があり、入ってしまうとタイムオーバーで死ぬしかない。
-
上のタイトル画面を見てもわかる通り、配色が原色ばかりで目に悪い。
-
本作のBGMは基本的にFC版を再現しているが、音源の違いにより音色やテンポがふらつき、違和感を感じるものになってしまっている。
評価点
-
マリオシリーズ初のスタッフロール。
-
ただしスタッフロールのBGMは前述のアレなアレンジの地上面の使い回しと、苦労の割に合わないものとなっているが…
-
なお任天堂ハードでは、10年以上後のGBC版リメイクである『デラックス』で初めてスタッフロールが採用されている。
-
オリジナルの面構成。
-
前述した行き止まりのような意地悪なもの以外に、良い形で原作とは異なる構成に変更されているコースも多い。
-
特にオリジナル版でプレイヤーから指摘されていた「後半面における序盤面の使い回し」もほとんどなくなっていたり、土管下の隠しステージがコース毎に異なっていたりする点は十分に評価できる。
-
多彩なゲストキャラクター。
-
PCは使用可能な絵数が多いこともあり、雑魚敵にはオリジナルでお馴染みの面々に加えて初代『ドンキーコング』を彷彿とさせるタルや炎、『マリオブラザーズ』のカニやハエ等、『スーパーマリオブラザーズ』以前の作品からの復活キャラクターが多く登場。黎明期のキャラが『スーパーマリオブラザーズ』準拠の横スクロールコースで動き回るのは中々新鮮味がある。
-
ただし何故かツララ以外の敵の名前はそれぞれ変更されており、それぞれチョキチョキ(カニ)、ナカジ(ハエ)、タルサー(タル)、シゲボウ(炎)となっている。
-
追加アイテムとして、こちらも『ドンキーコング』を彷彿とさせるハンマーも存在している。
-
時代を先取りしている追加アイテム。
-
本作ではFC版のバグ面や『2』のワールド9のように空中をまるで泳ぐように飛行できるようになる「ウィング(羽)」が存在するほか、シリーズでも珍しい高得点のボーナスアイテムやタイム回復アイテムも存在する。
-
後の本家シリーズにもしっぽマリオやマントマリオといった飛行形態が採用されており、高得点アイテムにあたる赤コインや、タイム回復アイテムも登場している。ある意味、時代の先を行く前提だったといえよう。
総評
画面スクロールを活かしたアクションが肝の『スーパーマリオ』を、スクロール困難な機種に当時の技術で移植するのは無理があった。
結局再現できたのはゲームの見た目だけで、元々の操作感はことごとく、それも悪い方向に損なわれている。
本作ならではのアイテムや復刻キャラクターなどポテンシャルが感じられる要素があるのも事実だが、それを一つのゲームとして遊べる形に組み立てることはできなかったのは残念である。
余談
-
新要素の高得点隠しアイテム(8000点)は、当時のハドソンのマスコットキャラクターである「ハチスケ」になっている。
-
しかし見た目が蜂なので、マスコットであることを知らないと一見敵にも見えてしまう。
-
動画サイトなどで画面スクロールに完全対応した本作の動画を見かけることがあるが、それらはFC版を本作風に改造した非公式のものである。
-
当然ながら本作のファミコン版は発売されておらず、実際のPC版とは異なる点も多いので注意。
-
当時「高橋名人の弟子」として全国キャラバンなどで活躍した桜田名人が開発に関わっている。
-
桜田名人がアポなしでハドソンに飛び込んだところ、「スーパーマリオをノーミスでクリア」が入社試験となり、見事達成して翌日から出社が決まった。
-
当時のハドソンは『スーパーマリオブラザーズスペシャル』の開発を予定しており、「マリオが上手い奴がつくったほうが、いいものができるだろう」という考えで採用されたという(参考)。
-
本作が発売された頃まではビジネスマシンのPC-9800シリーズよりホビーマシンのPC-8801シリーズがかなり出荷されており、商業ベースでは開発・移植が相次いでいた。
-
本作品の不評により、各社からPC-8800への無茶な移植はなくなったという、反面教師的な作品である。
最終更新:2025年12月12日 21:46