クルクルランド
【くるくるらんど】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ アーケード ファミリーコンピュータ ディスクシステム
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発売・開発元
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任天堂
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稼動開始日【AC】
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1984年12月
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発売日
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【FC】1984年11月22日 【FCD】1992年4月28日
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定価
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【FC】4,500円 【FCD】600円
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※ファミコンミニシリーズ版以降より付加
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2009年3月10日/500Wiiポイント 【3DS】2013年6月12日/500円 【WiiU】2013年11月20日/500円 アーケードアーカイブス 【Switch】2019年6月28日/823円
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備考
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FCD版は書き換え専用 GBA『ファミコンミニシリーズ』第二弾(2004年5月21日発売)
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判定
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なし
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ポイント
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金塊探し ラバートラップに囲まれたらクリア不可能 FCDはプレミア価格
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概要
舞台は「クルクルランド」と呼ばれる不思議な力で動く世界。
風船型生命体グルッピーを操作して、隠された金塊を見つけ出すのが目的のアクションゲーム。
ファミコン→アーケード→ディスクシステムの順番で移植された。
ディスクシステムの販売は書換のみである。
ルール
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ピンク・緑・空・紫・黄の順番にステージが構成されており、黄をクリアするとボーナスステージが挿入される。ボーナスをクリアすると緑からループになる。
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十字ボタンを押した方向に手を出して格子状に並んだ棒(ターンポスト)を掴んで回る。例えば上に向かう途中で左を押すと掴んだターンポストの左に移動。
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特定のターンポストの間を通過すると隠された金塊を発見できる。金塊を発見できれば「LAST」のカウントが一つ減り、「LAST」がなくなるとステージクリアになる。
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ステージ22以降は出現した金塊の場所をもう一度通ると裏返しになり、「LAST」のカウントが元に戻る(金塊を取っていない扱いとなる)。裏返し状態を解消するには、もう一度金塊のあった場所を通過する必要がある。
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AボタンかBボタンで電撃波を発射。電撃波が当たったウニラは黄色になり、しばらく体が縮んで動かなくなる。
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アーケード版テーブル筐体では1ボタンとなっている。
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時間切れ・敵と接触・ブラックホールの通過でミスになる。
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ステージの詳細
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ピンク
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ゲームのスタートから始まるステージ。グルッピーが遅く、ステージの広さは手ごろ。
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カセット版の金塊の並び方は(ハート、ヒト、ハウス、カオ)、ディスク版は(デンワ、ヒコウキ、ロケット、インベーダ)。
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緑
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形はピンクと同じだが、グルッピーのスピードが速くなりブラックホールが増えているので難易度は上昇している。
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カセット版の金塊の並び方は(ピエロ、コンドル、マウス、スペード)、ディスク版は(ヨット、カギ、キツネ、カサ)。
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空
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左右が広がった一方、中央の上下が狭くなっている。
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カセット版の金塊の並び方は(メガネ、コアラ、バタフライ、サブマリン)、ディスク版は(カニ、UFO、ウシ、ボウシ)。
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紫
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空より中央が更に狭くなり、ブラックホールがもう二つ増えている。ここから左右対称になる。金塊の繋がりが2種類のみ離れていて難易度が上昇している。
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カセット版の金塊の並び方は(ホール、アルファベットのH、リボン、カギ)、ディスク版は(オコリンボ、カワ、ダブル+、6ブロック)。
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黄
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左右に広くなっている。中央はブラックホールとラバートラップによる無法地帯のためそのまま進みにくく、左右の端を通り抜ける難易度が高い。金塊の数は少ないがグルッピーのスピードが更に速くなるため見つけにくい。
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カセット版の金塊の並び方は(フィギャー1~4)、ディスク版は(フィギャー5~8)。
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ボーナスステージ
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楕円場の狭いステージで200秒以内の制限時間でターンポストの金塊を探す。金塊をまとめて出すには壁にぶつかる事を控えるべきで、テクニックを要求される。
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敵キャラ・ギミック
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ウニラ
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ブラックホールから出現する敵。触れるとミスになる。
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電撃波を当てた状態だと押した方向に移動させる事が可能になり、壁にぶつけると消滅させられる。たまに当たってない状態で壁を押して勝手に自滅する事がある。
ブラックホール
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ウニラの本拠地。グルッピーが通ると吸い込まれてミスになる。グルッピーが回転中は吸い込まれない。
ラバートラップ
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突如出現するゴム状のトラップではじき返される。囲まれると時間切れのミスになるまで永久にはじき返されたままになる。
アイテム
ステージ開始直後や特定の場所を通過したときに出現することがある。
ボーナスフルーツ
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リンゴやバナナなどいくつかの種類がある。スコア800点獲得。
ボーナスバッグ
ボーナスタイマー
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取ると時間が止まり、取っていないグルッピーとウニラが動かなくなる。
ボーナスフラッグ
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評価点
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金塊探しが楽しい。
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覚えゲーでもあるが手探りの初見プレイも楽しい。
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2人同時プレイは協力しても良いし、数を競争しても楽しい。
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グルッピーの回転は3コマしかないが、1コマに2種類は当時としては豊富。
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場を盛り上げるBGM
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カセット版は1曲しかないが高水準に仕上がっている。
問題点
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グルッピーの移動が速すぎてターンポストを掴みにくい。
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加速によって金塊の場所を把握しにくく、ラバートラップに囲まれやすい。
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また、ラバートラップの出現した場所はターンポストが消滅するため掴むことができなくなる。
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左右対称ステージでは、隙間が多くターンポストをより掴みにくくなってる。
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シビアなボーナスステージ。
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時間制限が非常に短い。金塊の場所の暗記と精密な操作が要求される。
総評
ターンポストを掴みながら金塊を探すという、一風変わった斬新なシステムのアクションゲームとして話題を呼んだ。
一部ステージの難しさは難点だが、独特な操作感に慣れればスピーディーな動きが楽しめるようになれるだろう。
VS.クルクルランド
ファミコン版発売の同年にVS.システムの1作としてACに移植された。ファミコン版から多くの仕様変更が施されている。変更点は以下。
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タイトル画面の「CLU CLU」の文字が回転する。
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スタート(またはミス後の復帰)後、操作していないと一定時間で勝手に動き始めるようになった。
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ファミコン版では無操作で時間切れまで静止していられた。初期状態では無敵なので、操作するか時間切れになるまでミスしない仕様だった。
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本作は1コインで2人用がプレイ可能な設定も用意されていたため、2人用を一人で遊んで2P側を追加残機として運用するプレイ方法への対策となっている。
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後にディスクシステムに移植されているが後述の理由から現存する数が極めて少なく、100万円以上のプレミアになっている。また、取扱説明書でさえも12万円もの価格がつけられている。バーチャルコンソール版はカセット版ではなくこちら。
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『Nintendo Direct 2017.9.14』にてアーケードアーカイブスで任天堂のアーケード版タイトルの配信が発表され、本作もリリースされるラインナップに挙がっていたが、2019年6月28日にようやく配信開始となった。
余談
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アーケード版のインストカードに掲載されている画面写真にファミコン版の写真が混じっている。VSシステム筐体用のインストカードの写真は1つもない。
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本作はテーブル筐体版(完成品売り)とVSシステム筐体版(ROM売り)があった。前者は1画面分しか使用していないので、裏面側にROMを挿して配線を伸ばせば別筐体で裏面側タイトルを稼働できた。
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『どうぶつの森』に本作のカセット版、『どうぶつの森+』ではさらにディスク版がファミコン家具として収録されている。特に後者においては、バーチャルコンソール版はディスク版のみ配信のため、両方を手軽に遊ぶ唯一の方法になった。
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ディスクシステム『ゼルダの伝説』の説明書の「デグドガ」の説明文にボスウニラの別名「大ウニラ」と書かれていた事や金塊のグラフィックの流用が本作の世界観を共有していると推測する説がある。
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ディスクの書換え料金は500円という認識が強いが実は本作は600円だった。これは1991年7月に任天堂は以後発売のソフトの書換え料金を100円引上げを発表したため本作も例外ではなく600円とされた。
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ただ結果的にこの対象は『タイムツイスト 歴史のかたすみで…(前後編)』『ぷよぷよ』『じゃんけんディスク城』と本作の5本のみに終わった。
この頃はファミコン所有者のスーパーファミコン購入も順調に進んでいた時期なので、この値上げ自体あまり知られていない。特に本作の場合カセット既存作の移植でしかなく、発売から7年半も経過した本作のロムカセットは中古価格で500円前後と言うのも珍しくなかったため敢えてロード時間のあるディスクを選ぶ必要がなかったのだ。
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1993年3月に全国の小売店からディスクライターが撤収され、以後ディスクの書換えは任天堂サービスセンターで一括して行われるようになった。この時同時にこれら書換料600円ソフトも500円に値下げられた。
しかし本作は4ヶ月後の1992年8月に打ち切られてしまっていたため書換料600円のまま終わった唯一のソフトとなった。
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ディスク版のタイトル画面でクレジットは「©1988 NINTENDO」となっている。
本来は1988年に発売することを予定していたが、何らかの事情で行われず4年も遅れてディスクライターに実装されたものと思われる。
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1988年はカセットにバックアップ機能が随時実装され、メガロムにより容量でも抜かれるなどディスクの強みが失われた背景からカセット既存作の『ドンキーコング』や『ドンキーコングJR.』はそのまま移植、『アイスクライマー』が若干アレンジされて移植されるなど、安価な書換の強みを生かした新展開に出た年でもあるため、本作もその1つとして当初予定されていたとしても何ら不思議ではない。
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後にGBAで発売された『ぶらぶらドンキー』と操作設定が酷似している。
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条件を果たすと「ジャングルピック」モードにグルッピーが登場する。
最終更新:2023年01月07日 16:30