バルク書

ユダヤ教とプロテスタント諸派では外典として扱い、カトリック教会と正教会では旧約聖書に含めている書物のひとつ。タイトルはエレミヤの書記(『エレミヤ書』45:1)であったバルクを名乗る著者の名前に由来している。『知恵の書』や『シラ書』とも共通する知恵の賛美が見られ、知恵=律法であるとしている。(4:1)

著者とされているバルクはエレミヤの弟子で書記であったが、本書自体は彼のものではなく、数人の著者の、しかもギリシア語、ヘブライ語で書かれたものを収集したものと推定され、上限は前2世紀中葉、下限は紀元70年とされている。

なお、この「バルク書」の他に、旧約聖書偽典には3つのバルク書が存在する。
  • 第二バルク書:シリア語バルクの黙示録
  • 第三バルク書:ギリシア語バルク黙示録
  • 第四バルク書:エレミア歴代誌

内容

バルクがバビロンで、捕囚の民に祖先が太古から犯してきた罪を懺悔させ、髪の約束を想起させるために書いた詩と歌という形式をとる。長い信仰告白と祈り、知恵すなわち律法の称揚、生命の泉としての律法遵守のすすめなどが述べられている。

構成

  • 序言(1:1-1:9)
  • エルサレムへの手紙(1:10-3:8)
  • 知恵の賛美(3:9-4:4)
  • エルサレムへの励まし(4:5-5:9)
最終更新:2017年09月10日 10:15