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クロスハンター トレジャーハンターバージョン/エックスハンターバージョン/モンスターハンターバージョン - (2022/11/05 (土) 14:37:08) の編集履歴(バックアップ)


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クロスハンター トレジャーハンターバージョン/エックスハンターバージョン/モンスターハンターバージョン

【くろすはんたー とれじゃーはんたーばーじょん/えっくすはんたーばーじょん/もんすたーはんたーばーじょん】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 ゲームビレッジ(ネットビレッジ)
開発元 アール
発売日 2001年4月12日
定価 各4,800円(税抜)
判定 クソゲー
ポイント 企画者公称「史上最強のRPG
ゲームバランス完全崩壊
子供だましなシナリオ
戦略性の無い脳筋システム
意味のない3分割販売
数々の盗作疑惑



スゲー奴がきた!!



概要

今は亡き講談社の児童コミック誌『月刊コミックボンボン』で行われた「 史上最強のRPG計画 」にて企画された作品。
読者からのアンケートを元にゲームを作り、更に同誌で執筆していた漫画家「カイマコト(以下カイ)」氏がキャラクターデザインとコミカライズを担当した。

が、そのあまりにあんまりな出来から『 史上最「凶」のRPG 』となってしまった。
通称は『クロハン』『黒犯』『クソスハンター』など。


あらすじ

ある満月の夜、宇宙から魔王ザガンが出現し、彼の生み出した怪物たちによって惑星ホライズンは火の海となった。世界はザガンとその配下のモンスターに蹂躙され、多くの人々が命を失った。主人公は世界の平和を乱すザガンを倒すため、旅に出るのだった。

基本的に本作は、拠点となる村からザガンの配下を倒すために移動し、戻ってきてまたイベントをこなすシステムを取っている。


特徴(問題点)

システムについて

本作はまず、RPG以前にゲームとして基本的な作り込みからなっていない。

  • 主人公の名前は5文字まで入力できるが、それより少ない文字だと後が空白になる。
    • 例えばデフォルト名の「シロー」「ロープ」「ヒュウガ」は 「シロー  」「ロープ  」「ヒュウガ 」 になってしまう。
    • GB初期作品ならまだしも2000年代のゲームでこんな有様では、開発側の技術力の低さを感じずにはいられない。
  • 町は1つだけで、ダンジョンに行きイベントをクリアする→町に戻ってきてフラグを立て別のダンジョンへ行き、最深部を目指すことを繰り返す、『ウィザードリィ』や『不思議のダンジョン』に近い形式。イメージとしては『テリーのワンダーランド』が最も近いか。しかし、その出来は雲泥の差。
    • 新しいダンジョンを出現させるフラグの条件が曖昧で、ひたすら町をさまようことになる。安直なお使いゲーより始末が悪い。
    • バージョンによって地図に載っているダンジョンなどの位置が異なるという仕様があるが、あまり意味を成しているとは言えない。むしろバージョンによってはストーリーと地理関係に大きな矛盾が生じる原因にもなっている。以下はモンスターハンターバージョンを中心に取り上げる。
      • 最初に向かうダンジョン「みきのもり」は、村の住民が足繁く通っているのか「いつもの森」とも呼ばれている場所である。……が、物語の舞台である島の全体図(ワールドマップ)では、村が南西部にあるのに対し、問題の森は島の北東側(つまり対角線上で完全に反対の座標)に存在する。どう見ても「いつもの」と呼べるレベルではない。
      • それ以外にも山の入り口とその山の奥に住んでいる博士の家の位置が離れていたり、村の水源となっている山が村に水が届きそうにない位置にあったりするなど位置関係がやたらおかしい。
      • トレジャーハンターバージョンでは「モンスターが通せんぼしているせいでその先の町に行けない」とある当の町が、そのモンスターがいるダンジョンと全く関係ない位置にあることも。
      • 要するにストーリーとダンジョン自体を特に変更せずにバージョンで場所だけ変更している為、この様な珍妙なことが起きてしまっているのである。
    • ペットを管理するペットセンターでは「ちりょう」コマンド(有料)でペットのHP・SP(MPみたいな物)を回復できるが、同じ町中にある主人公の自宅で休めば無料で全回復できるので無意味。
      • かといって他作品のような「有料施設ならではのメリットで差別化」「話が進むと無料宿泊が出来なくなる」「冒険の拠点が別地方に移って自宅に戻るのが面倒に」といった、有料施設に意味を持たせる為の工夫も皆無。
      • なお、ペットの戦闘不能は戦闘終了後にHP1で自動回復する。
    • 店の商品は主人公のレベルに応じて変化するため、レベルが上がると購入できなくなるアイテムが出てくる。
      • 武器や防具はステップアップ前提の仕様なので問題無いのだが、脱出アイテムまでもが一定レベルを超えると販売されなくなるのは地味につらい。
      • 以前の回復アイテムが購入できなくなるのも辛い。高レベルだと値段の高い全体回復アイテムしか販売されなくなるため、単独回復が困難になる。
    • アイテムを一つ売り買いするたびにメニューが閉じるので、複数取引したい場合は何度も話しかけることになる。一種類のアイテムを複数購入することも出来ない。
    • 初期装備が無い。その上「店で装備を整えろ」など購入を促す趣旨のセリフもない*1為、何も知らずにダンジョンへ行き即全滅する可能性は非常に高い。
    • しかもアイテムの所持数はわずか20個。同じ種類のアイテムをまとめて持つこともできず、預かり所のような施設もないため、豊富な攻撃アイテムを活用しにくい上に、品物の入れ替えにも対処しにくい。
  • ダンジョンは無駄に広い上エンカウント率がやたらと高い。しかもコピペのような構造で大抵がロクなギミックも無く、ダンジョン内の宝箱もイベントアイテム数個程度しか無い為、探索する楽しみなども全く沸かない。
    • 特にゲーム後半になるとダンジョンの長さが異常なまでになり、無個性なそれらのダンジョンへ潜るのをひたすら淡々と繰り返すことになる。下記のAI・戦闘バランスの問題に加え、もはや苦行の域に達している。
    • ダンジョン内では一切セーブ不可。長いダンジョンの攻略の際は、現在の時間や電池と相談しながら進めるという事態に陥ってしまう。
      • GBカラーおよびGBアドバンス本体に対応しているACアダプタ、またはゲームキューブの周辺機器のゲームボーイプレイヤーがあれば一応腰を据えてプレイはできるが……。長丁場にするなら途中セーブなり中断機能なり付けて欲しいものである。
    • ダンジョンのBGMも最初のダンジョンからラスダンに至るまで、ボスのいる階層とそうでない階層の二種類だけを延々と使いまわされる。その為ダンジョンの単調さが余計に強調される事に。
    • ちなみにダンジョンは左右対称なものが多い。半分だけ作って手を抜くつもりだったのだろうか?
    • ダンジョンで次の階層に進んだとき、元のフロアに戻るための階段が設置されておらず、基本的にクリアするまで出られない。さらにダンジョン最後のフロアはクリアすると二度と入れなくなる。後述の収拾要素と全くかみ合っていない。
      • 一応ダンジョンから脱出できるアイテムはあるが、上記の通り一定のレベルの間しか販売されず、買える期間が短すぎてアテにならない。
  • 戦闘システムも色々と酷い仕様。
    • パーティは主人公と2体の「ペット」(仲間モンスター)からなる。主人公が倒されると、ペットが生き残っていても全滅扱いとなる。
      この手のパーティ形式だと「リーダーが戦闘不能=即全滅」というのはよくある仕様ではあるのだが、肝心の主人公の初期パラメータはペットよりも低く成長率も劣るため、主人公なのに単体の戦力としてはパーティ最弱になりがち。
      • 村に戻され、また無駄に長いダンジョンを最初からやり直すことになるため、プレイする気力が削がれてしまう。
    • ペットはAI(作戦)に合わせて行動し、自分で操作することはできない。
      • 仲間がAI制御なのは『DQIV』等の作品にも見られるシステムだが、本作の場合AIも含めた完成度はそれらとは比較にもならない。
        作戦名も「ガンガンいこうぜ」「いのちだいじだぜ」「いろいろやろうぜ」と、名前からして丸パクリの有様な上、AI自体も頓珍漢な行動を頻発する…と言うか、どれを選んでも大して変わらない。「命令させろ」に当たる手動選択が無い為、フォローのしようもない。また「呪文を使うな」のような作戦も無いためSPを温存しにくい。
      • 開発者曰く「超画期的なペットシステム」。どう見ても、『DQM』など既存のシステムをまんま模倣した、寧ろ使い古されたありきたりなシステムである。
    • コマンドも「たたかう」「どうぐ」「にげる」の3つで、主人公は防御すらできず、介入できる余地が少ない。前述の通りAIが酷い為、戦略性の「せ」の字も無い。
      • 主人公はクリティカルが出ない代わりに、確率でランダムに必殺技を繰り出すが、後述のように種族や属性が無駄にあるのに主人公は任意に技を選べないため、相性のいい攻撃を選ぶ戦略の楽しみはかけらもない。戦闘が一対一である「ドラクエI」にさえ補助呪文を駆使する戦略要素があるのだが。
      • 一応、道具の種類は回復・攻撃・補助と豊富なため、それでいくらか補うことは可能だが、基本的には攻撃・補助の道具は敵からのドロップでしか入手できない。そのくせ預かり所のような施設も無いのに、アイテム所持数も厳しい。
    • 敵の魔法で味方が眠ってしまった時に敵の攻撃を受けると、洒落にならないほど大ダメージを受けてしまう。
      • この手の仕様は「睡眠中は無防備になる」という事で他のRPGでも見かけるが、本作の場合はそのダメージが異常に高い上、この状態異常を引き起こす敵もやたらと多い。その為、理不尽にHPをゴリゴリ削られる光景が幾度も繰り広げられる。
    • ボスに毒や麻痺と言った状態異常が普通に効く。序盤~中盤辺りのボスだけならまだしも、ラスボスにすら効いてしまうラスボスを麻痺させてハメ殺しに出来るRPGなど、そうは無い。
  • バランスが滅茶苦茶。序盤は主人公が弱いのに加えペットがいないために苦戦を強いられる。
    • また敵の強さが急激に強くなる箇所があり、こちらのレベルによっては敵に一桁しかダメージを与えられない場面も存在する。
    • その一方で、レベルアップによるパラメータの上昇値が大きいため、少しレベル上げをするだけで今度は敵から受ける通常攻撃のダメージが一桁に減る。
      有志の検証によれば、通常攻撃に関しては「 攻撃側の攻撃力-防御側の防御力=ダメージ 」という極めて単純な計算式で行われているとのこと*2。FC時代のバランスの悪いRPGでよく使われていた、いわゆる「アルテリオス計算式」*3である。
      • これが導入されているものでもファイアーエムブレムシリーズマリオストーリー等の良作はあるが、いずれもステータス値が3桁にも満たない低い数値で管理することでバランスを整えている。攻撃力も前者はレベルアップごとに0~1ポイントの上昇で、後者はシナリオが進むにつれて2ポイントずつ増え最終的には6ポイント止まり。
        レベルが1つ上がる事に2桁の攻撃力が上昇しうる本作にこの計算式を導入してしまえば、難易度バランスなど崩れて当たり前である*4
      • あまつさえレベルアップによる極端な成長によって、モンスターの捕獲が困難になるという弊害も発生している。主人公が素手でも一撃で倒せてしまうモンスターは弱らせることが不可能*5となり、捕獲する方法がない。
      • さらに防御などの行動スキップや、ペットの行動を制御できない点も、モンスターの捕獲難易度を跳ね上げている。
    • 特に各パッケージに描かれている最初に仲間になるペットはパラメータの上昇値がすさまじく、能力面で言えば常時主人公の上位互換となり、最後までパーティーのエースとなる。このため序盤の戦闘はほぼペットに任せて主人公はアイテムによる回復役に徹した方が効率が良い。
      • 流石に特技はなかなか軽減できないが、装備を揃えてレベル40もあればラスボスの物理攻撃でさえ主人公でも2桁、強いペットだと誇張抜きでダメージ1にまで抑えられる。
      • 当時『コミックボンボン』の攻略記事ではザガンについて「聖属性の攻撃をペットにモノマネさせておいてなおかつレベル52はないと勝てないぞ!」と書かれていたが、実際は上記のように40もあれば勝てる。さらには聖属性の攻撃などなくても、通常攻撃でも十分にダメージを与えられるので……。実際この記事通りの状態で戦うとかなりあっさり勝ててしまう。
    • 最後に加入するペットは加入時のレベルはランダムだが、初期能力値は変化しないと言うとんでもない要素がある。
      • 終盤の主人公らのレベルが大体40辺りとして、そこへいきなりレベル60~80のペットが加入しても、当然ながらレベル上げに苦労するだけで戦力になるわけがない。反対にレベルが低ければステータスの伸びが良くなるので強くなるのだが。
      • ある意味ではポケモンの厳選に近いのかもしれないが、あちらはこうも極端に性能が変わるようなシステムではない。
        更に言えば、レベルがランダムで加入するという点は作中で知ることができない、レベルがどこで決まるのかも定かではない*6など、不親切極まりないところも問題である。
  • 属性やモンスターの種族が無駄に多く、把握するのが面倒。
    • 種族はともかく、属性の相性をゲーム中に調べる方法が無いため、7種類もある属性を有効利用するのは難しい。せめて主人公にそういった行動ができればよかったのだが。
    • 特技のネーミングもダサく、ペットの固有特技にいたっては「はなながいのね(ゾウのモンスター)」だの「すいかすき!(カブトムシのモンスター)*7」だのといった、それこそ対象年齢の小学生にも引かれるような低レベルな代物。
  • 名前の法則性はあるものの、特に属性攻撃はあまりにも種類が多すぎて非常に把握しにくい(7属性それぞれに、単体と全体攻撃とが3段階ずつ存在(=合計42種類))。
    • 更に、特技の威力は3段階に分かれるが、中級と上級のどちらが強いのかも特技名からはわかりにくい(例:火属性の単体攻撃なら「ドファイ」が中級で「ドファー」が最上級)。
    • そのくせ状態異常系の特技はまんまなネーミング*8が多く、わかりやすい反面捻りに欠ける、
    • 種族特攻の特技のネーミングの統一感もなく、ダサい名前や変な名前*9、紛らわしい名前*10まである。「けものぎり」や「がんせきくずし」などまんまドラクエからコピペしたような名前もある。
    • 効率重視なら特技を覚えさせるより「レベルを上げて物理で殴る」方が早い。
  • モンスターは弱らせた後に「シール」というアイテムで封印するという形で捕獲することができ、封印したモンスターの特技をペットに覚えさせることもできる。比較的個性的な要素であるが、前述のようなシステムの悪さから捕獲は非常に難しい。
    • モンスターの種類は141種とそれなりに豊富で、一部を除いたボスモンスターも捕獲可能だが、図鑑は最初から全て解放されているという仕様のため収拾意欲も沸きにくい。
      • ただしこの図鑑、名前も解説もいい加減で、戦闘中と図鑑で名前の表記が違ったり*11、モンスターの行動と図鑑の説明が矛盾している*12こともある。あげくに誤字脱字も割と目立つ。
  • その他UI面も劣悪。GBなのに画面が切り替わる度に処理落ちを起こす。
    • テキスト速度は遅めなまま一定であり、テキストスキップも不可能。長台詞時の苦痛を増加させる。
  • 頻繁にデータが消えるうえに様々なバグが報告されている。
    • エンカウント率の計算が2歩目から始まるため、ダンジョンで「1歩進んで止まる」を繰り返すと敵に一切遭遇しない。
    • モブキャラの少女がいきなり男言葉を話し出したり老人口調になったり少女の言葉遣いのまま成人男性の姿になったりと色々おかしい。
    • 店でアイテムを購入しメニューを閉じるとウィンドウの一部が画面に残っているなど、普通にテストプレイをしていればすぐ気づくレベルのバグも少なくない。
  • 軽くプレイするだけでも、ユーザビリティが全く考えられていないことが分かる。
    個々の要素やシステムそれぞれの出来も問題があるが、それらの噛みあわせが非常に悪くお互いに足を引っ張り合っている。要するにプレイヤーのことを全く考えていない。
    • ウリのはずのモンスター収拾要素に関しても、それをサポートするような要素は無いのに、邪魔をする要素はやたらと多い。

グラフィック・BGMについて

  • 上のパッケージ画像を見ると分かるが、全体的に崩れている。
    • それをモデルにしているゲームグラフィックの方も当然崩れており、シローの顔グラはまるで『MUSASHI -GUN道-』*13の主人公である。
    • モンスターも一部は普通にかっこいいものもあるのだが、最後の幹部である「りゅう」は剣の握り方が明らかにおかしい*14、ラスボスの「まおうザガン」の変身前は棒立ちの変なポーズで迫力も何もない、と重要なキャラなのに酷い有様。
  • 戦闘シーンは、真っ黒な画面に敵キャラが浮かんでいるだけという、時代を考えれば寂しいもの。
  • クソゲーの最後の砦であるBGMも、同時期のGB用ゲームと比べても音のチープさが目立ち「GB音源である事を考慮しても低クオリティ」「長時間聴いてると耳が痛くなる」と評判が悪い。

シナリオ・演出について

稚拙なテキストとシナリオを、単調極まりないイベントシーンが引き立てる。
ストーリーは簡単に言うなら魔王に支配された島を救う物語。複雑な伏線や突飛な設定の類は一切無し。これで完成度が高ければ「王道」として評価できるが、本作の場合は「陳腐」としか言いようの無いレベルである。
しかも後述する演出や描写不足、恐らく手抜きによる矛盾の数々、対象年齢であろう子供達も首をかしげざるを得ない拙い完成度。

  • 演出がほとんど無く、大抵の場面がメッセージだけで説明される。そのため臨場感皆無。
    • イベントシーンにおいて、場面場面に合わせてBGMが変わる、SEやエフェクトが流れる、マップ上でキャラが動きを見せるといった、GB初期のゲームでもあって当たり前の演出すらあることは少ない。
      • 主人公キャラはイベントでは喋らず、はい/いいえの選択肢すらもないため、棒立ちでほぼ一方的に相手が喋り倒す場面が延々と続く。長台詞の時は特にその単調さが際立つ。
    • 断末魔を上げてボスが死亡し、近くにいたキャラとの会話が始まるといった場面ですら、死亡したはずのボスのグラフィックが消えるわけでも動きを止めるわけでもなく、会話中から場面転換まで倒す前と同じく動き続けている。ゲームがゲームなら設定ミスやバグの類だと思われてもおかしくない挙動である。
    • メニュー画面を閉じたり戦闘が終わったりで画面が切り替わると操作キャラが必ず正面を向く
      • このせいで、戦闘後のイベント会話で(ラスボス戦後ですら)主人公が敵に背を向けているというマヌケな画面になる。
    • 「二度目以降に会話した場合の処理」「一部イベント専用時の処理」なども一切存在しない。
      • 催眠術をかけてもらい夢の世界に行くステージでは、敵に倒され拠点に送り返されると、初めて会話をした時と全く同じ台詞を長々と聞かされるはめになり、非常に面倒臭く、見た目としても不自然である。
  • 台詞回しも、モンスターハンターバージョンの主人公が必殺技を使うたびに言う「こぶしが あち~ぜ!」をはじめとして全体的に寒く、旧世代の作品を見ているかのようである。
  • 次のイベントに進むためのフラグが非常に曖昧かつ簡素なのか、気付けば次のダンジョンが出現していたり、戻った途端に村人が全員いきなり眠っている……といったような事が起きる。
    • どうやら、フラグはイベント消化後に村に戻ることだけの模様。
  • ゲームの形式上、ボスキャラは基本的にダンジョンの最奥部に待ち構えているのみで、特にシナリオに絡んだりはしない。
    • たとえ何が起こってもダンジョンを進めば勝手にボスが見つかり、ボスを撃破すれば目的は自動的に達成される。
    • 違いと言えばダンジョンの背景くらいであり、モロに単調さが目に付く。
  • 魔王に支配されているとは思えない呑気な村人たち。
    • 説明書のあらすじには「人々はこの時代に生まれてきた事を嘆き、絶望しつつ生きている。」と書いてあるが、実際に絶望したり嘆いている人間は全くいない。
      それどころか人がモンスターにさらわれたのに満面の笑みを浮かべて遊び出す子供がいる始末。……どこのどいつが絶望してるんだ?
    • 特にモンスターハンターの主人公の育ての親であるガンテツ。彼は村一番の戦士との事だが、共に戦うわけでもプレイヤーにアドバイスをくれる訳でもなく、終始自分の道場にいるだけ。ストーリーを通して全く役に立っていない。
      • 挙句、ストーリー終盤で彼の娘がモンスターにさらわれるのだが、肝心のガンテツは「魔物を追い払う事すらできなかった」と語るのみ……と、村一番が聞いて呆れる醜態を晒す。
        まあ、雑魚敵の異様な強さを考えれば無理な話でもないか……。
      • では他のバージョンには問題のあるキャラクターはいないのかと言われるとそんな事は無く、エックスハンターバージョンで主人公を居候させている爺さんは終始プレイヤーの神経を逆撫でする発言を連発してくる極めて不快な存在となっている。
  • ペットは殆ど話しかけるだけで仲間になり、同行する動機も「ごはんの為」「寝起きの運動」「ダイエット」などと不純で胡散臭い物ばかりで、どうにも仲間加入の喜びが沸きづらい。
    • 中でも特にひどいのがキリンガーと言うペットで、こいつはあろう事か自分のギャグがすべったお詫びにと言う理由で一方的に仲間に加わる。こんな理由で仲間になられるのは迷惑も良いところである*15
    • 一応魔王を倒す為と言う真っ当な理由で仲間になるペットもいるにはいるのだが、それ以上に上記のような不純な理由で同行するペットがあまりに多いのもまた事実。
    • また、夢の世界で仲間にしたペットが現実世界の拠点に走って向かうなど、どう考えても物理的に不可能な現象も起こっている。
  • モンスターハンターバージョンは序盤で「水が 赤く なってしまった、これは魔王軍の仕業だろうか」と怪しんだ主人公が水源地を目指すのだが、ゲーム中に表示される水源の川や池はどう見ても赤くないという、かの伝説のクソゲーを思わせるシーンがある。
    • ここまで豪快にミスしていると、突っ込む気にもならない。繰り返すが、本作はゲームボーイカラー専用ソフトである。
    • 他のバージョンでは水が赤くなるというイベントではなく、またクリア後にもう一度入れる仕様から、色を変更する手間を惜しんだだけという可能性すらある。
  • 村中の人間が眠りについたり石化するような事件が起きても、武器屋や防具屋・道具屋・ペットセンター・闘技場の店員などは周囲がどうなっているのか知った様子も無く平気で商売を行っている。
    いくらハマり防止とは言え他にやりようがあった筈だが……。
    • そもそもストーリーの進行具合で台詞が変わるのは10人に満たなかったりする。突然村人がいなくなったりすることも多く、画面を切り替えたり特定の人物と会話すると突然現れたりもする。
  • こうして精神的苦難の末にたどり着くエンディングも寂しく、魔王ザガンを倒した後は村に帰ったあとの主人公が映るのみであり、セリフや語りといったものは一切表示されない。RPG黎明期のゲームでももうちょっと頑張っている。
  • 児童誌発のソフトゆえに子供向けを意識したのか、テキストは基本的に稚拙。
    • 主人公が喋らず、またボスもダンジョンの奥から動かないためか、ボスのセリフは多くがたまたま言っていた独り言。主人公の目の前で自身の目的について仔細に説明した後に主人公の存在に気づき襲ってくる、という不自然な流ればかり。
    • ラスボスのザガンはゴツい外見でありながらも「ほ~らほらどうしたどうした」「しらなかったのかな?*16」とミスマッチかつ脱力ものな台詞をのたまい、負けた後は「受け入れるしかないだろう」と素直に敗北を認めたかと思えばその直後に「いやだ……」「終わりたくない……」などと愚痴と泣き言を延々言い続ける(しかも微妙に日本語がおかしい)。ゲーム史上類を見ないヘタレっぷりである。
      • 子供向けだからと言って威厳の欠片もないヘタレにする必要は無いのだが……。「子供向け」と「子供騙し」の違いが如実に現れている。
  • また、ザガンの第一形態を倒した後の会話(前述の「しらなかったのかな?」など)で唐突に「どこかで○○ハンターが××の神器を使った!」と表示される超展開が入る。
    その後「今3つの神器がクロスした!!」というメッセージと共に、よりゴツいフォルムの第二形態へと変身したザガンを倒せるようになる。
    • 別バージョンの主人公がプレイヤーとはまた別の冒険をしていたことを表現しようとしたのであろうが、あまりに唐突で感動もへったくれもない。ならもう少しストーリーに絡ませるべきであろう。
    • 恐らくこれがタイトルである『クロスハンター』の意味だとでも言いたいのだろう。……が、肝心のプレイヤーとは全くクロスできていないため、寒々しいだけになっている。

露骨なバージョン商法

  • モンスターハンター エックスハンター トレジャーハンター の3バージョンで同時発売されたのだが、いずれもやる事はほぼ同じ。当時はまだ問題になっていなかったが、典型的かつ露骨なバージョン商法である。
    • 何が「モンスターハンター」で「トレジャーハンター」なのかがよくわからない。「エックスハンター」に至ってはどんな職業なのかすらわからない*17
    • 説明書の紹介文によると主人公の職業の分類らしいのだが、ゲーム中では全く機能していない。
    • 一応各バージョンには細かい違いがある。拠点となる町が違ったり、ダンジョンの攻略順や出現モンスターの強さや特技、戦うボスなど細かい部分が微妙に違う。
      • が、わざわざバージョンを分ける必要があるほどの特徴や差は見られない。これなら1本のソフトで主人公を3人から選択できるようにすれば済む話である。仕様は手抜きのクセにバージョン商法を、しかも狙ってやらかすところからも銭ゲバぶりが窺える。
  • この当時流行っていたポケモンライクゲームの例に漏れず、弱らせたモンスターをシールに封印させる(全141種類)収集要素があり、封印したモンスターの特技をペットに覚えさせることができる。
    しかしこれまで書かれているように肝心の基本システムがボロボロなので、収集や通信による交換・対戦要素がプラスに働いているか疑わしく、また収拾の難易度も尋常ではない*18

その他

  • 説明書には各バージョンの主人公の過去が詳しく書かれているが、ゲーム中では最初にあっさり語られるだけでほとんどストーリーには関わらない。また、主人公全員の説明が載っているため、バージョンを分けた理由がまるでわからない。バージョン毎に説明書を分けることも思いつかなかったのだろうか。
    • また、選んだバージョン以外の主人公は、ゲーム中では一応存在が語られるものの、本当にそれだけであり、ゲーム中に出ることは一切無い。
  • 特技の説明が凄く適当。まるでコピペした文章を少しいじったかの様に思える。
  • パラメータの説明文に「ちせいはAIの賢さを示し、各主人公には関係無いためこのパラメータはありません」と書かれているのだが、同じページの参考画像に掲載されているシローのステータスには「ちせい」がちゃんとある。そして、ゲーム中にもしっかりと「ちせい」のパラメータはある。……制作陣のやる気の無さが見え見えである。
    • ちなみにこの主人公の「ちせい」、他のパラメータが2~3桁にもなるのに初期値5から全く成長しない。すこぶる頭が悪そうである。説明書で「値がない」と記載されているところを見ると、どうやらデバッグプレイ時に消すのを忘れていたらしい。そもそもバグや不具合の多さなどを考えるとデバッグプレイすらしていなかったのかもしれない。
    • 同様に、主人公の「SP」もステータス画面に表示されているが、SPを消費する行動はおろか、敵に吸い取られることもない無意味なステータスとなっている。
    • 逆に、全員のステータス画面に「すばやさ」の項目が無い。レベルアップ時にはしっかり「すばやさが○ポイントあがった」と表示されるため、隠しパラメータでもないはずである。
      そもそもわざわざ隠すようなものでもない。すばやさの項目を入れることのできる程度の空欄はあるのだが。

評価点

このゲーム自体に特別評価できる部分は無いに等しい。それでも無理矢理挙げるなら……。

  • オープニングのアニメーションの出来はそれなり。
  • マップのグラフィックに関しては当時のGBカラーソフト相応。
    • 色違いによるモンスターの水増しはほとんど無く、大半のモンスターに専用のグラフィックが設定されている。もっとも、後述のように盗作疑惑があるので手放しには評価しにくいが……。
  • ボスを倒した後は自動的に村へ戻されるため、鬱陶しい後戻りをしなくてもいい。
    • それも収集要素と噛み合っていない点はあるが……。

総評

『ポケモン』の大ヒット以降乱発されたポケモンフォロワーRPGの中でも間違いなく最底辺に君臨するであろう作品。
調整を放棄したとしか思えない崩壊したゲームバランス、「子供騙し」そのものな稚拙なストーリー、おまけに意味も無く見向きもされなかった一挙3バージョン商法……全方面に隙のないテンプレのようなクソゲーである。

しかもその多くが「他作品でなら搭載して当たり前の処理すらされていない」「多少デバッグすれば簡単に分かる程度のミス等の多さ」……いわば「手抜き」から来るものばかりなのも、如何に開発陣が本作に対する意気込みが浅く、やっつけ仕事で制作しているのかが透けて見えている。
判定自体はクソゲーだが作者やスタッフの情熱や誠意が現れており、それが評価されて一種の人気を生むクソゲーも多い中、本作の場合はプレイヤーの心証を大きく損ねる類のクソさ加減であり、普段は見向きもされず、たまに話題になれば嘲笑や罵声を浴びせられてばかりなのも、クソゲーの王道を貫いている。

一部では「あのヨンパチ以上」「当時KOTYがあったら間違いなく大賞クラス」とまで言われたとか。


余談

  • 「世界初の3バージョン同時発売」を念頭に企画されたが、度重なる発売延期により『遊☆戯☆王4』に先を越されてしまったため、全く立場無し。しかも何度も発売を延期しておきながらこうもクソ要素揃いとは、延期した意味がまるで無い。
  • 『週刊ファミ通』のレビューでは「6・4・4・4」の18点と低得点。コメントも非常に辛辣で、「同系統のゲームでこれよりおもしろいのはいくらでもある」「もっと丁寧に作ってほしかった」「ストーリー性は皆無に近い」などと本記事で指摘されている問題点のほぼ全てをレビュアー4人全員から指摘されている。
    • 姉妹誌の『ファミ通64+アドバンス』のレビューでは「6・5・4・6」の21点。レビュアー4人中3人は何とかフォローしているような内容になっているため、全体的に本誌よりやや高めになっているが、最低点の4点を付けたレビュアーは本誌よりも辛辣なコメントをしている。他の3人がフォローしすぎな気もするが……*19
    • それぞれのレビューは2ちゃんねるのスレで閲覧できる。『ファミ通』は2、『ファミ通64+アドバンス』は16を参照。
    • 『ファミ通』で酷評されたものの攻略本はエンターブレインから出版されている。しかし100ページにも満たないほどの薄さであり、ゲームの薄っぺらさを物語っている。
  • カードゲーム用のカードが3枚付録についてくるが、別商品として展開されていた訳でもなく、1バージョンにつき3枚=計9種類の付属カードしか存在していない。これだけでまともなゲームが遊べると?
    • しかしカード自体はキラ加工がなされているなど無駄に質が良く、そしてカードゲームの説明書は無駄に長く詳細に出来ており、ゲームはカードのおまけとまで言われている。
  • 最終的に休刊になった『コミックボンボン』だが、休刊したのは本作の漫画版連載終了から6年後の2007年であり、休刊の原因が本作であった訳ではもちろん無い。とはいえ、こんな作品を出した2000年代のボンボンはファンから見ても明らかに迷走していた時期であり、ゲームにしろ漫画にしろこんな駄作にGOサインを出していたことが当時の編集部の惨憺たる様子を端的に表している。そして、迷走したまま休刊と言う切ない結末を迎えたのである。
    • 本企画終了と入れ替わるような形で、新たな読者参加型企画『幻想世界英雄烈伝フェアプレイズ』が開始されたが……詳細は『未発売ゲーム2』の項目を参照のこと。
  • Amazonにて数少ないレビューの中、3バージョン共に関係者か荒らしとしか思えないベタ褒めのものがある。
    • 中には「バージョンによって物語が異なる」「シリーズはエックスハンター→トレジャーハンター→モンスターハンターと続いている」「アナザーストーリーで魔王視点のストーリーもある」といったような大嘘まで吐き、挙句ポケモンやDQMを「話が薄っぺらい」と貶すといった悪質なものまである。
    • また2chの方でも同様の擁護意見が時折確認されたとの証言がある。
  • 2010年代では未開封の新品が500円で売っている話もあった。カードによるプレミア等もまるでついていないあたり、世間の評価が窺えるであろう*20
    • が、しかし……2015年末、珍妙な形でにわかに脚光を浴びる(後述)。
  • ありがちな「クロス」と「ハンター」のフレーズの組み合わせのせいで、変に類似したタイトルが度々現れる。風評被害もいいところである。
    • 2009年、スクウェア・エニックスと集英社が『Vジャンプ』の読者参加型企画により『クロストレジャーズ』というゲームを発売した。
      • タイトル以外にも「読者によるアンケートをゲームに反映」「タイアップ先での漫画連載」と共通点があるが、こちらは本作と比べれば知名度は低いもののむしろ良作レベルの作品という決定的な違いがある。
  • そして2015年12月初旬、Amazonのゲームボーイソフト売上ランキングにて本作が突如上位ランクインを果たす。
    • 3バージョンとも40位以内、「モンスターハンターバージョン」に至っては時間帯によって売上1位を記録。
    • この理由には、直前の2015年11月28日に人気シリーズタイトル『モンスターハンタークロス(以下MHX)』が発売した影響が考えられている。
      • あくまで状況証拠による推測であり断言はできないが、期日が合致する以外にも「モンスターハンターバージョン」が一番の売り上げを記録しており「モンスター」「ハンター」「クロス」と言う単語レベルで類似していることから、可能性が有力視されている。
      • しかし、当時のAmazonのゲームカテゴリTOPでは「TVゲームの新着ランキング」に『MHX』が入っていたし、「クロスハンター」と検索しても『MHX』の方が先に出たので、真実は定かではない。
        単なる勘違い購入と考えるには余りにも異常な売り上げから、転売屋のAmazon監視ツールが全ワード一致してしまったモンスターハンターバージョン及びそのバージョン違いに大誤爆を仕掛けた結果ではないか?という説が、当時の2ちゃんねる等では囁かれていた。
      • 発売から実に15年近くの時を経てクソゲーが打ち上げた「汚い花火」であった。
  • 何故かデータ内に『ドラゴンクエストシリーズ』の技名がいくつか存在している。ただし没技として作られている訳ではなく、システムデータに移行する画面で文字のみが収納されている謎の設計。
    • その技は「ザオリク だいぼうぎょ ばくれつけん ベホマズン くろいきり めいそう さそうおどり マダンテ」の8種類。『初代ドラクエモンスターズ』の対戦における鉄板構成の特技である。このような文字が存在している理由は不明。

盗作疑惑

今作を語るにおいて欠かせないのがキャラクターデザインのパクリ・トレース疑惑である。上記のドラクエの技名のデータからして既に怪しいが、これらもまた本作の評価を大きく落とす問題点となっている。

  • 主人公について他作品からの盗作疑惑がある。
    • まず、トレジャーハンターバージョンの主人公ロープは『ドラクエVI』のテリー、もしくは漫画『ドラゴンボール』のトランクス、と『FFVI』のロック・コールの中身を足したような感じである。
    • エックスハンターバージョンの主人公ヒュウガも企画開始の数年前に放映されていたアニメ『発明BOYカニパン』の主人公カニパンや、1999年に発売されたゲーム『神機世界エヴォリューション』の主人公であるマグ・ランチャーに髪型やおでこに付けたゴーグル等が酷似していると言われており、髪色も一致している。とはいえ、こちらは単純にメカニック少年のテンプレート的なデザインとも言えるが。
    • モンスターハンターバージョンのシローについては漫画版の影響で『ドラゴンボール』の悟空・悟飯とされることが多いが、あくまでも漫画版の話でありゲームではそこまであからさまには見えない。「ツンツン髪に鉢巻して剣を背負った熱血漢の少年」は昔から使い古されたステレオタイプの主人公像なので、ヒュウガも含めパクリというよりもオーソドックス・テンプレ・ステレオタイプを地で行きすぎていると言った方が正しい。
      • 大剣に関しては読者アンケートによるキャラクター決定時に『コミックボンボン』の企画ページに掲載されたイメージイラスト(1999年12月号掲載)の時点で背負っていた。「FFVIIのバスターソードのパクリ」との意見もあるが、そもそもバスターソードの方も漫画『ベルセルク』の「ドラゴン殺し*21」の影響を指摘されている。そしてクロハンの漫画版にベルセルクの構図をトレスしたシーンがある事が更なる疑惑を深めた。
    • なお、ロープとテリー&ロック、ヒュウガとカニパンとの比較画像はこちら。シローに関しては後述の検証サイトなどで。
      • そもそもパッケージのキャラが全体的に鳥山明風に無理やり描いたようにも見える。
  • 「ペット」にもパクリ疑惑がある。
    • 終盤仲間になる「ヒバード」はまんま『ポケモン』のファイヤー*22である(首周りに白い毛がある以外ほぼ同じ)。
    • 「エックスハンターバージョン」のヒュウガの後ろにいるロボット「ブルーナイト」も『魔神英雄伝ワタル』の「魔神(マシン)」ような頭身に『装甲騎兵ボトムズ外伝』の「ベルゼルガ」のパイルバンカー付きのシールド(どちらも多くの模倣を生み出した)をしている。頭部の意匠から肩や足に至るまであまりにもテンプレ的で既視感が拭えず、全体的なフォルムも没個性である。
  • モンスターデザインはドラクエのそれに酷似したものが非常に多く、特に「狂った熊」はかつて柴田亜美氏が『ドラゴンクエスト・4コママンガ劇場』で描いた「ごうけつぐま」そのもの。その他『ドラクエ』や『ポケモン』をやったことがある人なら既視感バリバリのモンスターが数多く存在する。
    • ラスボス「まおうザガン」は漫画『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』の異魔神と『ドラクエVI』のデスタムーアからパクっていると言われ、構図や角など一致している箇所が多い(後述の漫画版盗作検証サイト参照)。

キャラクターデザインは開発側からの要請などもあるため、一概にデザインを担当したカイのみの責任と言えるわけではないのだが、自身の漫画でパクリ・トレース疑惑が多数ある事もまた事実であり、潔白とはとても言い難い。
しかし、上記のようなデザインを採用したゲームが販売された時点で、少なくとも本作のパクリ疑惑については開発側に問題があると言える。そもそもデザイナーとは無関係のシステム要素においてもドラゴンクエストやポケットモンスターの強い影響下にあり、特に作戦名や技名、ひいては台詞までをもドラゴンクエスト関連から丸パクリしている部分があるため、開発側がパクリを推奨していた可能性も十分にあり、ドラクエの技名がデータ内にある辺りも疑惑を強めている。

+ パクリ検証とそれにまつわる一連の騒動について
  • ニコニコ動画にアップロードされた漫画版のパクリ検証動画(同時にゲームのモンスターデザインに関しても検証されている)のコメントの中に執拗なまでに漫画版を擁護していた輩が出現したため、作者本人の降臨疑惑が浮上した。
    • その擁護コメントは「トレースじゃなくオマージュ」「パクリがわかりやすいからこれはオマージュだ」「『銀魂』*23も同じことしてるからパクリじゃない」等々香ばしく的外れなものばかりであった。
    • 当記事に最初に漫画版のことが追記(今よりも漠然とした内容だったが)された時、即座に「ガセだろ?」との突っ込みと共に消されたこともあった。
  • さらに、忘れた頃になって一連の記述が消される出来事が起こった。
    • 「不適切な記述」であることが理由らしいが、その事を問い詰められると、履歴が残っていないのをいいことに、嘘八百な議事内容(脳内)を振りかざし始めたので、早々に相手にされなくなった。
    • 同時に「俺は○○や○○(中略)の記事も作った」「IP調べろ」などと主張し始める……そもそも、誰も誰何したり等していなかったのだが。馬脚を露わすとはこういうことである。
    • またこれと同時期に、とっくに旬が過ぎ熱の冷めた検証動画に性懲りも無く怪しいコメントが付いていたことも記しておく。
    • しばらくしてようやく件の人物はここから去ったが、今度はニコニコ大百科内の同作記事に似たような人物が噛み付き始め、過疎地だったページのアクセス数が一時的に伸びた。結局、そこでも袋叩きに遭い去っていった。
    • と思ったら今度はアニヲタwikiにまで出現、やはりボコボコにされた挙句姿を消す。方方に出向いては同じことを繰り返すその姿には呆れるしかない。
    • また、作品DBで、HN『モンスタークロスハンターサンオアムーン』で出現。ゲーム・漫画共に的外れな評価で呆れ果てられた。
    • この一連の出来事からいよいよもって、疑惑はもはや暗黙の了解と言える程にまで深まっている。

そもそも「アンケート結果がゲームに反映される」触れ込みからして本当なのか怪しい

  • 発端となった「史上最強のRPG計画」は誌面上で大々的に扱われたわけではなく、1999年7月号から突如白黒2ページ(一時期1ページだったことも)の読者投稿欄が設けられただけで始まっており、全貌が発表されるまではひっそりと制作状況が伝えられるなど、企画自体が投げやりでいい加減なものであった。
    • 開発会社は無名。キャラデザは同誌での連載作品が二つとも短期打ち切りで、単行本発売経験も無い漫画家。読者参加を謳っておきながら大した宣伝も打たない。……「史上最強のRPG計画」を実施するにしてはかなり小規模なものである。
      前述のパクリ疑惑にしても読者の意見を反映させていたらああはならないはずだし、反映させた結果があれだとしたらそれはそれで問題である。一説によれば後者の可能性が有るらしいが、児童誌ゆえの年齢層の低さを稚拙さやオリジナリティの無さの言い訳に出来るとでも思ったのだろうか。
  • アンケート結果を初めから反映する気が無いと思われる節がある。
    • 乗り物についてのアンケートでは「ロボット」が一番人気だったが、移動方法はワールドマップから行きたい場所を直接選ぶマップセレクト方式、ダンジョン内にもろくにギミックが存在しない。
      • 一応、申し訳程度に自立稼動型のロボットはペットとして登場する(ただしエックスハンターバージョンのみ)。乗り込んで操縦など出来やしないが。
        しかもその情報が公開された時は「乗り物人気No1!」といかにも乗れそうに宣伝をしていた。詐欺である。
  • そもそも据置機より性能もメディア容量も劣る携帯機で「史上最強のRPG」を作る発想自体が無謀。
    • 携帯機にした理由は、アンケートの結果「読者が一番好きなハードだから」とのこと。確かに同誌でタイアップされていた『メダロット』や『ロボットポンコッツ』などはGBで出されていたため、そういう発想になるのはわからなくもない。が、そんなことすらアンケートで決める時点でいい加減に企画を進めていたことが解る。
    • そしてカラー専用なので、スーパーゲームボーイでは当然プレイできない。内容的にカラー専用にする必然性も全く無い。
    • 一応、ゲームボーイカラーでは『ドラゴンクエストIII』が存在しており(あくまで移植であるが)、大作RPGを作れないことは無い。と言っても、この惨状を見るにこの開発に同等のものを作れるとは思えないが……。
    • 誤解の無いよう付け足すが、携帯機でRPGを出す事自体を問題視している訳ではない。問題なのは「史上最強のRPG」と、あたかも大作や秀作であるかのように謳っていた事、それでいて内容がこの有様である事である。……謙虚に販売したとしてもこの出来では評価などされた筈は無いが。

漫画版について

+ 以下、漫画版についての解説

ゲーム版と並んで現在も語り草になっているのが、キャラデザインと同じくカイが手掛けた漫画版である。
こちらもパクリ・トレース疑惑などの問題点が多く、ゲーム版よりも漫画版の話題が挙げられることが多い。
また、それらを抜きにして漫画作品そのものとして見てみても、極めて質の低いものだと言わざるを得ない出来である。
下手するとこちらの方が有名かもしれない。

  • 主人公こそモンスターハンターバージョンのシローだが、ストーリーも敵組織もゲームとは異なる。また、ゲームに登場しているキャラを蔑ろにしたり、逆に居もしないキャラをヒロインやライバルに据えたりと、「ゲームのコミカライズ」の前提をすっかり忘れているとしか思えない内容である。辛うじてプロローグだけはゲームとほぼ同じ。
    • こう書くと全く関係無い人間が漫画を描いたように見えるが、前述の通り漫画版の作者はカイ本人である。彼は同誌の中でゲームの開発現場の様子などを漫画にしており(スタッフのイラストを描いたこともある)、ゲームのストーリーを全く知らないという事はないだろう。
      • もっとも、オリジナル設定満載でも完成度の高さから評価を得ているゲーム原作の漫画はたくさんある*24。しかしこのコミカライズ版は屁こきなどの下ネタに頼った寒いギャグばかり*25で独自の魅力は一切無く、単体の作品としても非常に稚拙なので、「原作を蔑ろにしている」としか捉えられない。
    • 途中からゲーム本編の展開を思い出したかのようにロープやヒュウガなど、ゲームに登場するキャラが続々と登場。同時に絵柄もキャラの頭身が急激に上がるなどの変化をし、内容もギャグからややシリアスな展開にシフトしたが、元からあった問題点はそのままで設定やキャラの性格などで矛盾まみれになったため、評価そのものは上がらなかった。
      • 連載初期の画風はゲーム中のグラフィックやパッケージの公式イラストに近いものだったが、この画風変更でそれらからも大きくかけ離れてしまっている。
  • こちらでもパクリ・トレース疑惑は存在しているが、ゲーム版よりさらに酷くなっている。
    • 特に『ドラゴンボール』から使われたものが多い。主人公・シローの構図や顔がさらに鳥山明チックになったほか、パワーアップ状態の「怒れ人(いかれびと)」ことクロスハンターはどう見てもスーパーサイヤ人。ポーズなども同作からのトレースが多く、しかも何も考えず機械的にやっているのが丸わかり。
      • その他盗作疑惑についての詳細はこちらから。
    • パクっている分、漫画が面白い、好感が持てるキャラクターなど良い点があればまだ救いはあった。しかし本作にはそのような部分など全くない。むしろ酷く劣化しただけのパクリなので、パクリ元の画力・表現力・技術がどれほど高度なものなのかを再認識させられ、各名作がこんな粗悪な作品の手足として勝手に利用された不快感を煽るだけである。
    • ただし、当時の読者ページには本作のファンアートもいくつか掲載されており、パクリとは知らなかった読者からはそれなりに評価されていた模様。
  • 漫画版の掲載期間は2000年7月号~2001年10月号。これでも当時のボンボン(この時期はタイアップ作品でも容赦なく打ち切っていた)では不思議と長生きした部類に入る。だが最終回は典型的な打ち切りエンドであった。
    • ちなみに、時折本作を「漫画からのゲーム化」と勘違いしている人がいるが、実際はゲームの開発・発売とコミカライズはほぼ同時進行であった。宣伝の意味もあってか半年ほど先駆けてはいる。そしてその半年間の連載が上記のようなゲームとかけ離れた展開だった。
      • この手法は『メダロット』『ロボットポンコッツ』などでも取られていた。もっともこちらの方の各作品はゲームの設定、ストーリーなどをちゃんと反映している。
    • 話数は単行本2巻は出せるくらいはあるのだが、単行本化は現在もされていない
      理由は不明だが「目に余るパクリやトレスが講談社や編集部内で問題視されて封印作品となった」「単につまらなくて人気がなかったので単行本化が見送られた」「ゲームとのタイアップ効果を見込める発売時期を逸したため単行本化が見送られた」などの説がある(もちろんこれらがすべて誤りである可能性も、これらの複合である可能性もある)。もっとも、コミックボンボンではどんな人気作品であろうとも単行本が最後まで刊行されないことは日常茶飯事であり、単行本化そのものがされない作品もままあった。