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第三十六章

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機甲盤古 第三十六章
http://www.comibook.com/cb498


<翻訳者コメント>







  • 1ページ
爺官「「これより、神都敦煌仙試科舉を開始いたします」」
  「「受験生各位におかれましては、フェア精神のもと…」」
允玄「ストップ。何ですかそれは?」
爺官「開幕の挨拶にございます。陛下に内容の是非を伺いたく…」
允玄「ではなく、何を長々と読み上げているのかと聞いたのです」
  「公文処理は効率が肝要…」

  • 2ページ
允玄「文書内容は朕にメールしてくだされば結構!」
  「折り返し返信します」
爺官「え?」
允玄「本年度国防予算審査、返信」
  「新地開拓事業報告書、送信」
  「ね、早いでしょう?」
爺官「陛下…おそれながら、それではあまりに荘厳に欠けると申しますか…」
允玄「朕のメールボックスです」
  「後はこちらで」
爺官「…御意に」

  • 3ページ
允玄「敦煌もまだまだのようですね」
班「ご謙遜を。陛下のご躍進は伝え聞いております」
 「準備は順調。予行もつつがなく。仙試科擧は大成功間違いないでしょう」
 「それに、天界の神明がこの地に一堂に会するというのですから…」
允玄「…期待されていると?」
班「それはもう! 我々人間は、神明と中々関わりを持てませんので」

  • 4ページ
允玄「朕には面倒なだけですがね」
  「国事も滞っているというのに」
  「京城から遠路はるばる、天界との共催活動なんて」
班「陛下がそれほどのお人なのですよ。あちらが招かざるを得ないほどの…」
允玄「お世辞は結構」
  「あれは…雲に……人?」
班「ん?」

  • 5ページ
班「おそらくは神明でしょう」
允玄「ほう……」
班「……え?」

  • 6ページ・7ページ タイトル:神都敦煌[前編]

  • 8ページ
戴逢「言うとおり敦煌まで送ってやったぞ!」
  「魏恩! 後は知らんからな!」
  「ケっ!」
ヨーゼフ「何故ミー達モ牢屋ニ?」
魏恩「すぐに出られる。しばしの我慢だ」
  「黄雷、見張りを頼むぞ」
黄雷「はい」

  • 9ページ
魏恩「では」
  「儂は準備がある故…」
守芬「待って魏恩!」
  「あなた、「治」の字が使えるんでしょ?」
  「お願い…」
  「魯泉のケガを治して!」
魏恩「……」
  「すまぬ…それは後だ」

  • 10ページ
守芬「あ…ちょっと…!」
盤古(魯泉が治療を待っているというのに…)
  (それがしときたら……!)
  「く…!」
  「がああああああ!!!」
魯泉「!!」
黄雷「メカ亀! 何やってんだ!?」

  • 11ページ
盤古「手錠さえ外せば…文字幻術が使える! 魯泉を治せる!」
黄雷「バカ!」
  「お前の手の方が先に壊れちまうぞ!」
盤古「……」
魯泉「盤古! やめて!」
  「ぼくは大丈夫だから!」
  「それ以上はダメだ!」

  • 12ページ
盤古「………すみません……」
  「それがしの事情に、あなた方まで巻き込んでしまって…」
徐梅「そんな…盤古さんは命の恩人じゃないですか」
  「今度は、私達の番です。盤古さんの命は、私達が守ります」
盤古「命……ですか?」

  • 13ページ
盤古「機械の体……作り物の感情…」
  「果たしてこれを、「命」と呼んでよいものでしょうか?」
  「それがしがそれを主張したところで…」
  「所詮は機械。その気持ちさえ、紛い物でしかないのです」
守芬「……」
盤古「あなた方は生きている。「命」がある」
  「何も…こんな所で危険を冒すことはありません」
  「お気持ちは嬉しいですが、それがしのことはもう…」

  • 14ページ
守芬「盤古」
  「私、旅の最中は付けるのを控えてたんだけど……」
  「肌身離さず持っている物があるの」
  「フィアンセの……友俊がくれた婚約指環」
盤古「…? はい…それが…?」
  「あ……」

  • 15ページ
盤古「守芬さん! 何をなさるのですか!?」
守芬「何って何よ。どうかした?」
盤古「それは、翁さんから贈られた大切な…!」

  • 16ページ
守芬「大切な……「物」よ? だから何?」
  「「命」じゃあるまいし。自分は機械だと卑下しておいて、指環の心配はするんだ?」
盤古「……あっ……!」
守芬「機械整備士はね、そういう想い…」
  「機械への想い。忘れないものなのよ」
盤古「で…ですが…」
  「何もそのために大事な指環まで壊すことは…」

  • 17ページ
守芬「私ね…魯泉みたいにはできないかもしれないし」
  「一度はあなたを見捨ててしまった人間よ」
  「それでも盤古。何と言われようと、あなたを大切に思う気持ちに嘘はないの」
  「これはせめてもの償い…私はあなたを助けたい」
黄雷「おい……」

  • 18ページ
黄雷「盤古の審判が迫ってるんだぞ」
  「考えるべきは、他にあるんじゃないか?」
守芬「…わかってるわよ、そのくらい」
  「けど、私達じゃ天界の事柄に介入できないもの」
  「今は魏恩を頼るしかないわ」
黄雷「そんなんでいいのかよ?」
  「機甲兵は天界の兵器なんだ」
  「それほどの存在(リスク)を、盤古との絆を強調した程度で覆せると思うのか?」
霍安「……」

  • 19ページ
黄雷「何がおかしい?」
霍安「ああ、いやいや……」
  「ま……追々わかるさ」
魯泉「……?」
霍安「今は……」
  「審判の時を粛々と待とうじゃないの」

  • 20ページ・21ページ
魏恩「こちらが、件の少年と機甲兵である」
  「僭越ながら…これより経緯を説明させていただく」

  • 22ページ
班「……え?」
 「盤古!?」
允玄「顔見知りで?」
班「はい。彼らには靈石市の山賊検挙、火災の件で恩がありまして…」
 「それが何故こんな…?」

  • 23ページ
允玄「……あの亀は神明ですか?」
班「いえ、彼はメカ亀…ロボットです」
允玄(ロボット…ね)
  「班判官」
  「その靈石市での子細、朕にお聞かせください」
班「は……はい!」

  • 24ページ
魏恩「…これにより、この機甲兵を無害と判断」
  「かつ、その人道的功績は……」
黄雷(おかしい……)
  (天界の兵器を前にした審判だってのに……)
  (何故だ? 長官らはまるっきり他人事の様だ…)

  • 25ページ
魏恩「所有者、魯泉については…」
葛涅「あ、はい?」
  「はいはいはい。はーい。ちょっと待ってな」
魏恩「長官殿…!」
葛涅「ふう…」
  「魏恩……」
  「大勢呼びつけ何事かと思えば…」
  「機甲兵の処分の是非を問うだけとはな」
魏恩「しかし…!」
葛涅「命令はもう出してあったろう。全く…仙試科舉前で皆忙しいというのに…」

  • 26ページ
葛涅「機甲兵の件など、ハナから重視しておらん」
  「くだらんことに時間を取らすな」
黄雷「く……くだらないだって?」
霍安「フッ」
  「虎ちゃんよ……」
  「聞けば、キミが盤古のこと上に報告したんだってな?」
  「機甲兵は天界の兵器だが、現存するほとんどは使い物にならないし、実物を見たことのある奴さえ稀だ」
  「おまけに天界のこの関心の低さ。黙ってたって、誰も困りゃしないのさ」

  • 27ページ
霍安「キミがやってるのは…」
  「単なる自己満足。正義感に酔ってるだけ」
黄雷(……!!)
霍安「魏恩もよくやるよ」
  「同情得ようと、ガキのケガそのまんまにしたりさ」
  「ま……」
  「神都はそうそう、同情票なんざ認めちゃくれないがな」
魏恩(ぐ…)
  (いかん! 反応がいまいちだ……!)

  • 28ページ
葛涅「魏恩、言いたいことは」
  「大体わかった」
  「この機甲兵は…そこな少年と切っても切れぬ関係にある」
  「改造により兵器としての脅威も持ち合わせてはおらず」
  「何より…感情と思考を持つ以上は、みだりに処分してはならんと」
  「…そうだな?」
魯泉「は……はい!」
葛涅「――しかしだ…」

  • 29ページ
葛涅「判例を認め、事ある毎に泣きつかれて来られるとなると…」
  「我々も憂慮せざるを得ない…全てを赦免していてはキリがなかろう?」
  「残念だが…天界の兵器管理法に基づき」
  「この機甲兵は裁かねばならん。これより判決を……」

  • 30ページ
葛涅「はい、どちらさん?」
  「…はい? 何だって?」
  「誰かね君は?」
允玄「ですから――」

  • 31ページ
允玄「チャンスを与えてはどうかと言ったのです」
葛涅「……うん?」

  • 32ページ
魯泉「班様?」
班「魯泉!」
葛涅「あの2人は…?」
刑普「はて…どこかで見たような…」
魏恩「な…仙試科舉の関係者が存ぜぬと?」
  「右の者はさておき…」
  「左の者は、人間の「皇帝」である」
『皇…』

  • 33ページ
魯泉「ええええええええええ!!?」
守芬(信じられない…玉座におわす皇帝陛下が…)
  (どうして突然現れて私達に助け船を出すのよ!?)

  • 34ページ
允玄「事情は概ね聞きました」
  「そこの亀は全くもって罪を犯していないといいます」
  「規定はあれど…」
  「問答無用で切り捨てるのは、些か道理に欠けましょう」
刑普「控えよ! 人間が天界の案件に口を挟むなど…」
葛涅「彼は仙試科舉共催の要人だ。彼が要望を出すなら」
  「それは建議に値する」
  「まあ、適当に聞き流しておけばよい」

  • 35ページ
允玄「活動規約を読む限り、抵触はしていませんでした」
  「ならば…」
  「どうでしょう。そこの亀を…」
  「仙試科舉に出してみては?」
守芬「仙試科舉?」
  「何それ?」
黄雷「ああ…そういえばあの時の公文にあったな」

  • 36ページ
黄雷「天界主催の試験で、今年6月に行われるんだ」
守芬「それが?」
魏恩「………」
  「黄雷、重要な点を忘れておるぞ」
  「人間界では、科舉に通った進士は官職を与えられる」
  「仙試科舉も然り。合格すれば天界の官職を得られ、神明と成るのだ」

  • 37ページ
魏恩「過去には、妖怪が神明と成ったケースも存在する」
  「すなわち、盤古も仙試科舉に通れば……」
  「機甲兵からその身を変え」
  「天界の神明に成れるということだ!」

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---- 機甲盤古 第三十六章 http://www.comibook.com/cb498 <翻訳者コメント> -1ページ 爺官「「これより、神都敦煌仙試科舉を開始いたします」」   「「受験生各位におかれましては、フェア精神のもと…」」 允玄「ストップ。何ですかそれは?」 爺官「開幕の挨拶にございます。陛下に内容の是非を伺いたく…」 允玄「ではなく、何を長々と読み上げているのかと聞いたのです」   「公文処理は効率が肝要…」   -2ページ 允玄「文書内容は朕にメールしてくだされば結構!」   「折り返し返信します」 爺官「え?」 允玄「本年度国防予算審査、返信」   「新地開拓事業報告書、送信」   「ね、早いでしょう?」 爺官「陛下…おそれながら、それではあまりに荘厳に欠けると申しますか…」 允玄「朕のメールボックスです」   「後はこちらで」 爺官「…御意に」 -3ページ 允玄「敦煌もまだまだのようですね」 班「ご謙遜を。陛下のご躍進は伝え聞いております」  「準備は順調。予行もつつがなく。仙試科擧は大成功間違いないでしょう」  「それに、天界の神明がこの地に一堂に会するというのですから…」 允玄「…期待されていると?」 班「それはもう! 我々人間は、神明と中々関わりを持てませんので」 -4ページ 允玄「朕には面倒なだけですがね」   「国事も滞っているというのに」   「京城から遠路はるばる、天界との共催活動なんて」 班「陛下がそれほどのお人なのですよ。あちらが招かざるを得ないほどの…」 允玄「お世辞は結構」   「あれは…雲に……人?」 班「ん?」 -5ページ 班「おそらくは神明でしょう」 允玄「ほう……」 班「……え?」 -6ページ・7ページ タイトル:神都敦煌[前編] -8ページ 戴逢「言うとおり敦煌まで送ってやったぞ!」   「魏恩! 後は知らんからな!」   「ケっ!」 ヨーゼフ「何故ミー達モ牢屋ニ?」 魏恩「すぐに出られる。しばしの我慢だ」   「黄雷、見張りを頼むぞ」 黄雷「はい」 -9ページ 魏恩「では」   「儂は準備がある故…」 守芬「待って魏恩!」   「あなた、「治」の字が使えるんでしょ?」   「お願い…」   「魯泉のケガを治して!」 魏恩「……」   「すまぬ…それは後だ」 -10ページ 守芬「あ…ちょっと…!」 盤古(魯泉が治療を待っているというのに…)   (それがしときたら……!)   「く…!」   「がああああああ!!!」 魯泉「!!」 黄雷「メカ亀! 何やってんだ!?」 -11ページ 盤古「手錠さえ外せば…文字幻術が使える! 魯泉を治せる!」 黄雷「バカ!」   「お前の手の方が先に壊れちまうぞ!」 盤古「……」 魯泉「盤古! やめて!」   「ぼくは大丈夫だから!」   「それ以上はダメだ!」 -12ページ 盤古「………すみません……」   「それがしの事情に、あなた方まで巻き込んでしまって…」 徐梅「そんな…盤古さんは命の恩人じゃないですか」   「今度は、私達の番です。盤古さんの命は、私達が守ります」 盤古「命……ですか?」 -13ページ 盤古「機械の体……作り物の感情…」   「果たしてこれを、「命」と呼んでよいものでしょうか?」   「それがしがそれを主張したところで…」   「所詮は機械。その気持ちさえ、紛い物でしかないのです」 守芬「……」 盤古「あなた方は生きている。「命」がある」   「何も…こんな所で危険を冒すことはありません」   「お気持ちは嬉しいですが、それがしのことはもう…」 -14ページ 守芬「盤古」   「私、旅の最中は付けるのを控えてたんだけど……」   「肌身離さず持っている物があるの」   「フィアンセの……友俊がくれた婚約指環」 盤古「…? はい…それが…?」   「あ……」 -15ページ 盤古「守芬さん! 何をなさるのですか!?」 守芬「何って何よ。どうかした?」 盤古「それは、翁さんから贈られた大切な…!」 -16ページ 守芬「大切な……「物」よ? だから何?」   「「命」じゃあるまいし。自分は機械だと卑下しておいて、指環の心配はするんだ?」 盤古「……あっ……!」 守芬「それなら、機械整備士である私の」   「機械への想い、理解?」 盤古「そ、それは…ですが…」   「何もそのために大事な指環まで壊すことは…」 -17ページ 守芬「私ね…魯泉みたいにはできないかもしれないし」   「一度はあなたを見捨ててしまった人間よ」   「それでも盤古。何と言われようと、あなたを大切に思う気持ちに嘘はないの」   「これはせめてもの償い…私はあなたを助けたい」 黄雷「おい……」 -18ページ 黄雷「盤古の審判が迫ってるんだぞ」   「考えるべきは、他にあるんじゃないか?」 守芬「…わかってるわよ、そのくらい」   「けど、私達じゃ天界の事柄に介入できないもの」   「今は魏恩を頼るしかないわ」 黄雷「そんなんでいいのかよ?」   「機甲兵は天界の兵器なんだ」   「それほどの存在(リスク)を、盤古との絆を強調した程度で覆せると思うのか?」 霍安「……」 -19ページ 黄雷「何がおかしい?」 霍安「ああ、いやいや……」   「ま……追々わかるさ」 魯泉「……?」 霍安「今は……」   「審判の時を粛々と待とうじゃないの」 -20ページ・21ページ 魏恩「こちらが、件の少年と機甲兵である」   「僭越ながら…これより経緯を説明させていただく」 -22ページ 班「……え?」  「盤古!?」 允元「顔見知りで?」 班「はい。彼らには靈石市の山賊検挙、火災の件で恩がありまして…」  「それが何故こんな…?」 -23ページ 允元「……あの亀は神明ですか?」 班「いえ、彼はメカ亀…ロボットです」 允元(ロボット…ね)   「班判官」   「その靈石市での子細、朕にお聞かせください」 班「は……はい!」 -24ページ -25ページ -26ページ -27ページ -28ページ -29ページ -30ページ -31ページ -32ページ -33ページ -34ページ
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