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第十六章

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機甲盤古 第十六章
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<翻訳者コメント>
※ 民宿の兄弟の名前は諸葛甫(兄)、諸葛力(弟)といいます。
※ 12ページ 兄弟の夢を独自に解釈してしまっています。問題がありましたら修正をお願いします。


  • 1ページ タイトル:萬里長城〔後編〕

  • 2ページ
守芬「4人…あ、いや2人と2匹(?)で。空いてるかしら?」
甫「はいはい、大丈夫ですよ」
盤古「……」
守芬「ちょっと、魯泉……」

  • 3ページ
守芬「あなた盤古のご主人様でしょ?」
  「なんであんなこと言ったのよ?」
  「まさか陸文さんのことで? だったら…」
魯泉「そうじゃないよ……」
  「ぼくは守芬姉さんみたいに整備ができない…」
  「それに、ぼくんちは山に囲まれた場所にあるんだ…」
  「万が一盤古に何かあったら、どうすることもできない…」
  「ご主人様なら…そして盤古の為を想うなら…」
  「盤古は…」
  「守芬姉さんの家にいる方がいいと思ったんだ…」
守芬「そういうことか…」

  • 4ページ
守芬「て、あなたね…私の家の都合はどうなるのよ?」
魯泉「あ…」
  「も…もし守芬姉さんがダメだって言うなら…!」
守芬「…言うなら? どうするつもり?」
  「まあいいわ。もう遅いから、明日また話しましょう」

  • 5ページ
魯泉(昨夜はよく眠れなかったな…)
  (何の音だろう?)

  • 6ページ
甫「ああ、起きられましたか」
力「お早うさんです」
魯泉「へえ、民宿の裏は畑になってるんだ!」
力「ウチはこれが本業なんです」
甫「民宿はついでですな!」
魯泉「あれは、耕耘機だ…初めて見たなあ!」

  • 7ページ
甫「あやや?」
魯泉「どうしたんですか?」
甫「あちゃあ、イカれちゃったか?」
守芬「なーに? 故障でもした?」
魯泉「盤古、守芬姉さん」
守芬「軽いショートかしら? ちょっと見てみましょう」
盤古「よいしょ!」
甫「うん?」
守芬「整備師の腕の見せ所ね!」
甫「あ、いやいや!」
守芬「え?」

  • 8ページ
甫「お客様にそんなことさせられんですよ」
 「どうかお気になさらず!」
 「力ちゃん、畑の方は頼んだ!」
力「あいよー、兄ちゃん!」
魯泉「自分で直すんですか? おじさん農夫ですよね?」
甫「ま、これくらいはね…」
 「基本的な修理ならそう難しくはないし…」
 「これで飯を食わせてもらってんだから、少し位はできないと!」
魯泉「……」
甫「おっと…説明書がいるな…」

  • 9ページ
盤古「凄いです…彼らは農夫でありながら、修理や読書までこなすんですね!」
魯泉「う…!」
力「いんやいんや、おでは字はさっぱりなんです!」
 「そっちは兄ちゃんの専門なんで!」
甫「自分は非力と評判なもので…。ま、宜なるかな、ですな!」
   [頭脳派]
   [肉体派]
守芬「なるほどね」
盤古「しかし珍しいですね!」
  「書を読むような頭の良い方が、農夫として携わるなんて…」

  • 10ページ
盤古「ああ! 目がっ! 目があ…っ!!」
魯泉「盤古…盤古!!」
甫「そのような考えはもう古い!」
 「今や農業も、知識と科学の時代である!!」
盤古・魯泉「え…ええ?」
甫「何? どういうことか、ですと?」
 「聞きたいかね? 聞きたいだろう! 教えてあげよう!」

  • 11ページ
甫「これまでは作物を安く提供するため、生産コストを抑えていた」
 「だがそれではいけない! コストはかけるべきなんですよ」
 「つまりは人手と肥料を惜しまないこと。やり方次第では、一つの畑で多種多様な作物を交替で育て、生産量を何倍にも増やすことが可能なんです!」
守芬「人手って言うけど、あなた達2人しかいないじゃない」
甫「だから耕耘機を買ったんです!」
 「とまあ、これは現段階での話…我々には未来へ向けた計画があるんです!」

  • 12ページ
甫「今はまだ畑と民宿だけですが、いずれはここを農場にするつもりなんです!」
 「そして経営が軌道に乗れば、旅行客用に時間を作ることもできる…ここは長城のそば。集客も見込めるはず!」
 「収穫体験などのイベントでお客様にも楽しんでいただける農場を作ること!」
 「これが、我々兄弟の夢なんですな!」
守芬「へえ……」

  • 13ページ
魯泉「凄いなあ!」
  「畑をそんな風に使うなんて、今まで考えたこともなかった!」
  (ぼくもこういうことをやれたら…)
  (でも、ぼくの力じゃ…)
守芬「「ぼくには無理かな」って顔してるわよ!」
魯泉「え!」
  「冗談でしょ? 守芬姉さん!」
守芬「一人では無理でも…」
  「あなた達ならあの兄弟みたいになれるんじゃないかしらね…」
魯泉「達?」

  • 14ページ
魯泉「あ…」
盤古「ご主人様……」
  「もしご主人様がお望みであれば…それがし、精一杯お手伝いさせていただきますよ!」
魯泉「……」
  「どうして?」
  「ぼくがきみのご主人様だから?」
盤古「あ…それもあるのですが……」

  • 15ページ
盤古「それがしは元々、兵器として…破壊を目的として造られました…」
  「ですが、この力を農業に利用できれば、多くのものを生産できるかもしれない……」
  「そうなれば、それがしにもこの時代に存在する意味があると思ったのです 」

  • 16ページ
魯泉「盤古……」
甫「どういうことですか! 農地には何の問題もないはずですよ?」
魯泉「ん?」
監査人「しかし、新品育種に3年も成果が見られないとなるとなあ…今年はお前さん達に金を貸すわけにはいかんのだ」
甫「では我々にどうしろというんですか!」
監査人「そんなこと私に言われてもね…」
魯泉「新品育種って?」
守芬「魯泉、あなた知らないの?」

  • 17ページ
守芬「育種っていうのは農学の言葉で、農作物の品種改良を研究することを指すの」
  「改良に成功した品種は、生産量が上がったり、害虫や病気に強くなったり…あるいは作物の品質を向上させたりね」
  「種無しスイカなんかの新種の農作物は…まさにこういった研究の賜物なのよ」
魯泉「へえ……」
甫「見てください! 今年のはもう発芽してるんです! 今度こそきっと成功しますから!」
監査人「お前さん達、前もそんなこと言ってたなあ…」
   「あの時のは全く改善が見られなかったろう?」

  • 18ページ
監査人「少なくとも実を付けるまでは判断を保留せざるを得ない」
   「審査はまた来年ということに…」
甫「そんな殺生な! このままでは我々は耕耘機を手放さなくてはならなくなる!」
監査人「私だって遺憾なんだがなあ…」
盤古「少しよろしいですか?」
  「要するに…」
  「育った実が成功した育種だと証明できればいいのですよね?」
監査人「……? そうだな」
魯泉「じゃあ、ちょっと待っててください!」

  • 19ページ
魯泉「盤古、そんな字ある?」
盤古「ありますとも!」
  「まずくさかんむり、そしてその下に「出」を……」
樂石「う?」
力「はえ?」

  • 20ページ
盤古「文字幻術・茁字訣!!」

  • 21ページ
力「な……」
 「なんだあ!!?」

  • 22ページ
力「木が伸びて実が生った!?」
盤古「ええ」
  「さあ、こちらを…どうでしょうか?」
監査人「………」
甫「食べてみてください!」
 「今回は自信があります!」
監査人「いや、その必要はない…」
甫・力「そんな!」
盤古「それはあんまりです! 結論を出すのは食べてからでも遅くはありません!」

  • 23ページ
監査人「見ればわかる。確かに成功のようだ」
甫「え…? では……」
監査人「お前さん達の申請は通しておこう」
甫「あ…ありがとうございます!」
監査人「礼を言われてもなあ…仕事をしただけだしねえ…」
   「ま、頑張んなさい」
甫「はい!」

  • 24ページ
甫「ありがとう! ありがとう!」
盤古「いえいえ!」
魯泉「農夫ってただ畑を持ってればいいってわけじゃないんだね…もっと単純なものだと思ってたよ…」
  「盤古……」
  「本当にいいの? その…ぼくんちを手伝ってくれるっていうのは…」
盤古「はい!」

  • 25ページ
魯泉「じゃあ、ぼく、もっと頑張るよ!」
  「諸葛さんみたいに、自分で盤古の修理ができるように…」
  「難しい修理は無理かもしれないけど…」
  「守芬姉さんに精一杯、整備のしかたを教わるから…」
  「だから…もしぼくんちに来てくれるなら…」
  「1つお願いがあるんだ…」

  • 26ページ
魯泉「ぼくのこと「ご主人様」じゃなくて…」
  「名前で呼んで!」
盤古「え?」
魯泉「ぼく思ったんだ…」
  「陸文さんが盤古に言ったことを…」
  「『これからお前の未来は、お前が決めるんだ』」
  「次のご主人様を選ぶ必要なんてない…誰に命令されることもない…君は、自分の意志で行動するんだって!」

  • 27ページ
魯泉「ぼくはこれからも、きみにそうであってほしい…」
  「もう誰の許可も得ることなんてない…」
  「自分がやりたいことを、自由にやっていいんだ…だから…」
盤古「……了解です」

  • 28ページ
盤古「それがし、了解いたしました…」
  「「魯泉」……!」

  • 29ページ
守芬「さてと…これからどうしましょうか?」
  「私は元々旅行に行くって言ってあるから…」
  「別にどっちでもいいわよ!」
魯泉「ぼくも…最初は盤古を工場まで送ろうって思ってたけど…」
  「盤古はどうしたい?」
盤古「はい…やはり、それがしは工場へ向かいたいです…」
  「2000年が過ぎ、機甲兵も廃棄され…工場も既に存在しないかもしれません…」
  「それでも…」

  • 30ページ
盤古「それがしはこの目に焼き付けたい…」
  「最後に一目だけ…そこがどんな場所になっていようと…」

  • 31ページ
魯泉「よし! 決まりだね!」
  「行こう! ぼく達の旅は、まだこれからだ…!」

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