<翻訳者コメント>
※ 1ページ 柳生・柳鶯の解説では名前に「選手」を付けています。受験生なので厳密には違うのかもしれませんが……。何かいい呼び方無いですかね。
※ 1ページ 柳生・柳鶯の解説では名前に「選手」を付けています。受験生なので厳密には違うのかもしれませんが……。何かいい呼び方無いですかね。
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柳生・柳鶯「呉鎮選手に続き、月牙泉武舉を制したのは焦猛選手だあ!」
「ガッツな戦いを見せた焦猛選手。ただいま絶賛治療中であります!」
「さあ、そしてそして。三番手には申屠西選手が続きます!」
申屠西「……」
「なあよお、このままま下りなきゃどうなんだ?」
「ガッツな戦いを見せた焦猛選手。ただいま絶賛治療中であります!」
「さあ、そしてそして。三番手には申屠西選手が続きます!」
申屠西「……」
「なあよお、このままま下りなきゃどうなんだ?」
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柳生・柳鶯「その場合は、通過とみなされません」
「試験続行となります!」
申屠西「…おし…」
「石頭ぁ!お次はソイツだあ! いくぜ!」
岳墉「え! 助けてくれんの?」
申屠西「ツイてるぜお前」
「俺はこれでも度量は広い方でな」
「お前も通過させてやるよ!」
「感謝しやがれ!」
岳墉「ふあ…!」
「試験続行となります!」
申屠西「…おし…」
「石頭ぁ!お次はソイツだあ! いくぜ!」
岳墉「え! 助けてくれんの?」
申屠西「ツイてるぜお前」
「俺はこれでも度量は広い方でな」
「お前も通過させてやるよ!」
「感謝しやがれ!」
岳墉「ふあ…!」
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謝亨「よ…よかった!」
陶隱(風向きが変わった)
(各々がもっとこの試験の性質に順応できれば…)
(より多くの受験生の…)
(通過が可能だろう……!)
陶隱(風向きが変わった)
(各々がもっとこの試験の性質に順応できれば…)
(より多くの受験生の…)
(通過が可能だろう……!)
- 4ページ タイトル:月牙泉武舉[十五]
- 5ページ
倉頡「ふふん…」
- 6ページ
倉頡「文字幻術・矛字訣!!」
- 7ページ
倉頡「おりょ……」
- 8ページ
柳生・柳鶯「おおっと――」
「艾方選手、リングに穴を開けたあ!!」
「艾方選手、リングに穴を開けたあ!!」
- 9ページ
柳生・柳鶯「まさかまさか! あの倉頡が劣勢だあ!」
「何者なんだこの女!?」
畢輔「ひぇ…」
趙牙「変でねえ?」
「あん女子、仙具3つ超えたべ」
「ルール違反でねえか?」
簡威「いんや」
「ありゃ普通の武器や。仙具やおまへんな」
畢輔「普通の武器だ?」
「じゃ、あのパワーは何だよ?」
簡威「おそらく…艾方は「女」部の使い手なんや」
趙牙「あん?」
「何者なんだこの女!?」
畢輔「ひぇ…」
趙牙「変でねえ?」
「あん女子、仙具3つ超えたべ」
「ルール違反でねえか?」
簡威「いんや」
「ありゃ普通の武器や。仙具やおまへんな」
畢輔「普通の武器だ?」
「じゃ、あのパワーは何だよ?」
簡威「おそらく…艾方は「女」部の使い手なんや」
趙牙「あん?」
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簡威「「威」」
「元来は斧を振りかざす女の意。女戦士(アマゾネス)にはピッタリの字や」
趙牙「……え?」
畢輔「「威」だと? あれ女部なのか?」
簡威「仙具と違うて、普通の道具は使い放題」
「「威」で武器強化して、攻撃パターン増やしとるんやろな」
趙牙(だども…)
(相手は倉頡だべ)
「元来は斧を振りかざす女の意。女戦士(アマゾネス)にはピッタリの字や」
趙牙「……え?」
畢輔「「威」だと? あれ女部なのか?」
簡威「仙具と違うて、普通の道具は使い放題」
「「威」で武器強化して、攻撃パターン増やしとるんやろな」
趙牙(だども…)
(相手は倉頡だべ)
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趙牙(機甲兵の力さえ…物ともしない倉頡の守りを)
(あん女子は崩してみせた…)
(なしてこんだけの実力者…)
(誰も注目してこなかったんだべ?)
倉頡「けほ…けほ」
「強烈だねえ」
「ここまで「威」字を扱える人間は、ちょっと記憶に無いなあ」
(あん女子は崩してみせた…)
(なしてこんだけの実力者…)
(誰も注目してこなかったんだべ?)
倉頡「けほ…けほ」
「強烈だねえ」
「ここまで「威」字を扱える人間は、ちょっと記憶に無いなあ」
- 12ページ
倉頡「しかし…」
「リングアウトは狙わないんだね」
「どうしてかな? チャンスはあったはずなのに」
艾方「試験など…」
「私にとってはどうでも良いこと」
「文字の神・倉頡…」
「私は、あなたに会いに来た」
倉頡「へ?」
「わ…儂にぃ?」
「リングアウトは狙わないんだね」
「どうしてかな? チャンスはあったはずなのに」
艾方「試験など…」
「私にとってはどうでも良いこと」
「文字の神・倉頡…」
「私は、あなたに会いに来た」
倉頡「へ?」
「わ…儂にぃ?」
- 13ページ
倉頡「そおかあ! お嬢ちゃん、おじちゃんのファンじゃな!」
「よおし、特別に時間を作ったげよう!」
「い?」
「よおし、特別に時間を作ったげよう!」
「い?」
- 14ページ
艾方「答えてください。漢字を創ったのは、あなたですね?」
倉頡「ま…まあ…大体は…」
艾方「あなたのやり方は、あまりに女性を軽視している」
倉頡「え?」
艾方「妄…嫌…」
「婪…嫉や妬……」
「これらに女部をあてるのは不適切です。性差を表す意味など含まれていないのですから」
倉頡「はい?」
倉頡「ま…まあ…大体は…」
艾方「あなたのやり方は、あまりに女性を軽視している」
倉頡「え?」
艾方「妄…嫌…」
「婪…嫉や妬……」
「これらに女部をあてるのは不適切です。性差を表す意味など含まれていないのですから」
倉頡「はい?」
- 15ページ
柳生・柳鶯「おおっと! 艾方選手、リング上で討論を始めたぞお?」
「これは鋭い! 創字者倉頡、どう答える?」
祝玲(女部の問題点を…倉頡に直接問い質そうなんて)
(面白い娘ね)
艾方「女卑的な字は他にも沢山あります。つまり…」
「あなたにとって、女性とはそういうものなのですね?」
倉頡「ち…ちがーう!」
「あるある! 女部だって良い字一杯ある!」
艾方「例えば?」
倉頡「た…例えば…」
「これは鋭い! 創字者倉頡、どう答える?」
祝玲(女部の問題点を…倉頡に直接問い質そうなんて)
(面白い娘ね)
艾方「女卑的な字は他にも沢山あります。つまり…」
「あなたにとって、女性とはそういうものなのですね?」
倉頡「ち…ちがーう!」
「あるある! 女部だって良い字一杯ある!」
艾方「例えば?」
倉頡「た…例えば…」
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倉頡「キミみたいな「娘」とか!」
「姣! 婀! 娜! 嬌!」
「嫩…」
「そう! 「奶」なんてのも…!」
艾方「ええ…良い字が多いのも確かでしょうが…」
「それで片付けていい問題ではありませんよ」
倉頡「光あれば影あり…バランスだよ」
「文字だってそんなもんでしょ」
艾方「…いいえ」
「あなたがどう思おうと、女性には不名誉なレッテルなのですよ」
「姣! 婀! 娜! 嬌!」
「嫩…」
「そう! 「奶」なんてのも…!」
艾方「ええ…良い字が多いのも確かでしょうが…」
「それで片付けていい問題ではありませんよ」
倉頡「光あれば影あり…バランスだよ」
「文字だってそんなもんでしょ」
艾方「…いいえ」
「あなたがどう思おうと、女性には不名誉なレッテルなのですよ」
- 17ページ
艾方「こうした差別は女性の運命をも翻弄する。文字にはそれだけの力がある」
「あなたの知れぬ所で、その根強い概念が、多くの女性を暗部へと追いやっている」
「崇高なる神であるあなたが、これらの問題を軽視していいはずがない」
「その様な態度は、いずれ人々に災厄をもたらす」
倉頡「……そんで?」
「どうしてほしいの?」
艾方「申し出があります」
「官職はいらない。ですから…」
「あなたの知れぬ所で、その根強い概念が、多くの女性を暗部へと追いやっている」
「崇高なる神であるあなたが、これらの問題を軽視していいはずがない」
「その様な態度は、いずれ人々に災厄をもたらす」
倉頡「……そんで?」
「どうしてほしいの?」
艾方「申し出があります」
「官職はいらない。ですから…」
- 18ページ
艾方「この場であなたに勝利した暁には…」
「あなたの権限で、こうした女部の歪みを是正していただきたい」
倉頡「一方的な要求だねえ…」
「聞いたげる理由何もないのに」
艾方「そうでもないでしょう?」
「あなたの権限で、こうした女部の歪みを是正していただきたい」
倉頡「一方的な要求だねえ…」
「聞いたげる理由何もないのに」
艾方「そうでもないでしょう?」
- 19ページ
艾方「仙試科舉は全国に向け生放送中」
柳生・柳鶯「意外な展開だあ!」
「倉頡の答えは?」
艾方「ここで逃げを打てば、神としての威信にかかわるでしょうから」
倉頡「全部…」
「計算の内ってわけだ?」
艾方「いえ、あなたに会うには、最後まで行くしかないと思っていました」
「機会に恵まれただけですよ」
倉頡「……ふーん」
「いいじゃろう。そこまで言うなら…」
柳生・柳鶯「意外な展開だあ!」
「倉頡の答えは?」
艾方「ここで逃げを打てば、神としての威信にかかわるでしょうから」
倉頡「全部…」
「計算の内ってわけだ?」
艾方「いえ、あなたに会うには、最後まで行くしかないと思っていました」
「機会に恵まれただけですよ」
倉頡「……ふーん」
「いいじゃろう。そこまで言うなら…」
- 20ページ
倉頡「キミの挑戦、受けたげよう」
「もし勝ったら、キミの好きにしたげるよ」
趙牙「持ち部首の内容を変える!?」
「そんだらこと、考えもしなかったべ」
畢輔「無理だろ」
「倉頡が相手じゃよ」
「もし勝ったら、キミの好きにしたげるよ」
趙牙「持ち部首の内容を変える!?」
「そんだらこと、考えもしなかったべ」
畢輔「無理だろ」
「倉頡が相手じゃよ」
- 21ページ
簡威「わからへんで。文字数やと圧倒的に不利やが」
「文字幻術はそないなことで優劣決まるもんやない」
「艾方の「威」字やったら、倉頡と十分渡り合える」
「それに…あないなムッツリに女部は難敵や」
「倉頡の隙さえ突ければ…」
「もしかするともしかするで…!」
「文字幻術はそないなことで優劣決まるもんやない」
「艾方の「威」字やったら、倉頡と十分渡り合える」
「それに…あないなムッツリに女部は難敵や」
「倉頡の隙さえ突ければ…」
「もしかするともしかするで…!」
- 22ページ・23ページ
甯荒「ひ―――」
仇厲「うわ…!」
仇厲「うわ…!」
- 24ページ
倉頡「あーあー……」
「斧で斬りつけるなんて」
「礼儀がなってないんだから」
艾方(……?)
(当たったのに、手応えが全くない…?)
倉頡「じゃあ…」
「斧で斬りつけるなんて」
「礼儀がなってないんだから」
艾方(……?)
(当たったのに、手応えが全くない…?)
倉頡「じゃあ…」
- 25ページ
倉頡「おじちゃんもやっちゃおうかな」
「この機会に覚えとくといい。真の神というものを……!」
「この機会に覚えとくといい。真の神というものを……!」
