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第二十二章

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機甲盤古 第二十二章
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<翻訳者コメント>
※ 31ページ ここは誰の言葉なのか判断がつきませんでした。




  • 1ページ タイトル:流坑西村

  • 2ページ
守芬「流坑西村…聞いてはいたけど、すっかり寂れてるわね…」
魯泉「人っこ一人見当たらないや!」
盤古「おや? あそこに誰か…」
守芬「え?」

  • 3ページ
ヨーゼフ「Wow……」
魯泉「ヨーゼフさん!」
ヨーゼフ「また会いマーシタネ!」
    「Oh? この前のワンちゃんハ…」
守芬「ああ、樂石なら…」
盤古「彼は家に帰りました。ペットではありませんでしたし」
守芬「あなたは…また観光?」
ヨーゼフ「Yes!」
守芬「けど、ここ何も無いわよ?」
  「見ての通り廃村だし」

  • 4ページ
ヨーゼフ「しかしガイドブックにハ…」
守芬「その本相当古かったのね」
ヨーゼフ「ではこちらのホテルハ…」
守芬「あるわけないでしょ」
ヨーゼフ「レーストラーンハ~?」
守芬「うるさいわね! 無いったら無いのよ!!」
盤古「それがし達はこれから一晩過ごせる場所を探しますが…一緒に来ませんか?」
ヨーゼフ「Oh, yeah…」
盤古「暫しお待ちを!」

  • 5ページ
盤古「まさか……」
魯泉「どうしたの、盤古?」
守芬「ここが何なのよ?」

  • 6ページ
盤古「随分と変わってはいますが、間違いありません…」
  「ここは、それがしの記憶にある場所…」
  「敦煌を離れた後、それがしと陸文様はこの村に滞在したのです……」
魯泉「ええ!?」
  (この場所に…)
  (陸文さんと盤古が…2000年前に立ち寄った……?)

  • 7ページ
盤古「ここに印された文字は村の子ども達に字を教える際」
  「陸文様が刻んだものなのです。当時教本がありませんでしたので」
守芬「奇跡ね…2000年も前のものが、今もこうして残ってるなんて」
盤古「え? 2000年…?」
  「…ああ、そういえばそうでしたね。2000年…」
魯泉「盤古、陸文さんが書いたこの字、なんて字なの?」
盤古「はい……」
守芬(………)

  • 8ページ
ヨーゼフ「あの、2000年とハ…?」
守芬「何でもないわ」
  「二人の邪魔しちゃ悪いわね。私、先に泊まれる場所を探してくるわ」
ヨーゼフ「ではミーもご一緒しマース」
守芬「ここにしましょうか。家具も残ってるし」
  「一晩くらいなら大丈夫よね」

  • 9ページ
守芬「!」
  「振り子時計だわ……」
  「オランダ製のアンティークね」
  「壊れちゃってるみたいだけど」
ヨーゼフ「Huh? ユー、それ直せるのデスカ?」
守芬「どうかしら? ちょっと試してみるわ」
   私は整備士なの。

  • 10ページ
守芬「振り子時計が世界で初めて時を刻んだのは17世紀、オランダでのこと。当時は1日で2分の誤差が生じていたわ」
  「…なんてね。私、昔からこういう先人の技術を尊敬しているの」
ヨーゼフ「………17世紀?」
    「Long ago…」
    「Europeはまさに…発展を遂げようとしてイマシタ…」

  • 11ページ
ヨーゼフ「しかしアヘン戦争の後、それは立ち行かなくなりマース」
    「戦争に勝ち続けた中国が、Europe強国を相手に圧倒シ始メ…」
    「Oh, excuse me」
    「弁えモセズ…」
    「少々「ヒクツ」気味デシテ」
    「中国はずっと進歩シ続ケ…」
    「ミー達は立ち止マッタママ」
    「こう考えたこともありマース」
    「もしアヘン戦争で中国に負けてイナケレバ…」

  • 12ページ
ヨーゼフ「歴史はもっと違っていたのデハナイカ」
    「スチームエンジンモ、ライトモ、汽車モ、そして飛行機モ……みんなミー達が発明していたのデハナイカト……」
守芬「…そうかもね」
  「うん」

  • 13ページ
盤古「そして陸文様がここに座り、」
  「それがしがここに立って、それから……」
魯泉「そんなに動いたら疲れるでしょ? 文字幻術でさ…」
  「テレビみたいにその時の状況を映し出せないかな?」
盤古「……ここにですか?」
魯泉「そんな字ある?」
盤古「あ、はい。ある…と思います。ですがそれがし、それは………」
魯泉「それは?」

  • 14ページ
盤古「…それは………」
魯泉「どうかしたの?」
盤古(…………………………………)
  「あ……」
魯泉「……? 盤古?」
盤古「い…いえ、何でも…」
  「では、やってみましょう」
守芬「あ、動き出したわ」

  • 15ページ
守芬「時間になったらちゃんとまた鳴るのかしらね」
ヨーゼフ「………」
    (…時は再び刻まれる。かつてのように…)
    (だが、誰もがそれを望むとは限らない……)

  • 16ページ
盤古「文字幻術・昔字訣!!」
魯泉「わあ!!」

  • 17ページ
盤古(文字幻術よ…)
  (どうかあの日の情景を…)
  (陸文様のお姿を……)
  (今一度ここに!!)

  • 18ページ・19ページ
魯泉「……!」
陸文『始めるぞー。座りなさい』
子ども『はーい、りくぶんせんせー!』
盤古(や……)
  (やった…っ!!)

  • 20ページ
魯泉(あの人が陸文さん……!)
  (盤古は何も変わってないや)
盤古(これだ…これこそ…)
  (それがしの求めた、あの日の幻影……)

  • 21ページ
子ども1『りくぶんせんせーはたびしてるんだよね!』
陸文『ああ』
子ども2『りくぶんせんせーはばんこのあるじさま?』
盤古『はい』
子ども1『じゃあばんこはせんせーのしもべだ!』
陸文『いいや、盤古は私の友達だ』
子ども1『なんでこんなおっきなカメつれてるの?』
子ども3『バーカ、盤古は強いんだぞ! 用心棒に決まってっじゃん!』
盤古『ま、まあ。そのようなものでしょうか』
陸文『…実は逆なんだ』

  • 22ページ
子ども1『ええ?』
陸文『私は盤古を守らなければならない』
子ども1『どーやって?』
    『せんせーすっごくよわっちそうなのに』
陸文『…まあね』
  『それでも。何としても守ってみせるさ』
  『さあ、また一つ字を教えよう』

  • 23ページ
子ども1『あれ? せんせー、このじ、うえしたあべこべじゃない?』
陸文『いや、これでいいんだ』
  『これは「幻」という字の元々の書き方』
  『与えるという意味の「予」とは相反する字だ。そのためこのような形となっている』
  『本来の意味は虚無、欺き』
  『故に幻影とは――』

  • 24ページ 台詞なし

  • 25ページ
守芬「ダメ……かしら? そんなに都合よくはいかないか」
ヨーゼフ「Right」
    「…それに……」
    「一度なくしたもののvisionを目にしたトコロデ」
    「もっと辛くなるダケ…」
守芬「え?」
ヨーゼフ「Never mind…」
    「少し一人にしてくだサイ」
    「どうしても絵にしたいのデース……」

  • 26ページ
魯泉「盤古……」
盤古「…それがし、ずっと実感が湧かなかったのです」
  「2000年もの間地中に埋められ、それを聞かされても、何を感じることもありませんでした」
  「それがしの心はずっと……陸文様が生きている、あの日のままだったからです」
  「しかし……」
  「この地に来て…」

  • 27ページ
盤古「この記憶の地が…歳月の痕跡が…」
  「それがしに教えてくれました……陸文様はもう、この世には存在しないのだと…………」
  「2000年が過ぎたのです…当然ですよね…」
  「陸文様も…陸文様を知る人も…もう、誰も…いない……」

  • 28ページ
魯泉「盤古……泣かないで……」
  「ごめん……ごめんね……」
  「ぼくがいけないんだ……」
  「ぼくが…文字幻術を使おうなんて言ったばっかりに……」

  • 29ページ
魯泉「盤古……」
  「きみと陸文さんがここに残した字…」
  「ぼくが全部……」
  「ひとつ残らず覚えていくよ」
  「ここで見たことも……ぼくは絶対に忘れない」
  「だから盤古……もう、悲しまないで」

  • 30ページ
魯泉「陸文さんを覚えているのは盤古だけじゃない」
  「ぼくもずっと…ずーっと覚えてるからね」
陸文『悲しみや痛みには価値がある。意味がある』
  『私は考えてほしい』

  • 31ページ
  大切なものを失うとき、悲しみと痛みは訪れる…
  しかしだからこそ、それを忘れはしないのだ

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