機甲盤古日本語翻訳wiki

第七十五章

最終更新:

kikoubanko_jp

- view
だれでも歓迎! 編集
機甲盤古 第七十五章




<翻訳者コメント>




−1ページ
[その頃、黄雷は……]
黄雷(「日」と「木」…この二つはありそうだ)
(だが…)
(①杳 ②杲)
(どっちが正解だ? いや、元々そんな字はないのか…?)
(………!)

−2ページ
黄雷(的中!)
(七枚か…)
(あまり余裕はないな)
(十二枚のカードを三人で四枚ずつ分けたが、離ればなれになっちゃ明らかに不利だ)
(早いとこ、誰かと合流しなければ……)

−3ページ
??「ウ…」
「グス…」
「……あ…」
黄雷(この受験生…)
(二次で見かけたな。…宿平、だったか)
「どうした? 何を泣いてる?」

−4ページ
??「……」
黄雷(この娘、丸腰だ)
(他の受験生にでもやられたか?)
(と、いかん。構ってる場合じゃなかった)
「ンギャッ!」
「何すんだ尻尾つかむなくすぐったい! そこやめろ!」
「放せ!!」

−5ページ タイトル:第七十五章 倉頡迷宮【四】

−6ページ
魯泉(どうしよう…カード全部取られちゃった…)
(これじゃあ、扉の向こうに逃げることもできない…!)
(えっ)
(ポケットにカードがある…)
(………そうだ! さっき落とした二枚! あわてて別のポケットに入れてたんだ!)

−7ページ
魯泉「……!」
(この二枚に賭けるしかない!)
簡威「な…」
(まだカードあったんか!?)
魯泉(カードを組み合わせれば…)
(文字幻術が使える!!)
簡威「!!」
(取!?)

−8ページ
魯泉「!?」
簡威「は?」
魯泉「へ…」
簡威「なーんや」
「あんた……」
「今使お思うた字の意味わかっとらんやろ?」
魯泉「…あ…」
簡威「扉は開けれたかもしれんけど、それじゃ文字幻術は使えへんで」

−9ページ
簡威「ちょっとヒヤッとしたけど、所詮は凡人の悪あがきや」
「ホレ、とっとと珠よこし」
魯泉「い…」
「いやだ!」

−10ページ
魯泉「あ…」
簡威「誤解せんでほしいんやけど、ワイはあんたと交渉をしとるんやで」
「その気になれば、ワイはあんたを気絶させてから珠を奪うこともできるんや」
「野暮はしたないねん。察してや」
魯泉「……!」
(盤古……)
簡威「そそ、大人しゅう渡してくれりゃそれでええ」

−11ページ
簡威「ハァ!?」
「……………あ……」
「このどアホウが! 小賢しいマネしくさってからに…」
「吐け! 吐かんかい!!」

−12ページ
簡威「チッ!」
(文字幻術が…時間切れか!)
魯泉「絶対わたすもんか…」
「これは盤古の珠だ!」
「お前なんかに奪わせたりしない!!」

−13ページ
簡威「…………!」
(珠を吐き出させるには…嘔? 吐? 出?)
(…アカン。ワイのカードじゃ作れん)
「ハン! まあええわ」
「珠はいらん。あんたの吐き出したモン触りとないわ」
「どうせカードがなきゃ、あんたは何もできんのや」
「お仲間が来るまで精々この部屋で縮こまっとれ。来るか知らんけど」

−14ページ
魯泉(た…)
(助かった…)
(でも、どうしよう…盤古を探しに行けなくなっちゃった)
(ぼくがもっと…しっかりしてれば…)
(これじゃあ…前と一緒だ……)
(ぼくがもっと成長しなきゃ…)
??「もし、そこの少年」
魯泉「え?」

−15ページ
??「ここです、ここ」
魯泉「ええ?」
「か…紙がしゃべった」
??「紙ではなく…小生は受験生です」
「前にお会いしてますね。小生は宿平と申します」
魯泉「宿平…って」
「女の子じゃなかったっけ?」

−16ページ
宿平「あの娘は小生の書僮です」
「事情をいいますと…」
「彼女の名は宿華。試験に協力してもらっている、小生の親戚の子どもなのです」
魯泉「……え?」
「ええええええ!?」

−17ページ
黄雷「つまり、お前はヒトを探していると?」
「うーん…」
(この娘より盤古が先決だが…)
「ま、好きにしな。着いてきてもいいが」
「オレの邪魔はするなよ」
(時間を無駄にはできない)
(早く盤古を見つけないと)
「!」
(これ…)
(もう作れる字がない…?)
(ど、どうすれば……誰か助け… )

−18ページ
黄雷「あ!!」
「か、勝手に何を…」
「………ハハ……」
「あんがと…」

−19ページ
魯泉「あなたみたいな、神明もいるんですか?」
宿平「もちろんですとも」
「かまど神、床神、そして井神…」
「それらは全て、物体が神明へと変成したもの」
「小生は「紙」の神明を目指しております」
「ですが人の形を成す修練はしておらず、故に書僮に同行してもらっているのです」
魯泉「そ…そうなんですか…」
宿平「本題に入ります」
「少年…魯泉といいましたね?」

−20ページ
宿平「小生は今危機に瀕しています。書僮はおらず、動くこともままならない」
「カードは小生が所持しているため、書僮である彼女も同じ状態と言えるでしょう…」

−21ページ
宿平「ですので…手を組みませんか?」
「カードが無いのでしょう? ならば小生が提供します」
「そして、小生と行動を共にしてください」
魯泉「あ…あなたの書僮が見つかるまで、ですか?」
宿平「はい。達成した暁には、カードと珠を半分ずつあなたに差し上げます」
「…受けていただけますか?」
魯泉「半分も?」
「ダメですよ! ぼくみたいな書僮に!」

−22ページ
魯泉「それにぼく…とっても弱いんです……頭もよくないし」
「逆に足を引っ張ってしまうと思います」
宿平「そんなことはどうでもいいのですよ」
魯泉「え?」
「紙とは…」
「保存性と伝達性が有用視されます」
「聡明さではない。強靭さでもない。重要なのは、物事を客観視する力」
「あなたにはそれがあると判断しました。多くを望むと足元をすくわれます」
魯泉「で、でも……」
宿平「先程あなたがパンダの彼と対峙した時」
「小生も見ていたのですから…ハッキリと言えます」

−23ページ
宿平「小生は頭の良い者でなく、信頼のおける者を待っていたのです」
魯泉「………」
宿平「ですから…」
「小生はあなたにカードを託したい。あなたに助けてほしいのです」
魯泉「は…はい…」

−24ページ
魯泉「宿平さま……ぼく、全力でがんばります」
宿平「うん、よろしくお願いするよ」
倉頡「三十分……そろそろだね」
「試験管はカードの準備を始めて。一人五十枚ね」
試「はい」
倉頡「諸君らには」
「苦労かけるねえ。なんせ…」

−25ページ・26ページ
倉頡「これから受験生達と…」
「迷宮で大いに遊んできてもらうのだから」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
人気記事ランキング
ウィキ募集バナー