<翻訳者コメント>
- 1ページ
霍安「盤古ハ…」
「俺のモンダ!!」
「俺のモンダ!!」
- 2ページ
霍安「ウっ…」
- 3ページ 台詞なし
- 4ページ・5ページ タイトル:混沌創世[五]
- 6ページ・7ページ
管幽「あれが鬼門」
「その先が陰間だ」
「馬賢…仙試科舉。ワシは期待しとった」
「何でこうなっちまったかな……」
「すまんな、魯泉…まさかお前がここに来るとはなあ……」
「その先が陰間だ」
「馬賢…仙試科舉。ワシは期待しとった」
「何でこうなっちまったかな……」
「すまんな、魯泉…まさかお前がここに来るとはなあ……」
- 8ページ
魯泉「じっちゃんを残して…死んじゃったんです」
「こんな親不孝者、地獄に落ちて当然です……」
管幽「そんなことはないぞ、魯泉」
「ワシが何とか話を通してやろうとも」
鬼「審査に入ります」
管幽「はいよ」
馬賢「小農夫…」
「俺を恨んでるか?」
「こんな親不孝者、地獄に落ちて当然です……」
管幽「そんなことはないぞ、魯泉」
「ワシが何とか話を通してやろうとも」
鬼「審査に入ります」
管幽「はいよ」
馬賢「小農夫…」
「俺を恨んでるか?」
- 9ページ
魯泉「………」
「いいえ、馬賢さま」
「辛いことも、苦しいこともたくさんあったけど」
「いずれは…こうなる運命だったのかなって」
馬賢「運命だと? 何故そこまでの度量を見せれる」
「命まで落としたんだ。とてもじゃないが信じられねえ」
魯泉「…もちろん死ぬのは辛いです」
「でも、ぼく思うんです…」
「悲しいのや、苦しいのには、ちゃんと意味があるんじゃないかって——」
「いいえ、馬賢さま」
「辛いことも、苦しいこともたくさんあったけど」
「いずれは…こうなる運命だったのかなって」
馬賢「運命だと? 何故そこまでの度量を見せれる」
「命まで落としたんだ。とてもじゃないが信じられねえ」
魯泉「…もちろん死ぬのは辛いです」
「でも、ぼく思うんです…」
「悲しいのや、苦しいのには、ちゃんと意味があるんじゃないかって——」
- 10ページ
陸文「私が機甲兵を作ったことで、多くの命が失われてしまった」
「故に…私はこの1700年間、地獄(ここ)で罪を償ってきた」
「その軌跡を。私が私であるという全てを…」
「決して…忘れたくはない」
「故に…」
「孟婆湯(それ)を飲むのはお断りします」
鬼1「これだよ! さっきからこんな調子だ」
鬼2「メンドくせぇなあ…仕事進まねえじゃねえかよぉ」
「故に…私はこの1700年間、地獄(ここ)で罪を償ってきた」
「その軌跡を。私が私であるという全てを…」
「決して…忘れたくはない」
「故に…」
「孟婆湯(それ)を飲むのはお断りします」
鬼1「これだよ! さっきからこんな調子だ」
鬼2「メンドくせぇなあ…仕事進まねえじゃねえかよぉ」
- 11ページ
鬼2「ああ、時間だ」
「新入り、オメェやっとけ」
馬賢「俺? どうすりゃいいんですかこれ?」
鬼1「自分で考えろ。いつもいつも手を煩わせるんじゃねえ」
鬼2「孟婆湯も飲ませられねえ奴が…」
「地獄にいられると思うな。いいな?」
「さーて、あがるか!」
馬賢「諦めろよ。あんま行き過ぎると、地獄へ戻されて二度と生まれ変われねえ」
陸文「来世など関係ありません」
馬賢「は?」
「新入り、オメェやっとけ」
馬賢「俺? どうすりゃいいんですかこれ?」
鬼1「自分で考えろ。いつもいつも手を煩わせるんじゃねえ」
鬼2「孟婆湯も飲ませられねえ奴が…」
「地獄にいられると思うな。いいな?」
「さーて、あがるか!」
馬賢「諦めろよ。あんま行き過ぎると、地獄へ戻されて二度と生まれ変われねえ」
陸文「来世など関係ありません」
馬賢「は?」
- 12ページ
陸文「私はただ覚えていたい。良いことも悪いことも…」
「全てが私にとって大切なものなのです」
馬賢「はあ? 地獄で受けた苦しみもか?」
陸文「苦痛は反省を促すもの。大いに意味があります」
馬賢「ああ…そうだな…」
(筋は通っている…)
(受けた罰を覚えてりゃ、犯した罪を悔いることができる、か…)
(だが地獄では最後…孟婆湯を飲み…)
(何もかもを忘れちまう…)
「全てが私にとって大切なものなのです」
馬賢「はあ? 地獄で受けた苦しみもか?」
陸文「苦痛は反省を促すもの。大いに意味があります」
馬賢「ああ…そうだな…」
(筋は通っている…)
(受けた罰を覚えてりゃ、犯した罪を悔いることができる、か…)
(だが地獄では最後…孟婆湯を飲み…)
(何もかもを忘れちまう…)
- 13ページ
馬賢(じゃあ…)
(俺が地獄でやってること…)
(罪人に罰を…苦しみを与えることに…)
(一体何の意味がある?)
鬼2『孟婆湯も飲ませられねえ奴が…』
『地獄にいられると思うな!』
馬賢「……!」
「まあ、とりあえずだ…」
「仕事は仕事なんでな」
「「こっち」を」
「飲んでくれ」
陸文「これは…」
馬賢「ただの水だ。それで飲んだことにしとけ」
(俺が地獄でやってること…)
(罪人に罰を…苦しみを与えることに…)
(一体何の意味がある?)
鬼2『孟婆湯も飲ませられねえ奴が…』
『地獄にいられると思うな!』
馬賢「……!」
「まあ、とりあえずだ…」
「仕事は仕事なんでな」
「「こっち」を」
「飲んでくれ」
陸文「これは…」
馬賢「ただの水だ。それで飲んだことにしとけ」
- 14ページ
馬賢「お役所ってのは」
「体裁が大事なのさ」
陸文「………」
馬賢(考えるな…)
「神明(俺)を信じろ」
「問題はない」
陸文「………そうですね」
馬賢(俺は…仕事をしてるだけだ)
陸文「信仰は人を裏切らない」
馬賢「飲めよ……」
「安心して、生まれ変われ…」
(みんな……)
(騙される方が悪い…)
(地 獄 で は あ た り ま え だ)
「体裁が大事なのさ」
陸文「………」
馬賢(考えるな…)
「神明(俺)を信じろ」
「問題はない」
陸文「………そうですね」
馬賢(俺は…仕事をしてるだけだ)
陸文「信仰は人を裏切らない」
馬賢「飲めよ……」
「安心して、生まれ変われ…」
(みんな……)
(騙される方が悪い…)
(地 獄 で は あ た り ま え だ)
- 15ページ 台詞なし
- 16ページ
馬賢「お前ら人間は…」
「ほんっとにバカだよ」
「罪だの罰だの…」
「散々っぱら与えといて、最後には忘却を迫る」
「そんな自分のやってることに、意味すら見出せねえ…」
「こんな神明の…」
「何を信じようってんだ」
魯泉「馬賢さま…」
「えと…ぼく、小さい頃じっちゃんに聞いたんです……」
「地獄のお話を…たくさん——」
「ほんっとにバカだよ」
「罪だの罰だの…」
「散々っぱら与えといて、最後には忘却を迫る」
「そんな自分のやってることに、意味すら見出せねえ…」
「こんな神明の…」
「何を信じようってんだ」
魯泉「馬賢さま…」
「えと…ぼく、小さい頃じっちゃんに聞いたんです……」
「地獄のお話を…たくさん——」
- 17ページ
魯天雨『神明はな…』
『罪を償えば、誰もがやり直せると、そうお考えなんじゃ』
『「覚えている」というのは…』
『それはそれは辛いものなんじゃ』
『じゃから、その苦しみを無くすために』
『ワシらは生まれ変わる時、孟婆湯を飲む』
『じゃが神明は…決してお忘れにはならん』
『ワシらが無くした記憶を、全部覚えてくださっておる』
馬賢(……え……)
『罪を償えば、誰もがやり直せると、そうお考えなんじゃ』
『「覚えている」というのは…』
『それはそれは辛いものなんじゃ』
『じゃから、その苦しみを無くすために』
『ワシらは生まれ変わる時、孟婆湯を飲む』
『じゃが神明は…決してお忘れにはならん』
『ワシらが無くした記憶を、全部覚えてくださっておる』
馬賢(……え……)
- 18ページ・19ページ
魯天雨『地獄の神明は、ワシらが我慢した苦しみを…』
『肩代わりしてくださっておるのじゃ…』
馬賢(地獄での——)
(この長い日々を——)
(漫然としたまま——)
(俺は過ごしていた——)
『肩代わりしてくださっておるのじゃ…』
馬賢(地獄での——)
(この長い日々を——)
(漫然としたまま——)
(俺は過ごしていた——)
- 20ページ
馬賢(そうだ、俺がやっていたのは…)
(人間から、記憶を受け取り)
(晴れて次の生を…)
(やり直してもらうための仕事———)
(人間から、記憶を受け取り)
(晴れて次の生を…)
(やり直してもらうための仕事———)
- 21ページ
魯泉「馬賢さまの地獄でのお仕事は…」
「とてつもなくお辛いものだと思うんです」
「ぼくたちの代わりに、こんなに大変な思いをしてくださっている…」
「だからぼくたちは信じるんです。だから…感謝するんです」
「とてつもなくお辛いものだと思うんです」
「ぼくたちの代わりに、こんなに大変な思いをしてくださっている…」
「だからぼくたちは信じるんです。だから…感謝するんです」
- 22ページ
馬賢(ああ……)
(俺の求めていた答(もの)は…)
(ここに…あったのか…)
(俺の仕事は…)
(無意味なものじゃなかった——)
(俺の求めていた答(もの)は…)
(ここに…あったのか…)
(俺の仕事は…)
(無意味なものじゃなかった——)
- 23ページ
馬賢(——だが…)
(もう……)
鬼「おい、君が魯泉か? 来なさい」
魯泉「え?」
鬼「鬼門を通るぞ」
「うーん…この子寿命有り余ってんな。合ってるのかねえ?」
「まあ、まず手続き進めようか」
魯泉「はあ…」
(もう……)
鬼「おい、君が魯泉か? 来なさい」
魯泉「え?」
鬼「鬼門を通るぞ」
「うーん…この子寿命有り余ってんな。合ってるのかねえ?」
「まあ、まず手続き進めようか」
魯泉「はあ…」
- 24ページ
馬賢「………!」
魯泉「!?」
鬼「が…」
魯泉「!?」
鬼「が…」
- 25ページ
馬賢「小農夫! 鍵だ!」
「俺の手錠外せ!」
「陽間へ還るぞ!」
魯泉「え!?」
「でも…ぼく死んでるんですよ?」
馬賢「まだ間に合う」
「生死簿にお前のことはまだ記されてねえ」
「今戻れば…「鬼門前を一回りした」で済む」
魯泉「ほ…」
「本当に?」
「俺の手錠外せ!」
「陽間へ還るぞ!」
魯泉「え!?」
「でも…ぼく死んでるんですよ?」
馬賢「まだ間に合う」
「生死簿にお前のことはまだ記されてねえ」
「今戻れば…「鬼門前を一回りした」で済む」
魯泉「ほ…」
「本当に?」
- 26ページ
馬賢「神明を信じてんだろ?」
「信じろ! 今更ウソだなんて言わせねえぞ…!」
魯泉「お前は…」
「機甲兵を助けたいんだろうが!」
鬼2「大丈夫か?」
鬼「あの2人、逃げるぞ! 捕まえろ!」
「信じろ! 今更ウソだなんて言わせねえぞ…!」
魯泉「お前は…」
「機甲兵を助けたいんだろうが!」
鬼2「大丈夫か?」
鬼「あの2人、逃げるぞ! 捕まえろ!」
- 27ページ
馬賢「失せろ!」
「小農夫は…渡さねえぞ…!」
「小農夫は…渡さねえぞ…!」
