機甲盤古日本語翻訳wiki

第二十一章

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機甲盤古 第二一章
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<翻訳者コメント>
※ お手伝いありがとうございます! 修正をさせていただきました。
※ 11ページ 「阿」には「~ちゃん」等の敬称の意味合いがあります。つまり「阿草」は「草ちゃん」となります。
※ 23ページ 霊芝は昔、薬として用いられていました。



  • 1ページ
??「うん?」
  「城門が騒がしい…」
  「何事?」

  • 2ページ タイトル:歙縣胡同〔4〕

  • 3ページ
盤古「む…!」
守芬「我慢して!」
  「そんなネバネバ、すぐに溶かしてやるわ!」
魯泉「盤古…!」
  (文字幻術を使うにしても…仙力はもう少ない)
  (彼らを傷つけずに、一度に効果を発揮できる字…)
  (そんな都合のいい字なんて…)

  • 4ページ
魯泉(考えろ! はやくはやく!)
  (ぼくの書ける字でもきっと…)
盤古「おおおおおお!」

  • 5ページ
盤古「魯泉、乗ってください!」
  「それがしがすぐに…!」
守芬「え?」
盤古「それは……」
魯泉「この字で、いいよね?」
  「………」

  • 6ページ
盤古「…お見事!」
  「それ以上に…ふさわしい字は他にないでしょう!」
唐大富「こんにゃろ、大人しくしやがれ!」
取り巻き「うん?」
盤古「文字幻術…」

  • 7ページ
盤古「石字訣!」
取り巻き「いい!?」

  • 8ページ
樂石「っ……っ?」
徐梅「み、みんな石に変わっちゃった…」
守芬「え? けど樂石は…」
  「そっか…!」
  「樂石は石獅子だものね!」
盤古「文字幻術・固字訣!」

  • 9ページ
盤古「よし、とりもちもはがれました!」
守芬「そうね…」
樂石「っ……」
盤古「霊虫草が心配なんですね?」
  「大丈夫です、数分もすれば元に戻ります」
  「さあ、魯泉がかせいでくれたその数分…」
  「急ぎましょう」
  「靈蟲草を野に帰さなくては……!」

  • 10ページ
守芬「樂石を巻き込まずに足止めできて、靈蟲草まで保護する。一石三鳥ね!」
  「よくまあこんな手を思いついたものだわ!」
魯泉「たまたまだよ……」
  「樂石を見ていたら…」
  「名前に「石」が使われてるのに気づいて、それで…」
守芬(たまたま…かな?)
  (いくら魯泉より字を覚えていても、私にはそんな発想出来なかったわ…これは、凄いことなのよ?)

  • 11ページ
盤古「ここまで来れば大丈夫でしょう」
  「靈蟲草を埋めてください!」
徐梅「阿草、よかったね…」
  「元気でやっていくのよ!」

  • 12ページ
守芬「けど、このままでいいの?」
  「またああいうやつらに見つかっちゃったら…」
盤古「心配いりませんよ…ほら!」
魯泉「光った…?」
盤古「靈蟲草は地中をすみかとし…」
  「自由に行き来が可能なのです」
  「もうつかまることはないでしょう!」

  • 13ページ 台詞なし

  • 14ページ
樂石「……」
徐梅「行っちゃったわ…」
魯泉「そうだね…」
徐梅「皆さん…本当にありがとうございました!」
魯泉「うん!」
  [ぼく達の歙縣のお話は、これにておしまい……]

  • 15ページ
唐大富「靈蟲草をわーたーせー!」
   […というわけにはいかないようです]
守芬「ざーんねん、ちょっと遅かったわね…」
  「靈蟲草はもう逃がしちゃったわよ!」
唐大富「うそつけ! どっかに隠しやがったんだろ! 出せ!」
守芬「本っ当しつこいわね…」
唐大富「出さねえってんなら力づくで……!」
一同「?!」

  • 16ページ
守芬(これは…)
  (石球?)
  (まさか…)
??「こんな遅くまでドンチャンドンチャン…何をしているの!?」
唐大富「ぎゃああ!」
   「石獅子だー!!」

  • 17ページ
守芬「何を今更…この仔も石獅子なのよ?」
唐大富「はえ!? そうなの?」
??「無礼者は…」
  「出ていきなさい!」
唐大富「わっわっ!」
盤古「それがし達も離れた方がよさそうですね」
守芬「ああ、そうなんだけど…」
魯泉「ご、ごめんなさい! そんなつもりは! どうか…どうか…っ!」
守芬「魯泉がまだ…」

  • 18ページ
??「……!」
  「樂石?」
守芬「え?」
盤古「あの石獅子…樂石の名前を…」
??「あんた…」
  「帰ってきたんだね!」
  [あ……]

  • 19ページ
  [ようやくわかった]
  [歙縣での樂石の奇妙な行動も、何かを考えているような顔も……]
  [そういう事だったんだ…ここは、樂石のふるさと…]
  [ぼく達を回り道させたのも、追っ手をかわすためじゃなく…]
  [樂石は…]

  • 20ページ
魯泉[帰りたかったんだ…お母さんのところへ―――]
??「私は樂珊…この廟に住まう石獅子です」
  「樂石のこと、何とお礼を言っていいやら…」

  • 21ページ
樂珊「この子ったら何か言うたんびに家をとび出しちゃうもので…本当ご迷惑をおかけしました」
魯泉「家をとび出す? どうしてそんな…」
樂珊「この子好き嫌いがはげしくて……お肉を出すとすーぐ逃げちゃうの!」
魯泉・守芬「ああ……」
樂珊「私達はおそなえものを頂いている身ですから、こういうのはちゃんとしないと…」
徐梅「あ…!」
守芬「どうかした? 徐梅?」
徐梅「私、ずっと樂石に見覚えがあるなと思ってて…」
  「そうだ…以前こちらの廟に礼拝に来て、石獅子にお供えをしたんだったわ…」

  • 22ページ
徐梅「まさか神獣だなんて思いませんでしたけど……」
守芬「なーるほど。樂石が必死になるわけだわ」
  「「有求必應」。あなたの一飯の恩に報いたかったのね。きっと」
  [そんなわけで……]
  [嶽麗書院でぼく達と出逢った小さな石獅子…]
  [彼は今、ようやく帰り着いたのだった]

  • 23ページ
徐梅「ただいま」
  「お母さん、これどういうこと? どうしてこんなにキノコが…?」
徐辛「さあ…なんだか突然生えてきたんだよ!」
徐梅「これ…全部霊芝だわ!」
盤古「あは! これは立派ですね。きっと靈蟲草の仕業でしょう」

  • 24ページ
徐梅「阿草が?」
盤古「おそらく病気のお母様を見るに見かねてプレゼントしてくれたのでしょうね!」
徐梅「霊芝まで生やしちゃうなんて…阿草って凄いのね!」
盤古「はい、靈蟲草は様々な種類のキノコを構成し、生やすことができるのです」
  「ただ、誤解されがちなのですが…靈蟲草自体は味も香りも、さらには何の栄養も持ち合わせてはいないのです…」
守芬「そうなの?」
盤古「そうなんです!」
守芬「ならどうしてもっと早く言わなかったのよ…」
盤古「そうしたかったのですが…あの唐さん、聞く耳を持ってくださいませんでしたので…」

  • 25ページ
唐大富「ああカビ臭え…」
   「靈蟲草は食えねえし…バッチくなっただけだい!」
   「早くお風呂に…」
使用人「キノコが! 建物の隙間からキノコが!!」
   「臭い!」
   「切っても切っても生えてくる…呪いだ! これはきっと呪いだ…!」
   「唐さん!」
  [歙縣の長い夜は、こうして幕を閉じた…]

  • 26ページ
  [3日後――]
徐辛「かあちゃんのお帰りだよ!」
  「さあ、開店だ!」
守芬「活気があるわね…」
盤古「席も埋って…徐辛婦人の腕は確かでしたね!」
樂石「っ!」
徐梅「ごめんなさいね、手伝ってもらっちゃって…」
魯泉「いいんだ。それにこれなら字も覚えやすいしね!」

  • 27ページ
徐辛「あら!」
  「唐さん、食べてっておくれよ!」
  「新メニュー霊芝炒飯! 美味しいからさ!」
使用人「唐さん…」
唐大富「へん! そんな安物食えるかってんだ!」
   さっさとキノコを片せ!
   あう
魯泉「?」
  キノコ?
盤古「そうだ、先日徐梅さんに言いかけた事なのですが…」
徐梅「え?」
盤古「料理人として美味しいものを追求する意義についてですよ」
  「唐さんのように美食を追求するのと何処に違いがあるのか?」

  • 28ページ
徐梅「ああ…」
盤古「それがしのご主人様はこうおっしゃってました。『美食家とは高いも安いもこだわらないものだ』」
  「『美食の本分は「味わう」ことなのだから』」
  「最高級のものばかりにこだわっていては……「食」を理解していない…」
  「単なる名ばかりに過ぎないのです」
守芬「聞いた樂石! だからあなたも理解なさい! はい、お肉」
  さ、がんばって! もう一個!
  っ~~~

  • 29ページ
守芬「ねえ盤古……」
  「今回はあなたの知識が随分役立ったわね!」
  「いつそんな靈蟲草のことを調べたのよ?」
盤古「……」
  「実はそれがし…」
  「陸文様とかつて靈蟲草と1度遭遇したことがあるのです」
魯泉「!」
盤古「深い山中で食料が尽き、困っていると、靈蟲草が現れ、陸文様の命を助けてくれて…」
  「靈蟲草についての知識の多くはその時に得たものなのです」
魯泉「え?」

  • 30ページ
魯泉「ぼく達がこの前会ったのは、その陸文さんを助けた靈蟲草なのかな?」
盤古「そうだといいのですが、それがしは違うと思います…」
  「あの靈蟲草を見ていると、陸文様との旅の思い出が蘇ってきまして…」
  「本当にお懐かしい……」
魯泉「今度、陸文さんとの旅の話聞かせてよ!」
盤古「はい!」

  • 31ページ
徐梅「あの…」
魯泉「ん?」
徐梅「こんなにお世話になったのに…私達、皆さんに何のお礼もできなくて…」
守芬「気にすることないわよ!」
徐梅「せめて…」
  「この霊芝を受け取ってください!」
鐘洋「守芬から何が届いたんだ?」
友俊「霊芝ですね!」
魯天雨「ほう! 今度の土産はキノコか!」

  • 32ページ
  [こうして……]
徐梅「これ、家のお店のメニュー…字の練習に使って!」
樂石「っ!」
魯泉「この鈴、くれるの? ありがとう!」
  「樂石、徐梅…」
  「またね…」

  • 33ページ
  [ぼく達は歙縣に別れを告げた…]
  [旅はまだまだ続く!]


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