機甲盤古 第十章
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<翻訳者コメント>
- 1ページ タイトル:仙縫鎭〔4〕
- 2ページ
守芬(…………ダメだ……)
- 3ページ
守芬(こんな配線構造見たことない…)
(機体設計図でもなきゃ、手が付けられないわ!)
「魯泉。盤古の機体設計図ってあるかしら?」
魯泉「き、機体…何?」
守芬「…わからないか」
「せめて説明書だけでもあれば…」
「修理の取っ掛かりが掴めるのだけど」
魯泉「…説明書?」
(機体設計図でもなきゃ、手が付けられないわ!)
「魯泉。盤古の機体設計図ってあるかしら?」
魯泉「き、機体…何?」
守芬「…わからないか」
「せめて説明書だけでもあれば…」
「修理の取っ掛かりが掴めるのだけど」
魯泉「…説明書?」
- 4ページ
盤古『説明書みますか?』
魯泉『え? いいよ。ぼく読み書きができないんだ』
魯泉「あ!」
「あった! これだ!」
「説明書ってこれかな?」
守芬「そうこれよ!」
「見て! 構造の説明が載ってる!」
魯泉『え? いいよ。ぼく読み書きができないんだ』
魯泉「あ!」
「あった! これだ!」
「説明書ってこれかな?」
守芬「そうこれよ!」
「見て! 構造の説明が載ってる!」
- 5ページ
守芬「これだけ詳細に書かれてれば、修理だってできるわ」
魯泉「やった!」
守芬「ん?」
「元始? これどの時代の年号かしら?」
魯泉「うーん…いつだろう?」
守芬「ちょっと調べてみましょう」
「……え?」
魯泉「やった!」
守芬「ん?」
「元始? これどの時代の年号かしら?」
魯泉「うーん…いつだろう?」
守芬「ちょっと調べてみましょう」
「……え?」
- 6ページ
守芬「盤古の出荷日2000年前だわ!」
魯泉「ええ!?」
「ロボットって2000年前にもあったの?」
守芬「あるわけないでしょ! 火薬だって無かった時代よ!」
(あり得ないわ、こんなこと…)
(けど、確かに盤古はこの時代の産物じゃない……)
(こいつは…)
(存在自体が謎めいている……)
魯泉「ええ!?」
「ロボットって2000年前にもあったの?」
守芬「あるわけないでしょ! 火薬だって無かった時代よ!」
(あり得ないわ、こんなこと…)
(けど、確かに盤古はこの時代の産物じゃない……)
(こいつは…)
(存在自体が謎めいている……)
- 7ページ
守芬(今はそんなこと考えてる場合じゃない!)
(説明書が見付かったんだ。これなら…)
(きっと盤古を直せるわ!)
鍾洋「それで…守芬は工場の整備室にいるわけか」
(説明書が見付かったんだ。これなら…)
(きっと盤古を直せるわ!)
鍾洋「それで…守芬は工場の整備室にいるわけか」
- 8ページ
鍾洋「なあ、友俊」
「俺を助けた、あの亀の名前は?」
友俊「盤古…」
「俺を助けた、あの亀の名前は?」
友俊「盤古…」
- 9ページ
友俊「彼の名は、メカ亀盤古」
- 10ページ
魯泉「目を覚ました!」
守芬「人工知能回路が修復されたからね」
魯泉「盤古……」
守芬「修理自体はまだ全然だけど、これで一先ず安心じゃないかしら?」
魯泉「うん、ありがとう。守芬姉さん!」
「盤古…ごめん…」
盤古「………ご主人様?」
守芬「人工知能回路が修復されたからね」
魯泉「盤古……」
守芬「修理自体はまだ全然だけど、これで一先ず安心じゃないかしら?」
魯泉「うん、ありがとう。守芬姉さん!」
「盤古…ごめん…」
盤古「………ご主人様?」
- 11ページ
魯泉「こんなに傷付いてしまって…きみはいつもぼくを助けてくれるのに……」
「ぼくには、きみを助ける力がなくて……」
盤古「………」
魯泉「故郷まで連れて行くって言ったはずが、こんな目に合わせてしまって」
「ぼくがもっと強かったら、盤古を守ってあげられるのに……」
「ぼくには、きみを助ける力がなくて……」
盤古「………」
魯泉「故郷まで連れて行くって言ったはずが、こんな目に合わせてしまって」
「ぼくがもっと強かったら、盤古を守ってあげられるのに……」
- 12ページ
守芬「何言ってるのよ…」
「あなた、さっき工場で2度も盤古を助けてたじゃない」
「強くなくたってやれることはあるわ。違う?」
魯泉「………でも…」
盤古「ご主人様、もしもですよ?」
魯泉「え?」
盤古「もしもご主人様に力があって、そしてそれがしがピンチに陥っていたとして…」
「その時ご主人様は、傷を負ってでも、それがしを助けたいと思いますか?」
「あなた、さっき工場で2度も盤古を助けてたじゃない」
「強くなくたってやれることはあるわ。違う?」
魯泉「………でも…」
盤古「ご主人様、もしもですよ?」
魯泉「え?」
盤古「もしもご主人様に力があって、そしてそれがしがピンチに陥っていたとして…」
「その時ご主人様は、傷を負ってでも、それがしを助けたいと思いますか?」
- 13ページ
魯泉「それは…勿論だよ! 当たり前じゃないか!」
盤古「…そうでしょう?」
「それがしも同じなんですよ、ご主人様!」
盤古「…そうでしょう?」
「それがしも同じなんですよ、ご主人様!」
- 14ページ 台詞なし
- 15ページ
5日後――
鍾洋「梱包は済んでるか?」
職員「はい」
鍾洋「よーし、運んでくれ!」
「守芬!」
守芬「どうぞ」
鍾洋「よう! どうだい、修理の方は」
鍾洋「梱包は済んでるか?」
職員「はい」
鍾洋「よーし、運んでくれ!」
「守芬!」
守芬「どうぞ」
鍾洋「よう! どうだい、修理の方は」
- 16ページ
守芬「あ、父さん!」
「これで最後よ。手腕部を結合させて、今稼働をみてるとこなの」
盤古「バッチリです!」
守芬「そう? なら修理は完了よ」
魯泉「守芬姉さん…」
「盤古を助けてくれて、ぼく何て言ったらいいか…」
守芬「あは! それはお互い様でしょ?」
鍾洋「ろーせん!」
魯泉「はい?」
「これで最後よ。手腕部を結合させて、今稼働をみてるとこなの」
盤古「バッチリです!」
守芬「そう? なら修理は完了よ」
魯泉「守芬姉さん…」
「盤古を助けてくれて、ぼく何て言ったらいいか…」
守芬「あは! それはお互い様でしょ?」
鍾洋「ろーせん!」
魯泉「はい?」
- 17ページ
鍾洋「これ、お礼として受け取ってくれ。我が家自慢の洋服だ!」
魯泉「え? そんな! いいんですか?」
鍾洋「遠慮するない!」
「家に送っておくから、おじちゃんに住所を教えとくれ!」
魯泉「え? で……でも…」
友俊「守芬。盤古くん本当にもういいのかい?」
守芬「うーん、完全にとは言えないのよね…」
「説明書だけじゃ修理にも限度があるわ…少なくとも直せたとこは正常に機能してくれてるけど」
「残りは元の工場でどうにかしてもらうしかないわ……」
「ただ…」
魯泉「え? そんな! いいんですか?」
鍾洋「遠慮するない!」
「家に送っておくから、おじちゃんに住所を教えとくれ!」
魯泉「え? で……でも…」
友俊「守芬。盤古くん本当にもういいのかい?」
守芬「うーん、完全にとは言えないのよね…」
「説明書だけじゃ修理にも限度があるわ…少なくとも直せたとこは正常に機能してくれてるけど」
「残りは元の工場でどうにかしてもらうしかないわ……」
「ただ…」
- 18ページ
守芬(本当は、可能なら私もついて行って盤古の正体を知りたいのだけど……)
(無理な話よね…)
友俊「守芬…?」
守芬「わかってるのよ、私は女の子だって」
「いつまでも自分のわがままを通せる訳がないんだ」
友俊「え?」
『好きか嫌いかは問題じゃないよ、キミは一生こんな仕事を続けるつもりかい?』
「ああ、あの時のことをいってるのか!」
「そういえば、ちゃんと話してなかったね」
「守芬、僕は別に君が仕事を続けることに反対しているわけじゃない」
(無理な話よね…)
友俊「守芬…?」
守芬「わかってるのよ、私は女の子だって」
「いつまでも自分のわがままを通せる訳がないんだ」
友俊「え?」
『好きか嫌いかは問題じゃないよ、キミは一生こんな仕事を続けるつもりかい?』
「ああ、あの時のことをいってるのか!」
「そういえば、ちゃんと話してなかったね」
「守芬、僕は別に君が仕事を続けることに反対しているわけじゃない」
- 19ページ
友俊「僕が言いたかったのは、君がずっと工場のことを一人で抱え込む必要はないってことなんだ」
「君達の工場は近年随分と拡張されたけど」
「君一人で工場全体の整備を行うには無理があった」
「だから機械に詳しくないおじさんも駆り出されてしまい、今回のようなトラブルも招きやすくなる」
「大きい工場が上手く機能するには、上に立つ人間が適切な人員配置で負担を分散させなきゃならない」
「たとえその人に現場の作業ができなくても、その人にはその人にしかできない役割がある」
「僕は洋裁も整備もできないけど……」
「君達の工場は近年随分と拡張されたけど」
「君一人で工場全体の整備を行うには無理があった」
「だから機械に詳しくないおじさんも駆り出されてしまい、今回のようなトラブルも招きやすくなる」
「大きい工場が上手く機能するには、上に立つ人間が適切な人員配置で負担を分散させなきゃならない」
「たとえその人に現場の作業ができなくても、その人にはその人にしかできない役割がある」
「僕は洋裁も整備もできないけど……」
- 20ページ
友俊「工場の「経営管理」でなら、一番力になれると思うんだ」
守芬(…そうだ……)
(父さんが入院して、盤古を修理してる間、)
(工場の事務処理はずっと友俊がやってくれてたんだった…)
「友俊、ごめんね…」
「今度からはちゃんと、あなたを頼るわ」
「…………」
守芬(…そうだ……)
(父さんが入院して、盤古を修理してる間、)
(工場の事務処理はずっと友俊がやってくれてたんだった…)
「友俊、ごめんね…」
「今度からはちゃんと、あなたを頼るわ」
「…………」
- 21ページ
守芬「友俊、一つお願いがあるの。私、今回のことであの子達助けたくなっちゃった」
友俊「うん?」
魯泉「ついに仙縫鎮ともお別れだね。何だかここでは色んな事が起こった気がするよ!」
盤古「そうですね!」
魯泉「行こうか、盤古」
盤古「了解です」
盤古・魯泉「ん?」
友俊「うん?」
魯泉「ついに仙縫鎮ともお別れだね。何だかここでは色んな事が起こった気がするよ!」
盤古「そうですね!」
魯泉「行こうか、盤古」
盤古「了解です」
盤古・魯泉「ん?」
- 22ページ
盤古「守芬さん?」
魯泉「どうしたの? そんな大荷物抱えて」
守芬「どうって…私、あなた達について行くことにしたわ!」
盤古・魯泉「え!?」
守芬「子ども一人でいるより大人がいた方が安全でしょ? それに、道中盤古に何かあったら私が看てあげられるし!」
魯泉「どうしたの? そんな大荷物抱えて」
守芬「どうって…私、あなた達について行くことにしたわ!」
盤古・魯泉「え!?」
守芬「子ども一人でいるより大人がいた方が安全でしょ? それに、道中盤古に何かあったら私が看てあげられるし!」
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守芬「機械整備士として、盤古のこともっとよく知りたいの」
「是非同行させてもらえないかしら?」
魯泉「でも守芬姉さん、工場の方はどうするの?」
守芬「友俊に調整をお願いしてるわ。だから大丈夫よ」
魯泉「あ、じゃあ結婚の話は…」
守芬「ああ、あれ? 私達元々日取りなんて決めてないのよ!」
「だからこう言ってきたわ…」
守芬・友俊『ごめん、結婚は帰ってくるまで待ってて』
「是非同行させてもらえないかしら?」
魯泉「でも守芬姉さん、工場の方はどうするの?」
守芬「友俊に調整をお願いしてるわ。だから大丈夫よ」
魯泉「あ、じゃあ結婚の話は…」
守芬「ああ、あれ? 私達元々日取りなんて決めてないのよ!」
「だからこう言ってきたわ…」
守芬・友俊『ごめん、結婚は帰ってくるまで待ってて』
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鍾洋「あいつそんな事言ったのか?」
友俊「守芬らしいですけどね」
鍾洋「年頃の娘が婚約者ほっぽって旅行に行く奴があるか…」
友俊「1度くらいはいいでしょう! 長い人生、こんな機会はそうそう無いでしょうから」
魯泉「盤古、いいかな?」
盤古「ご主人様がよろしければ、それがしもよろしいですよ」
魯泉「それじゃあ…」
「これからご面倒をおかけしますが、よろしくお願いします!」
守芬「こちらこそ!」
友俊「守芬らしいですけどね」
鍾洋「年頃の娘が婚約者ほっぽって旅行に行く奴があるか…」
友俊「1度くらいはいいでしょう! 長い人生、こんな機会はそうそう無いでしょうから」
魯泉「盤古、いいかな?」
盤古「ご主人様がよろしければ、それがしもよろしいですよ」
魯泉「それじゃあ…」
「これからご面倒をおかけしますが、よろしくお願いします!」
守芬「こちらこそ!」
- 25ページ
守芬「さあ、出発よ!」
魯泉「うん!」
[その後、魯泉宅――]
魯天雨「おお! 魯泉のやつ、今度は服を送ってくれおった!」
魯泉「うん!」
[その後、魯泉宅――]
魯天雨「おお! 魯泉のやつ、今度は服を送ってくれおった!」
