内容はラテン語聖書の第四
エズラ記(全十六章)を翻訳したものである。
七十人訳聖書にはなく
ヴルガータ訳聖書のみに見られる。
ラテン語聖書の
エズラ記4(第四
エズラ記)は、ラテン語聖書独自の『
エズラ記』である。全体で十六章からなるが、もともとは第3章から第14章まで(狭義の第四
エズラ記、「エズラの黙示」)の部分があって後に第1章と第2章(第五
エズラ記)と第15章と第16章(第六
エズラ記)が付け加わったと考えられている。この付加部分はキリスト教徒によるものであると考えられている。
成立時期は 第四
エズラ記が紀元100年頃、第五
エズラ記が紀元2世紀中期、第六
エズラ記が紀元3世紀後半とされる。
内容
エズラ記(ラテン語)は、黙示文学には珍しく、預言者エズラの質問に天使ウリエル が応えるという形式で終末について語っている。
第四
エズラ記も同様で、エズラに現れた幻の中で、エズラとウリエルが質問と応えを繰り返している。この幻は7回現れる。このうち、1~3回の幻で人類全体に関わる宇宙論的な終末が語られ、4~7回の幻ではイスラエルという国家を中心とした観点から終末がとらえられている。
エズラ記の番号付の問題
新共同訳 |
ヘブライ語聖書 |
七十人訳 |
ヴルガータ訳 |
正教会 |
エチオピア |
英語 |
エズラ記 |
エズラ記 |
エズドラ記2 |
エズドラ記1 |
エズドラ書1 |
エズラ記1 |
Ezra |
ネヘミヤ記 |
ネヘミヤ記 |
エズドラ記2 |
ネーミヤ書 |
Nehemiah |
エズラ記(ギリシャ語) |
- |
エズドラ記1 |
エズドラ記3 |
エズドラ書2 |
エズラ記2 |
1 Esdras |
エズラ記(ラテン語)(3-14章) |
- |
- |
(エズラ記4) |
エズドラ記4 |
エズドラ書3 |
Ezra Sutuel |
2 Esras |
エズラ記(ラテン語)(1-2章) |
- |
- |
(エズラ記5) |
- |
エズラ記(ラテン語)(15-16章) |
- |
- |
(エズラ記6) |
- |
ヘブライ語聖書の
エズラ記と
ネヘミヤ記は、70人訳聖書ではエズラ記2にまとめられています。 70人訳聖書のエズラ記1は、ヘブライ語聖書にはありません。 ウルガタ聖書のエズラ記1,エズラ記2は、それぞれヘブライ語聖書のエズラ記と
ネヘミヤ記にあたります。 70人訳聖書の
エズラ記1は、ウルガタ聖書では付録の
エズラ記3として出ます。 これが新共同訳聖書の旧約聖書続編にある
エズラ記(ギリシア語)です。 ウルガタ聖書の付録の
エズラ記4はヘブライ語聖書にも、70人訳聖書にもありません。 これが新共同訳聖書の旧約聖書続編にある
エズラ記(ラテン語)です。
最終更新:2018年01月13日 16:00