イントロイトゥス

ここではレクイエムに用いられる固有文の入祭唱(Introitus)について説明する。

原文(ラテン語)

Requiem æternam dona eis, Domine,
et lux perpetua luceat eis.
Te decet hymnus, Deus, in Sion,
et tibi reddetur votum in Jerusalem.
Exaudi orationem meam,
ad te omnis caro veniet.
Requiem æternam dona eis, Domine,
et lux perpetua luceat eis.

和訳

主よ、永遠の安息を彼らに与え、
絶えざる光でお照らしください。
神よ、シオンではあなたに賛歌が捧げられ、
エルサレムでは誓いが果たされます。
私の祈りをお聞き届けください
すべての肉体はあなたの元に返ることでしょう。
主よ、永遠の安息を彼らに与え、
絶えざる光でお照らしください。

成立

冒頭は、旧約偽典であるラテン語エズラ記2:34-35 に基づく「主よ、永遠の休息を彼らに与え給え」という句で開始される。
エズラ記(ラテン語)2:33-35
わたしエズラは、ホレブの山で、イスラエルへ行けという命令を主から受けた。そこでわたしはイスラエルの人々のもとに行ったが、彼らはわたしを拒み、主の言いつけを軽んじた。
だから、わたしは言う。「聞いて理解する異邦の民よ、あなたたちの牧者を待ち望みなさい。彼はあなたたちに永遠の休みを与えてくださる。世の終わりに来られるはずの牧者は、近くにおられるからである。報いとして王国を受ける準備をしなさい。やがて永遠の光が永久にあなたたちを照らすからである。…」

続く部分では、「詩篇」65:2-3 の箇所が選ばれている。この詩篇は本来、収穫感謝祭の詩篇だったが、ここでは「すべての肉なるものはあなたのもとに来ます」という句を、すべての人は裁きのために神の前に出なければならないという意味で用いている。
詩編65:2-3
沈黙してあなたに向かい、賛美をささげます。
シオンにいます神よ。あなたに満願の献げ物をささげます。
祈りを聞いてくださる神よ
すべて肉なるものはあなたのもとに来ます。

最終更新:2017年07月03日 21:38