ボンバーマン64
【ぼんばーまんろくじゅうよん】
ジャンル
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オムニバス (アクション、アクションパズル)
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対応機種
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ニンテンドウ64
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メディア
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96MbitROMカートリッジ
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発売元
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ハドソン
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開発元
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ラクジン
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発売日
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2001年12月20日
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定価
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5,800円
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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最後の64ソフト 4つのモード全てが手抜き 地味過ぎ&爆ボンと紛らわしく知名度皆無
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ボンバーマンシリーズリンク
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概要
ニンテンドウ64のボンバーマンシリーズ第4作目にあたり、日本国内では最後に登場したニンテンドウ64用のゲームタイトルでもある。
これまでにハドソンから発売された『ボンバーマン』『ぱにっくボンバー』『さめがめ』『ボンバーマンランド』を一つのソフトにまとめた、お買い得な作品。
…と言えば聞こえはいいが、実際はどれも低レベルであった。
モード紹介・問題点
ボンバーマンノーマルモード
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ストーリーと呼べるものは一切なく、20分(慣れれば15分)でクリア可能なボリューム。
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クリアすると複数のドアが出現し、色々なステージに行ける迷路のような構造…という触れ込みだったが実際は上のルートに行くか下のルートに行くかの違いでしかなく『スーパーボンバーマン5』の様な迷路構造には程遠い。
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その為すぐに同じステージばかり行き来する羽目になる。特に序盤の似通った数ステージは毎回やるはめに。
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後半に行くとステージのデザインに変化が起きるが、前後の関連性が全くなく支離滅裂である。
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公式サイトにはデザインに変化が起こっているステージ後半の画像が張ってあるので色々な造形のステージに行けるように見えるが、前半は全てファミコン版のノーマルマップである。余りに代わり映えがしないので意図的に後半のステージの画像ばかりを選んだ模様。
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ボスキャラとして『ボンバーマンランド』で敵役として初登場した「ダーク軍団」の4人「ダークピース」「ダークウィッチ」「ダークドール」「ダークローズ」がボスとして登場するが、全て非常に弱い。1面の中ボスが妥当といった感じだがこの中の誰かを1人だけ倒せば終わりである。
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また、ストーリーや台詞等がないので『ランド』をやった事がない人にとってはとにかく意味不明なボスである。
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恐ろしい事にパズルゲームでありながらスコアがない。連鎖で敵を倒そうと無限沸きする敵で稼ごうと全くの無意味。
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クリアタイムだけは記録されるが、やりこめるボリュームが足りないのでせいぜい15分程度で頭打ち。
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クリアしても唐突に一枚絵が表示されるだけ。分岐を全て解放しても専用の隠しボスとスタッフロールが流れるだけ。
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しかも、隠しボスの「ダークボンバー」は平然と一枚絵に出てくる。
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スタッフロールの絵は説明書のイラストの使いまわしである。
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全体的にステージ1程度の難易度で、敵のデザインと位置を変えながら延々と続くような感じ。分岐次第で難易度が上がるというような工夫もない。
ボンバーマンバトルモード
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いつも通りのバトルモード。本作に収録されているバトルモードのシステム、グラフィックは『ボンバーマンランド』のものを流用している。ただ、これまでの作品に比べ劣化点が多い。
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マップはいくつもあるが、酷い事にステージが全てノーマルマップのギミック違いである。これまでのようにマップのデザインが変わるということもない。
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その為、全部同じマップに見え、しかもギミックも「土管」「穴」「ベルトコンベア」「シーソー」など、ありきたりで変わり映えがしない。
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マップごとにBGMが異なるということもなく、1種類しかない。これまでは複数のBGMが用意されているのが当たり前だったのだが…。
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お助けキャラ「ルーイ」の大幅劣化
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グリーンルーイのみの登場で、一切特殊能力を持っていない。
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しかも、キック等のアイテムが無効化されるので殆どスペアのライフ扱いでしかない。ファミコン版には居ない存在だったから調整したのだろうが、それならファミコン版にないバトルモードを入れる時点でおかしい。
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ただし、これらはすべて『ボンバーマンランド』からの問題点でもある。
ぱにっくボンバー
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従来のルールとは違い、せり上がる爆弾が即爆発する、焦げボンを送るには爆発した火でボンバーマンに当てることで送ることができるなどルールが異なる。
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また、演出・背景等ただひたすら劣化。スーファミ版にすら劣るどころか、ほぼないといっても良い。
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スコアアタックという一人用のモードがあるが、ただただゲームオーバーになるまでやるだけ。変化が全くない。
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スコアアタックはのちにPSP版にも収録された。こちらでは従来と同じルールでプレイできる。
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対戦もあるが、上記のルールに加え対戦人数に応じてフィールドが狭くなるなど、従来のルールで対戦することはできない。前作でやれた事がやれないのでイライラする。
さめがめ
ボンバーマンパーク
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PSで発売された『ボンバーマンランド』(以下、ランドと称する)の劣化版のようなもので、ランドの規模を大幅縮小し、イベント大幅減・アトラクションも大幅減している。
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複数のエリアに分かれていたランドと違い一つのエリアしか存在しない。そのため規模は小さくやりこみ要素が殆どない。モブの台詞のパターンも極端に少ない。
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大きな魅力であったアトラクションも、今作ではわずか14種類しかない。上級を含めると26種類だが、それでも少ない。
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40種類以上あるランド、70種類以上もあるランド2などと比べると、いかに少ないということが分かるだろう。
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ランドのように「ピース」を集めるのではなく、「メダル」を集めることで行ける範囲が広がっていくのだが、ランドのように「特定のピースがなければ進めない」ということがない。
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また、メダルの入手方法も「アトラクションのノルマをクリア」「特定のモブに話しかけて貰う」の2種類しかない。ランドのように謎解きで貰えるものは一つもない。
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プレイ時間を無理に引き延ばしたかったためか、ランドに比べノルマが高め。また、一部アトラクションのノルマは非常に高く設定されている。「サブマリン(上級)」「どきどきハイウェイ(上級)」などが例。
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しかも、オープニング・エンディングの類はない。メダルを全て集めても、バトルモードのステージなどが解禁されるだけ。
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スタッフロールはあるのだが、絵が酷い。
評価点
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全体的に難易度は低めなため、ライトユーザーや子供には最適かも知れない。
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どのモードも素材がシンプルなゲームなのでバグもなく、非常に簡単ではあるが普通に遊べる。暇つぶしミニゲーム集として見ればまずまずの出来。
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しかし、ミニゲームは1人用なのでパーティゲームには不向き。バトルモード、ぱにっくボンバーも大幅劣化しているので、原作のスーファミ版なり現行機のリメイク作品や配信作なりを当たる方が良い。
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特にミニゲームが遊びたければ素直にPSの『ボンバーマンランド』を買った方がいい。あちらならさらに豊富なミニゲームが遊べる。
総評
複数のゲームが遊べるとだけ聞くと良さそうなものに思えるが、実際は既存の作品からのボリュームを削った劣化流用品である。
遊べないわけではないが、先に挙げた『ボンバーマンランド』や『ボンバーマンランド2』といった良質なゲーム集がある以上、あえて本作を選ぶ意義は薄い。
余談
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バーチャルコンソールで配信されず、既に任天堂のCSゲーのゲームキューブへの移行が進んでおり64の末期も末期に発売された作品のためか知名度が非常に低い。
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「ボンバーマン64」「64で発売されたボンバーマン」と言えば、『爆ボンバーマン』かその続編である『爆ボンバーマン2』だと思われる事も多い。(海外では『爆ボンバーマン』のタイトルはそのまま『Bomberman 64』のため、ボンバーマン64で通じてしまう)。
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ボンバーマン64の記事やゲームレビューに爆ボンバーマンの感想だけが寄せられるという事もザラ。
最終更新:2024年11月20日 15:25