【ぐらでぃうすふぉー ふっかつ】
ジャンル | 横スクロールシューティング | ![]() |
対応機種 | アーケード(KONAMI HORNET) | |
販売・開発元 | コナミ | |
稼動開始日 | 1999年2月4日 | |
プレイ人数 | 1人~2人(交代) | |
判定 | ゲームバランスが不安定 | |
シリーズファンから不評 | ||
ポイント |
過去作の焼き直しだらけ 美麗だが活用されていないグラフィック ランダム要素で運ゲー化 |
|
グラディウスシリーズ |
人気横スクロールシューティングゲーム『グラディウス』シリーズのナンバリングタイトル第4作。
アーケード作品としては1989年の『グラディウスIII -伝説から神話へ-』以来10年ぶりの新作。
グラフィックには3Dポリゴンが採用され、発表時のビジュアルの美麗さもあってファンの期待が寄せられていたが、焼き直しが非常に多い構成により、ファンから落胆されることになった。
本作の問題点は様々な要因が重なってのものだが、これらは概して言えば過去作からの焼き直しが起因となって「演出面」と「ゲームバランス」の二つに分けられる。
全体的に目新しさの乏しい演出
ゲームバランスの問題
その他の問題
+ | 各ステージの詳細な問題点 |
一言で言うと、「名作の焼き直しだけでは名作にならない」ことを体現した作品。
3D化したにもかかわらず過去作の模倣だらけで新鮮さがないこと、安直な調整によりことごとく弱体化された武装の数々、そしてランダム要素による運ゲー化でパターン構築の面白さの低下など、グラディウスシリーズ作品として褒められる点がほとんど存在しない。
中でも過去作の使い回しを多用したことで余計に劣化した要素が目立ってしまい、ファンから厳しい目を向けられる事になってしまった。
また、美麗な3Dポリゴン、過去作とは作風を変えたBGMなど、本作ならではの要素も活かしきれておらず、残念ながら受け入れられたとは言い難い。
本作稼動当時のコナミはSTGにて『セクシーパロディウス』など微妙な作品が続いていた上、既に他のジャンルでの売れ筋を作り出していた時期にあった(*10)。
そのような中、STGにおける起死回生の一作として送り出された本作だったが、結果はコナミのACシューティングに致命的な一撃を与える形となってしまった。
特にバランス面の調整で「『III』があれほど否定の声が挙がるにもかかわらず賛成派が声を上げる『IIIならではの良バランス』」を前作の開発者は思いっきり意識してユーザーも答えたにもかかわらず、本作ではそれを全て捨て去ってしまった(高火力、爽快感、オプション間隔。)。
このあたりこそが、当時既に続編を作る能力がなかったと言われてしまう所以だろう。
少なくとも装備のバランスに関しては、前作の『III』の良い点を引き継いでおらず、本作の手本にした『II』の良さも再現できなかった。
*1 ファミコンやゲームボーイ時代の手法である。
*2 詳細はインタレース・モードで検索。2画面を高速切替して高解像度を表示する。
*3 ザコ敵は貫通するが、判定は小さな弾だけでワインダーも効かないので敵をなぎ払いにくい、連射できないがボスのダメージはノーマルショット一発と同じ
*4 泡に攻撃が命中した際、風船のように凹む演出があることから、徹甲弾で切り裂くようにして効果的に攻撃できるという設定を表現したものと思われる。
*5 特にシールド、フォースフィールドを装備すると目に見えて上がる。
*6 壊し続けると画面中央上下から出現されて、左端で攻撃してもハタかれてしまう。
*7 当時は家庭用・AC問わず画面解像度は320x240が主流だった。
*8 ちなみに本作に使われているHORNET基板は15KHz/24KHzに対応した表示モードを持っており、本作では24KHzモードを標準としていることから高精細な描画を実現している。なお、24KHz非対応のモニタの場合でも基板のディップスイッチで15KHz設定にすれば動作は可能だが制約が生じるため本来の画質ではない。
*9 昔のゲームは、「うまくなれば1コインでいつまでも遊べる」というのを売りにしている部分もあったが、「100円で延々粘られては商売にならない」というゲームセンター側の事情を考慮し、現在では明確にエンディングが存在したり、決まった時間の1プレイを終えたら強制的にゲームエンドとなる作品がほとんどである。
*10 beatmaniaシリーズの作品群が隆盛を迎えつつあり、本作のコンポーザーが音ゲー方面で知られる人物であったこともそれを象徴している。