【ぱる しんけんでんせつ】
ジャンル | RPG | |
対応機種 | プレイステーション | |
発売元 | 東北新社 | |
開発元 |
フィルインカフェ 東北新社 東映ビデオ 東映東京撮影所 |
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発売日 | 1997年4月25日 | |
定価 | 6,800円 | |
プレイ人数 | 1人 | |
廉価版 |
PlayStation the Best 1998年6月25日/2,800円 |
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判定 | バカゲー | |
賛否両論 | ||
ゲームバランスが不安定 | ||
ポイント |
東映特撮スタッフ揃い踏みのRPG 刺さる人にはとことん刺さるシナリオ ゲームの作りがかなり粗く、人を選ぶ PS1有数の凶悪ラスボス 売り文句のせいでガッカリゲー扱いを招いた |
英雄になった今も、うれしいと、
尻尾を振ってしまう私であった。
1997年に東映ビデオにより開発されたRPG。
作品名はパッケージとジャケット側面で表記揺れしているが、本記事はPS Storeに合わせてジャケット側面の作品名を表記する。
読み仮名のソースは説明書より。
本作はちょっと変わった現代日本を舞台に、人間の姿を手に入れた子犬パルが一人の少女を救うべく奮闘する物語である。
開発には、東映特撮のスタッフが数多く参加している。
「100時間遊べるRPG」を売り文句に発売された本作だが、様々な問題が足を引っ張り「音楽以外はクソゲー」と評する声が多く挙がっている。
反面、プレイヤーによってはゲームの粗を補うくらいにシナリオが刺さり、「ラスボスは酷いけど良ゲー」と高く評価する声もまた存在する。
PS1のRPGの中でも、特に賛否が真っ二つに分かれる一作である。
舞台は現代の日本。
連邦政府の任命により、世界は「ノストラダムス委員会」が実権を握っていた。
組織の長であるノストラダムスは、世界の存亡を担う一人の少女カオルを誘拐し、自らの手の内に呼び寄せる。
カオルの元には、彼女の愛に包まれた子犬パルがいた。
神様から力を授かったパルは人間の姿を手に入れ、少女を救うための大冒険に旅立つ。
+ | 例 |
ここまでなら「癖のある世界観さえ受け入れられれば魅力的なゲーム」で終わるのだが、問題はそれ以外。本作は肝心のシステム全般に何かと粗が多い。
+ | 軽いネタバレ注意 |
+ | ネタバレ注意 |
本作を語る上で欠かせないのがラスボスの異常な理不尽さである。
ゲームで最も苦戦したラスボスの話題で名前が挙がる事も多く、本記事の「不安定」判定の9割はこれである。
逆に言うと、ラスボス以外は概ね問題なく進めるバランスでありながら、この一体のためだけにクリアが困難になってしまっている。
+ | 対処法 |
戦略性のある戦闘や育成を重視するか、ゲームの世界に落とし込まれた奇特な世界を味わうか。本作の価値は、RPGに何を求めるかで大きく変わってくる。
ゲーム面の出来はお世辞にも良いとは言えず、序盤の不親切さと終盤の冗長さは擁護し難いものがある。脇を固めるシナリオも万人受けする内容ではなく、ラスボスの常軌を逸した理不尽さも相まって、本作を"クソゲー"と評する声は後を絶たない。(*6)
しかしシナリオが刺さるプレイヤーにとっては話が別で、埋もれさせるには勿体ないほどの魅力が隠されている。プロット、キャラクター、音楽のいずれも丁寧に作られていて、遊んで良かったと評価するプレイヤーもまた少なくはない。
雨宮氏や浦沢氏のファンであれば、知っておいて損は無い一作。
プレイする機会がある場合は躊躇せず、素直に攻略情報を頼るのがオススメである。
+ | 実際に揃えると……? |
*1 通称・浦沢投石。本作では石を投げるシーンは無いものの、石を投げようとしている一般市民が敵キャラとして登場する。
*2 元ネタは少年マガジンの『将太の寿司』。作中には美味いものを食べると思わず柏手を打ってしまう審査員がおり、勝敗のボーダーを可視化する大きな役割を担っていた。
*3 ちなみに「きゅうきょくのみ」よりも明らかに強く作られている。この世界でも山岡は雄山に勝てないらしい。
*4 しかも、このサラリーマンはラスボスより強いと評する声が多い。任意でスルー可能なのが救い。
*5 ユキトは元々中学生だが、このシーンでは大学受験の勉強をしている。
*6 実は当wikiでも本作の記事が6年にわたり「クソゲー」判定で存在していた。以前の記事はゲーム部分の問題に殆ど触れておらず、肯定派も多いシナリオ要素をクソゲーの理由にしていたため、2016年に要強化依頼を経て削除されている。
*7 例えば2019年から参加している『名探偵コナン』では担当回の度にSNSを賑わせており、普段絶対やらないようなカオス脚本を高く賞賛する視聴者と、真面目にミステリーを書かない事に憤る視聴者とで大きく評価が分かれている。