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TETRIS THE GRAND MASTER 4 -ABSOLUTE EYE-

【てとりす ざ・ぐらんどますたーふぉー あぶそりゅーと あい】

ジャンル パズル
対応機種 Windows (Steam)
発売元・開発元 アリカ
発売日 2025年4月4日
定価 3,900円
プレイ人数 1~2人
レーティング 記載なし
備考 Steam Deck対応
判定 スルメゲー
ポイント 約20年ぶりとなる『TGM』シリーズ最新作
カジュアル層や対戦テトリス層向けの新モード
ギミック攻略頼りとなった「MASTER」モード
テトリスシリーズ
テトリス ザ・グランドマスターシリーズ
TGM / TA/TAP / Ti / TGM-ACE / 4


概要

スコアではなくタイムを目指すゲームシステムと高難易度が特徴的な『テトリス ザ・グランドマスター』シリーズの第4作。
通称『TGM4』で、前作の『テトリス ザ・グランドマスター3 -テラー インスティンクト-』の正当な続編となり、おおよそ20年振りの新作となる。
前作以前のアーケードゲームとしての稼働ではなく、SteamにてWin向けのPCゲームとしてリリースされた。
本作のプロデューサーは平嶋仁氏。ディレクターは前作に引き続きアリカの副社長である三原一郎氏が担当している。

以下、『テトリス ザ・グランドマスター』を「初代」もしくは「TGM」と、『テトリス ジ・アブソリュート ザ・グランドマスター2』及び『PLUS』を「TA(P)*1」もしくは「TGM2」と、『テトリス ザ・グランドマスター3 -テラー インスティンクト-』を「Ti」もしくは「TGM3」と、『テトリス ザ・グランドマスター エース』を「ACE」と表記する。


前作からの変更点

基本的なシステムは『テトリス ザ・グランドマスター』を参照。
この項では外伝である『ACE』からの変更点ではなく、ナンバリング上の前作となる『Ti』からの変更点を基準とする。

回転法則のルール変更

  • 本作で継続採用されている回転法則ルールの名称が「クラシックルール」から「TGMルール」に*2、「ワールドルール」から「STANDARDルール」に変更。
  • TGMルールでは床蹴り・壁蹴りなどと言った制限緩和が更に強化され、前作までと比べるとかなり快適に回転しやすくなった。

ガイドラインに対応した仕様の導入

  • テトリス』の版権元であるザ・テトリス・カンパニーが定める『テトリス』のガイドラインは定期的に追加・変更が行われており、本作は最新版に合わせた仕様変更を行っている。
    • NEXTで表示されるテトリミノ(以下ミノ)が前作の3ミノから6ミノに増加。レイアウトも前作の上部から右上一直線に変更され、初めて次ミノが中央上から右上に移動した。
    • 出現位置・トップアウトの判定高度が19~20段目から21~22段目に拡張。それに伴い、今作における最高速度は「21G」ということになる(慣習的に20Gのまま呼ばれ続けるであろうが)。
    • T-Spin判定が正式に導入。「T-Spin」以外に「T-Spin Mini」「T-Spin Double」などが本作で追加された。
    • ミノの出現補正として「7BS」(7-Bag System)を採用。日本語では「7種1巡」と呼ばれるもので、ガイドライン準拠の抽選方式である。
      • この補正は主にSTANDARDルールで搭載され、TGMルールでは旧来の独自ミノ補正システムが継続採用され「IRM」(Initialize Random Mino)と名付けられている。
      • なお、本作は7BSにも初手にS・Z・Oミノが来ない、『TGM』シリーズ伝統の仕様が追加されている。

ゲームモード構成の変更

  • ゲームモード構成が大きく変更。前作の「EASY」「SAKURA」が廃止され、「MARATHON/NORMAL」「KONOHA」「ASUKA」「MASTER」「SHIRANUI」の5モードから選べる。
    • 従来シリーズの「MASTER」に該当するゲームモードは「NORMAL」に、『TAP』の「T.A.DEATH」相当が「ASUKA」に、『Ti』の「SHIRASE」相当が「MASTER」モードになっている。
    • 「NORMAL」はTGMルールでしか選択できず、STANDARDルールでは専用となる「MARATHON」モードになる。
    • 各モードの詳細については後述。

操作ボタンの増加

  • 前作では回転ボタン3つ・ホールドボタンの4ボタン構成だったが、今作ではさらに増加。回転ボタンが1つ増加し、バックステップボタン・エキストラボタンが追加された。
    • バックステップボタンは「ASUKA」モード専用の機能。説明は該当モードにて後述。
    • エキストラボタンはどのような機能かが公式サイトや説明書にも一切記載がされておらず用途不明。
      • 現時点で判明しているのは「TGMルールにおいてエキストラボタンを押しながら上下入力をするとSTANDARDルールと同様のハードドロップ・ソフトドロップとなり、次に出現するミノまでのARE(待機時間)がカットされる」のみ。
      • この挙動だけなのか、他にも何か挙動があるのかは判明していない。

段位認定システム「G.R.S.」の廃止による代替システムの実装

  • 『TGM』シリーズの特徴的なシステムであったG.R.S.が今作では大幅に姿を変えており、「AER」(Absolute Eye Rank)などの称号として実装されている。
    • AERは「NORMAL」モード限定の称号であり、「(数字) of (数字)」のシンプルな形式でゲーム終了後にのみ表示される。最低はZero of Zero、最高はTen of Ten。
      • 1個目の数字は各セクションの到達時間または各セクションごとの全消し+テトリスを一定以上決めた回数、2個目の数字は到達したレベルに対応していると推定されている。
    • 「MARATHON」「NORMAL」以外のモードではモードクリアもしくは特定レベル到達で称号獲得が可能。
      • なお、称号は金色・銀色・銅色の3種類がある。具体的にはTGMルールの達成で銅、STANDARDルールの達成で銀、両方の達成で金。言い換えれば、コンプリートのためには両方の操作方法を使いこなす必要がある。
    • 変更の理由として、「今までの様な複雑な段位システムはNGとなりました」と公表されている。
      • 前作『Ti』のMASTERモードは「段位が33段階あり、獲得するには時折発生する段位認定試験に合格しなければならない」という仕様だったものから、各プレイごとの段位認定に戻したことを指しているものと思われる。
    • 裏段位認定システムも併せて廃止。廃止理由は「今のままだと難易度が低くなってしまったから」とのこと(参照)。

家庭用向けならではの機能追加

  • 練習モード「PRACTICE」が追加。操作タイプ、ゲームモード、開始レベルを設定して練習することができる。
    • このモード向けとして「テトリスガイド」という次のミノの配置を教えてくれる機能が追加。設定に応じて「T-Spin特化」などの特殊なガイドも設定可能。
    • さらにこのモードには「教科書」が実装されており、TGMルール・STANDARDルールの回転法則を利用したミノの入れ方を学ぶことができる。
      • 基本的な回転入れの他にSTANDARDルールでは特殊な回転入れの「スーパーローテーション」に特化した回転の仕方、TGMルールでは20G時と「BIG」モードに特化した回転の仕方がそれぞれ収録されている。
    • 『TGM』シリーズ恒例の隠しオプションだった「BIG」「20G」も本モード限定オプションとして設定可能。
  • リプレイが保存・再生できるようになった。リプレイデータは他のプレイヤーとの共有ができ、かつ記録されたモードとミノで練習することも可能。
    • ただし、リプレイデータを利用した練習プレイは記録を残すことができない。
  • 収集要素の一環としてミノの見た目を変えることができる「ミノスキン」が追加。
    • 色覚多様性に配慮した配色のミノやスキン、模様やキャラクターのミノスキン、PC/AT版テトリスを意識したかのような単色ミノスキンなどバリエーションは様々。
    • 従来のファン向けに前作『Ti』のミノを再現したミノスキンや、同じく前作の「SHIRASE」モード専用のモノクロミノを再現したスキンも収録されている。

その他の変更点

  • NEXTに出現したミノに応じて個別のSEが鳴るシステムの追加要素として「ゲーム開始前に最初のミノの専用SEが鳴る」仕様*3が追加。
  • I.R.S.において同じ方向の回転ボタンを2つ同時に押すことでミノを180度先行回転させた状態で出現する仕様*4が追加。
  • 『Ti』で形骸化していたスコアが「MARATHON」モード以外の全モードで廃止。「MARATHON」モードのみ、ガイドライン準拠の仕様でスコアが採用されている。
  • おまけ的な実績要素だったメダルが「MASTER」モード専用の要素として変更。その内容なども大きく異なるものとなっている。
  • 対戦は前作の「CLEARルール」に近い、近年の対戦テトリス作品準拠であり、アイテムを使った従来の「VSモード」は廃止。
  • 『TGM』シリーズの伝統的な隠し要素の一つ「プレイ時間が15分を超えると強制的に20Gになる」仕様も、発売当初は実装されていたがVer.1.3.0にて廃止。アーケードゆえの収益事情がなくなったことが理由。

ゲームモード

6つのモードが実装されており、いずれも、「SHIRANUI」を除き既定レベルに達成するとクリアとなる。
エンドロールは一部モードを除き実装されておらず、クリアした時点でゲーム終了となる。

MARATHON

  • 近年の『テトリス』ではお馴染みとなった150ライン消去を目指すゲームモードで、STANDARDルールのみで選択可能。
    • このモードのレベルシステムは「10ライン消去ごとに1レベルが上がる」という他のテトリスと同じシステムが採用されている。
    • 加えてガイドライン準拠のスコアが存在。T-Spin、REN(連鎖)にスコアボーナスがあり、テトリスを決めるよりもT-Spinを決め続けるほうが得点効率が良い点も同じ。
    • 他のモードとは違い20GとAREが無く、BGMもロシア民謡の「コロブチカ」や「カチューシャ」のアレンジを採用していたりと、『TGM』というより「ガイドライン制のいつものテトリス」そのままといった趣のモード。

NORMAL

  • 『TA(P)』の「MASTER」に相当するゲームモードで、従来同様レベル999と高評価を目指すモード。現状はTGMルールのみで選択可能。
    • 200レベルで速度が落ち、その後5Gまで加速して3Gに戻り、500レベルで21Gになる速度変化は従来シリーズ恒例。
    • ただし前作の『Ti』とは違い、足切りタイムとスピード変化タイミングの早回しが廃止。
      • クリア後はフィールドを仕切り直してスタッフロールを背景に「見えロール」改め「Vanish」ギミック下でプレイする。
      • 『TA(P)』や『Ti』とは異なり、条件を満たしても一瞬で消えてしまう(いわゆる「シャドウスタッフロール」「消えロール」になる)ことはなくなり、旧作の通常状態と同じく数秒おいて配置ブロックが消える。
      • なお、『TA』以降のエンドロールはスタッフの順番がシャッフルされる仕様が存在したが、本作のエンドロールは順番が固定されている。

ASUKA

  • 本作の新モード。「制限時間7分以内に1300レベルを目指す」タイムアタック系のモードとなっている。
    • ミノの速度は21Gからスタートし、レベルが上がる度にAREと固定猶予時間が短くなる。
    • このモードでのみ「バックステップ」と「インフィニティ」が使用可能。どちらも使用回数に制限は無いが、その分制限時間が無くなってしまうデメリットが存在する。
      • 「バックステップ」はボタンを押している間、プレイヤーが配置したミノを戻すことができる。
      • 「インフィニティ」はミノの固定猶予時間がリセットされる回数制限がこのモードに限り無限になる。TGMモードでも使用可能。
    • 1000レベルを超えるとNORMALモードのエンディングと同じ「Vanish」が発動する。
      • ただしNORMALモードと違いレベルが上がるにつれてミノの表示時間が短くなり、最終的に前作の「消えロール」と同じく配置した時点で消えるようになる。
    • このモード独自のルールとして「100レベルごとのセクション通過までにキタキツネの『琥ノ芭』を出現させる」必要がある。
      • 琥ノ芭の出現条件は「テトリスを決める」もしくは「全消しをする」「T-Spin Tripleを達成する」の3つ。どれかを1回でも達成するとセクション通過が可能になるが、達成できない間は下2桁99レベルで足止めとなってしまう。

KONOHA

  • 本作の新モード。『TGM』シリーズにおいてはカルトな人気を誇ることでおなじみの「BIG」ミノでプレイするモード。
    • ミノの大きさが4倍になるBIGミノを使用し、制限時間内にどれだけフィールドを全消したかの回数を競う。全消しするたびに制限時間が少しずつ回復する。
    • 背景に虹色で隠されたイラストが配置されており、全消しを繰り返すことで虹色が半分ずつ解放される。これのせいで海外ではTetris the WaifuMasterなんて呼ばれてしまっていたり。
      • 虹色が全て解放された状態で再び全消しを決めることで次のイラストが表示される。解放したイラストは鑑賞モードで閲覧が可能。
    • 25回目の全消しまではガイドがあり、NEXT範囲内の全消しルートがある場合に教えてくれる。オプションで最初からオフにすることも可能。
      • ガイドが無効の際も、全消しルートが存在する場合はキタキツネが出現し、ルートを間違えると残念がるというヒント(?)がある。
    • 本モードでは唯一、EASYとHARDの2つの難易度が用意されている。
      • EASYでは「Sミノ・Zミノが一切出現しない」「ミノのスピードが上がらない」といった仕様になっており、前述のガイドもありBIGミノに慣れていないユーザーでも遊びやすい設計となっている。
      • 一方のHARDでは「すべてのミノが登場する」「ミノのスピードが200レベルで最高速の21Gになる」という仕様となっており、EASYと比べると段違いに難易度がアップする。
      • なお、EASYは110回の全消しで強制クリア扱いとなる。HARDでは110回に到達してもゲームが続くものの、その時点でモードクリアの指標となる「KONOHA-MASTER」の称号獲得が確定する。
    • このモードのみ、選択ルールにかかわらずIRM抽選方式となる。また、回転入れのしやすさの違いなどを考慮してか、TGMルールでは制限時間が長くとられている。
    • ちなみに、HARDのレベル1000以降で流れるBGMは、前作『Ti』のSAKURAモードのBGMのアレンジ。

MASTER

  • 前作の「SHIRASE」にあたるモード。最終レベルが1300から2600へと倍増。
    • さらにギミックが特殊なものに一新されており、SHIRASEとは違って独自の対応力が求められるようになっている。
    • このモードに限りメダルが獲得可能だが、前作のメダルとは違いメダルやその獲得条件が違っている。
      • メダルは「TETRiS」「Pikii」「T-Spin*5」「ALL CLEAR」の4種類。メダルの獲得に応じてライン消去時レベルが加算される。
    • 1200レベル以降は全編・全操作モード共通で存在していた「移動ごとの固定猶予リセット」が旧来TGMルールの「落下発生ごとの固定猶予リセット」へと厳格化され、操作猶予が大幅に減少する。

Pikii

  • レベル300~399、500~599で発生。それぞれのセクション間はフィールドの下半分が凍り付けになる。
    • 凍った部分はフィールドを揃えたとしても消去されず、次のセクション通過までブロックが残ったままとなる。
      • ギミック発生中に揃えたライン分だけ、Pikiiメダルが貰える。
    • Enhanceが発売した『テトリス エフェクト』のZONEに近いギミックだが、揃えたラインが最下部に蓄積されずその場に残るなど、オジャマらしく途中で置きミスするとリカバリーが極めて困難となる。
  • 700~999では「Pikii 2」として3セクション連続でPikiiが発動する。リカバリーの許されないプレッシャーと、急激に上昇する速度のなか落ち着いて積まなければならない。
+ 1000レベル以降で発生するギミック(ネタバレ注意)

Cyclone

  • 1000レベル通過で発生するギミック。他のギミックとは違い発動後は完走まで適用されたままとなる。
    • 内容は至ってシンプルでNEXTミノがランダムで回転された状態になる。本シリーズ高速域のために慣れたプレイヤーほど操作が混乱しやすく、脅威となる。
      • どの回転状態で現れるかは1つ目のNEXTミノまで一切不明で、2つ目以降のミノでは確認することができない。
      • さらにホールドを行うと出現した時点での回転状態が保持されたままホールドされる。
      • 出現時のゲームオーバー判定も回転に応じて変化。特にミノが縦向きになると致命判定は19~20段まで降りてくる。
    • なお救済としてか、レベル1000に達したタイミングで、ARE時間・固定猶予時間が一旦増加する。

Master Pikii

  • 1300レベル通過で発生。本作最難関のギミック
    • 1300レベル以降に配置されたブロックは、一定時間経過すると凍結してしまう。凍結したブロックはライン消去してもフィールドに残り続け、そのライン上部のブロックも一切降下してこない。
      • 通常では凍結ブロックを含まないラインで消した場合のみフィールドが下がってくる。
      • 「凍結したブロックを含んでテトリスを決めた」場合のみ、最下部1ラインが強制的に消去されてフィールドが押し下げられる。
    • ブロック凍結までの時間は獲得したメダル数に応じて延長される。
      • 通常プレイではまずないだろうが、ここまででメダルを1枚も集めていない場合、設置後に即凍結するという地獄になる。
+ 2600レベルを達成すると……(ネタバレ注意)

END GAME

  • 通常プレイで7分以内に2600レベルに到達すると発生する、前作におけるSHIRASEエンドロール相当のギミック。
    • テトリスBGMとして懐かしの「カリンカ」と共に65秒分までプレイが巻き戻され、その時点をほぼ再現した状況から再び2600レベルを目指す。
      • END GAMEでは65秒の制限時間が存在しており、時間内に再度2600レベルを達成できなければ完走扱いとはならない。
      • ただし、巻き戻った際に「Master Pikii」で凍っていたフィールドはすべて解凍され消去可能になる*6。一方で「Cyclone」「Master Pikii」は新たに置くミノに対して発生し続ける。
    • PRACTICEモードでプレイしている場合は発生しない。

SHIRANUI

  • 本作の新モード。ガイドライン準拠ルールでCPUと対戦するモード。
    • 対戦形式は従来同様に二本先取方式で、相手のフィールドが埋まるか制限時間終了後に到達したレベルが多い方が勝ちとなる。
    • CPUの強さであるTierが選択でき、選択できるTierは最大105段階。
      • 初期状態ではTier1のみ選択可能。選択したTierへの勝ち方によって最大5つ上のTierまでが解禁されていく。
      • Tier0及び101~104は隠しモードであり、特殊な条件を達成することで解禁される。また、0と102以上は「おまけ」の立ち位置で、Tier101に勝利すれば完全クリア称号が与えられる。
    • このモードは対戦に特化されたゲームシステムとなっており、他のモードとは挙動がやや大きく変化している。
      • STANDARD・TGMルール共にAREがなく、ミノの抽選方式も7BS固定。一部のTierを除き落下速度は一番遅い状態から始まる。
      • STANDARDルールではT-SpinやREN(連鎖)の攻撃力が高く、それらを駆使した戦い方がメインとなる。
      • 逆にTGMルールではT-Spinを使用しづらい分テトリスの火力が高く、同シリーズ基本の平積みで戦えるようになっている。
    • 対戦には2分間の時間制限があり、時間切れの場合はレベルが上回っている方の勝ちとなる*7
    • CPUのTierが高くなるにつれ『テトリス』の上位プレイヤーが得意とするT-Spin・RENテクニックを当たり前のように使ってくるため、他のモードとはまた違うベクトルの難易度となっている。

評価点

さらなる操作性の改善

  • 前作ワールドルールはミノの出現補正や操作性に多少癖が残っていたが、本作STANDARDルールはほぼ完全にガイドライン基準となり、現行の『テトリス』を遊んでいるプレイヤーにも違和感なく遊べるようになった。
  • 旧来のユーザー向けであるTGMルールも、操作性が更に改善。特にSTANDARDルールと同じ「回数制限はあるものの移動する度に設置時間がリセットされる」仕様がほぼ全編共通で適用されているため、こちらも難易度が前作までから格段に落とされている。それでも「ASUKA」と「MASTER」は実力が無いと簡単に死ぬ速さになってはいるのだが。
  • また、I.R.S.の180度回転やエキストラボタンの追加により攻略性もアップ。ミノの入れ方・速度アップによりよりタイムアタックの要素が増えている。
  • なお、発売当初は従来のアーケードレバーとの平等さを保つためか斜め入力が使用できなかったが、アップデートにより解禁されている。
    • それについても「斜め上」「斜め下」で個別にオンオフを切り替えられるようになっており、コントローラーやプレイスタイルに応じて変更可能。繊細な操作を要求する場面が多いゲームだけに、細かいところに配慮が行き届いている。

BGMの大幅増加

  • 『TA(P)』『Ti』では一部BGMをモード間で共用するという設計となっていたが、本作では全モードでそれぞれ専用のBGMが用意されており、収録曲は『Ti』の倍近くである30曲となっている。
    • 新規で描き下ろされた楽曲の他、初代『TGM』のエンディングや『Ti』の「SAKURA」モードのアレンジ、さらにACEのBGMとして新規収録されていた「カリンカ」「コロブチカ」「カチューシャ」のアレンジが本作でも採用されている。2人対戦モードBGMは『Ti』のものがそのまま続投。
      • 本作も引き続きSuper Sweepの細江慎治氏と佐宗綾子氏が担当。他の『テトリス』シリーズでは聴けない独特なサウンドは本作でも健在で、どれもクオリティが高い。
      • 特に「MASTER」や「SHIRANUI」の最終盤の曲は「ここからが本番だ」「こいつを倒してみろ」と言わんばかりの曲調でかっこいい。そこまで辿り着くのが難しいのだが
      • なおSEに関しては変えてしまうのもおかしいということで、シリーズ伝統(正確には『Ti』)の音を使い続けている*8

「SHIRANUI」モードの完成度の高さ

  • CPUと対戦するという『TGM』シリーズなりの新しい試みは良く、これまで主流として対戦テトリスを中心に触れてきた最近の多数プレイヤーから大いに喜ばれた。
    • そのCPUも、公式のテトリスゲームの中では最強といっても過言ではなく、他作品での最上位プレイヤーもオフラインで楽しめるだけの奥深さを提供している。
      • 特に最上位クラスのCPUは「迷走砲」「DPC」「中開けREN」といった主流のテンプレート(定石)を覚えている、NEXTを先読みして全消しを取りに来るなど、非常に賢く、そして素早い。対応を誤れば30秒でボコボコにされてしまうほど。
      • その強さたるや、リリース当時の対戦テトリスにおいて最強と評される「しゃけごはん」氏*9でさえも、Tier101のCPU相手にギリギリ上回る程度であったほど(セット数で24-17、参照)。こいつ相手に1ラウンドでも取れるのなら、世界トップレベルの実力であるといえるだろう。
    • 初心者お断りというわけではなく、前半TierのCPUはちゃんと弱いので安心してよい。何度もプレイしていれば上手になるし、実感もしやすい。
      • 中間TierのCPUも、「遅いながらもT-Spinをちゃんと組んでくる」「積みが速いがミスも多い」「テンプレートを一応覚えているが妥協形を知らない」など、やたらと個性が豊富で面白い。

賛否両論点

ゲーム性が大きく変わった「MASTER」モード

  • 本作の「MASTER」モードで発生する新ギミック類だが、賛否が大きく分かれている。
    • 『Ti』の「SHIRASE」のギミックはあくまで「ミノの積み込み方には抵触しない」程度のものだったのに対し、本作のギミック類は「『テトリス』としてのゲーム性や操作性を阻害する」ものとなっている。
      • 各ギミックに対する対策ができていないといくら積むのが上手くてもクリアは難しい設計となっており、これが過去作を遊んでいたプレイヤーほど不満が出ている。
      • 今作のGrandMaster称号はこのモードの完走が条件であるため、全作GMを目指すのであれば避けて通れないというのも辛いところ。
    • これは攻略性がかつての『TAP』の「T.A.DEATH」や『Ti』の「SHIRASE」のような「いかに高速かつ綺麗に積んで消せるか」よりも「いかにギミックの対策ができるか」に変わっているため、特に前者の攻略性を求めるプレイヤーは面白みよりも「ギミックが邪魔でつまらない」と感じやすい。
      • もっとも、「高速で綺麗に積めて消す」という攻略性はルールが多少違うものの、「ASUKA」モードがその役目を補っている。

Steamの実績

  • Steamの実績は全て「○○を×回達成する」といったシンプルなもの。
    • 高難易度の称号を獲得するなど、自分の腕前をアピールできるものはない。
    • 逆に言えば、それほど上手でない人であっても、やる気をもって継続的にプレイしていれば全回収可能であるということである。高難易度称号をアピールしたいならリプレイやスクリーンショットの共有で良いというスタンスでもあり、一概に問題点とはいえない。それでも1・3ライン全消し300回は相応に難易度が高いが…*10

価格とボリューム

  • 今作は3,900円という値段に対し、モードは6種類のみ。これを高いと考えるか、安いと考えるかは人次第。
    • 単にテトリスを遊びたいだけなら、4,500円で『テトリス エフェクト: コネクテッド』が購入可能。こちらはバラエティ寄りの作風であり、多くのプレイモードを備えている。本作が高いというよりは、あちらが安すぎるだけなのだが。
      • さらに同価格帯では15種類以上の歴代旧『テトリス』と歴史資料が収録されている『テトリス フォーエバー』が3,900円、『ぷよぷよ』と『テトリス』が一緒に楽しめる『ぷよぷよテトリス2』がスペシャルプライスとはいえ3,850円で提供されているため尚更比較されやすい。
    • もちろん、アーケード専用であった過去作と比べれば、一回買い切りで何度でもプレイできる今作はお得である。
    • ストイックなやりこみを求め続けるのか、それともカジュアルなプレイを求めているのか、といった『テトリス』に対しての価値観を、購入前によく考えるべきだろう。

ゲーム画面のレイアウト関連

  • NEXTミノが前作まではフィールド上部だったのに対し、今作では右上に移行したことで、プレイヤーによっては見づらく感じることがある。特に従来作からのプレイヤーがこの問題に直面する。
    • この問題に関してはトップアウトラインが増加したものによる影響である可能性が高く、もし従来の上部表示だとアウトラインに配置されたミノがNEXTと重なってしまい見えなくなってしまう。
      • このレイアウトは本作に限らず、近年のテトリス作品の全てに共通しているNEXTミノが右側に配置されている。どちらかといえば慣れの問題だろう。
      • 三原氏はこのことについて「NEXTの位置(を変更すること)は無理そう」と発言しており、ガイドラインによる影響が大きいことを示唆している。
  • フィールドが1人プレイの際でも2プレイヤー側のフィールドが配置されており、左端もしくは右端でのプレイを強いられる。
    • 本作は元々アーケードでの稼働を想定していたことありその名残かと思われるが、家庭用向けとなった本作では「1人プレイ主体のゲームである以上、(「SHIRANUI」モードと対戦モード以外では)対戦相手または乱入相手*11がいない片側のフィールドを表示したままにしているのはおかしい」という指摘もある。
      • 初代『TGM』や『ACE』では中央表示が実装されていたこともあり、本作でも中央表示の実装を望むプレイヤーは多い。
      • ただこれは『TA(P)』から、初代『TGM』も対戦プレイを不可にしている状態では常時2P表示は行われており、かつての『TGM』シリーズを遊んでるプレイヤーはそこまで違和感を抱くものではない。
      • 他作品で例を挙げると『ぷよぷよテトリス』のシングルモードのように左側に配置・右側にスコア類が表示されるなど、フィールドを中央に配置しない『テトリス』もある。NEXTミノの配置同様に慣れの問題かと思われる。
    • このフィールドのレイアウトは海外プレイヤーからの反響が大きく、Steamの『TGM4』公式コミュニティで中央表示を要望するスレッドが単独で立てられるほど。
      • 「フィールドを見るために首を向けるのが辛い」や「2P側で大きく点滅する『ボタンを押して下さい』が目に入り気が集中力が落ちる」といったネガティブな意見が該当のスレッドに寄せられている。

問題点

眩しすぎかつ画面酔いしやすい背景

  • 『TGM』シリーズの背景は全体的に暗めの配色だったのに対し今作では季節*12をテーマにした色鮮やかな背景となっているが、これが視覚的にはあまり優しくない設計となっている。
    • 全体的に明るめの配色であり眩しく見え、目が疲れやすい。その上明るさの調整もできないため、プレイヤーによっては背景が気になりすぎてゲームに集中できないといった報告もされている。
    • また背景も草木や水といった様々な背景が動いており、これらの動作パターンのほとんどが回ったり左右に揺れたりすることから、プレイヤーによっては画面酔いを起こしやすい。
      • 特に100レベルで登場する草の背景は全体で左右に大きく揺れているため非常に画面酔いしやすくなっている。
      • 画面揺れに関してはアップデートにより背景の動きを停止するオプションが追加された。
    • 誤解のないように言っておくと、ゲームの背景に適していないというだけであり、グラフィック・アニメーションの質は良い。

バグ・不具合の多さ (※アップデートで対応済み)

  • 本作はアリカが初めてリリースするPCソフトでありノウハウが少なかったこともあってか、リリース直後はPC環境依存によるバグや不具合が多発していた。あまりにも多発しすぎたために一時期Steamでの評価が「賛否両論」になっていたレベル。
  • 以下は確認された不具合、バグとなる。
    • PCのスペックによっては本作が起動しない、もしくは強制終了する。
    • ゲームパッドが2つ接続されていると3個目以降のゲームパッドとキーボードが認識できなくなる。
      • また、キーボードバインドが初期版では非対応だった。現在は実装済み。
    • 16:9でない比率の画面で起動した場合、レイアウトがずれて表示される。
    • フルスクリーンボーダーレス非対応。
    • DirectInput規格*13のゲームパッドを接続した場合、再起動もしくはアップデートの度に操作を受け付けなくなる。
      • 非対応は明言していたもののあくまでサポート外として認識はできていたが、本不具合を受けてVer.1.6.0で廃止予定となる。
  • これらは全てアップデートで対応。現在は解決済みとなる。
  • 積極的かつ迅速な対応は評価があったものの、不具合修正のために「AVX2*14非対応のCPUは起動できなくなる」といった発表当初には予定していなかった切り捨ても行われたため対応面では若干批判が発生していた。
    • ただAVX2対応のCPUはIntelだと2013年のHaswell以降(Core i 4xxx系)、AMDだと2015年のExcavator以降(Ax-9xxx系)と相当前のCPUから対応している。当初の最低環境がこのラインだったため、最低環境以下のPCを使って不具合が出るのは仕方ない部分もある*15

その他の細かな問題点

  • ランキングがやや使いづらい
    • 今作では、リプレイを保存したゲームの記録のみがランキングに登録される仕様となっている。そのため、リプレイを保存せずにランキングにだけ登録、ということはできない。
    • リプレイのファイルサイズ自体はそこまで大きくないため、容量問題などは基本起こらないのが救いか。
  • STANDARDルールでは「NORMAL」モードをプレイできない
    • 代わりと言わんばかりに「MARATHON」モードが用意されているが、この2つは全くといっていいほどゲーム性も難易度も異なる。
    • 『Ti』ではワールドルールでも「MASTER」モードをプレイできたので、ある意味劣化ともいえる。
    • この点は過去作、特に『Ti』のワールドルールを遊んでいた人ほど否定的な意見が大きく、両モードを両ルールで遊べる要望は絶えない。
      • というのもSTANDARDルールにおいて「従来のTGMシリーズのレベルシステム」で遊ぶには難易度が極端に高い「ASUKA」「MASTER」モードしか無く、『Ti』の「MASTER」モードのような程よい難易度が無いためである。
  • 「SHIRANUI」モードはやや運に左右されやすい
    • CPUと対戦する都合上、敵の調子次第で難易度が大きくぶれる。
    • 特に最高評価コンプリートを目指す場合、時間切れなどによる判定勝ちなしの2本ストレートかつトップアウトのみで勝ち越す必要があるため、影響を受けやすい。敵がとんでもない耐え方をしてくると、どれだけ頑張っても時間内に倒しきれないこともある。
  • オンラインでの対戦には非対応
    • これについてはライセンス契約の都合だったらしいが、やはり物足りなさがあるだろう。特に今作には「SHIRANUI」モードがあり、対戦テトリスがメインのプレイヤーからも好評であったため、なおさらである。
    • 知り合いとであれば、「Steam Remote Play Together」などを使用することで、疑似的にオンライン対戦することは可能。2P側が一方的に回線ラグの影響を受けるという問題はあるが。
  • 多すぎるノーヒント要素
    • 前述したエキストラボタンの存在も含め、「ASUKA」モードのセクション通過条件や「MASTER」モードの足切りタイム、さらに「PRACTICE」モードの教科書で学べる回転入れの方法の解法がデフォルトではオフ*16などといったゲームの進行に関わる部分がゲーム内や公式サイト、さらに公式が提供する説明書にも一切記載されていない。
    • もっとも「肝心な部分の説明をしない」のは『TGM』シリーズ恒例なので、「いつものこと」と言われたらそれまでなのだが。
      • これでも『TA(P)』『Ti』と比べれば、公開されている情報は多い方である*17

総評

『TGM』特有の人を選ぶストイックさはそのままではあるもののカジュアル層や対戦テトリスメインのプレイヤーも取り入れるゲームモードも導入しており、前作よりも幅広いプレイヤー層が楽しめるようになった。
その一方で難易度がより凶悪化し、本作のGMを取得したプレイヤーでさえ数百時間かかってることから、長期のプレイを余儀なくされるのは相変わらずとも言えるだろう。

ゲームセンターの閉店による店舗減少で『TGM』シリーズの稼働を見かけることがなくなり、長年家庭用ではお目にかかれなかったこともあってか『TGM』というシリーズは「高速で難しいテトリス」として「動画だけは観たことがある」か「話でしか聞いたことがない」というファンも多くなった。
本作はそんなファン、特に普段遊んでいる『テトリス』が簡単だと感じているプレイヤーほど手に取っていただきたいと言える作品である。
万人向けではない難易度ではあるものの、『テトリス』としての完成度は高い。本作はいわゆる「刺さる人には刺さる」作品であろう。


余談

  • 本作は2009年に『テトリス ザ・グランドマスター4 ザ・マスターズ・オブ・ラウンド』としてプロトタイプ版が制作された。
    • 当初はアーケードでの稼働を予定しておりロケーションテストも行われたが、2010年に三原氏のブログで「『TGM4』はリリースできません」と発表し稼働されることはなかった。
      • 恐らく最古と思われる本バージョンのプレイ動画がYouTubeに今もなお残っており、この時点で本作のグラフィックやゲームモードが概ね固まっていた模様。
      • また、ニコニコ動画のアリカ公式アカウントにも動画が残っており、「ROUNDS」というゲームモードを遊んでいる様子がある。Pikiiギミックも既に搭載されており、どうやらこれが本作の「MASTER」モードの原型となっているようだ。
      • ネタバレに繋がるため詳細は省略するが、この「ROUNDS」という単語は意外な形で本作でも表示される。
    • 6年後の2015年、『TGM2015(仮)』という新たなプロトタイプ版が日本と海外のゲームセンターでロケテストが行われた。
      • 当時の販売会社であるアークシステムワークス株式会社と協議を行った結果、「販売計画を白紙にしたい」という申し出があり稼働は見送り。本バージョンも稼働されることはなかった。
    • そのまま進展が途絶えたと思われていたシリーズだが、2022年に初代、2023年に『TAP』の『アーケードアーカイブス』配信が決定。三原氏の「アケアカ版の売り上げで今後の進展が決まる」といった旨の発言もあり、「『TGM4』フラグか…?」という期待がにわかに高まっていった。
    • そして迎えた2024年、『テトリス』の40周年記念として『Minecraft』の『テトリス』のDLCや『テトリス フォーエバー』の発表、NES版『テトリス』が『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』で配信されるなどの発表が続く中、2024年9月にアリカが「新作ゲームについてのライセンス契約を締結した」という旨を発表。
      • その後、2024年12月3日に本作の発売がタイトルと共に正式発表され、Switch2のDirect放送の影響*18もあったが2025年4月4日に無事発売された。
    • 上記の経緯から本作は「『TGM』の続編が発表され、姿・形を変えながらも正式に発売されるまでおおよそ15年近くかかった難産作」となり、発表から発売を待ちわびていたプレイヤーにとってはある意味感慨深い作品となった。
  • 本作はSteamゲーということもあり、日本国外でも正式リリースされている。これまで『TGM』シリーズの国外での正規プレイ方法はアーケードアーカイブスのみであったため、海外プレイヤーから非常に喜ばれた。
    • それに伴ってか、公式サイトやSteamストアページ等、多くの場面においてタイトルは英語で表記されており、日本語表記である箇所はほとんどない*19。本記事のタイトルについても、そちらに合わせ英語表記にしている。
  • PVが公開された当初、平嶋Pのプレイがあまりにも上手すぎたため、Pは何者なんだという突っ込みが相次いだ。
    • 後のインタビュー記事で『Ti』にてクラシック・ワールドルール両方で世界初のGM認定者」となったJin8_氏ということが発覚したことで各々納得した模様。
    • ちなみに、「MARATHON」「MASTER」モードのプレイ映像についても異常なまでに上手であったため、こちらも衝撃を与えた。PVには「TGM3 mクラス」としか書かれていなかったが、後に三原氏によってCPU操作であったことが明らかにされている*20
  • 「SHIRANUI」モードについて
    • 難易度調整には、対戦テトリスの上位プレイヤーである「あめみやたいよう」氏及び「ともくん」氏が関わっている。
      • 三原氏曰く、彼らのプレイを参考に、人間が一応クリア可能なように調整を行ったとのこと。氏は過去のゲームで「トッププレイヤーがクリアできないように調整した」という前科経験があるが、それと比べると大きな変化がみられる。
    • 勝敗に関わらず50回プレイすると「Tier0」という隠し要素が出現するが、これが一体何なのかは明かされていない。
      • 三原氏は「大事に育ててあげてください」とSNSで投稿している。今作のセーブデータフォルダにはshiranui_learned.datというファイルがあり、このTierは過去のプレイを学習・模倣した特殊レベルであると考えられるが、真偽は不明。
  • 本作の「MASTER」モード初の完走者は2025年5月20日にSTANDARDルールで達成された。
    • しかしこの完走方法がインフィニティの仕様を利用した正攻法には見えない方法*21で達成したものだったことから、主に海外ユーザーから「この行為はバグもしくは不正ではないか」という報告が開発へ相次いだ。
      • これを受けた三原氏はXで「完走者の攻略法を支持する」と表明し、さらに「ここ(2600レベル到達)まで来ること自体がGM級」であるとポストし、否定的な意見を一蹴した。
      • 後日追加された緊急インタビューで「今回の行為は想定済み」であると踏まえた上で「システムが許容してるので問題はない」と発言している。
    • その後2025年5月31日にTGMルールの完走者、2025年6月2日に正攻法でのSTANDARDルールの完走者がそれぞれ現れた。
      • しかし、両方を達成して金のMASTER完走称号を獲得した人は2025年の現時点で現れていない。もっとも、ただでさえ難しいチャレンジを両方のルールで達成できる人がいるのなら、それはそれで恐ろしいのだが。
  • 「MARATHON」モードは当初、『ACE』で使用していた「カチューシャ」のBGMのみ流れていたのだが、実はこれがテトリスカンパニーが定めるガイドライン違反であることがVer.1.4.0リリース時点で判明(参照)。
    • 判明後、新規に「コロブチカ」のBGMを発注。その間の暫定処置としてVer.1.4.1をリリース。
      • 当時のポストによれば前半のセクションでは『ACE』に収録されていた「コロブチカ」を流すことになったのだが、これがハードコアテクノ満載のアレンジ曲の流用であり「BGMだけ最初からクライマックス」「後半に流れる曲の方が落ち着いている」というシュールな光景となっていた。
    • その後リリースされたVer.1.4.2では新規に制作された「コロブチカ」と従来の「カチューシャ」に加え、前述のハードコアテクノアレンジの「コロブチカ」の3曲構成となっている。
  • 2025年7月4日に本作のサウンドトラックが先行発売*22された。本作で新規に制作、かつ『ACE』初登場の3曲全てが収録されている。
    • 『ACE』の楽曲は『Ti』からの流用を除き過去に発行された『TGM』シリーズのサントラに未収録であり、『ACE』発売の2005年からおよそ20年越しの収録となる。
    • サウンドトラックで曲名が判明するのだが、「KONOHA」のEASYで流れる曲名が「KONOHA URA」という裏面を想定させるもので、逆にHARDで流れる2曲が「KONOHA LV1」「KONOHA LV2」となっている。
      • 「KONOHA」モードのデフォルトはEASYに設定されているので、元々はHARDをデフォルトにする想定だったとも考察できる。もしそうなら「KONOHA」モードは初期構想だと割と難しい設定だったとも取れるが。
    • サウンドトラックの中には「KONOHA LV1 ORIGINAL VERSION」という愛沢めみ氏歌唱によるボーカルバージョンがボーナストラックとして収録されている。
      • 曲中にコマンドを叫ぶセリフが含まれており、『TGM』シリーズでは隠しコマンドが搭載されていた過去*23から「本作に関連するものではないか?」と予想されていたが、有志の調査により全く別の作品の隠しコマンドであることが判明した。
最終更新:2025年07月30日 09:11

*1 『テトリス ジ・アブソリュート ザ・グランドマスター2』とアップデート版である『テトリス ジ・アブソリュート ザ・グランドマスター2 PLUS』を統合した表記。本来の略称はそれぞれ「TA」「TAP」である。

*2 「クラシックルール」という名称がNESテトリスのような、『TGM』よりさらに古いテトリスの仕様を指すようになってきたための名称変更。

*3 『Ti』までは最初のミノの音は鳴っていなかった。

*4 厳密には『ACE』にもあった。ナンバリングタイトルでは今作が初。

*5 DoubleまたはTripleのみ。

*6 一見すると救済のようだが、別の見方をすると「前回と全く同じルートを使えない」ともとれる。

*7 目標レベルであるレベル999に達することでも勝利となるが、通常プレイでは達成不可能であり、実質ないようなもの。

*8 ただし、初代と『TA(P)』で段位昇段音として使われていたモードクリア時及びKONOHAモードの全消し効果音と、MARATHON・NORMALモードのカンスト効果音は、初代と同じ半音上がっているものが使用されている。

*9 『テトリス エフェクト:コネクテッド』及び『ぷよぷよテトリス2』の公式大会で優勝している。過去には「だいちゃん」「あかしろぼう」等の別名義でプレイしていた。

*10 KONOHAモードにおける全消しはBIGモードということもあり、ライン消去も2倍の扱いとなるため、2・4ライン全消しの回数実績は達成しやすい。

*11 一応、2P側でボタンを押せば乱入することはできる。

*12 レベルが上がるごとに4月 → 5月 → 6月 →…と変化していく。

*13 Windows環境でゲームコントローラーなどの入力機器を扱う規格名。360が登場して以降はXinputという入力規格が採用されている。

*14 IntelやAMDのCPUに搭載されている拡張命令セットの名前。

*15 参考としてWindows 11の動作環境を挙げると、2017年のCoffee Lake(Core i 8xxx系)以降、および2019年のZen 2(Ryzen 3xxx)以降と、さらに厳しいものになっている。Windows 10のサポートも2025年10月で終了するため、わざわざ今作が古いCPUをサポートする意味もないだろう。

*16 オプションで「ゲーム中の入力表示」をONにした後、問題選択画面のままにしておくとCPUが自動操作を行い、その際にタイム横に表示される入力ウィンドウで実質的な解法を見ることができる。

*17 三原氏は自分の寿命が気になってきたこと、および隠していても解析されてしまうことなどを理由として挙げている。

*18 当初の発売日は2025年4月2日の予定だったが、この日はSwitch2のダイレクトの放送日でもあったため情報の混雑を避けるために発売日の再調整が行われた。

*19 公式サウンドトラックPVなどが該当

*20 映像をよく見ると、横移動が若干不自然であったため、そこからCPU(=連打で操作している)と勘付いた人もいた模様。

*21 「スーパーローテーション」という回転補正を行うと接地時間がリセットされ、繰り返す事で無限回転を行える仕様がある。これを利用して2600レベル達成以降の演出を実質スキップするという方法。

*22 通常発売は2025年7月11日。

*23 タイトルまたはモード選択で指定のコマンドを入力をすると隠しモードが出せるというもの。「20G」モードと「BIG」モードが主にその例。