ダライアス外伝

【だらいあすがいでん】

ジャンル シューティング
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※セガ・サターン版

※PS版
対応機種 アーケード(F3システム)
開発・販売元 タイトー
稼働開始日 1994年9月19日
判定 良作
ポイント 一画面化して迫力も凝縮
圧倒的なグラフィック・BGM・演出
横シュー最高峰の呼び声も高い
外部連射装置が半ば必須のゲームバランス
シャコが鬼門
最大の敵は赤勲章
ダライアスシリーズ


概要

繋ぎ目の無い多画面筐体、練り込まれたグラフィック・サウンド・演出が特徴だった『ダライアス』シリーズの3作目(家庭用作品を含まず)。
1作目の後、惑星ヴァディスへと移住した人々の帰郷のため、ベルサー司令部と化した惑星ダライアスへの急襲を試みるというストーリー。

シリーズの本流タイトルでありながら、『ダライアスII』までとは異なり汎用筐体の一画面のみで展開されるゲームになった。タイトルがIIIではなく「外伝」なのはそれも要因であると思われる。
オーソドックスな作りながらも高い完成度を誇り、未だ横STGにおける最高峰の一つとして語り継がれる作品となった。

ストーリー

この物語は「ダライアス」のW-ZONEエンディング*1以後の物語である。

ダライアス星での戦いの後、死の星と化したダライアス星を脱出し、他の惑星へと移住した人々がいた。
時は過ぎ、移住した人々は、再び故郷ダライアス星へ帰る決心をした。
その準備が着々と進む中、中継ポイントのステーションや、海上のプラントが、何者かによって次々に破壊されていった。
ダライアス星から引き上げる輸送船団の後を追って、その破壊者はついに移民星ヴァディスにまでその魔の手を広げはじめた。
立ち向かうシルバーホーク隊も無惨にも倒されて行った。
そして、人々の望みを賭け、最後の2機となったシルバーホークが戦いに向かっていく。
(SS版説明書より)


特徴・評価点

ブラックホールボンバーの追加

  • メイン武装は『初代』と同じ形式。対応色の勲章を取ることで強化されていく。
    • 『通常ショット』(赤):前方に撃つショットで連射可能。強化回数により同時発射数が増えていくほか、一定段階で「ミサイル」→「レーザー(敵を貫通)」→「ウェーブ(敵と地形を貫通)」に変化していく。
    • 『ボム』(緑):斜め方向に投下される対地ミサイルで、こちらも連射可能。「ツイン(自機の前方上下の2way)」→「マルチ(自機の前方&後方上下の4way)」→ホーミング「(マルチボム+前方の2wayに敵追尾機能が追加)」に変化していく。
    • 『アーム』(青):敵弾を防ぐバリア。「ノーマル(最大で敵弾3発分)」→「スーパー(同4発分)」→「ハイパー(敵弾5発分&地形接触時の一撃死回避)」と強化されていく。
      • なお、今作と『Gダライアス』ではアームの枚数に上限が設けられており、『II』までや『ダライアスバースト』以降のように重ね取りで際限なく耐久が増えていくことはない。
      • 従来作では『通常ショット』と『ボム』はそれぞれ発射用のボタンが独立していたが、本作から1つのボタンで同時発射される方式になった。
  • さらに今回は回数ストック制の「ブラックホールボンバー」が追加。2ボタン目を押すことで発動する。
    これは縦スクロールSTGでは当たり前のように搭載されている「ボンバー(ボム)」に相当する物で、横スクロールSTGにおいて、弾幕STGの登場以前に全画面ボンバーを採用したSTGは本作が唯一と言われている。
    • 発動とほぼ同時に地形・体当たり以外の攻撃には無敵となり、大半のザコ敵はブラックホールに吸い込みまとめて消滅させる。
      • 「雑魚の大群を消し飛ばす」「耐久力のある敵に対しても持続ダメージを与える」「無敵中に弱点に張り付いて連射することで更に大ダメージを狙う」「ミス直前の時や難所での決め撃ちに用いる」など、攻防一体の運用が可能。
        これにより過去作よりはアドリブでも難所を切り抜けやすくなっている。
    • 後のダライアスシリーズにも強力なサブウェポンは存在するが、戦略的な要素を含み弾避けを大きく軽減させられる役割を持ち始めたのは本作が先駆けとなった。
    • なお、ダライアスシリーズでは「ボム」が先述の通り斜めへの対地ミサイルを指しているため、「ボム」と「ボンバー」という用語が使い分けられている。

キャプチャーシステム

  • 本作の大半の中ボスには「コントロールボール」という丸い玉がついている。
    • そこにダメージを与え続けると外れ、それをアイテムとして取得することにより中ボスを一時的に鹵獲できる。鹵獲した中ボスはしばらくの間援護してくれるようになる。
    • ボールを外すと中ボスの行動が一時的に停止するものの、中ボス本体には接触判定が残っているので、ボールを取ろうとしてうっかり中ボス本体へ接触してしまわないようには注意が必要。
  • ボールは中ボス本体よりも小さく、何も考えずにショットを打ち込むと先に中ボスが破壊されてしまうため捕獲は難しいが、中ボスの援護はなかなかに強力。
    • ノーコンティニュークリア達成時にはキャプチャー達成回数に応じてボーナス得点を獲得できるため、スコアアタックでは無視できない要素となる。
  • キャプチャー後の援護攻撃はショットボタンと連動するが、一部中ボスには特殊攻撃(格ゲーのような特殊コマンド入力で発動)も用意されている。

多彩なステージ構成

  • ダライアスの伝統である樹形図型のステージセレクトは健在。7ステージ全28ゾーンなのはこれまでと同じで、『II』同様ゾーンVとV'、ZとZ'もそれぞれ固有のステージとなっている。
  • そしてボスは19種類と大幅にボリュームアップ。ボス達の攻撃方法が実に多種多様であり、インパクトや独創性を盛り込むことに成功している。
    • Aゾーンのボスであるゴールデンオーガ(オニキンメ)は外観を3Dモデルから描き起こすという方式を採っており、ボス戦中やスタッフロールで画面内を滑らかに泳ぐ姿を見せる。出現時や撃破時の演出もインパクト大で、宣伝用のイラストにも登場する*2等、本作の顔とも言える存在となっている。
    • キングフォスル(シーラカンス)、エレクトリックファン(イソギンチャク)、ファッティグラトン(ピラニア)、そしてグレートシングmk2(マッコウクジラ)など、『初代』に出たボス達もパワーアップして帰ってきた。これらの復活ボスでは、『初代』と同じく戦闘開始前に「攻撃を当てると分裂する浮遊機雷」が出現するという、ファンならニヤリとする演出も。
    • ZONE Mは、一面丸ごと費やして超巨大ボスのタイタニックランス(ベレムナイト)と戦う「ダライアス版戦艦ステージ」となっている。初見殺しの塊だが、稼ぎポイントも多い。
    • デッドリークレセント(カガミダイ)、クラスティハンマー(シャコ)など複数のステージで登場するボスも単なるカラーリング違いではなく、ゾーン毎に攻撃パターンが変動する。
    • また、ボスのみならず、雑魚やゾーン内のギミックも「アーム無しで接触してもミスにならないが、アームのある状態で触れ続けていると残耐久力に関係無くアームを丸ごと奪ってしまう」「ウェーブすら遮ってしまうがアームの有無に関わらず接触してもダメージを受けない」など特徴的なものが増えている。
  • もちろんマルチエンディングも健在。VとV'、ZとZ'も全く違う結末を迎え、7種類のエンディングが用意されている。
    • わかりやすいバッドエンド、グッドエンドからタイトーお約束の惑星破壊エンド、前々作にあったゲームオチ等は備え、哲学的なものや亜人キャラが出る和やかなものまで選り取りみどり。
+ 7体のラスボス巨大戦艦の紹介。※ネタバレ有り
  • ZONE Z':グレートシング
    • 一番上のルートに鎮座するお馴染みのマッコウクジラ。ゲーム中では表記されないが設定上は「GREAT THING Mk-II」という正式名称が付けられている。
      • 攻撃パターンの多彩さはシリーズ屈指であり、お馴染みのイルカ子機やドリルミサイルはもちろん、追尾レーザーや電撃、大量の追尾ミサイルなどなど多数の行動パターンが用意されている。尻尾から乱射されるホーミングレーザーに苦しめられたプレイヤーは多いだろう。
      • 耐久力もえげつないほどの高さであり、赤勲章避けに失敗して白玉なしの状態(後述)で戦うハメになるとヤズカ(永久パターン防止キャラ)出現すら十分にありえる程の長期戦を強いられる。
    • 道中のルートも明らかに他ルートと比較すると飛び抜けた難易度となっており、特にクラスティハンマー(シャコ)を回避できないのが壁となって立ちはだかる。
      • 6番目のステージでは、ルートによってシャコかデッドリークレセントのいずれかと戦うことになるが、シャコはどのルートでも格段に強い。
    • エンディングでは今回の戦いの真相が明らかに。本作のテーマとの関係性が最も強いものとなっている。
  • ZONE V:リスクストレージ
    • モチーフはフウセンウナギ。海底に沈む戦艦から姿を現す。
      • 長い尻尾から乱射するレーザーと、巨大な顎を大開きにし体内から吐き出す数々の武装が特徴。
        ホーミングする流体金属弾などの攻撃もあるが、全体的に攻撃が緩いため今回の初心者向けとされる。
      • 一方で、破壊可能な部位や弾などが多く、スコア稼ぎに挑むと熱戦を繰り広げることとなる奥の深いボスでもある。尻尾は耐久力こそ高いがなんと90万点も得ることが可能。
    • 開発陣もこの難易度を考慮に入れていたのか、本ルートのエンディングは悲しい内容のバッドエンド。ただし、シルバーホークの戦いとしては目的を(恐らく)達しており、バッドエンドの中では最も救いのあるEDである。
  • ZONE W:ヴァーミリオンコロナタス
    • モチーフはタツノオトシゴ。初代『ダライアス』の「グリーンコロナタス」の流れを汲む復活ボスとして扱われている。本作では名前通り赤を基調としたカラーリング。
      • 長い尻尾を用いてオトシゴ自身やシルバーホークの攻撃を反射するという、一風変わった特徴を持つ。反射された自機ショットは低速で画面外に飛んでいくが、この反射ショットが出ている間は連射が効かなくなるため非常に危険。仕様上、反射されない白玉が有利となるため特に赤勲章避けの重要性が高いボスとなっている。
      • 攻撃は全体的に激しい反面、安地も多い。頭部破壊後の発狂パターンの中には「全身の砲台を展開し凄まじい弾幕を放ってくるが、実はボスの頭部の目の前に安地あり」なども……。
    • Wゾーンエンディングは恒例のメタネタエンディング。最初から参加していないプレイヤーが何故か倒れているが気にしてはいけない。
      • ちなみにプレイヤー数や各プレイヤーの生存の成否等によって内容が変化する唯一のエンディングである。
  • ZONE X:ヒステリックエンプレス
    • モチーフはタカアシガニ。モチーフどおり長い脚が目立つが、当たり判定は胴体とハサミのみ。ゴールデンオーガ・ストームコーザー同様3D取り込みのグラフィックとなっている。
      • 屈折レーザー+ホーミングレーザーのラッシュやジャンプからの踏みつけなど、とにかく初見殺し満載。いずれの攻撃もパターンの把握が出来ていないと回避困難なものばかりで、今作屈指の「覚えゲー」ボス。
      • 最終段階の泡弾乱射+ホーミングレーザーラッシュはランク次第では回避不可能に近いと恐れられており、これを撃たせないことを重視したパターンの構築が推奨される。
    • エンディングは「戦いはまだ終わっていない」エンド。最後の演出が中々不気味。
    • 余談だが、Xゾーン道中では前作『ダライアスII』のボスである「グランドオクトパス」が登場している。ほぼ雑魚扱いだが…。
  • ZONE Y:オーディアストライデント
    • モチーフはマンボウ。虹がかかる美しい丘から浮かび上がる演出は一見の価値あり。
      • 突然体当たりしてきたり、逆に後部から極太のジェットをぶっ放してきたりと初見殺しが多いが、「発狂さえさせなければ」リスクストレージと並び攻撃は緩め。ウナギと並び初心者向けとしてよく名前が上がるボスである。
      • 破壊パーツも非常に多く、稼ぎのメッカであるMゾーンを経由して来られるためスコア稼ぎ目的でも人気があるボスである。
      • 但し、先に「発狂さえ~」と強調したが、特定パーツを破壊した後に突入する発狂パターンはシャコもかくやという凶悪さ。マンボウの持つか弱いイメージなどぶち壊しにするえげつなさを誇る。
    • エンディングでは「森の先住民(スター・ウォーズのチューバッカを可愛くしたような獣人キャラ)に表彰される」という、ダライアスシリーズのEDの中でも異様に和やかなもの。
      ちなみにゲーム内で本作の自機のパイロットの顔立ちがはっきりと確認できるのはこのEDのみ。*3やたら濃かったリアルタッチのこれまでとは一転、一気に美形化した。
  • ZONE Z:キュリアスシャンデリア
    • モチーフはエビクラゲ。デカい目玉がトレードマーク。
      • とにかく自機狙いの攻撃が多く、脚を止めると一瞬で被弾する攻撃ばかり。自機を追尾するターゲットサイトを展開してのショット乱射、触手を一斉にぶつけてくる攻撃などなど…。
      • クラゲらしく大量の触手を備えており、その全てが破壊可能。第2段階では攻撃の手を緩めることにもなるため積極的に破壊を狙いたい。
      • 触手には貫通攻撃が有効なので、本作としては珍しくフルパワーでの攻略も十分にアリ。一方、一定体力になると形態移行のため一時的にダメージが通らなくなる仕様があり、白玉付きでも有利になりにくい。
    • エンディングはタイトー名物の惑星爆破エンド。遂に惑星ダライアスも爆破の被害に…。ストーリーを考えると救いのなさは本作随一かもしれない。
  • ZONE V':ストームコーザー
    • モチーフはAゾーンボスのゴールデンオーガと同じくオニキンメ。大破したゴールデンオーガが回収され、対シルバーホーク用に魔改造を受けた代物ということで、外観はゴールデンオーガの色違い。序盤ボスの別バージョンが同じ作品内でラスボスを勤めるのはシリーズでも珍しい。
      嵐の渦の中心での戦いとなり、道中からの背景演出は必見。天空の城ラピュタにそっくり、は禁句。
      • だがその実態は本作屈指のカリスマボス。ありとあらゆる武装で弾幕を張りシルバーホークを沈めんとする。画面横どころか画面奥に移動しての弾幕連射までをも多用し、一部では「銀河一側面に強い魚介類」などというあだ名まで付けられている。一応魚介類じゃなくて巨大戦艦なんですが
      • 弾幕だけでなくギミックによる攻撃も多く、風圧でふっ飛ばして尻尾アンカーで破壊しようとしてきたり、弾幕を正面で避けさせてから体当たりで潰しにかかったりと、攻撃における手段の選ばなさ加減はSTG界でも屈指である。
      • 弱点は耐久力が低いこと。よって赤ウェーブ+白玉を維持してブラックホールボンバーを持ち込めれば序盤の攻撃が緩い間に瞬殺することも現実的に可能。道中ルートの難易度もかなり低めなため、パターンさえ確立できればかなり安定したクリアが望めるボスでもあったりする。
      • 後述するが、白玉3発形態を維持すると…。
    • エンディングは無事に惑星ダライアスへの帰還計画が完了するという、本作では最もオーソドックスな内容。同じ帰還エンドでも哲学的な上ルート(ZONE Z')とはある意味対照的。

シリーズ方向性の修正及び確立・問題点の改善

当シリーズは『II』の時点でも『初代』から大幅に異なる作風となり、早くもシリーズの方向性が迷走。本作直前に家庭機で出た作品『フォース』に至っては別ゲームのように作風が変質していた。
本作はそういった流れを一度断ち切り、『初代』に近い作風に方向性を修正することに成功。以降の作品も『外伝』ないし『初代』を踏襲した作風となり、なおかつ、いくつかの「お約束」が確立することとなった*4

  • 前述の『初代』ボスの内、シーラカンスの「フォスル」シリーズとマッコウクジラのグレートシングは必ず登場するようになった。特に、後者は複数のラスボスの中でも最強クラスの存在となることが定番化。そういった存在であることが、最後の文字のゾーンに配置されていることやエピローグの展開から分かるようになっている。
  • ボスは全て、『初代』と同じく何らかの水棲生物をモチーフにするようになった。複数のモチーフを持つボス*5はいても、水棲生物の要素が全くないボスは本作以降登場していない。
  • 自機のショットにミサイル、レーザー、ウェーブが用いられるようになった。ただし、本作は完全に『初代』と同じではなく、それらのショットを組み合わせた独特のパワーアップとなっている。
    • 『初代』では扱いづらかったレーザーが、強化すると同時発射数が増えるようになったこと、1画面になったことで弾切れが起こりにくくなったことから、「ミサイルとウェーブの繋ぎ」という役目をきちんと果たすようになった。
  • 上記以外にも様々な修正、調整が加えられている。
    • アイテムの獲得方法は「特定の敵編隊を全滅させる」のではなく、「アイテムと同色の敵を撃破」に戻され、再び何のアイテムが出るのかが分かりやすくなった。
    • シリーズの長所であった迫力ある演出やコンセプチュアルなBGMはより洗練されたものとなった(後述)。
      • BGMに関しては過去作、続編共に異なった作風であるのだが、逆に本作を『II』の延長線上の作風にしなかったことにより、「ダライアスは作品毎に作風が異なる」というスタイルが確立されたとも言える。
    • 自機にショットとボム以外の攻撃手段が用意されるようになった。後作でも『G』のキャプチャーボールに『バースト』のバーストシステムなど、救済措置としての面がある一方で、スコア稼ぎでも重要な要素となっている。
    • 『II』に比べてミス時のパワーダウンが軽減された。 ショットはランクが一段階下へパワーダウン、アームはミスした時のランクの目盛りがリセットされる、ボムは状況に関係なくパワーダウンしないという仕様に変更された。
    • 『II』で激減していたアイテムも本作で再び数多く出現するようになり、代わりにパワーアップ段階が多くなるという『初代』に近いスタイルに。ミス時の立て直しも幾分マシにはなった。
      今作は赤アイテムの出現数はルート次第だが25個前後、青アイテムも15個前後*6と多めなので1ミス程度ではフルパワーにならなくなることは早々ない。
      • 後述の通り赤勲章避けが非常に厳しいため、赤勲章避けを軽減するためにあえて途中で自機を潰してパワーダウンするというパターンも存在する。
      • ただし、初心者には厳しい部分も残っている(後述)。

当時最高峰の演出

  • 綿密に書き込まれたドット絵は前作と比較すると全体的に明るく煌びやか。純粋な進化を感じさせる。
  • 相も変わらず高品質なBGM。
    • これまでのシリーズ(アーケード版)から引き続きOGRこと小倉久佳氏が手がけている。現在でも好きなゲーム音楽・本作を名作たらしめる所以として本作の楽曲を上げる人は多い。
    • なお、効果音は石川勝久氏が担当している。警告音やブラックホールボンバーなど、効果音も神秘的で印象に残るものが多い。
    • 本作の音楽はアンビエント(環境音楽)調の曲が多く、曲単体で聴くと「これがシューティングのBGMか?」と思うほど幻想的で静かな曲が多いが、神秘的な背景・演出も相まって違和感は殆どない。
      全曲がアンビエント系という訳ではなく、「E・E・G」「FAKE」などノリの良い曲もある。
      • 「FAKE」は小倉氏から「ジュリアナのような曲を作りたかった」とコメントされているように、ボス戦・道中共にテンションの上がる楽曲として人気が高い。ちなみにこの曲を最初に聴けるボス「フォールディングファン(扇子の意、モチーフはオウギベンテンウオ)」という名前からもジュリアナ感を感じさせられる。
  • 各BGMはステージ構成と違和感が生じないようにかなり考えられて組み合わされている。
    • この構成のためか、本作には道中曲とボス戦曲の区別がほぼ存在しない。とあるステージの道中曲が、他のステージのボスでかかるというパターンが多々ある。
    • 特筆すべきはステージ1と最終ステージにおけるBGMのシンクロ演出である。1~2ステージでは「VISIONNERZ ~幻視人~」が、最終ステージでは「SELF」という曲が流れるのだが、両曲ともBGMの盛り上がりが最高潮の時にボス戦に突入するよう、完璧にステージ構成のタイミングを合わせてある。
      そして前者は1ボス撃破後も曲を切り替えずにそのまま次のゾーンに突入するようになっていて、
      後者では、「嵐の前の静けさ」を表現するかのようにステージ序盤が無音で途中からBGMが流れ出すようになっている*7
    • なお、最終ステージではBGMだけでなく効果音にも特殊な演出が用いられており、無音地帯において基板に搭載されている音源チップの機能を活用し、一部の効果音にリバーブ(残響)がかかるようになる。
      • 『ダライアスII』の最初面および最終面でのBGM仕様を元にしたこの系統の演出ギミックは、後のシリーズ*8にも継承され続けた。
      • 本作では特にYゾーンのボス「オーディアストライデント」(マンボウ型)が出現する演出が非常に印象的で、ファンの間で人気が高い。
        やる意味はないが、この演出時に飛んでいく鳥をブラックホールボンバーに巻き込む事が出来る。

スコアアタックの強化

  • ボスの破壊可能な部位は1か所につき3万点という高得点が得られる。スコア稼ぎの際は全部位破壊が基本となる。
    ちなみに後にシリーズ恒例となる「グレートシングのドリルミサイル稼ぎ(ミサイル1つにつき3万点)」も、しっかりと『初代』から継承されている。
    • なお、ボス戦が長期化すると永久パターン防止キャラの「ヤズカ・タカーミィ」が出現して妨害をしかけてくるのはこれまで通りだが、本作から一部作品を除き、「ヤズカ・タカーミィ」出現から更に一定時間が経過するとボスが自爆するように変更された。
  • ノーコンティニュー達成時は、「残機」「ブラックホールボンバーのストック数」「中ボスのキャプチャー回数」に応じてボーナス得点が入るようになっている。

賛否両論点

多画面筐体でなくなった点

  • 従来のアーケード版『ダライアス』シリーズとは異なり、本作は多画面ではなく4:3の1画面であり、ゲーム筐体も一般的な汎用ミディタイプ筐体を用いている。
    • 汎用筐体用のゲームとなったことで設置・運営にかかる負担は大きく減り、ゲームが良作であったこともあって出回りは好調であった。
      しかし、「ダライアスと言えば多画面筐体!」というこだわりを捨てきれないファンもおり、そういう人達からは「1画面になった事が最大の短所だ」と言われる。

問題点

癖のあるゲームバランス

  • 本作はノーコンティニュークリア及びスコアアタック目指す場合、外部連射装置の使用が前提となるゲームバランスである。
    • 前述のプレイをしないのであれば連コイン&ボンバーによるゴリ押しでクリアできなくもないのだが、大半のプレイヤーは「連射装置がない状態で稼働させているお店でのプレイは敬遠する」傾向にあった。それほどまでに連射装置の有無で難易度が激変するのである。
      一応外部連射装置を使用しなくてもノーコンティニュークリアは可能。
    • 『初代』『II』においては基板設定でソフト連射が設定できるようになっていたが、本作にはそれが無くなっている。そのため、当時のゲーメストの攻略記事においても「このゲームを設置するなら連射装置を付ける事は必須」などと、ライターが誌面上でゲームセンターの経営者たちに呼びかける程だった。
    • ちなみにテストモード上で確認すると3つのボタン入力に対応しているのだが、ゲーム中に3ボタン目は一切使用出来ない*9。ここにショットが割り当てられていれば手動でもピアノ連打等により多少はマシになったかもしれないのだが……。
    • 加えて、本作は全体的にランク変動が激しく、連射ボタンを使うとランクが上がりやすい*10
      • 一部のボスはノーコンティニュー時だと、ブラックホールボンバー無しでは到底避けられないような攻撃を繰り出してくるが、生存時間によるランク上昇のほうが顕著なことや*11、火力不足でボス戦が長引き被弾機会が増える方がよほど危険であることから連射装置なしが推奨されることはまずない。
    • この難易度調整は開発者曰く「後半面はコンティニューして内部ランクがだいぶ下がった状態で丁度良くなるように難易度を調整した」ため。後の『Gダライアス Ver.2』にて顕在化する「インカムとゲームバランスの商業的葛藤」が今作の段階で既に開発に影響を与えていたようである。
      • また上述の通り、最も連射が重要な本作で基板から連射設定が取り除かれるという有様になっているが、一方ショット押しっぱなしで秒間5発程度の「押しっぱなしでもプレイできなくはない」程度の連射が設定されており、またこれを押しっぱなしにする分には、最初の1回分以外ランクの上昇が無いというバランス調整が行われた形跡は存在する。
        このことから連射周りの難易度調整も開発者の想定に入っていたと思われるが、連射ありでのランク上昇よりボス短時間化による難易度低下のメリットが遥かに大きいために結局連射装置ありでのプレイが主流となり、ノーコンティニュークリアの敷居も高くはない作品として知られるようになった。
    • なお、今現在でも稼働している本作には、必ずと言っていいほど連射装置が取り付けられており、この事が問題視されることは殆どない*12
      しかし、稼働当時は本作の評価へ影響を与えていた事も窺える(余談参照)為、問題点として記述しておく。
  • フルパワーが対ボスで最強ではないと言う厄介な通常ショット仕様も悪い意味で有名。赤アイテムはパワーアップの段階により貫通しないミサイル弾で連射が効く段階と、貫通するレーザー/ウェーブ弾しかない段階が点在しているが、後者の段階でボスに遭遇してしまうと高い耐久力を削りきるのに相当難儀する。
    • 特に通常ショットの最終段階(赤大ウェーブ&緑小ウェーブ×2)は、連射が効かないうえにボス敵が備えるウェーブ耐性のあおりをモロに受けるため、これより一つ手前の「赤ウェーブ+白玉2つ(白ミサイル×2)」状態に留めるのが基本とされている。
      • しかし、ショットアイテム(赤勲章)は頻繁に出るうえに大きく円運動してゆっくりとスクロールしてくるため、敵の攻撃と地形も合わさって取得を避けるのが困難になっている。故に、プレイヤー間では「ダラ外最強の敵は赤勲章」というネタも広まった。
        ダライアスシリーズではたびたびアイテムが敵になると揶揄されるが、知名度が爆発的に上がったのは本作であろう*13
    • フルパワー1つ前以外にも、ウェーブの途中段階には「ウェーブ系統+白玉2つ」という形態が存在しており、楽にボスを撃破するためにはうまくこの形態を維持するよう調整が必要となる。
      • 極端な例で言えばZONE E(3面中ルート)のエレクトリックファンに緑小ウェーブ+白玉2つで挑むと発狂攻撃前に撃破できるので、難易度が格段に下がる。
    • ちなみに威力だけでいえばレーザーになる手前の状態(白玉3つ)が最強。この状態を維持できればストームコーザーを開幕で瞬殺可能なのだが、道中の難易度がウェーブ所持時と比較にならない程高くなる。
      • 実際にアーケード実機によるミサイルのみでグレートシングに到達撃破をした動画が公開され道中のボス群も短時間で撃破されている。
  • 新要素である中ボスキャプチャーだが、初心者にとっても上級者にとっても厄介なものになってしまっている。
    • 中ボスのサポート攻撃は強力であり、キャプチャーできれば道中攻略における心強い味方となるのだが、そもそも初心者にとってはキャプチャーそのものが難しい。
      • 中ボスの攻撃はいずれも激しい上に動き続けるため、キャプチャーボールを狙ってショットを当て続けること自体が初心者には困難。パターン構築が必須となる。
    • 一方、上級者の場合は中ボスの攻撃で敵を倒すとスコアが入らない仕様が問題になる。かといってキャプチャー成功回数でクリア時のスコアボーナスが入るため無視する訳にもいかず、結果的に「キャプチャーはするが敵を倒させないように誘導したりショット調整をしたり」と妙なプレイングを強要されてしまう。
      • 一部の中ボスはシンクロ30連使用時には攻撃をしなくなる。中ボスはショット押しっぱなし時に最も攻撃性能が高くなるように設定されているため。これを逆用し、シンクロ30連で中ボスの攻撃頻度を激減させてスコア稼ぎする手法も確立されている。
        ただし、この「キャプチャーした敵がショットを打たなくなるタイミング」は、奇数フレームと偶数フレームのどちらになるかがゲームスタートのタイミングで左右される。
        そのため、ゲーム内容に理解のあるゲームセンターでは場合は30連(表)と30連(裏)と、同じ30連でも2つ用意されている。
  • 幻想的なグラフィックは美術・演出面で高く評価される一方で、敵弾や敵の位置が把握しづらくなるという弊害を孕んでしまった。
    • この問題点は、ダイナミックな演出が特徴である『G』でも課題として続いていく。
  • ブラックホールボンバーという強力な特殊兵装が追加された関係からか、アームの耐久力が実質上限なしだった過去作から「最大でも5発」と大きく減った。ボンバー補充の紫アイテムも少なく、回数が限られる上に残すほどクリアボーナスになるからとボンバーを使い渋るプレイヤーが出やすく、ひいては「抱え落ち」も起こりやすいため、体感的な難易度が想定よりも高く感じられた面もある。
  • 前作の『II』よりは改善されたが、依然としてミス時のパワーダウンは無視できるものではなく、初心者には厳しい。
    • 他のシリーズ作と比べて早い段階でショットをウェーブへ成長できるからか、中盤以降の道中はことごとくウェーブが前提の展開になる。連続ミスなどで一度ショットがレーザーまで下がってしまうと悲惨。

バグ

  • AC版には無敵バグが存在する。本作はスコア稼ぎの要素が非常に充実していただけに、雑誌上でのスコア集計が無敵バグによって打ち切りになった事を悔やむプレイヤーも多かった。

総評

基本となる部分をきっちり作り込み、さらにダライアスシリーズの特長だった演出・コンセプチュアルなBGMをさらに強化した結果、不朽の名作へと変貌を遂げた作品。
この演出・BGM・ボス戦を重視したゲームデザインは、続編及び外部の作品にも多大な影響を与える事なった。
1画面になり独自性が薄れ、攻略面で部分的に粗が存在するものの、トータルバランスの良さがそれを補って余りあるほどの高評価をもたらし、ロングランを続け、今なお横シューティング最高峰として語り継がれている。


余談

  • 今作の主人公は1P側の男性「ケイス・アーディン」、2P側の女性「アンナ・シュタイナー」の二人。シリーズ恒例で男女ペアだが、今回は恋仲ではなくあくまで戦友関係である。
    • オープニングデモ及びWエンドでは後ろ姿のみだが、Yエンディングではしっかり素顔を拝むことが出来る。びっくりするほど美男&美女。
    • ただ、本シリーズにおいて明確なキャラ設定のある主人公としてはマイナー気味。そのせいか(?)後述の『コズミックコレクション』版では画面脇のガジェットに常時名前が表示されている。
  • 本作には初代ダライアス同様にエクストラバージョンの存在が確認されている。但し、「ユーザー改造による非公式版である」「ロケーションテストまでやった」「少数枚が正式にリリースされた」など様々な説がささやかれているが詳細は不明。
    タイトー直営店である秋葉原Heyで稼働した時期もある、ゲーム実況などの観覧イベント「闘会議」にてこのエキストラバージョンが使用されたこと等を考えると、最低1枚は非公式版では無いというのが現在の見解であるが、コズミックコレクションには収録されなかった。
    • ゲーム内容は1P側と2P側で異なる仕様に変更されており、1P側は通常版とほぼ全く同じ進行方式だがゾーン構成が異なる、2P側は通常版の全てのゾーンをAから順に進行していく特殊仕様になっている。
  • 本作は「外伝」であるが、後の『バースト』期に行われた設定の再構成の際にダライアス史に正式に組み込まれている。
    • 正史ではどのエンディングを辿ったのかは不明であるが、「後の作品と大きな矛盾が発生するZ*14」「そもそもメタオチのW」に関しては正史に組み込まれていないものと思われる。
    • ちなみに発売当時のZUNTATAのサントラの解説ではZ'が真エンドであることを示唆する内容があった。本作のBGMのコンセプトが「幻視」であることからも察せられる。
    • 前作はダライアス暦201年、本作はそれから1400年以上経過したダライアス暦1642年となっている。
  • ダライアスシリーズのルート分岐は「上のルートが簡単」と言われているが、今作ではそれが当てはまらない。
    • 本作の上ルートは「G(4面)の道中が難しい」「K(5面)が道中、ボス(ファッティグラトン)共に高難易度」「P(6面)ボスのクラスティハンマーが上記通り鬼門」、「D,G,Z’道中の赤勲章の配置が非常に厄介であり避けるのが非常に難しい」、そして「ラスボスがグレートシング」等…明らかに初心者向けでない、それどころか4面以降は難所が絶えずにやってくる最難関ルートである。
    • よって、3~5面のどこかで1つ下にずらしてVを目指すルート(通称フウセンウナギルート)が初心者向けと言われている。ただしこれはこれで、「H(4面)は道中こそGより簡単だが、ボス(ネオンライトイリュージョン)の弾幕が激しくブラックホールボンバーなしでの撃破が非常に難しい」等、難所は存在する。また難易度の低さを見越してか、このゾーンのエンディングはとても悲しい内容である。
    • なお、実際は「上が楽」という風評が定着したのは次作『Gダライアス』あたりであり、そもそも今作の稼働当時で実際にそのような風評が定着していたかは相当に怪しい
      『初代』*15『II』*16に関しても上が楽というバランス取りはされておらず、家庭用でもそもそも最終面が1種しかない『ダライアスツイン』、上が最難関で下が簡単という真逆のバランスの『ダライアスフォース』と言った状況であった。
      近年の作品である『ダライアスバースト』、及び同作の派生シリーズは(個人差はあるが)一番上のルートが簡単になるように明示的に設定されている。
  • 現在でこそ超高評価を得ている本作だが、当時のゲーメスト大賞・ベストシューティング賞では3位に甘んじていた。
    • 同時期にタイトーが開発した『レイフォース』が高評価を得て2位につけたのだが、それ以上に『極上パロディウス ~過去の栄光を求めて~』が同年に稼働し絶大な人気を獲得しており、レイフォースと本作を合わせても極パロの票数に届かないという状況になっていた(ちなみに本作の得票数は極パロの3分の1以下)。
    • 稼働当時は無敵バグの発覚によるスコア集計打ち切りや連射周りのゲームバランスなど、本作にまつわるネガティブな話題も少なくなかったことから、現在に繋がる高評価が定着するのには少し時間がかかったことが窺える。
    • そのかわりではないが、当時のゲーメスト別冊のゲーメストムックにて格闘ゲームばかり発行される中、シューティングゲームとして珍しくも刊行された(他に刊行されたのは『レイストーム』『極上パロディウス』位)。
  • カートリッジ式のF3システムのチラシにて初期ラインナップにダライアス外伝の紹介があったが、やはり「1画面」というのに難色を示したオペレータも多かった。
    • 基板型F3システムより良作が少ない事もあり、やはり後々に評価されている。
      • なお他のカートリッジ式F3のシューティングゲームには『逆鱗弾』、『スペースインベーダーDX』、『究極タイガーⅡ』、『あっかんべぇだあ~』がある。
  • ダライアスバースト アナザークロニクル』に今作の自機をベースにした「外伝シルバーホーク」が登場している。
    • 連射力と貫通力に優れたショットに加え、ブラックホールボムが少し弱体化しながらも積極的に使っていける仕様になった。
    • その分ショットはパワーアップの癖が強く、バーストビームを持たないことから対ボスへの総合火力は他に引けを取る、支援向けと言った趣の強い機体となっている。
  • かつてアルカディアで連載されていた4コマ漫画「WARNING!!ダライアスさん」に2Pパイロットのアンナをモチーフにした「外伝姉さん」が登場している。
    • Wエンディングをモチーフにしたのか「ゲーム好きなのにありえないくらい下手くそな残念美女」というキャラクターにされている。
    • ケイスをモチーフにしたキャラクターは残念ながら登場しない。プロコ兄さんやサムラックも登場しているのに…。
  • GROOVE COASTER』シリーズに本作から「VISIONNERZ ~幻視人~」の原曲、「FAKE」のアレンジ版が収録されている。
    • 「FAKE」アレンジ担当は各社AC音ゲーでエレクトロダンス系楽曲を得意とするMasayoshi Minoshima。そして曲別称号は曲名ではなく「GAIDEN~」となる。
  • 本作は後発の作品にも大きな影響を与えた事でも有名。
    • テクノソレイユから発売された『ガイアシード』は、本作を始めとする様々なSTGのオマージュを詰め込んでいる事で知られる。
    • 東方Project』の原作者として著名なZUN氏は、影響を受けたSTGや好きなSTGとして本作の名を度々挙げている。
      • ボス戦や演出重視のゲームデザインは本作の影響と語っており、コンセプチュアルなBGMはZUNTATAの影響があるとの事。

移植

  • SS版(タイトー/アイシステム東京、1995年)
    • 非常に長い間、家庭用移植版の中では最も出来が良いとされ、入手も比較的容易だった。
    • ステージクリア時の読み込みによる若干のBGM停止、グラデーションによるオブジェクトの陰影のカット、ゾーンBのエンシェントドーザー戦でなぎ倒される樹木のカットなど、一部細かい演出の削減やカットなどがあるが、基本的なプレイ感覚はほぼ忠実に移植されている。また、隠しコマンドを入力すると連射機能(シンクロ連射ではないが秒間30連射相当と非常に速い)が備わるので、外部の連射装置無しでも遊べるのもメリット。
      ただし一部弾幕で処理落ちが発生するようになり、ランク上昇率がAC版よりも低下しているため、一部のシーンでAC版と攻略パターンで差異が生じる。
      Eゾーンボスのエレクトリックファンの特定パーツを破壊した時に莫大なスコアが入るバグの存在も指摘されている。
      • 連射コマンド使用時にも中ボスが通常通り攻撃することから、連射コマンドでの連射はソフ連扱いとなっている模様。
    • BGMはCD-DAで収録されているためサントラとしても使用可能。また、仕様上BGMが極端に長時間流れるとループせずに最初から流れ直しになる(極端にボス戦を引き伸ばさない限り起こらない)。
    • セーブ不可。ハイスコアや連射機能は電源オフとともに消滅する。
  • PS版(ベック/ネクサスインターラクト、1996年)
    • 劣化移植という評価。常時頻繁に処理落ちがかかっており、開始直後の画面外から自機がフレームインするシーンから処理落ちする。
      • 軽減するにはレーザーやウェーブにパワーアップして負荷を軽減する他ない。怪我の功名か拡散弾や高速弾が避け易いというメリットはある。
    • ステージ4ワープゾーンで背景演出の解像度が落とされたり、ボスの爆発エフェクトのパターン絵のカットなど一部演出の簡略化。SEの音質劣化。またステージクリア時のBGMが最初のパートしかない。
    • セーブ不可。ハイスコアや設定は電源オフとともに消滅する。
    • OPの他、Z',V'ゾーンのエピローグにはCGムービーが流れる。このため、先の2ゾーンではAC版のエピローグを見ることができない。
    • 隠しコマンドで連射機能を付けられるため、ここはPS2版にはない評価点ではある。
    • SS版ではカットされた「エンシェントドーザー戦のなぎ倒される樹木の演出」が再現されている。
    • 一応まともに遊べる作品ではあるので、AC版未経験者であればそれなりに楽しめる。
  • PS2『タイトーメモリーズ上巻』収録版(タイトー/Mine Loader Software、2006年)
    • 「PS以上SS未満」という評価。
    • SS版でカットされた演出がほぼ復活、ゾーンAからゾーンB(C)に移る時のBGM停止も解消された。しかしSS版に比べ処理落ちが起きる箇所がやや目立つ(SS版で処理落ちがかかった、最初のボス出現撃破時、ゾーンK(O)道中では逆に発生しない)ほか、最終面のBGM演出の再現度が低い。初期版は操作遅延が酷い(後に出たエターナルヒッツ版は多少改善されているが遅延はやはり存在)。
    • 連射がソフトに内蔵されておらず連射設定ができない為、快適にプレイする為には連射パッドが必須になっている。
  • PC『Taito Legends 2』収録版(XPLOSIV/Empire Interactive、2006年)
    • 海外では「Taito Legends 2」として収録39作品の内の1つとして収録。AC版をそのまま収録している。エミュレーションでの移植となるが、遅延などの不具合も無く完成度は高い。
      かつては最も再現度の高い移植と評されていたが、日本国内で入手性に難があるのがネックであった。
    • PC版なのでJoyToKeyなどフリーウェアツールを使えば最高速の連射設定が容易であるという点もメリットである。
    • 他にも『ガンフロンティア』『レイフォース』『メタルブラック』『逆鱗弾』『グリッドシーカー』『インセクターX』『ルナレスキュー』『あっかんべぇだぁ~』『スペースインベーダーDX』『マジェスティックトゥエルブ』といったシューティングをAC版そのままに収録。当時のポスターも日本版のまま収録していたりするので、シューターのみならずとも興味のあるレトロゲームファンは入手しておいても損は無いだろう。
    • DRMの仕様上、Windows7以降のPCで正常に動かない場合があるとの報告がある。
  • Switch/PS4/PC(Steam)『ダライアス コズミックコレクション』収録版(タイトー/M2、2019/2020/2021年)
    • 国内向けとしては待望の完全移植 。画面外にパワーアップ段階や銀アイテムの合計スコアなどの情報が表示される機能がついている。
    • 基本的にはオリジナル版を忠実に再現しているが、ブラックホールボンバー使用時の点滅表現が控えめに修正されている*17
    • ただエミュレーションエンジンの影響か、発売当初のver.ではBHBを連射したときの挙動と、ストームコーザー出現時の演出、処理落ちの動作の違いなど、一部に不具合や移植ミスが出ていた。
      • この為、発売から間もなくアップデート版の配信予定が発表され、2019年9月5日のアップデート版リリースに伴い、上記の問題点は概ね解消された*18。また同日にDL版の配信も開始されている。
    • 連射設定も完備されており*19、オンラインランキング対応*20、リプレイ機能搭載など極めて充実した移植となっている。
      また、PS4版はトロフィー、PC版は実績に対応している。
      • 余談だが、緑勲章・青勲章・ 赤勲章 最大パワーアップ取得のトロフィー/実績がある。本記事のとおり赤勲章のトロフィーは煽りもいいところであり、取得時にはイラっとすること請負である。

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最終更新:2023年12月05日 03:04

*1 グリーンコロナタスを撃破するも、既に惑星ダライアスは死の星と化しており居住不可能な状態となっていた。プロコ・ティアットは新天地となる惑星(=本作の惑星ヴァディス)を発見し、第二の母星とするというストーリー。

*2 ただし宣伝用のイラストに登場しているものは準備稿の時の外観となっており、ゲーム中に登場するものとは外観が多少異なる

*3 一応姿だけであればWゾーンのEDでも確認はできる。

*4 初代のアレンジ移植である『R』を除く。

*5 本作ではヒラメとカレイをモチーフにしたダブルディーラー、後作の『バースト』ではリュウグウノツカイとドラゴン(サイバリオン)をモチーフにしたダークヘリオスなど。

*6 今作でのショットの最大パワーアップは15段階、ハイパーアームに必要な青アイテムは9個。

*7 というのは建前で、実際には「サビの部分に入ったタイミングでWarning→ボス戦へと移行させるためのタイミング調整」だったりする。

*8 『G』の「G-ZERO」、『バースト』の「Good-bye my earth」および「The World of Spirit」。『バーストCS』の「Freedom」。

*9 後述の移植版ではショットボタンに割り当てられているものもある。

*10 あくまでも個人による解析なので正確では無いかもしれないが、ショットボタンを「押した」瞬間にランクが加算される模様。

*11 ショットボタンを1回押した時の加算値は約2.3f分の生存時間に相当する。

*12 本作を未だ稼働させているような店舗はシンクロ連射の需要を知っている場合が多い。仮になくても、店への連射搭載要望が通るかもしれない。

*13 初代の時点で3連ミサイル止めや一部ルートでのスーパーアーム止めプレイの知名度が高く、『ツイン』でもウェイブ時のショット切り替えアイテムは罠として知られていた。

*14 タイトーのお家芸である「惑星破壊」エンドで、ベルサーとの死闘の末に惑星ダライアスが爆発してしまう。正史上は『バースト』の時代でも惑星ダライアスは健在。

*15 ラスボスがグレートシングだが本作ではクリア目的では比較的楽な方とされる。だが実際に初心者向けルートとされたのは下のZゾーンを目指す「下捕鯨ルート」の方で、上ルートは地形が厳しいエリアが多く難関。

*16 最終面は地形があるステージで中ボスは強敵といわれるピラニアとオトシゴが現れる。ラスボスのマザーホークはクセのある回転弾や広範囲レーザーを連打してくるため相当強い。そして何より道中で強豪ボスのヤマトを避けられない。

*17 1997年に起きたポケモンフラッシュ事件の影響である。『ダライアス外伝』に限らず、レトロゲームの復刻時は点滅の表現が控えめに修正される場合がある。

*18 なお、以前のソースコードは破棄して、完全に一からソースコードを作り直したとのこと。

*19 前述のアップデートで前述のキャプチャー中の稼ぎ為の30連表裏別のシンクロ連射が実装されている。

*20 こちらもアップデートで最終ゾーン別のランキングが実装されている。