ポケットモンスター 金・銀
とは、【ゲームボーイ】・【ゲームボーイカラー】用のゲーム。
概要
【ゲームボーイ】・【ゲームボーイカラー】共通ソフトとして発売された、ポケットモンスターシリーズ本編の2作目。公開時は『ポケットモンスター2』の名称でも呼ばれていた。
実在する近畿地方や東海、四国地方を合わせて関西方面をモデルにした「ジョウト地方」を舞台に、新たなポケモンたちと共に冒険を行う。
パッケージにはアニメ版でも先行公開した【ホウオウ】と、映画?でお馴染みの【ルギア】が採用された。
新要素として「はがね」と「あく」の2つのタイプを追加し、「とくしゅ」ステータスが「とくこう」「とくぼう」に分離、【ポケモンスタジアム2】をベースに前作で猛威を奮ったわざの性能を調整すると言った具合に、ゲームバランスへのテコ入れが行われた。
前作とは「タイムカプセル」機能により通信交換できる他、ゲームを進めると前作の土地を冒険できると言った具合に、前作の拡張ゲーム的な側面も多い。
発売延期を繰り返したもののアニメや映画によってポケモンブームは継続して続いており、前作ほどではないものの高い売上を記録した。
ただし、発売当初は台湾で発生した「921大地震」によりロムカセット生産元の中国が大打撃を受け、品切れが続出していた。
大幅な修正を行ったものの、前作をベースにしたため耐久力が非常に高く泥仕合が勃発してしまい、強いポケモンはごく一部のみで代わり映えしないといった問題点は解消されず、後のシリーズの課題となる。
2000/12/14にはマイナーチェンジの【ポケットモンスター クリスタルバージョン】が、
2009/09/12にはリメイク作品の【ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー】がそれぞれ発売した。
ストーリー
ジョウト地方のワカバタウンに暮らす主人公は、ウツギ博士からもらった1匹のポケモンをパートナーにして、冒険の旅に出る!
ゲームシステム
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新しいポケモン
新しいポケモンが100匹ほど追加された。
ただし大半の新ポケモンはストーリー中では入手できない。
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新しいタイプ
「はがね」と「あく」の2つのタイプが追加された。
どちらも前作の不遇タイプを強化するために追加された節がある。
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もちもの
ポケモンに道具を持たせる事ができるようになった。
道具は様々な効果があり、常に発動するものや特定の条件で発動するものがある。
また、道具によって消耗品か否かは異なる。
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なつき
【ポケットモンスター ピカチュウ】のなかよし度と似たようなシステム。
手持ちにポケモンを入れて一緒に冒険していたり、アイテムを使ったりするとポケモンが主人公になつく。
このなつき度を高くしないと進化しないポケモンも存在する。
進化以外では基本的には意味のない数値だが、この数値に応じて「おんがえし」と「やつあたり」の威力が変わる。
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能力の分離
「とくしゅ」が「とくこう」と「とくぼう」に分かれた。
それに伴い、前作のポケモン達はとくしゅを元に2つの能力が新たに設定されている。
これにより強くなったポケモンもいれば、弱くなったポケモンもいる。
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性別
無機物系などの一部を除いた殆どのポケモンに性別が追加された。
基本は意味が無いが、「メロメロ」などの一部のわざ、下記のタマゴシステムなどにはこの性別が重要となる。
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わざわすれ
特定の場所にいるオヤジに頼む事でポケモンのわざを忘れられるようになった。
前作では忘れられない「ひでんわざ」も消す事ができる。
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時計システム
ゲームを少し進めると時計を設定する。
現実の時間に合わせて昼夜が変わり、出現するポケモンが変化する。
また、特定の時間限定の施設や、特定の時間帯のみで戦闘ができるトレーナーも存在する。
曜日も設定する事となり、曜日によって一部の場所でイベントが発生する。
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ポケギア(ポケモンギア)
ゲームを少し進めると手に入るウォッチ型デバイス。
上記の時間を確認できる他、おかあさんや一般トレーナー達との通話機能を持つ。
更に「マップカード」を入れる事でタウンマップ、「ラジオカード」を入れる事でラジオを聴く事もできる。
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ポケモンのタマゴ
ゲームを進めるとイベントや育て屋さんなどで手に入る。
他のポケモンと同じ用に手持ちに入れ、歩くと孵化させる事ができる。当然、タマゴの間はポケモンとしては扱えない。
孵化するとLV5で手持ちに入る。
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育て屋さんとタマゴグループ
育て屋さんに♂/♀のポケモンを預けると、♀のポケモンの種族のタマゴが手に入り、孵化すると♀の系統で最も進化前の状態のポケモンを入手できる。孵化したポケモンの個体値は両親のものを幾つか引き継ぐ。
これでしか入手できないポケモンも存在する。
タマゴが手に入る組み合わせはマスクデータの「タマゴグループ」によって定められており、全てのポケモンにそれぞれ設定されている。
伝説のポケモンを始めとする一部のポケモンはタマゴを見つける事ができない。また、ある一定の条件でもタマゴが見つからない場合がある。
また、【メタモン】と一緒に預けると殆どのポケモンのタマゴが手に入る。
どう見ても♀のポケモンが産卵しているように見えるシステムだが、設定上では「ポケモンがタマゴを持ってきた」という扱いであり、「ポケモンが生む姿は絶対に人間が確認する事ができない」といった設定も存在する。
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色違い
特定の条件を満たしたポケモンは通常の色と異なる色違いの個体で登場する。非常に希少。
ストーリー中では赤色の【ギャラドス】が出現する。
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木の実
各地にある木を揺すると木の実が手に入る。木の実は翌日になると再収穫ができる。
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ぼんぐりとガンテツ
各地にある「ぼんぐり」をガンテツにわたすと、翌日に特殊なモンスターボールを貰える。
本作の時点では1日1個しか作れない上、バグだらけで使い物にならない。
どうしようもない機能だが発売前はとてもよく推されていた。
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IDクジ
ラジオとうで手持ちポケモンのIDがどれだけ合っているかのクジを引ける。
合っているとアイテムが手に入る。
クジの数字は毎週金曜日になると変わる。
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タイムカプセル
前作・【ポケットモンスター 赤・緑】(+青、ピカチュウ)との通信機能。
前作のポケモンと本作のポケモンを交換できる。
前作のポケモンは特殊なアイテムを持っている事もある。
この施設を利用するためには、本作で追加された新しいわざ・新しいポケモンを手持ちから外す必要がある。
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ふしぎなおくりもの
ゲームボーイカラーの赤外線通信を使ってGBC同士で行える通信システム。互いにランダムでアイテムが手に入る。
通信できるのは1日最大5回までで、同じ人との通信は翌日になるまで出来ない。ポケットピカチュウカラーとは無制限に行える。
最後に通信した人はトレーナーハウスのNPCとして出現する。手持ちは通信した時のものが再現される。
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もようがえ
自宅の2階には手に入れたグッズを置いて模様替えができる。
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ポケルス
戦闘終了後、非常に低確率でポケモンにくつっくことがある小さな生命体。
ついているとステータスの状態に書かれ、この状態になっているポケモンはもらえる基礎ポイントの数が増える。
この状態になっているポケモンがいると、戦闘後にほかのポケモンにくっつくことがある。
本作の時点では詳細などは明かされず、この状態になってしまうと危険なのではと勘違いされることもあった。
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細かい変更点
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タイプ相性変更
前作で攻略本と食い違っていたタイプ相性が修正された。
また、どく←→むしが弱点では無くなった。
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わざの変更
いくつかのわざの効果が修正された。
「まきつく」等のバインドわざは仕様そのものが大きく変わった。
また、「からてチョップ」や「かみつく」などの一部のわざはタイプそのものが変更されている。
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状態異常
「こおり」が自然解除されるようになった。
「どくどく」に「やどりぎのタネ」を使っても倍々にはならなくなった。
キャラクター
メインキャラ
※他のポケモンは【ポケモン】/一覧1の0001~0251を参照。
カントー地方のジムリーダー
他の人たち
BGM
当時はサントラは発売されておらず『ニンテンドーDS ポケモン ハートゴールド&ソウルシルバー ミュージック・スーパーコンプリート』で初収録・曲名が判明した。
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戦闘!野生ポケモン(ジョウト)
ジョウト地方(カントーの一部地域含む)での野生ポケモン戦のBGM。日中・夜で2種類存在する。
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戦闘!野生ポケモン(カントー)
カントー地方(一部地域除く)での野生ポケモン戦のBGM。「戦い(VS野生ポケモン)」のアレンジ。
バグ
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ポケモン増殖(ボックス)
本作の有名なバグ。ボックスを切り替えるときのレポートで特定のタイミングで電源を切ると、手持ちとボックスに同じポケモンが存在するというバグ。
簡単にポケモン(と持たせた道具)を増やせてしまうため、一部ポケモンや道具のレアリティが大幅に低下した。
ボックスにいるポケモンが書き換わる仕様のため応用すると、道具を大量に増やせたり、ストーリー進行をなかったことにして冒険できたり、セーブデータを消さずに最初から始めたポケモンを入手したりできる。
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ポケモン合体
虫取り大会で特定の手順を踏むことで、2番目と5番目にいたポケモンが合体し、色違い(個体値)情報やわざを引き継いでしまうバグ。
これを利用することで、色違いの情報を他のポケモンに移したり、本来覚えられないわざを覚えてしまう。
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一部のガンテツボールの仕様
ガンテツから作ってもらえるボールに設定ミスと思われる仕様がある。
名前
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ゲーム中での効果説明
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実際の効果
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スピードボール
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戦闘時に逃げるポケモンが捕まえやすい
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戦闘時に逃げるポケモンの内【コイル】【モンジャラ】【ベトベター】のみに効果がある
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ラブラブボール
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性別が違うポケモンが捕まえやすい
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相手と同じポケモンで、且つ性別が同じポケモンが捕まえやすい
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ムーンボール
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「つきのいし」で進化するポケモンが捕まえやすい
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どんなポケモンに対して、モンスターボールと同じ効果 |
関連作品
マイナーチェンジ
【スイクン】をパッケージにしたマイナーチェンジ作品。こちらはゲームボーイカラー専用。ポケモンがアニメーションを行う等、様々な追加要素がある。
移植・リメイク
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【バーチャルコンソール】
2017/09/04に【ニンテンドー3DS】で配信された。
ダウンロードコードが付属しているパッケージ版も同時発売。こちらは当時のパッケージが再現されている。パッケージ風マグネット、新登場したポケモンと当時のタイプ相性表が掲載されたポスターが付属する。
バーチャルコンソールには原則として存在しないワイヤレス通信を特別に搭載している他、バーチャルコンソール版『赤・緑・青・ピカチュウ』とのタイムカプセル、「ふしぎなおくりもの」の赤外線通信も再現されている。
それと同様に【ポケモンバンク】にポケムーバーを使用してポケモンを送る事も可能。
入手方法にスタジアムシリーズが絡む、一部の模様替えグッズが実質的に入手不可能となっている。
リンク
余談
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開発時は日本全国を舞台とする予定があった。その際のデモ版は1997年の幕張メッセのイベントで試遊が可能で、当時のテレビ番組でもプレイ動画が公開された。そこに映っていたポケモンの大半は現在のものと名前が異なる。(チコリータ→ハッパ等)
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2018年5月頃に上述のデモ版のロムらしきものがネット上に流出して話題となったが、正しいものかどうかは不明である。
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本作のパッケージに登場するホウオウ、及びルギアには特にストーリーがない。実はルギアは【劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕】?からの輸入キャラクターであること、ホウオウもアニメ1話には登場していたがそのまま【サトシ】しか知らない幻のポケモンにする予定であったため大きなストーリーそのものがないのである。
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最終更新:2024年02月18日 18:37