ケッキング

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ケッキング - (2022/08/03 (水) 00:17:01) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/04/07 Wed 23:23:35
更新日:2024/04/09 Tue 09:43:49
所要時間:約 7 分で読めます








出典:ポケットモンスター XY&Z、34話『準決勝フルバトル!サトシ対ショータ!!』、
2015年10月29日~2016年11月10日まで放送。
OLM Team Kato、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon



■データ


全国図鑑No.289
分類:ものぐさポケモン
英語名:Slaking
高さ:2.0m
重さ:130.5kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂50♀50

タイプ:ノーマル

特性:なまけ(一回行動すると次ターン行動出来ない)

HP:150
攻撃:160
防御:100
特攻:95
特防:65
素早さ:100
合計:670

努力値:HP+3

ナマケロがレベル18でヤルキモノに進化
ヤルキモノがレベル36でケッキングに進化する。


■概要


第一形態のナマケロはナマケモノのような姿をしており、その見た目通りとてもぐうたらな性格をしているが、
ヤルキモノに進化すると二本足で立ち上がって山猿のような姿になり、途端にやる気を出し始め森を駆け巡って興奮を静めないと眠れない程血気盛んになる。
若干オコリザルとキャラが被ってるような気がする。

しかし最終形態のケッキングになるとゴリラともナマケモノとも取れるゴツい姿になり何故か再びナマケロ時代同様に怠けだす。
一体何があった。


一日中ほとんど動かず、手の届く範囲にある草や木の実を食べながら生活する。
周りに食べる物が無くなるとしぶしぶ移動する。
まさにニートである。
名前の由来は「欠勤」と「キング」を合わせた物。
通称「欠勤王」
たまに「ケッキングパパ」とか言われる


しかしこんなぐうたらな性格だがその身体には絶大なパワーを溜め込んでおり舐めてかかると本気を出されて手痛い反撃を食らう。
やれば出来る子なのに何故ベストを尽くさないのか。


■ゲームでのケッキング


進化前のナマケロは「トウカのもり」に低確率で出現する。
特性「なまけ」により育てるのは大変だが、頑張って育てれば中盤以降はそこそこ活躍してくれる。

上述の仕様から本編攻略においては敢えてヤルキモノで進化を止めた方が使いやすいことも。
種族値こそ低めだが、レベルと努力値の差でゴリ押せる旅パでは弱点が1つで催眠耐性・回復技を持つ等の利点から使い勝手は悪くない。
かわらずのいし」を持たせればレベルアップの度にBキャンセルする手間がなくなるので便利。
「いしのどうくつ」で拾えるほか、野生のイシツブテゴローンからも入手できる。
ただし「たべのこし」や「たつじんのおび」「せんせいのツメ」といった手頃なアイテムを使いづらくなるのはやや気になるか。

トレーナーではジムリーダーセンリが切り札としてケッキングを使用。
その高い能力値に絶望したトレーナーは多いだろう。しかもエメラルド以外はこれが2匹
「なまけ」による1ターンのハンデがあるとはいえ、超火力と耐久力を併せ持ち素早さも高い。
「からげんき」で次々と手持ちが倒されていき、あと一歩のところで「かいふくのくすり」を使われた暁にはもう……。
ハリテヤマキノガッサ等の高火力格闘を用意できれば突破しやすくなる。
実は「まもる」があれば完封できる(わざマシン入手は先だがペリッパーココドラ等が自力習得)。

ポケモンコンテストライブではなまけずにちゃんとアピールしてくれるのでご安心を。
しかし、ライブアピールのスマートシャイニーロードを出した場合「寝転がったまま猛スピードで駆け回る」という超シュールなムービーを見せられることになる。

ポケモンコロシアムではシャドーボス・ワルダックが使用。
ヤドキングに「スキルスワップ」をしてもらい、特性を打ち消すというコンボを仕掛けてくる。
この戦法はエメラルドでもセンリ(再戦)のハピナスが使用してきた。


■対戦でのケッキング


ギラティナと同じHPにグラードンすら超える超絶な攻撃値を誇り、
その他の能力も特防を除いて高く、合計種族値はグラードン・カイオーガと同等という、常識外れなスペックを有する。
しかし2ターンに1回しか動けないマイナス特性「なまけ」という超絶なデメリットも持つというなんともハイリスクハイリターンなポケモン。
使い手の腕が試される。


その特性的にアタッカー以外の役割を持つ事が難しいため、
こだわりハチマキ」や「こだわりスカーフ」を持たせての撃ち逃げが基本。
カビゴンのごとき鈍重そうなイメージに反し素早さ種族値は100もある。怠けてさえいなければちゃんと動けるデブということなのだろう。とはいえこの素早さ帯は激戦区でもあるため、やはりスカーフを巻かない限りは最速推奨。

特性のおかげで「まもる」「みがわり」「きあいのタスキ」等にとても弱いので注意しよう。
特性が「ありじごく」や「かげふみ」のポケモンと対面した時は完封される可能性が高い。

GBA世代では彼に匹敵する決定力を持つポケモンは伝説のポケモンぐらいだったので一時猛威を奮っていた。
特に攻略本等では、なまけを逆手に取って「はかいこうせん」を撃たせるという戦法が紹介されており、かなり有名だった。
普通のポケモンでは使いづらい「みだれひっかき」も(勿論「こだわりハチマキ」装備の上でだが)彼の超パワーなら「みがわり」対策として使えたほどである。
ジュカインサンダース程度なら「みだれひっかき」で押すことができたことから彼の怪力ぶりが分かるだろう。

しかし、DPt(DS世代)からは火力インフレが起こり、道具や特性のコンボによりケッキングに近い火力を発揮するポケモンが出現。
さらに「みがわり」も再びわざマシン化し大安売りされだしたため、思うように活躍できなくなってしまう。
その上、XYでは同タイプのメガガルーラをはじめとするメガシンカ勢、SMからはZワザとより手軽に高火力を発揮できる手段が充実。
結果、火力と引き換えに1ターン行動不能という重いハンデを背負うケッキングは現環境ではすっかり影が薄くなってしまっている…

しかしその決定力は未だに侮れない物があり今でも全然戦える。
その決定力と耐久力でPTの苦手な相手を無理矢理落とすような立ち回りが理想。

似たような能力を持つポケモンにレジギガスがいるがあっちは出した直後に暴走出来ないのでケッキングのほうが圧倒的優位。

デメリットが特性「なまけ」と重なる超威力の「ギガインパクト」(GBA世代は「はかいこうせん」)とは相性が良い。
しかし、反動で交替が出来なくなるため撃ち逃げが出来ないのは痛い上、オーバーキルにもなりがち。
「すてみタックル」の方が撃ち逃げ型としては扱いやすいだろう。反動ダメージもHPの高さからあまり気にならない(「メガトンキック」は反動なしだが命中率が不安)。
しかし覚えるには今のところGBAを経由しないといけないので手間がかかる。
面倒なら「おんがえし」でも良いが、少し決定力不足かも。
ORAS以降のレーティングバトルでは第6世代以降で捕獲・孵化したポケモンしか使えないため、現在では「ギガインパクト」か「おんがえし」の二択になってしまっている。

「みがわり」対策に「みだれひっかき」を使う手もあるが、威力・命中率共にとても不安定。

サブウェポンは優秀な相性補完技「じしん」「けたぐり」「アームハンマー」
ゴースト対策に「ふいうち」「つじぎり」「シャドークロー」「だましうち」(第3世代では「シャドーボール」)
はがね対策の「だいもんじ」「ほのおのパンチ」にドラゴン対策の「れいとうパンチ」
等々、ノーマルらしく豊富。

特殊技もかなり豊富で特攻も何気に95とそこそこなので特殊型も意表が付けるかも。

変化技も「ちょうはつ」「なまける」「カウンター」「あくび」「ビルドアップ」「アンコール」と異様に豊富。
しかし、特性的にサポート役として扱うのは難しい。
もっともケッキングの「なまけ」ターンは積み技を誘発しやすくケッキング=拘り系アイテムという印象も強いため、
それを逆手に取り拘り系以外のアイテムを持ち「アンコール」を仕込むと案外有効だったりする。
ただし逆に読まれると他のポケモン以上に悲惨。

ダブルバトルでは相方に「いえき」や「スキルスワップ」等を使ってもらい、特性「なまけ」を取り除いてもらうのも有効。
シングルバトルではなかなか見られない、やる気を出して暴走する欠勤王の勇姿を見ることができる。
素早さが高い「いえき」使いとしてはアギルダージャローダデンチュラ三猿等が存在する。
「スキルスワップ」を覚え、かつメガシンカが可能なポケモンなら「スキルスワップ」で移した「なまけ」も即上書きできる。
他にも、味方のデスカーンに攻撃することでケッキングの特性を「ミイラ」にするという手もある。
ゴーストに半減されるむし技で初撃の威力が低い「れんぞくぎり」ならデスカーンへのダメージも最小限に抑えられる。
ただし連続斬りは第三・第四世代の教え技なのでレートでは三色パンチ等の適当なサブウェポンで攻撃することになるだろう。

ちなみに「なまけ」に対して「なやみのタネ」「シンプルビーム」「なかまづくり」は効かない
「シンプルビーム」が効けば「ビルドアップ」が超性能になり、元々高めの素早さも相まって手がつけられなくなるのだが……
この点ではレジギガスの方に分があり、「はりきりなかまづくり」「シンプルビーム」「かがくへんかガス」などで特性を無視したレジギガスの動画は人気を博している。

USUMでは教え技として前のターンに怠けていると一致(or拘り)「じしん」並の威力になる「じだんだ」を習得。
ただし、場に出て最初のターンには最高威力を出せないという制約は厳しく、撃ち逃げを前提とするスカーフ型でも最高威力を出すためには1ターン怠ける必要が生じる。
また「ギガインパクト」関連でも指摘された通り、交代せず相手の行動を許すデメリットも大きい。
特性との相性が良いとは言え、採用するかは慎重に検討したい。

上記の通り非常にハイリスクであり、ハイリターンではあるがぶっちゃけ火力がインフレしている現在ではデメリットを背負ってまで使うような性能ではない。
第3世代の頃ですらこんな評価だったのだから、第4世代以降は推して知るべし。
一方で対人戦ではほぼ不可能だが「相手を一撃で倒してしまう公算がある」バトルでは非常に強力。バトルピラミッドやバトルステージなどでは独特の地位を築いている。
また、CPUはそこまで「なまけ」を意識して行動しないためそういう意味でも相対的に強い。

第四世代ではものまねバグで「スキルスワップ」を不正に覚えた個体を作ることが可能。
勿論バグポケモンなので世代間移動を行う際にチェック機能で弾かれる上に、対人戦で使うことが憚られるが、ソロプレイで使う分には問題ないだろう…多分。
ちなみにバトルフロンティアなどで使ってもそんなに強いわけではなく、同じものまねバグを使うならヌケニンをはじめもっと適役は多い。

■進化前 ヤルキモノ


全国図鑑No.288
分類:あばれザルポケモン
英名:Vigoroth
高さ:1.4m
重さ:46.5kg

特性:やるき(ねむり状態にならない)

  • 種族値
HP:80
攻撃:80
防御:80
特攻:55
特防:55
素早さ:90
合計:440

努力値:素早さ+2

種族値はケッキングより大幅に劣るが、特性「なまけ」がないので使用感はまるで異なる。
数値自体はいずれも平均的かそれ以下であり、強いて言えば中速型のポケモンにしては物理耐久がやや高いといった程度。
ラッタ等の序盤ノーマルと似通った配分だが、特性や技の差でアタッカーとしてはそれらにも劣りがち。
しかし、持ち前の豊富な変化技を上手く活かせば耐久型を中心になかなか活躍でき、「やるき」のおかげで催眠技に強いのも利点。
「ドわすれ」や「ビルドアップ」を積んで「なまける」で回復する耐久型や「あくび」からの「きあいパンチ」によるコンボ、
いざというときの「きしかいせい」「じたばた」「カウンター」等やれる戦法は豊富。

BWからは新アイテム「しんかのきせき」により耐久に磨きがかかり、かなり厄介な存在に。
素の耐久力ではポリゴン2に負けるものの、変化技が豊富なおかげで使い方によってはかなり鬱陶しい。

ただし「なまける」や「ドわすれ」等一部ナマケロ時代しか覚えない技があるため注意。

余談だが、「ポケモン総選挙720」ではコロモリコマタナと同率で717位だった。
その圧倒的不人気ぶりに加え、単独最下位だったバオッキーと違い殆ど話題にも上がらないことから「真の不遇ポケモン」と呼ばれることも。
リトルバトルでしか使われないコロモリ達と違い、こちらは普通の対戦で使える性能にも関わらずこの順位と考えるとより悲惨かもしれない。

一方ポケモンGOでは高性能ノーマルアタックの「カウンター」と同じく高性能スペシャルアタックの「のしかかり」のコンボが非常に強く、種族値との噛み合いの良さも相まって擬似かくとうタイプとしてスーパーリーグで一定の地位と人気を築き上げている。ズルズキンを始めとした本家格闘タイプや似た立ち位置のタチフサグマには一歩劣るかもしれないが…世の中何が起きるかわからないものである。


■ポケダンでのケッキング


ゲームと違って能力値は普通なのに特性「なまけ」はそのままな謎仕様。
どう考えても進化前のヤルキモノの方が強いので、よほどケッキングが好きでない限り進化させないほうがいい。


■アニメでのケッキング


ゲーム同様ジムリーダーのセンリがナマケロ、ヤルキモノと共に使用。
何故かアニメのケッキングは常に本気を出しており怠けない

XY&Zではショータも使用。サトシのルチャブルのバトルスタイルである「相手の攻撃を受けてから反撃に出る」という戦術を逆手に取り、
ルチャブルの攻撃を高い耐久と「なまける」で耐え抜いて、確実に「カウンター」による一撃必殺を決められるタイミングを見抜いて勝負を決めた。
その後ファイアローに倒されたものの、ルチャブルメタでの採用というショータの方針は十分達成できたといえる。
「正々堂々戦うが、どんな手を使ってでもサトシに勝ちたい」というショータの執念をうまく表したポケモンである。

ショータのケッキングは「なまける」を多用することでその場から動かなかったのでケッキングらしさは表れている。
しかしセンリのケッキングは普通のポケモンと同等に動くのでずるいなんてもんじゃない。
ゲームのように「1ターン」が厳密に決められている場合は問題にならないが、漫画やアニメのような感覚で理解するものとケッキングの最大の個性「なまけ」は非常に相性が悪く、
どうしてもケッキングの描かれ方は本家ゲームと違った形になってしまう。


■ポケモンGOでのケッキング


伝説を差し置いて最高CP4431を誇る。
しかしそこはケッキング。通常技は威力0の「あくび」しかないため、攻撃手段がゲージ技のみというデメリットがある。
総合火力の低さからジム攻略やレイドバトルでは活躍できないが、ハピナスやラッキーに次ぐイカれた耐久力を活かしたジム防衛役としては中々頼りになる……かに思われた。
しかし、通常技が使い物にならないせいでジム防衛にも向かないという結論に至ったことが判明。
ゲージ技にはかくとう対策になる「じゃれつく」がオススメ。
発生速度がとても早いので避け辛く、ノーマル対策に出てくるカイリキーを返り討ちにしやすい。ルカリオには等倍、メルメタルにはあまり効かないが
……が、かくとうタイプの技が使えるポケモンが2匹いれば1匹が倒されてももう1匹が楽に倒すことができるため、結局はただの見かけ倒しでしかない。


2019年6月のコミュニティデイではゲージ技に「のしかかり」が実装された。
3ゲージ技なので攻撃の頻度が多いのだが、かくとうタイプメタの「じゃれつく」に明確に勝る性能ではない。
ただしコミュニティデイの例に漏れず色違い実装&出現率アップだったため、その意味では頑張る意義もあった。


■ポケモンカードゲームでのケッキング

本家のケッキングの「なまけ」を、なんらかの条件で技が使えなくなるという性質で再現したカードが多い。
「コイントスに成功すると技の威力が上がるが、失敗するとなまける」など。
しかし「バトル場にいる時限定で、他のポケモンカードすべての特性(ポケパワー・ポケボディーだった頃も)が使えなくなる」という、なぜか相手を怠けさせるカードも登場している。
ケッキングのイラストには原作では見られない躍動的なものが多く、ケッキングファンには嬉しいものが多い。


そして2019年…

リストラ

剣盾では欠勤した。なんというか…



余談

  • 前述のとおり、モチーフは動物の「ナマケモノ」。
    • ナマケモノも緩慢な動作であまり動かないが、これは別に怠けている訳ではなく、
      エネルギー消費量を極端に絞ることで極力動かず、最低限の食事だけで生き延びられるように進化したため。やっぱり怠けてるじゃないか…
    • ナマケロの鉤爪は2本なのでおそらくフタユビナマケモノがモチーフ。
    • ケッキングになるとナマケモノというよりもはやゴリラ*1のような巨躯だが、新生代(約500万年前)から更新世(約1万年前)くらいの南米には体長6~8メートル、体重3トンにもなる巨大ナマケモノの「メガテリウム」が生息していた。
      しかも時代的に人類はこの巨大ナマケモノを実際に目撃した、あるいは狩猟して食っていた可能性が高い。


ケッキング「毎ターン動いたら負けかな? と思ってる」

トレーナー「よし、パッチール! 欠勤王に……スキルスワップだ!」

ケッキング「み な ぎ っ て き た !!

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