【ぜのぎあす】
ジャンル | 新世代サイバネティックRPG | |
対応機種 | プレイステーション | |
発売・開発元 | スクウェア(*1) | |
発売日 | 1998年2月11日 | |
定価 | 7,140円(税込) | |
レーティング | CERO:D(17歳以上対象) ※ゲームアーカイブスで付加 | |
廉価版 |
スクウェアミレニアムコレクション 2000年11月30日/3,800円 PS one Books 2001年12月20日/2,500円(共に税抜) |
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配信 |
ゲームアーカイブス 2008年6月25日/628円 |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
ゼノシリーズの起源 重厚かつ良質なシナリオ ギアによるロボット戦闘 Disc2がノベル形式 FFシリーズの姉妹的作品 |
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ゼノシリーズリンク |
宇宙を行く超巨大移民船を、異変が襲った。
積荷の1つである「それ」は突如として覚醒し、艦の中央コンピュータへ侵入を開始したのだ。
驚異的な侵攻速度の前にブリッジクルーはなすすべなく、ワープ機能を掌握した「それ」は「本星」への侵攻を行おうとする。
艦長は全乗組員の避難命令を発するが、離脱するシャトルは火器管制系をも支配した「それ」によって次々と撃ち落とされていく。
とうとう、艦長は自爆――艦体の整備用分解コードを強制入力する。いくつものブロックに分かれながら崩壊する艦体は、
近くの惑星へと引き寄せられていった。墜落し炎上する艦の残骸。その傍で、一人の女性が目覚める――。
時は流れ、北東のイグニス大陸では、砂漠の国アヴェと北部の大国キスレブが300年にも渡る戦争を続けていた。
戦いの中で、両国は過去の遺跡から「ギア・アーサー(ギア)」と名付けられた500年前の大戦で使用された戦闘用ロボットを発掘し、
これを主力兵器とするようになる。
遺跡資源が豊富なキスレブ優位に進む戦争を憂いたアヴェ国王は和平を考えるも、宰相シャーカーンのクーデターによって殺害されてしまう。
シャーカーンの背後には「ゲブラー」と呼ばれる正体不明の軍事組織が付き、彼らから兵力の提供を受けたアヴェは戦況を五分まで回復させ、戦いは混迷を深めていった。キスレブ国境にほど近い、戦争とは無縁の農村・ラハン。3年前に重傷を負ってここに担ぎ込まれた記憶喪失の青年・フェイは、
今では村の一員としてのどかに暮らしていた。
ある日、フェイは友人の結婚式の準備のため、山頂に住む博識の医者・シタンを訪ねるが、その帰り道にキスレブのギア部隊を目撃する。
シタンと共に村へ戻ったフェイが見たのは、何故か同じキスレブ製のギアを攻撃するギア部隊と、火の海と化した村だった。
シタンと手分けして避難誘導を行うフェイは、凄惨な光景に思わず立ちすくんでしまう。
その時、操縦士を失った一機のギアが彼の前にうずくまった。途端、フェイは何かに魅入られたようにそのギアに乗り込む。
一度も乗ったことが無いはずの軍用ギアでキスレブ部隊を退けようとするフェイだったが、異様な雰囲気を漂わせる漆黒のギアが降り立ったことで、フェイのギアに異変が――それは神と人の未来と1万年の歴史を巡る物語の、「終わりの始まり」を告げる先鞭だった。
ファイナルファンタジーシリーズや聖剣シリーズと並んで大作RPGとして人気を博したSF RPG。
キャッチコピーは「聖剣伝説が出ない理由、ファイナルファンタジーとは異なる可能性、そして ゼノギアス」。
没になった『FF7』の企画案の1つ「プロジェクト・ノア」を元としている。(考案者はFFシリーズや『クロノ・トリガー』などでグラフィッカーを務めていた高橋哲哉氏)
開発部門のトップである坂口博信氏が別作品として没案を採用、企画は『クロノ・トリガー2』の為に発足していたチームに宛がわれ『クロノ・トリガー』の元々の発案者であり聖剣伝説シリーズを担当していた田中氏をプロデューサーに据え、スクウェアを代表するRPG作品群に肩を並べるシリーズにしようという意気込みの元で開発された。
そのため、後に改めて『クロノ』を作るために制作された『クロノ・クロス』とは、制作スタッフの重複が多く、雰囲気や一部設定も酷似している。
また、上記の経緯や同時期に開発がスタートしたことから、「裏FF7」とも呼ばれる。
+ | ネタバレ |
スクウェアの新シリーズとして世に送り出されたこのゲームは独創的で異色なものだった。巨大ロボットによる戦闘、SFな世界観、伏線溢れたストーリー…異色でありながらもプレーヤーを引き込むには十分なものだった。スクウェア史上最高とされるシナリオがやはり本作の最大の肝だろう。
戦闘の方がやや浅いということと、ディスク2がノベル形式という欠点もあるものの、それらを踏まえた上でも本作は単なる良作ではなく、「名作」の域に入っていると考えていいだろう。
100万本販売という当初の目的はともかくとして、その後も会社を変えながらも『ゼノサーガ』『ゼノブレイド』とシリーズ化することはできた。その意味で成功したゲームであり、ゼノシリーズの原点という意味でもゲーム史において欠かせないもの、といえよう。