ストリートファイターII
【すとりーとふぁいたーつー】
ジャンル
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対戦格闘
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対応機種
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ゲームボーイ
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発売元
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カプコン
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開発元
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さんえる
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発売日
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1995年8月11日
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定価
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4,800円(税別)
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書換
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ニンテンドウパワー 2000年3月1日/1,000円 F×4・B×0
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判定
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クソゲー
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劣化ゲー
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ポイント
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無謀な移植 劣悪過ぎる操作性 理不尽な難易度
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ストリートファイターシリーズリンク
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概要
アーケードで爆発的にヒットした『ストリートファイターII』のゲームボーイ移植版。
初代の移植ではあるが、『スーパー』以降の要素も取り入れている。
タカラの熱闘シリーズのようにデフォルメにせず、そのままの頭身で『ストII』ができると注目されていたが、ハードの貧弱な性能ゆえに酷い劣化移植になってしまった。
特徴
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使用可能キャラクターは以下の9名
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リュウ、ケン、春麗、ガイル、ザンギエフ、ブランカ、バイソン、サガット、ベガ
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本来は『ダッシュ』以降で使えるようになった四天王(3人だが)も使用できる。
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基本的には初代『II』ベースの移植だが、上記のようにボス使用可能の他、『スーパー』までの要素も取り入れている。
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すぐ分かるのはキャラクターの一枚絵。
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春麗やブランカのステージ等、BGMの音程もCPシステムII(『スーパー』)からとったものが多い。
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必殺技や通常攻撃も『スーパー』以降のものをいくつか取り入れている。
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ファイアー波動拳や(画面端まで届かない・腰を突き出す)気功拳、ブランカのアマゾンリバーラン(雑巾がけ)等。
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スーパーゲームボーイに対応している。
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大元の流用ではあるものの、ピクチャーフレームはステージごとにしっかり用意されている。
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また、SGBでは通信ケーブルなしで二人対戦が可能になる(GBプレイヤーはGB準拠のため不可)。
問題点
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劣悪な操作性
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とにかく技が出しにくい、というか出ない。SFC版の初代『餓狼伝説』並み、もしくはそれ以下。
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基本である波動拳ですらろくに出ない。ザンギエフのスクリューパイルドライバーの難易度はかなりのもの。それでも慣れてしまえば出しやすくはなるが。
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パンチとキックの強弱はボタンを押している時間の長さで変化するが、これがかえって操作性の劣悪を招く一因となっている。
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ついでに小技のモーションが皆大攻撃と同じ。(わかりやすく言うとニュートラルポーズからノーモーションで攻撃判定発生モーションへ移行しその直後ニュートラルポーズに戻る)
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自キャラが必殺技を出し辛い一方で、コンピューターはバリバリ必殺技を出してくるため、非常に難易度が高い。
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やはりハード性能の低さが響いたようで、コマ数が非常に少なく常にカクカクしている。ジャンプ中などは操作不可能に近い状態。
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「酷いラグが常に発生しているような操作感覚」と言えば酷さが判るだろうか。敵からの攻撃でキャラクターの行動がキャンセルされるのと合わさって自分が何を入力したのかすらよく分からなくなるレベルである。
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当然、常にちらつきがあり目に非常に悪い。
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キャラクターも数人削除されている
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削除されたのはエドモンド本田とダルシム、バルログの3人。
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容量的に厳しい事を考えれば仕方ない処置であり、削除対象も妥当と言えば妥当と言える。
特に、バルログは中ボスの上にゲームボーイでは鉄爪の表現や処理が大変だっただろうことは想像に難くない。
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同キャラクターを選ぶと両方とも色が同じになる。
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特にCPU戦では、自分の動かしているキャラクターを判別しにくい。
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スタッフロールもカットされている。
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エンディング自体は難易度を高く設定すると見られるが、エピローグの後はコンティニューの有無問わず「Congratulations!」と表示されゲーム終了。
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やはり容量の問題か、ボーナスステージもカットされている。
評価点
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エンディングの枚数が大幅に減少しているものの、イラストの再現度は高い。
総評
カプコンは『ストリートファイターZERO2』をスーパーファミコンに、セガ・マスターシステムに『大魔界村』や『戦場の狼II』、『ストライダー飛竜』など無茶な移植をしていたが、これが最たる例だろう。
ボタン数が少なく、細かい描写も難しいGBに無理に移植した結果、操作性から視認性まで酷い出来となってしまった。
あえてデフォルメせずに移植したのが売りだったのだろうが、結果的にはそれが自分の首を絞めたと言える。
ファンからも「
海賊版のファミコン版ストIIの方がまだマシな出来
」と言われる有様に終わってしまった。
余談
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パッケージは初代『ストII』と『ダッシュ』のポスターやイラストなどをコラージュしたものとなっている。すべてにおいて低コストだったのだろう。
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取扱説明書の各システムの説明欄等のイラストはSFCの『ストII』の取扱説明書のものを流用しているが、投げ技は本作では背負い投げが無いためリュウの投げのイラストを逆さまにするという無理やりな表現で巴投げを再現している。
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スーパーゲームボーイやゲームボーイプレイヤーでプレイすれば、キャラクターが大きく表示されるため、一応頑張ればなんとか遊べない事もないレベルになる。
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しかしスーパーファミコン本体で遊ぶのであれば、わざわざこのソフトとスーパーゲームボーイを使って遊ぶより、SFC版『ストII』で遊んだ方が圧倒的に良い。
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ちなみにSGBに挿した本作を携帯用スーパーファミコン互換機で遊んでネタにしている人もいる。
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『ゲームセンターCX』のコーナー「もったいないカラー」で本作が紹介された際に、有野課長はお気に入りのダルシムが使えないことを嘆いていた。
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ニンテンドウパワーのGB書き換えのラインナップとして出ていたこともあるが、配信の約1年後にGBA『IIXリバイバル』が発売された為、配信された意義は怪しいと言わざるを得ない。
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本シリーズのアニメ映画の主題歌「恋しさとせつなさと心強さと」を歌った女優・篠原涼子氏を起用したテレビCMが放映されていた。完全な無駄遣いである。
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同じカプコンのGB用格闘ゲームとしては、本作の3年後に発売された『激闘パワーモデラー』があり、こちらは5体のキャラクターと少ないものの圧倒的によく出来た格ゲーに仕上がっている。
プレイ動画
最終更新:2024年08月07日 21:33