前回の記憶に基づく前回の日付考察

個人による仮説です。仮定に確証が無くまた証拠不十分のため、検討の必要有り。

本ページにおいては、津倉光平の有する前回の記憶に基づき、前回において何が発生していたのかを予測・考察してゆく。

<<死亡条件>>
まず考察してゆく上での前提として、前回の記憶を見渡してどういった殺害条件でクラスメイトが漸減してゆくのかを条件仮定してみる。

殺害指定条件:(灰りりの言う)Eが一定以上の高まりを見せたら殺害される。恐らく何らかの計測機器もしくは基準があるものと思われる。

殺害対象:Eを持つ者もしくは向けられる者。
Eの非成就を企図して選定される。
また、対象と指定された者の家族も等しく対象となる。
ただしEを持つ者もしくは向けられる者については、一年三組のクラスメイトに限定される。

殺害方法:悪魔による執行。
ただし、クラスメイトの死の中には、殺害指定条件を満たさず、それ以外の理由で死ぬ者も含まれていると考える。

以上の条件に基づき殺害もしくは死亡していくものと仮定する。
なお、今回においては諏似春両親より学校への連絡内容が未確認となっていたり、凌釧死亡爬哭確保後に学校へ引っ越したとの連絡があったとされているが、これは河合が立ち位置を利用し情報操作を行っているものとする。目的はおもに生徒に伴う生徒家族の失踪を偽装するためと考えられる。

Eの定義について:恋情とするのがいいように思われる。

Eが高まるとどうなるのかについて:何らかのごく限定された条件下において、規定値以上にEが高まりを見せると、おそらくそこまでの世界が泡沫の如く弾け失せてしまう、あるいはリセットされてしまうのではないかと推測する。
それを観測・注視し、高まったEを保持者もしくは対象の殺害によって雲散霧消させる事で、現状の世界は破壊されず維持され続けているのではないかと考える。

荒唐無稽さから考えて、世界そのものが多数回試行のシミュレーションプログラムであるという可能性もある。
その場合、「強い恋情を抱かぬまま人類は共存し得るか」を試すシミュレーションのようなものが行われているのかも知れない。

あるいは、それはホントにゲームなの?に出てくる
  • グループ宛ての誓約書が期間を一年間と区切り生死含む権利の譲渡を行わせている点、
  • そのくせ同意書ではなく忠誠を誓わせる誓約書の体裁を取っている点、
  • 劇中、シミュレーションにしては殺しにくる悪魔側が痕跡抹消などの工作を用意周到に行おうとする点
などから考えて、
「1-3は何らかの先端実験の実験場として用意された舞台であり、その実験中の事故により通常の時空運行から外れループに陥っている」というような可能性も考えられる。
(仮説としては、他者のEに過敏に反応する特異体質を有し、その中では長くは生きられず、既に余命幾許もない八阪があの機械から出て暮らせるような環境形成を目指し、グループが実行した先端実験であって、クラスメイトは親家族含め全員実験の協力者、また実験の場にもさまざまな特殊処理が加えられているのだが、実験場が暴走しループにはまりこみ、気づいている者が脱出を試みている、など)


<<前回の日付毎予測>>

4月7日


死亡人物


事件

新学期初日、家に強盗?が入り殺害される。-

発生事由

神宮貞子のEの高まりによるもの。前回は津倉との接近が発生しなかったため、恐らく同高校に進学し同クラスとなった神宮がこの機に距離を詰めようと図り、殺害条件に触れたものと考える。恐らく両親も一緒に殺害されており、それゆえに強盗と見做されたものかと考えられる。
なお今回は津倉の接近により妨げられたため(また津倉も妨げられている)、発生条件を満たさない。(7月18日ジャヌコサタンの、津倉からの「なぜ日依を殺そうとしたのか」という問いに対する「砂村か、知らねぇな」という返答)

4月8日


殺害人物


事件

自殺-

発生事由

前日の一件を受けての自由意思に基づく自殺であると考えられる。
あるいは下手人に近づき過ぎて自殺を偽装され殺されたか。
(7日にも日依を見張っていて犯人に気づき、詰め寄って殺されるなど)

5月19日


殺害人物


事件

星野高校内で毒殺-

発生事由

坂木素直の告白によるEの高まりにより殺害条件に触れる。菰楠が突き飛ばした竜撫が諏似春の上着を汚し、それを洗剤で洗うように仕向け、さらには汚した上着を体育授業中の諏似春の前に落とし、目張りした上で洗剤を混ぜ合わせ有毒ガスを満たしたトイレに誘い込み昏倒させ殺害。
なお、坂木の死亡は年明けとなるため、この時は恐らく今回以上に落ち込んだ上、さらには告白した男子が放課後には返事すると答えて課業中に死ぬという事態から人間関係に怯えるなどトラウマを発症し他者との連携も取れなくなり、加えて今回同様に「訪似春が自殺する筈がない、殺されたのだ」と結論付け、最終的には倉重のように「自殺で片付ける警察の捜査があっさりし過ぎている」と警察を疑う段階まで達し、以後は年明けまで独自に動いていたものと考えられる。
またなぜ告白した坂木ではなく諏似春の方が狙われたのかについては、人気投票の結果で多数の女子生徒からのEの高まりの可能性を危険視された(坂木をやるより諏似春をやった方が効果的)のと、坂木を生かしたのにはEの推移を実験的に見守る意図があった、あるいは坂木を見せしめにする意図があったということなのかも知れない。

6月27日


殺害人物


事件

凌釧邸で胴無しで発見される-

発生事由

凌釧のEの高まりにより殺害基準に達する。アスモデウスが指示を受けベルゼブブと共にサタンたる爬哭の元へ伝達に赴いている(そしてベルゼブブはペットの犬を勝手に食べている)のが確認できる。サタン単独での遂行指示で、アスモデウスは協力を申し出てもいるのが確認できる。Eについては爬哭も同程度の基準にあるようにも見受けられるが、恐らく対象を殺害できれば不問に付される(Eの向かう対象を喪失し問題なくなる)ものと考えられる。しかし、前回の記憶と思しき場面にも出てくるが、恐らく凌釧を殺せず、(Eの基準を満たすのは凌釧のみならず爬哭も同様であるがゆえに)様子を伺っていたアスモデウスとベルゼブブに凌釧諸共に殺害され、腹はベルゼブブの食用に持ち去られたものと考えられる。

また、凄惨な死に様が津倉の耳にまで入った前回と異なり、今回は「二人は転校した」という情報隠蔽がなされているのは、諏似春の時と同様に河合がその連絡をでっちあげ情報操作をしたものと思われるが、兜橋が疑問を覚え原名護が調べたように、「なぜ今回だけこれが発生しているのか」を考えるならば、前回と違う点、すなわち爬哭の確保が関係しているものと思われる。その後も続く事件において凌釧同様に死を伏せられた生徒はいないうえに、爬哭同様に行方不明を取り繕われた生徒もいない事を考えると、爬哭が捕えられたことへのカウンターアクションとして、「二人は転校した」という情報操作がなされたと考えるべきなのだろう。
この対処は何を防ぐためのものか、という事を考えてみたいのだが、
津倉原名護の体験や、爬哭が知りうる情報を、仮にたとえ学校で正直にぶちまけられたとしても、「何言ってんだあいつらは引っ越したって連絡があったって先生が言ってたじゃないか」で片付けられクラスメイト達から取り合われず、荒唐無稽と流されるだけに終わるので、その効果を狙ったものであろうか。状況を続行する確固たる意思がある、とのメッセージも感じられる。

7月18日


殺害人物


事件

ジャヌコ火災で焼死-

発生事由

真柄の逃亡未遂への懲罰および、北河の真柄へのEが殺害基準に達する。逃亡計画露見は恐らく真柄龍矢の方が先であり、7月17日真柄和奈にて見下ろす顔と血を流し投げ出される左手は、それぞれ龍矢の粛清者と龍矢であると考えられる。逃亡計画に従って頑なに待ち合わせ場所から動かない真柄はそのままレヴィアタンあたりに焼かれ、逃げ出そうとした北河も炎を浴びせられ焼死したものと考えられる。衆人環視の中で悪魔の仮装での犯行は目立つため、防犯カメラなどの記録抹消、犯行の痕跡抹消などを目的とし、ジャヌコごと灰燼に帰すべく消防水利設備への工作はやはり行われていたものと考える。


夏休み中


殺害人物


事件

両手足切断のうえ餓死、
バラバラにされゴミ袋の中から、
頭部切断(?)-

発生事由

原名護が貴島の不審に気づき安沢探偵のごとく問い詰めて返り討ちに遭う、あるいは原名護貴島に対するEの高まりが殺害基準に達する。
貴島原名護に対するEが高まり殺すことができず粛清。
銀峠は怪談の真実を求め潜り込んだ深夜の学校で新聞部諸共に何かを見てしまい遭難、あるいは情報提供していた原名護の失踪を受け独自に動いて消された、あたりかと考えられる。
Eが基準に達したらすぐさま殺害されるという仮定に基づくならば、監禁されていた原名護は貴島の不審を突き止めて返り討ちにあったと見た方が自然かも知れない。
拘束した原名護をいつもどおり四肢を切断し栄養補給して玩弄するも、貴島は原名護にEを基準以上に抱いてしまい殺せなくなり、双子の片割れより粛清される。原名護も同程度の感情を抱いていたとされ始末される。
銀峠の最期は、今回の葬儀で津倉が耳にしたのと同様の死因として会場にて噂が流れていたため、前回もまた同じ、校内で切り刻まれ吊り下げられていたものと考えられる。


8月17日は今回爆破のようなものが発生しており(告白_後編)、また諏似春、北河、坂木、綱波、サンクス店長、海住、小宮山あたりが病院に居るタイミングとも思われるのだが、これを天倫による警察関係者を狙った爆破事件と見る場合、前回では諏似春も北河も死亡し入院してはいないので、よって病院には警察関係者が集まっておらず、前回は病院にて爆破事件は発生していないものと考えられる。
ただし同日に行われる祭りの方は警備が出ると思われるので、それを狙った爆破などの可能性は考えられるが(爆破予告を出し市民を避難させ警察の爆発物処理班をおびき寄せたところで爆破、など)


また前回、10月に津倉は学校の階段から落ちて3月まで入院していたと語っている。退院後に学校へ戻ると教室には折井ひとりしか居らず、そこで皆の死因を聞かされ、その後折井は自殺し、その死亡日が3月末日とあるので退院日は3月31日ではないかと思われる。半年入院するとは結構な重傷であるが、これは、前回の瓢鈴が行ったものではないかと推測する。津倉の前回の記憶によれば入学当初より瓢鈴から好意を示されるのは前回無かった事であり、すなわち前回の瓢鈴は徐々に津倉へEを示すようになり、10月あたりで基準値を超え、悪魔として対象の殺害を強いられる事になったのではあるまいか。そこで階段から突き落とされた津倉はおそらく生存を絶望視されるほどの重傷を負って入院、対象は死んだと見做されEは行き場を失って喪失、瓢鈴は対象の殺害という禊を果たして助命されたのではないだろうかとも考える。



11月11日


殺害人物


事件

詳細不明

発生事由

両者の接点は4月24日に野洲倉の弁当を野点が一口欲しがって拒絶され野点がオーバーアクションで凹むくらいしか見られないが、恐らく流れ的にどちらかのどちらかに対するEが殺害基準に達し(あるいは双方)、爬哭の一件の時と同様、ベルゼブブの中身と目される野点に単独で野洲倉を殺害する必要が生じたのであろうと思われる。野点は野洲倉を殺害し食そうと目論むが、しかしどちらも出来ず、結果としてやはり同様に監視していた他悪魔に両名は殺されたのであろうと思われる。
この項に関しては津倉は前回の折井から何と聞かされたものか、死因不明ではなく詳細不明としている。殺されずに逃げた可能性もなくはないのだが、例えば爬哭が凌釧を殺せないからと言って連れて逃げられたかと言えばそれは難しいと考えられ、やはり殺されたのではないかと思われる。
前回の折井に死の状況が伏せられ伝わらないような、余程の何かがあったのではないだろうか。

また、野点の話は劇中10月に描写されるという事だが、大まかに野点や野洲倉の背景について考察してみる。
恐らく野点は六年前に母親が自殺した折に食べるものがなくなり、母親の死が発覚するまでの間に母親の屍肉を食べて凌いでおり、それゆえ特殊な摂食障害(生肉ばかり好む、人肉や犬肉も食す)を患い、異常性を示す子供として爬哭と同じように引き取られたのではないだろうかと考える。
野洲倉は溺愛していた弟を事故で失って庇護対象へ固執するようになり、自ら固く門限を課し、強迫観念のもとに叔母一家の家事をこなしているのではないだろうかと考える。(もちろん闇深要素も感じられるが、たいがんのかしに見る親類関係や、警察が会いに行った叔母一家の対応などを見るに、例えば野洲倉が居候として強制的にこき使われているような印象は薄い)
加えて、野洲倉には野点の母と共通する部分があり(生前は美味しい料理をいつも作ってくれたとか)、また野点には野洲倉弟と共通する部分がある(不出来で手がかかり自分がいないと何も出来ない不器用さとか)ために、お互いが他者へ渇望しているそんな一面を知って惹かれ合い、最終的にこのような結果を招くのではないかと推測する。

11月12日


殺害人物


事件

稲垣駅にて自殺

発生事由

両者の死亡の翌日に駅で自殺を図っている。野点と親交はないが野洲倉とは中学時代に野洲倉が転校してきて以来の付き合いである天羽にとって、野洲倉の死は衝撃であっただろう事は想像に難くない。
だがそれだけで翌日に自殺するかと言うと弱く、さらなる複雑な事情が背景に横たわっているのだろうと思われる。
ここで天羽と親密そうに見えるもののその繋がりをひた隠しにされている人物として、保健教師の古澤が存在する。
天羽の人物像がネクロス王の被害者像と一致する事から、古澤はネクロス王そのものではないかという推理もある。だが、ネクロス王の被害者には交友関係や繋がりがない為、犠牲者のチョイスは犯人の交友関係以外から行っていると見るのが自然である。その理屈に従えば、ダイレクトに勤務先の学校の生徒に手を出している古澤はネクロス王の人物像からは外れることになる。
ここで改めて天羽の死因に目を向けたいのだが、稲垣駅で自殺となっている。稲垣駅周辺で天羽は何度か目撃されており行動範囲内と思われるためおかしな点はないが、駅で自殺と言えば一般的には列車への飛び込み自殺である。死に方は色々ある。常に死について日頃想いを馳せていた天羽であればそれこそいくらでも選べるであろう。古澤にずっと仕込まれていたのは首絞めによる臨死体験ではないだろうかと推測しているのだが、もしそうであるならば、天羽は首つりなどの選択肢を選びそうではある。また泳げない天羽であれば入水なども選びそうなものである。さて、そこへ来て駅での自殺、恐らくは列車飛び込みである。この死に方は死体がバラバラになる。すなわち司法解剖が難しくなる。つまり天羽は己の死体から解る何かを隠そうとしたのではないかと推測する。すなわち一つはその日まだ残っていた首のアザ、そしてもう一つは妊娠の事実、ではないだろうかと考える。
そしてここで自殺のタイミングが友人死亡の翌日である事にさらに視点を戻せば、恐らくは天羽は己の意に反して野洲倉の死に手を貸してしまった形となったのではあるまいか、とも考えられる。
整理すると、11日の野点野洲倉殺害には恐らく古澤も関与しており、天羽は押し切られるような形でそれの手伝いをさせられた。手伝いというのはアリバイ作りであったかも知れないし補助的な実作業であったのかも知れない。とにかく、天羽は11日の二人の死を知り、そこに古澤の関与を確信するだけの感触を得てしまった。そして、その上でなお古澤を庇うことを選び、しかし悪魔に加担する道は選ばずに、あくまでも古澤との秘匿された関係を秘匿したまま、自死を選ぼうとした。
その結果が、翌日の駅自殺なのではないだろうか、と考える。

12月24日


殺害人物


事件

星浜公園にて刺殺

発生事由

クラスメイトの過半が死亡あるいは行方不明となる12月25日。その前日に一人だけ死亡し、しかもこれまで聞かなかった星浜公園という場所で、これまでにない刺殺という死因を明示して死んだらしい丹生袴である。
この死は何なのか、について考える前にまず丹生袴がEの殺害基準を満たすかどうかについて考えてみたい。
丹生袴はそもそも殆どのクラスメイトと親しくなく、またクラスメイトの異性に好意を示すこともない。7月2日以降はさらに距離を置く描写ばかり見受けられるので、丹生袴の側からEが高まり殺害基準を満たすという事はないと思われる。
そして逆に、丹生袴へEを向ける人物について考えてみても、反応的に「パパ」呼びしている菰楠が愛情を向ける可能性くらいしか見えないが、しかし菰楠にとっての「パパ」はその指し示す人物がころころ変わっている事からも、代替の効く存在でしかない。また4月29日の悪魔描写のひとつが菰楠に当てはまるものならば「パパ」の定義は、「自分が世界で一番愛し、また自分を世界で一番愛してくれる存在」となるが、しかし6月26日のパパに傷をつける行為やその後、犯行時の爬哭の独白を見るに、そもそも菰楠の愛情の定義には、相手に傷をつける事や、痛めつける事も含まれているように思われる。替えの効く被虐対象をパパと呼んでいるに過ぎないであれば、抱いている感情は愛情とはとても呼べない歪んだものであり、それゆえにEが高まらないのではないかと考える。
となると丹生袴はなぜ死んだのかという事になる。菰楠の「愛情表現」が激しすぎて殺されたという可能性も考えられるが、丹生袴の性格的に、黙って虐待を死ぬまで受け入れ続けるとは考えづらく、またサタン役を代わって務めると思しき丹生袴を菰楠が己の一存で殺すという事も考えづらい。
ここで翌日25日の大量死に目を向けたい。後述するが25日は高校内にクラスメイトが大量に集まっていたと考えられ、日付的に見てクリスマスパーティー兼イエロースター最終回視聴会が開かれていた可能性がある。死亡者および行方不明者の顔ぶれを見るに、恐らく、相次ぐクラスメイトの死に消沈するクラスを見かねた網生あたりが元気を取り戻させるためパーティーを企画し、副委員長の兜橋あたりもそれに同意し、またイエロースター視聴層がそれに便乗、同調したものではないだろうか。
加えて、このパーティーは参加者が必ず何かの仮装を身に纏う、クリアのごとき仮装パーティーとして立案されたものであると推測する。
また、この仮想パーティー提案は悪魔側によってなされたもので、もともと翌25日には誰かの殺害執行をなす予定があり、悪魔の仮装で校内へ侵入しても不自然にならないという目的に基づいて付加提案されたものであると考える。
さてここで丹生袴に話を戻すのであるが、恐らくこのパーティーに丹生袴はサタンの扮装で参加予定であったのではあるまいか。目的はもちろんパーティーを満喫するためではなく誰かの殺害執行のためであるのだが、その前日、誰かに星浜公園へ呼び出されたのかも知れない。
誰かというのは堂珍で、またこの星浜公園というのは、かつて7月2日に丹生袴が茂みの中で声と音を出す何者かを見つけた場所であると仮定する。
この7月2日に堂珍は菰楠と共に茂みの中に居て、菰楠からパパ呼びされている最中に丹生袴に踏み込まれ、結果として菰楠には自分から丹生袴へ乗り換えられ、パパ呼びもサタン役も奪われる結果となり、その後の堂珍は菰楠に使われるだけの飼い蟲と化した、のではないかと考えているのだが、その踏みにじられた感情を背景に、堂珍は丹生袴を記憶の場所へと呼び出した。
丹生袴は堂珍が悪魔側と知っているので、明日の打ち合わせくらいの感覚で気軽にやってくる。
そこで油断している丹生袴を堂珍は刺殺し、遺体を茂みかどこかに隠したのではないか。(遺体がすぐ発見されていたら翌日クラスメイトが学校へ集まる事態にはならないと思われるため)
そして、サタンの扮装を奪取し、翌25日の催しに自らサタンの扮装を纏い参加したのではあるまいか。

12月25日


殺害人物


事件

事故死(黒武)
星野高校内で死亡、死因不明(鴨志田~倉重)
同日より行方不明(返名~竜撫)

発生事由

クラスメイト15人が一斉に死亡もしくは行方不明になる25日である。
この日を過ぎてクラスに残るのはわずか七人、坂木、瓢鈴、水戸灯、色璃音、八阪、折井、津倉のみであり、三学期はクラスの体すら為していない。
この日は前述の通り、高校内で1-3有志による催しが開催されていたと推測する。より具体的にはクリスマス仮装パーティー兼イエロースター最終回視聴会、であろうと思われる。死者行方不明者のあまりの多さ、情報の不足から考えて、生存の七人はこの催しに参加してはいなかったのではないかとも思われる。(瓢鈴はレヴィアタンゆえ出席していた可能性もある)
死因不明の人数が多すぎ、また行方不明者も大量に発生している事から、この日は天輪による爆破テロが高校で発生したのだという推理がある。
ただの爆死とされず死因不明とされたのは、爆破前に何かが起きていてその把握がなされぬまま爆破された可能性もあるし、また死体が粉微塵の可能性もある。死体すら出てこなくてもおかしくないような状況であった可能性もあるだろう。このことを津倉が耳にしたのは折井の口からであったため、やはり折井は欠席していたために命を拾い、またそれゆえに詳しい事は何も知らぬのだろうと考える。
三月に津倉が退院した際教室は無事だった事を考えると、この催しは体育館かどこかで行われたものかも知れない。
ここで、仮装パーティーである事に乗じて、扮装のまま悪魔達が堂々と校内へ侵入していたのではないかと考えたい。
悪魔達の目的は新たに殺害対象とされた者の殺害であり、このときすでにEを抱き殺害基準にまで達してしまった者がいたと考える。
死亡が確認されている人間の中からそれらしき人物を探してみると、現状の描写においてはもう網生くらいしか該当者が思い当たらない。前回も同様に、折井は自分の事を好きでもなさそうな色璃音に振り回されていたとするならば、網生が思いを募らせクリスマスに遂に行動に出る決心をした、という解釈も向けられそうではある。またクリスマスに告白するというのもロマンチストな一面を持つ網生らしくはある。ただ、折井は恐らくこの時に高校へは赴いていないと思われるので、殺害基準に達したEは喪失したのではないかとも思われる。

さて、この日高校内で何が起きていたかだが、これまでの仮定にのっとって順繰りに挙げていくとすると、

人気のないところへおびき出して網生を殺害、
網生を殺したサタンがアスモデウスにパパ呼びを迫る、
サタンの中身が丹生袴ではない事にアスモデウスが気づく、
アスモデウスがサタンを殺害、
(前回はくらすくが発足しておらず警察と繋がりのある原名護も既に死亡しているためなかなか気づかれなかったが)パーティー参加者の中にジャヌコ火災の時見かけた不審な悪魔仮装が混ざっている事に小荒田あたりが気づいて通報、
警察と消防がかけつけてくる、
ほとんど間をおかずに天倫の差し向けた爆薬満載のダンプが高校目掛けて発進、
遅れてパーティへ向かおうとする一大様が高校敷地外にてそのダンプに轢かれて事故死、
ダンプ体育館に突っ込んで大爆発(もともと体育館基部に仕掛けられていた爆弾なども誘爆)、
火災と爆発で現場はめちゃくちゃになり六人の死体しか確認できない、

おおよそこのような流れで事態が推移するのではないかと推測してみる。
行方不明者が多すぎるため、この機に潜伏を図った人物も多いと思われる。
そうなると、爆破はもともと姿をくらます隠れ蓑にするために計画されていたものという推測も成り立つが、天倫が悪魔達の行動に同期して動いているかどうかはわからない。少なくともジャヌコを丸ごと焼くような大仕事の際にさえ天輪の影は見えないので、悪魔と天輪は無関係な動きをしているのかもしれない。
菰楠、竜撫、返名あたりは悪魔陣営として暗躍すべくこの機に行方をくらましそうでもあるが、その一方で、小荒田、糎蝋、水津あたりもこの年末に至るまでにあらかじめ周囲を疑っており、機転を利かし姿を隠していそうでもある。小荒田の部屋の秘密がその辺りで生きてくるのだろうか。

1月8日


殺害人物


事件

射殺

発生事由

年が変わり恐らくは三学期開始初日、残りクラスメイト7人となったところで早々に坂木が死亡する。死因もこれまでにない射殺である。
悪魔はここまで銃を使ってきていないが、では劇中で銃を所持しまた生徒へも銃口が向く可能性のありそうな人物となると、警察の面々や、八阪周辺人物のジョバンニエミリーの名が挙げられるのではないかと思われる。
今回の坂木は諏似春が死亡しなかったため、減りゆくクラスメイトに恐怖や悲しみを抱きつつも毎日お見舞いに行き諏似春の快復を願う事で、夏休み中まではどうにか精神の均衡を保っているように見える。
しかし前回の坂木は諏似春が死亡しており、恐らく今回と同じく、その話を聞かされた直後に自殺を否定しすぐさま犯人捜しをしていると考えられる。そして、前回も同様に銀峠が凌釧への疑いを口にし、寮櫂と丹生袴が無責任に囃したてたとすれば、やはり坂木は同様に凌釧へ暴力を振るい、加えて前回では止める砂村もいなくなっているので椅子のみならず机まで叩きつけていた可能性がある。いずれ原名護や銅八あたりが止めには入って事態は沈静化しただろうが、クラスメイトにより強く暴力を振るっただろう前回の坂木は今回よりもさらに孤立していた可能性がある。加えて言うなれば、告白の返事を待っている最中に相手に自殺された事で、坂木は他者とのコミュニケーションそのものにトラウマを覚えるようになっても不自然ではないと考える。
前回における諏似春事件後の坂木であるが、まず諏似春は死んでいるため毎日病院へお見舞いに行くという行動は取らないだろう。今回よりも長く落ち込み、次に落ち着いたところで改めて諏似春の自殺を否定し、倉重も考えていたように警察の捜査があまりにも簡略過ぎると感じ、また諏似春家族のタイミングの良い行方知れずにも不審を覚え、警察をはじめ周囲の様々なものへの疑いをひとり深めてゆき、さながら今回における倉重のような行動を取っていくのではないかと考える。
ここで坂木は、警察の周囲を嗅ぎまわってWA派と天輪派のつながりを25日あたりにたまたま見てしまって詰め寄って射殺され、正当防衛の体を整えられる…といった死を迎えるという考え方もできはするのだが、
  • 坂木の死が諏似春の半年以上先、
  • また三学期開始直後、
という二点から、別の推測をしてみたい。
すなわち長い長い孤独な思索の果てに、坂木は事件の背景に巨大な力の存在を感じた。それは諏似春の他殺を自殺で片付けさせ、警察の捜査を終了させ、諏似春一家を失踪させながらも転居と偽装し、またクラスメイトを次々手にかけていきながらも全く捕まらないほどの、巨大な力だ。12月25日に大勢のクラスメイトが殺され、犯人も捕まらず状況もわからず、坂木は尻に火をつけられる形となった。そして、犯人は巨大複合企業八阪の令嬢である八阪パールザリックリンジャーである、と結論づけた。クラスメイトもいっぺんに大勢死んだのに、なぜか八阪や色璃音は普通に生きている。
三学期初日、坂木はしばらくぶりに顔を合わせた八阪をすべての犯人であると糾弾した。そして仇射ちの名のもとに、凶器を携えて明確な殺意とともに八阪へ襲い掛かり、敢えなくジョバンニあたりに撃ち殺された。
今後の件も踏まえ、このように推測してみる。

2月15日


殺害人物


事件

脳死

発生事由

バレンタインの翌日に瓢鈴が死ぬ。しかもいきなり脳死とある。
脳死という事は身体は生きているものの、肝心の脳機能が死んでいる。結果だけ見るなら、精神が死んでいる、人格が死んでいるという捉え方もできるだろう。
瓢鈴は黒りり・白りり・灰りり・あん・あかりなど様々な人格を有しているような描写が見られる。これらの人格は競合関係にあり、また人格間での対立も示すような会話が4月29日にも認められ、穏当に共存しているとは言い難い。
さてここで2月15日という日付について考えてみたい。バレンタインの翌日であり、また、10月に階段から突き落とされた津倉の、およそ退院一か月半前くらいの日取りでもある。
退院の時期を考えれば、もうこの頃には津倉は意識を取り戻し、学校に通えるくらいの体機能の回復を見込んで、リハビリでもしている頃ではないかと思われる。
ただ、10月に瓢鈴によって階段から突き落とされた津倉は生死の境を彷徨って、また長いこと意識も取り戻さなかったのではないかと考えているのだが(三月に退院して折井から全て聞かされるまで、あまりにも学校の様子に疎いので)、その事を考え合わせるのであればもしかしたらこの前日、2月14日あたりに津倉は意識を取り戻したのかも知れない。
さて、その情報を聞きつけると心穏やかならないのが瓢鈴である、と推測する。
前述の通り、10月に津倉を階段から突き落としたのは瓢鈴ではないかと考察した。瓢鈴の津倉に対するEの高まりが殺害基準を超え、それ故に瓢鈴は自らの手で津倉を殺さねばならず、階段から突き落として危篤に追い込んだ。
その結果瓢鈴のEは行き場を失って喪失し、粛清から遁れ得たのだと推測する。
その後、バレンタインが近づき町がムードに包まれるにつれ白りりの気分はどんどん憂鬱になってゆくのだろうと考える。なぜならば恋愛ごっこに憧れる白りりは、チョコレートを贈るはずだった相手を自らの手で階段から突き落としているのである。憂鬱にならぬはずがなく、またその気分は他人格へも伝染する。
しかし、半年近く経ったこの時期になって津倉が目覚めた。気分が晴れると同時に、しかし津倉が生きているという事は、瓢鈴のEも行き場を取り戻すという事でもある。生存を期す瓢鈴としては、自らの身の安全のため早急に津倉を殺さねばならない。
だが一度殺す事が出来た相手を、二度殺せるとは限らない。それが内心嫌々行った事であるならば猶更である。
というか瓢鈴は人格がいくつもに分かれており、津倉が好きなのはあくまでもごく一部の人格に過ぎないのだが、その気分は他の人格にまで伝染してしまうという事が劇中で明らかにされている。
好きな相手を階段から突き落とした気分が伝染し、かつての瓢鈴はいかなる人格が表に出ている時であっても行動不能に陥っていたのではあるまいか。
チョコレートを贈り想いを伝えたい、いや逆に殺さねばならない、もう一度あんな経験はしたくない、でもやらなければならない、いやさせまい、今度こそ阻止する、と複数の人格間にて強烈な葛藤が生じ、その結果として、瓢鈴の精神はかかる過負荷に死を迎えてしまい、突然に見える脳死を迎えるのではないか、と考える。
ただ人格や精神が死んだら脳死するというわけではないので、脳だけ死ぬような何かを行ったのだろうとは思われる。糸日谷にて兄の目を盗み、薬剤の過剰摂取でも行ったのかもしれない。

2月未明


殺害人物


事件

死因不明

発生事由

残り五名である。津倉は入院中と考えられるので、クラスで出席していそうなのはもう折井、水戸灯、色璃音、八阪の四名だけである。
この中で水戸灯と色璃音の二人が死ぬ。一見接点の無さそうな両者である。
夏休みに色璃音が折井へ語った「好きな人もいたが終わった」という言葉の中の「好きな人」とは、態度を見るならジョバンニ、人気投票結果を見るなら(同じ中学の)糎蝋あたりかとも考えられる。しかし、この「好きな人」とは別の人間であったと仮定してみたい。
さてここで視点を、そもそもの世界の設定へと移す。前述の通り、劇中世界が「1-3は何らかの先端実験の実験場として用意された舞台であり、その実験中の事故により通常の時空運行から外れループに陥っている」というものであったとする。
より詳細にその仮説の設定を述べるとするならば、「他者のEに過敏に反応する特異体質を有し、その中では長くは生きられず、既に余命幾許もない八阪があの機械から出て暮らせるような環境形成を目指し、グループが実行した先端実験であって、クラスメイトは親家族含め全員実験の協力者、また実験の場にもさまざまな特殊処理が加えられているのだが、実験場が暴走してループにはまりこみ、気づいている者が脱出を試みている」というものである。
ここで、八坂と親しく、八阪の敷地内に住み、共にリムジンで登校し、親から折井との交際をこそこそと監視される色璃音は、「余命幾ばくもない八阪の脳をいずれ載せ替えられる目的の元に生み出された、八阪のクローン(健康体)」であると考えてみたい。
八阪が、Eの高まりに晒されると己の命も削られ、また世界もループしてしまうと結論づけているとして、もし色璃音の両親がそれを知る立場にあるならば、娘がクラスメイトと交際する様は見ていて気が気ではないだろう。ひとつ間違えば自分たちまで殺されるのである。気のない素振りの娘でもこっそり監視するくらいはやるだろうと思われる。警察は色璃音の妹に会えていないが、妹は無数に居るのかもしれない。
さて、二月も後半にさしかかり、八阪の余命は殆ど尽き、そろそろ色璃音に手術の話が近づいていたのではないだろうかと考える。
たとえ劇中が異常事態に陥っていたとしても、仮にループを続けていたとしても、問題が解決し解除されれば、続くのは日常である。
そうなると、悪魔達だって違法行為を行うのに証拠隠滅はきっちりやる必要があるし、また八阪も未来を生きる延命の為に手術を受け入れねばならぬだろう。
と、ここで色璃音の好きな人の話に戻るが、色璃音の好きな人とは水戸灯のことであったのではあるまいか。
あまり似ていないがクローンとするならば、八阪が何かと気をかける、唯一生身の姿を晒している、水戸灯を好きになってもおかしくはない。
恐らく色璃音は脳移植後の生活がスムースに運ぶよう、八阪と行動を共にさせられていたのではないだろうか。同じ行動様式、行動半径にあらかじめ慣らしてある個体ならば、脳移植後も変わらぬ生活が営めるとも思われる。仮に、健康体である色璃音の体へ八阪の脳を移植するのだとしたら、八阪はその後の人生を色璃音の顔で生身で生きていく事になるが、まあその場合は転校でもして八阪を名乗り生きていく事になるのだろう。
さて。迫る手術を前に、色璃音はふさぎ込むのではと考える。
クローンとして生み出されていたのだから既に運命は受け入れているが、しかし何かを残したい。
そこで水戸灯への想いを思い出すのではあるまいか。
ただ同時に、色璃音は八阪の事も考えるのではないかと思う。
八阪が水戸灯を好きなのは明白だから、かつてのようにもう一度諦めようとも考えるのかもしれない。
しかし、ここで一つ抜け穴があることに色璃音は気づくのだと思う。
手術がうまくいき、自分は死んで、お嬢様は生きて、そしてどれだけ時が経った後かは知らないが、やがて自分の顔で水戸灯に会いに行く事になるのだろうと考える。
であれば、ここで自分が気持ちのままに水戸灯に告白したとしても、やがて水戸灯と再会するだろう、自分の顔をしたお嬢様にとっては、マイナスな事など何もない。むしろいい物を残せる。
そう納得して、色璃音は水戸灯に告白するのではないかと考える。
ただ、その後は色璃音の目論見通りに、返事を聞かず、いずれ再会を約して気持ちよく水戸灯と別れるという形にはならず、手術前の心の揺れなどもあって、恐らく不本意ながら、水戸灯へすべての真実を話してしまうのかも知れない。
となると、水戸灯の八阪への印象も最低に落ち込むし、事態はどう考えても悪い方向に向かうしで――まあ、しばしの逃避行とかあるのかも知れないが、最終的には色璃音は粛清、水戸灯もやむなく殺されてしまうのではないかと考える。

以降は前回ではなく今回の話となるが、倉重が津倉の机から手に入れた死因ノートを失うのは7月10日だが、これに先立つ7月6日に、生身の八阪が水戸灯の働くコンビニ駆け込んでくる。どうしたか尋ねられて口ごもった挙句プリンを買いに来たと告げる。しかも、前に来店した折はお金を持っていたのにこの時はお金すら持っていない。この不審な態度は恐らく、倉重の手にある死因ノートの中身を何らかの形で知り、そこに記された水戸灯の死を見て不安になり、己の足で生存を確かめにきたものではないかと考えている。その後エミリーがコンビニで働き出すのも、おそらく水戸灯の護衛を命じられてのことだろう。

3月未明


殺害人物


事件

死亡(?)

発生事由

残り三人。クラスにはもう八坂と折井しかいないだろう状態である。
しかし津倉が折井から聞かされた情報の、死亡(?)とは一体何だろうか。唯一クラスで顔を合わせる相手となった折井にさえ葬式の連絡くらいしか来なかったのだろうか。あるいは逆に、死んだらしいと聞かされたものの葬式の連絡すら来なかったので本当に死んでいるのかどうかすらわからない、という意味なのだろうか。というか折井情報はなぜ殆どが不鮮明なのか。クラスメイト達がばたばた死んでゆく中、どこまでも蚊帳の外に置かれていたのか。
ともあれ八坂の死因について考えてみたい。と言っても八坂が死ぬ理由には、十中八九直前の色璃音と水戸灯の死が絡んでいると見ていいだろう。何しろ八坂とまともに絡んでいるのがこの二人しかおらず、またこの二人の方も最後の最期まで生き残っている。
八阪が水戸灯にだけ姿を晒す点、7月6日のコンビニへの不審な来訪、八坂の敷地内に住む色璃音、人付き合いが悪そうにも見えないが三人とも12月の大量死を免れている点、などなど、両者は八坂の保護対象でもあったと考えてよいのではないだろうか。
翻って、その二人が死んだのが前述の通り、色璃音の扱いに対して二人が八阪へと反旗を翻した結果であったと考える。この場合つらいのは八阪である。

世界設定が、「他者のEに過剰に反応してしまい長くは生きられない身である八阪の為の先端実験場」というもので、
また色璃音の設定が「八阪の脳を乗せ換える為に用意された健康体の八阪クローン」というものであり、
加えて八阪自身の願望が、たとえば「恋愛に支障のない身体で水戸灯の前に現れて想いを伝えたかった」というものであったとしたら、
八阪にとって二人が死んでしまった現状は、もう意味なきものと成り果てているのではないだろうか。
加えて八阪の余命自体が尽きかけていて、その打開策たる色璃音を失っているとしたら、心情的にも、また現実的な問題としても、ほぼ詰みのような状況にあるのかもしれない。
八阪はそのまま死を受け入れておかしくないような状況にあるように思われる。

なお、ここまでEの計測をずっと行ってきたのは八阪のマシンであると考える。ここで個人の抱くEが殺害基準を超えたと計測されると、悪魔達へ指示が行き、殺害が実行され、行き場を無くしたEが雲散霧消し、安全域に戻るのではないかと考えている。
なぜ殺害せねばならないかについてだが、八阪自身にとって毒となるEの高まりを警戒しているだけでなく、暴走した実験場においてはEの高まりそのものが世界を壊しリセットしかねないから、という仮説を挙げておきたい。
八阪やその周囲の人間が死なずに最後まで守られてきたのには、こういった背景があるのではないかと考える。

ただ、八阪の水戸灯に対する態度は単純な異性に対する好意とは少し違うようにも感じられるため、7月6日の態度や以後エミリーをつける事から考えても、水戸灯は「守りたい相手」なのかも知れない。水戸灯家は父親が不明なので、あるいは腹違いの兄妹という事もあるかも知れない。
また、気になるのが水戸灯母の病状であるが、一年以内に発症したもので、それまではコンビニ勤めも家事も普通にこなしている描写がある。この病気が八阪の罹患しているものと同じであると考えるならば、水戸灯母と八阪には同じ病を宿す遺伝子的な同一性があったりするのかも知れない。となると親類という可能性も考えられるのだが、水戸灯家が普通に困窮していそうな事を考えるとその可能性は薄いかも知れない。

3月末日


殺害人物


事件

自殺

発生事由

残り二人。折井一人しか残っていないクラスへと津倉が退院してくる。
津倉の話によると折井は、津倉の入院中にいなくなった皆の死の状況などについて語り、そしてその後自殺したという。末日というからには3月31日だろう。
折井が自殺した理由について考えてみたいが、まず自殺するだけの動機として、恐らく前回も夏休みあたりに交際していたであろうと考えられる色璃音が、直前の二月未明に死んでいる点が挙げられる。この死がどういったものかはわからないし、今回の夏休みを見るに折井も色璃音とうまく行っているとは言い難いのだが、まあ一応交際相手の死は自殺するに足る理由とは言える。
仮に、この年度末に至るまでの間で折井がいっそう色璃音への想いを深めていた上で、上述したように、色璃音の死が水戸灯と深く関わったためのものであり、色璃音のかつての想い人が水戸灯であり、そして折井から見て二人の死が心中に近いものにしか見えなかったとするならば、これは折井が死ぬには十分な理由たり得ると考えられはする。
しかしここで、折井の自殺には別の理由があったとする考えを推してみたい。
皆が死に絶えたクラスは、何者かの作為を感じ怯えるには十分である。折井の立場からすれば、自分もまた殺されると考えるのが普通だろう。
そこへひとり復学してくる津倉である。
真犯人もしくは真の黒幕がずっと隠していた姿を現し、もう隠す必要のない身を堂々と晒して、とうとう最後の一人となった自分を殺しにきたのだ、と折井の立場からしてみればそう考えてもおかしくはないはずである。
ただ、その通りに折井が津倉への恐怖に怯えていたとしたら、退院してきて何も知らない津倉から当然、いなくなっているクラスメイトの事を訊かれたとしても「とぼけやがって」としか思わないだろうし、また皆の死について一人一人答えるという几帳面な真似をしてくれる精神状態であるようにも思えない。
ゆえに、折井は、当初は旧知の友人たる津倉の退院復学を素直に喜んでいたが、後で一人で考え直してみて、津倉が真犯人あるいは黒幕と考えたのではあるまいか。
旧知の親友が大量殺戮犯で、かつ自分の命も狙っているかも知れないと考えるのは、自殺するに十分に足る恐怖でもあると考える。
自殺日がなぜ三月末日なのかは気にかかるが、ループ条件などと関係があるのかも知れない。

その後、津倉主観では「自分自身だけが昨年の4月7日に飛んでいる」。
何が発生したのかについては不明だが、恐らく前回はループする結果に到達してしまったのだろう。




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最終更新:2020年09月09日 09:30
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