オバデヤ書

12小預言書の1つ。旧約聖書のなかでもっとも短く、1章21節のみからなる予言の書。筆者は伝統的にオバデヤ(オバデア)という名の人物とされる。

著者

オバデヤとしか書かれていない。
オバデヤ書1節
オバデヤの幻。

しかしヒントはある。オバデヤ1-9節をエレミヤ書49:7-22の並行記述とみる。エレミヤ書のこの箇所はヨヤキン王の第4年(紀元前604年)とされており、したがってオバデヤ11-14節は紀元前586年のネブカドネザルによるエルサレム陥落を指すと看做される。

内容

その内容は、ユダ王国の隣国エドムに対する報復の預言が中心となっている。紀元前587年新バビロニア王国によってエルサレムが陥落し、神殿をはじめ都が破壊されたとき、エドムはユダ王国の苦境に乗じて、略奪を行ったり、逃れる者を撃つなど、隣国としての友好関係を裏切った。これに対する神の審判と、ユダ王国の回復が預言されている。

『オバデヤ書』との直接の並行箇所は新約聖書にはないが、主題上の類似は上述のとおり見出されうる。旧約聖書においては、『エレミヤ書』49:7-16と『オバデヤ書』1-8に、細部は異なるものの、ほぼ並行する記述がある。
『オバデヤ書』の様式と言葉遣いは、ことにその終結部において『ヨエル書』に近似している。
『オバデヤ書』には「ヤハウェの日」という語が頻出するが、この語は『ヨエル書』、『イザヤ書』13章、『アモス書』5章、『ゼパニヤ書』1章、『マラキ書』3章にも見出される。
最終更新:2017年05月18日 21:08