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スーパーロボット大戦30 - (2022/04/18 (月) 14:11:07) の編集履歴(バックアップ)


スーパーロボット大戦30

【すーぱーろぼっとたいせん さーてぃ】

ジャンル シミュレーション

対応機種 プレイステーション4
Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 BBスタジオ
発売日 2021年10月28日
定価 【PS4/Switch通常版】9,460円
【超限定版】31,460円*1(共に税10%込)
【Steam版】オープン価格
判定 良作
ポイント シリーズ30周年記念作品
ミッション制になり攻略の自由度大幅増大
DLCによる作品の追加参戦
やり込み要素もボリュームアップ
反面、バグは多め
スーパーロボット大戦シリーズ



30年の時を経てーーー
戦え、この星の明日のために



概要

『スーパーロボット大戦』シリーズ30周年を記念した作品。本作では従来作品のシステムから大きなテコ入れが行われている。
タイトルロゴの「30」は『マジンガーZ』などの生みの親でありスパロボシリーズとも縁が深い漫画家の永井豪氏によるデザイン。

参戦作品一覧

+ ...
参戦済み 超電磁ロボ コン・バトラーV
機動戦士ガンダム(機体のみ)
機動戦士Zガンダム
Z-MSV(機体のみ)
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
M-MSV(機体のみ)
機動戦士ガンダムNT
機動戦士Vガンダム
重戦機エルガイム
勇者王ガオガイガーFINAL(機体のみ)
コードギアス 復活のルルーシュ
劇場版 マジンガーZ / INFINITY
真ゲッターロボ 世界最後の日
魔法騎士レイアース
ガン×ソード
銀河機攻隊 マジェスティックプリンス
スーパーロボット大戦OG*2
初参戦 マジンカイザーINFINITISM
勇者警察ジェイデッカー
覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~
コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道(機体のみ)
ナイツ&マジック
SSSS.GRIDMAN
DLC追加参戦 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン(機体のみ)
超電磁マシーン ボルテスV
サクラ大戦シリーズ*3
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
ULTRAMAN
スーパーロボット大戦OG*4
  • 『ガンダムNT』『復活のルルーシュ』『マジェスティックプリンス』『サクラ大戦』は『X-Ω』にてイベント期間限定で参戦しており、本作が初の正式参戦となる。
    • 『鉄血のオルフェンズ』は『DD』への参戦を経て据置機作品には初参戦となる。
  • シリーズ初となるシーズンパスが導入され、DLCでの参戦作品(及び『OG』シリーズからのゲスト参戦)はメインシナリオには深く関わらず、原作再現イベントもほとんど無い*5、いわゆる「いるだけ参戦」での扱いとなる。ただ一部のシーンではDLCを購入しているとメインミッション中でも会話に参加する(Vの対ファラ戦でキョウスケとエクセレンの会話が発生するなど)。
    • 初登場シナリオのみDLC未購入でもプレイ可能だが、戦闘BGMはオリジナル曲となっている。
    • 上記DLCとは別の無料アップデートにより『OG』シリーズからゲシュペンスト&ギリアムが、『DD』からディーダリオンが参戦している。参戦作品はどちらも『OG』名義*6
      • なお、『OG』シリーズの面々は歴代スパロボの世界から転移してきたという設定になっている*7
  • 既存作品では何れもソシャゲ系を除くという前提で『コン・バトラーV』が『L』以来11年ぶり、『エルガイム』が『OE』以来7年ぶり*8、『Vガンダム』に至っては『D』以来18年ぶりの参戦となる。
  • 『覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~』は『勇者王ガオガイガー』および『ベターマン』の続編にあたる小説作品であり、原作小説完結から4か月後で参戦というスピード参戦となる。
    このため本作が初の映像化にあたり、漫画版作画担当の藤沢真行氏もグラフィック原画に協力している。

システム解説

全体的に『スーパーロボット大戦MX』に近いシステムとなっている。

  • シナリオ攻略が単一のミッション選択式となった「タクティカル・エリア・セレクト」が導入された。『IMPACT』系列や『OE』のフリーオーダーシステムに近い。
    • メインシナリオの進行となる「キーミッション」、任意選択となる「サイドミッション」、一定期間で復活し何度でも選択出来る「戦線ミッション」、オプションパーツや高額クレジットが得られる「遺跡ミッション」、艦内での会話イベントやシミュレーターとなる「艦内ミッション」などがある。
      • 主要な味方キャラやユニットはキーミッションを通ると必ず加入する他、該当するサイドミッションをクリアする事で先行して加入するようになっている。
      • 一部のキーミッションは放置していると「緊急ミッション」に変化し、クリアするまでそれ以外のミッションが選択できなくなる。該当ミッションが発生すると会話内でいずれ強制参加することが示唆される。
    • ミッションの選択はリスト一覧から選択する他、ワールドマップからも選択が可能。うち遺跡ミッションはワールドマップからでのみ、艦内ミッションはリスト一覧からのみ選択出来る。
      • またワールドマップでは妖精「イーリス」からの報酬が得られる妖精イベントが不定期で発生する。
      • いくつかのポイントではパイロットを哨戒任務に出して経験値や撃墜数を稼がせることができる。『Z』シリーズのサブオーダーに近いが、誰が出るかはランダム。
  • 他、『T』からサポーターシステムが続けて採用されたが、本作ではサポーターをインターミッションにてレギュラーとして登録する形式になり、新たに常時発動するパッシブ効果も採用された。
  • VXT三部作のファクトリーに相当する「AOSアップデート」の導入。
    • 『T』まではTacPとしてパイロット育成と共通のポイントだったが、本作ではパイロット育成用のPPと、AOSアップデート用のMxP(ミッションエクスペリエンスポイント)が分離した。
      母艦であるドライストレーガーの強化に直結した機能でもあり、ドライストレーガーの各ステータスや機体とパイロットのステータス強化、クレジットやPPの獲得数の増加などに関わる。
    • アップデートを一通り終えた後でもMxPを消費して特別な強化パーツを入手可能。
      • ここで手に入る強化パーツは「時流エンジン」などの歴代作品に纏わるものになっており、30周年記念に相応しいラインナップと言える。
  • VXT三部作からエクストラアクションとエクストラオーダーが引き続き採用されているが、調整が加えられている。
    • エクストラアクションは各コマンドの消費ExCが1つ増え、戦艦はエクストラオーダーのみが使用可能となった。なお、AOSアップデートを進めると消費ExCは軽減される。
  • 全自動で進行する「AUTOバトル」が導入された。『X-Ω』『DD』などのソシャゲ系列で導入されていたシステムの逆輸入となる。
    • 行動方針を決めることが出来るので、ある程度制御が可能。
  • スキル「底力」の防御力増加の仕様が大きく変わり、能力値や装甲の補正ではなく最終ダメージを割合で減算という形になったため、過去作よりダメージのカット率が遥かに高い。その代わり、弱い武器で攻撃してもダメージを10しか与えられないという事態にはならなくなった。
    • これにより味方側なら従来同様の背水の陣だが、敵側だとより厄介になったため底力の効果を大きくしないようにダメージを与えるかのテクも要求されるようになった。
    • 一方でこの恩恵を味方側で最大限に受けられるキャラもいる。それは自身の特殊能力で底力Lv9相当を得られる枢木スザクで、彼に育成で底力Lv9を付与すると合算となり底力Lv18になり、計算上最終ダメージが1%まで抑えられるほか回避率も+90%というとんでもないことになる。
  • パイロット側の地形適応が無くなった。
    • 据置機作品でパイロットの地形適応が設定されないのは『MX』以来となる。
  • UIデザインが刷新された。
    • ミッション中のコマンド表示がそれまでの縦一覧からリング状のリール方式となった。
    • HPゲージも棒グラフ表示からリング表示へと変更された。一部画面では従来通りの棒表示となっている。
    • 戦闘アニメにて、UI表示を消すことも可能。戦闘アニメをじっくり楽しむことが出来る。
    • 攻撃側の機体が画面の端から登場してから攻撃という手順が固定でなくなったためか、攻撃側と防御側の切り替わりの際に画面が暗転するようになった。
  • 『X』『T』と同様に難易度が選択式となっている。
    • 『T』と同様に無料でアップデート最上級難易度の「スーパーエキスパート」も追加された。
    • 逆に『OG系列』『VXT3部作』などと異なり、シナリオ中に条件を満たすと得られる『SRポイント』が廃止された。そのため難易度は単純に難易度設定だけで変化するようになっている。
      また『T』同様にアップデートで改造上限やレベル上限の変更が入っている。
  • 精神コマンド「努力」の効果が、「戦闘で得られる経験値が2倍になる」から「敵を撃墜した際に得られる経験値とPPが2倍になる*9」に変更された。
  • もはやお約束になりつつあった「乳揺れ」などの露骨なお色気要素がほぼ消失した。その演出が入るキャラも本当にさりげなくだったり、もとから原作でお色気担当だったりするキャラに限定されている。
  • オリジナル関係
    • 主人公は男女からの択一。選ばなかった方はサブキャラとして登場する。
      • 男主人公のエッジ・セインクラウスは『α』シリーズなどの河野さち子氏が、女主人公のアズ・セインクラウスは携帯機シリーズの糸井美帆氏がデザインしている。
      • また、母艦であるドライストレーガー艦長のミツバ・グレイヴァレー、副長のレイノルド・ハーディン、チーフオペレーターのリアン・アンバードおよびライバルキャラクターとなるカールレウム・ヴァウルを『GOD EATER』のキャラクターデザインを手がけた曽我部修司氏が担当している。
    • 主人公機は男女ともヒュッケバイン30で固定。当然ながらデザインはカトキハジメ氏。カメラのバイザーや各部のコーションマークなど、『第2次OG』に登場したアッシュを彷彿とさせる。
      • オリジナル戦艦ドライストレーガーは宮武一貴氏によるデザイン。配色などは宮武氏が手掛けたグルンガストをイメージしたとのこと。

評価点

シナリオ面

フリーシナリオのスパロボにしては珍しく、ストーリー描写、クロスオーバーともに充実している。

  • 本作も新規参戦作品は全体的に良好な扱い
    • 『マジンカイザーINFINITISM』は『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』の続きとなるダイナミックオリジナルのシナリオ展開*10がなされており、マジンカイザーの存在等、シナリオ上の扱いはかなり大きい。
      • マジンカイザーの技名や戦闘演出は『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』とは版権元が異なるOVA作品版『マジンカイザー』を基にした内容となっており、スパロボシリーズならではの扱いといえる。
    • 『ジェイデッカー』はシナリオの本筋そのものは概ね再現され、クロスオーバーも豊富。
      • 原作でも大きな存在感を見せた『友永勇子』関連はDLCシナリオにはなってしまったものの、他作品の女装キャラも合わせて登場するクロスオーバーシナリオとなっており、キャラクター大辞典でも個別に登録されるなど優遇されている。
        また、中盤以降で出現するハイジャス人やバラック星人は、オリジナル組織である「クエスターズ」と密接なかかわりを持っている。
      • 中でも原作で敵対したカゲロウはシナリオ面・戦闘アニメ共にかなり優遇されており、過去作におけるブラックマイトガインを彷彿とさせる活躍を見せる。
    • 『覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~』は初の映像化という事もあって、ガオガイゴーや覚醒人V2、ベターマン・カタフラクトにファイナル・ガオガイガーと参戦機体や映像面、そして性能面でも大きく目立っている。
      • ベターマンはC3での『ベターマン』以来の参戦となるが、今作ではシナリオ上ではあくまで別働として動いているものの、戦闘の際には協力するという形で部隊に合流しており特殊な形ながら初の加入となった。
    • 『SSSS.GRIDMAN』は本来「ツツジ台」という閉じられた世界での話な為に原作再現の際にはどうしても「ツツジ台」が舞台となって他のシナリオから浮いてしまってはいるものの、原作の設定を壊さない範囲で上手く他作品とクロスしている。扱いとしては『Z』シリーズにおける『THEビッグオー』のパラダイム・シティに近い。
      • 戦闘アニメでは特撮を意識した動きがしっかりと再現されており、最終武器はほぼアニメと言われる程。その際に流れるBGMも含めて原作ファンからは非常に高評価。
    • 『コードギアス 復活のルルーシュ』は据え置きでは初参戦。
      • 『X-Ω』においてはシナリオ再現がなく声も無かったが、本作ではしっかりとシナリオの再現が行われただけでなく、原作では未完成だった月虹影の完成版「月虹影帥」が本作の為にわざわざ新規に書き起こされた。
      • 決戦シナリオは原作再現として同じマップを3回繰り返すという前代未聞の内容となっている。繰り返すごとに敵が強くなっていくため、プレイヤーからは「敵による全滅プレイ」と評されることに。
      • 今作に於いて決戦シナリオ自体は序盤の終わり頃となるが、それ以降でもルルーシュ達の出番もしっかりあり、監督とキャラデザ担当が同じ事もあってか『ガン×ソード』のヴァン達との絡みが描かれる他、決戦シナリオでも生存したシャリオとヴィトルがカギ爪の男に雇われる形で手を組むという敵味方問わずクロスオーバーがなされている。
    • 『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』も『復活のルルーシュ』同様、据え置きには初参戦。
      • シナリオも序盤からラストまでメイン部分はしっかり再現されており、戦闘アニメでも原作のスピード感が再現されていたり、タマキの胸や尻、アンジュの性格豹変等も描写される等、演出面にも力が入っている。ただ、逆にゴールドフォー等、重武装系の機体に関しては武装の少なさが気になったとの声もあった。
      • また、「戦闘アニメで随伴機でもない別ユニットとの掛け合いが入る」という今までにない演出が入っており、チームとして描写が特に強調されている。
    • 『ナイツ&マジック』の主人公エルはいわゆる「異世界転生*11」のジャンルが出身、かつ現実世界の「ロボットアニメ」オタクという設定を持つが、要所で強烈な個性を残しながらも他作品の原作ファンが不快にならない程度に行動や発言が抑えられており、共演するうえでの配慮がうかがえる。
      • ガンダムシリーズと関わりが深い『ケロロ軍曹』が参戦した『OE』とは異なり、エルが転生前にいた現実世界も「『機動戦士ガンダム』などの固有の原作アニメは向こうでも存在していない」設定になっているので、特定の原作に対する作品いじりやメタネタが出てこないのもスパロボの世界で親しみやすくなっている要素につながっている。
  • ガンダム関連
    • 本作は、コンシューマーとしては約20年ぶりに復活した『Vガンダム』と、コンシューマー初参戦となる『ガンダムNT』がメインとなっている。いずれもシナリオ再現やクロスオーバーは秀逸。
    • 『ガンダムNT』は原作が尺の短い劇場用作品だが、ヨナが様々なメンバーと交流する様子が描かれ、特にウッソやアズとの関係性が印象的なものに仕上がっている。
      • 加えて原作でも敵役ながら印象的なキャラクターだったゾルタンが本作においても大暴れし、特殊戦闘台詞が70パターン以上収録されるなど演じた梅原裕一郎氏の怪演も合わせて鮮烈な印象を残す敵となっている。
    • 『Vガンダム』のザンスカール帝国は、マリア、カガチ、タシロがそれぞれ異なる思惑で動いているが、本作ではこの要素が深堀りされ、マリアはポセイダル、カガチはカギ爪の男、タシロはギワザとそれぞれ組んでいる。その部下たちも同様で、リィリィ・ハッシーがファラ・グリフォンを姉貴分としてリスペクトしたり、ポセイダルがマリアを密かに救助するなど、緻密なクロスオーバーが楽しめる。
      • また、原作での「V2ガンダムは実際は二機作られたが、オリファーがV2ガンダム用のコアファイターで特攻を仕掛けた結果、一機しか使えなくなった」という点に着目し、ルート進行によっては彼にもう一機のV2ガンダムが支給されるという展開も存在。オリファー自身も女性ばかりの部下を持つことをエッジに羨ましがられたり、結婚したという共通点を持つヴァンに助言を与えたりと、過去作と比べると大きく優遇されている。
        さらに、裸のお姉さん達ことネネカ隊や、ピピニーデンを道連れにするルペなど、今までに描かれてないシーンも追加されているほか、『ガンダムNT』や『ジェイデッカー』、『レイアース』、『ガン×ソード』などの、さまざまな敵勢力からエンジェル・ハイロゥを守り抜こうとするシャクティの奮闘*12など、見どころは非常に多い。
    • 『逆襲のシャア』はシリーズでも珍しい原作終了後の設定で参戦となり、シリーズ史上初の「シャアとして逆襲した後にクワトロとして参戦」というものになる。そのため今作の彼は自身の行いに苦悩する精神状態を 「精神コマンドとして『集中』も『閃き』も『直感』も持たないが、『不屈』は持つ」 という形で反映されている。
      • 『NT』で登場する、フル・フロンタルに並ぶシャアのクローンであるゾルタン・アッカネンとの因縁はもちろん、かつて率いていたネオジオン残党との掛け合いやアクシズ落とし後のアムロ・カミーユとの掛け合い、ゼロレクイエム終了後設定となる『復活のルルーシュ』とのクロスオーバーも見どころ。
    • 30周年記念という事か初代ガンダムこと『機動戦士ガンダム』がエルガイム同様7年ぶりに参戦した事に伴い、『RX-78-2ガンダム』も使用可能。「ビームライフル狙撃用のスコープを逆シャア仕様のアムロが覗き込む」という作品内クロスオーバー演出が好評を得た。
      • 初代ガンダムからはズゴックも登場し、上述したネオジオン残党が乗り込み襲い掛かってくる。本作のPVでも初代ガンダムとズゴックが戦っており、どこか懐かしさを感じられるだろう。
    • Ζ-MSVは、「F」以降、幾度かクワトロの搭乗機として参戦してきたフルアーマー百式改に加え、フルアーマーガンダムMK-IIがシリーズ初登場。Ζガンダム獲得までのつなぎとなりつつも、重装甲と高火力を兼ね備えた優れたユニットとして活躍した。
  • エルガイム関連
    • サンライズ制作作品の中では「Vガンダム」に匹敵するレベルで参戦に恵まれていなかった「エルガイム」だが、本作ではシナリオ、クロスオーバー両方で好評を得ている。
    • 第4次」に参戦したものの、リメイク作品の「F」では非参戦となった「リィリィ・ハッシー」や「バーン・ガニア・キラーズ」が実に25年ぶりに復帰。両者とも「第4次S」では音声がなかったのだが、本作では原作通りの声優によるボイスが初めて搭載される。また、13人衆でありながらギワザにつかず、ポセイダルへの忠誠を貫いた「ハンス・アラハート」が初参戦し、いずれもファンから好評を得た。
      • 特にリィリィは、男性への嫌悪感や、アムへの熾烈な拷問など、彼女の持ち味が存分に生かされている。
    • 「F」で屈指の強敵として立ちはだかった「ネイ・モー・ハン」は、シリーズで初めてギワザに本格的に反旗を翻すイベントが発生。さらに、その場で殺害されることなく、隠しユニットとしてではあるが、シリーズ初となる自軍加入を果たした。
    • 主人公のダバや、主人公後継機のエルガイムMk-IIも非常に強力。パイロットの能力や精神コマンド、機体の武器性能や特殊能力など、どこを取っても隙がなく、「F」での、主人公らしからぬ弱さと揶揄された面影はどこにもない。また、アイコンだけの登場ではあるが、アモンデュール・スタックを入手するシーンなどが追加されるなど、乗り換えイベントも優遇されている。
    • ガンダム関連の項で触れた通り、「Vガンダム」とのクロスオーバーも好評。
  • その他、続投参戦作品関連
    • 本作の真ゲッターロボは、木星繋がりということで覇界王との緻密なクロスオーバーが魅力となっている。また、竜馬とアムロ、甲児がTとは異なる方面からクロスオーバーを見せてくれるほか、Tでは姿すら見せなかった號が、真ドラゴン(今回は「真化態」名義)と共に復活している。
      • また、『T』でも登場した『ゲッターロボ大決戦!』版の真ゲッタードラゴンが続投。本作では竜馬が仲間になった直後から使用が可能で、2つの真ゲッタードラゴンがそろい踏みとなった点は多くのファンが喜んだ。
    • 本作での『マジンガーZ/INFINITY』はイチナナ式やグレートマジンガーには武装が追加されており、『T』でエキスパンションパスを除いてあまり使う機会の無かった「超光子力ロケットパンチ」が使える期間が長くなっている*13
      今作で登場したマジンカイザーもマジンガーZとも性能面も明確に差別化されており、機体性能が一回り上のカイザー、甲児搭乗時限定だが瞬間火力が勝るZ、という形になっている。『T』に引き続きシローがパイロットとして使用可能なため、イチナナ式にこだわりが無ければ3機のマジンガーを併用する事も可能。
      • 前述のように良質なクロスオーバーやカイザーの扱い、原作再現も概ねなされるなど作品としての扱いは改善されている。変わったところでは、原作とスパロボシリーズで効果の大きく異なる「マジンパワー」の差異に関する理由付けもシナリオ上で大きく扱われている。
    • 『コン・バトラー』は原作終了後のいるだけ参戦だが、バトルチームが鉄也や竜馬の特訓を受けていたり、心を持ったロボットが主題のジェイデッカーともクロスオーバーするため存在感は少なくない。
      • DLC参戦の『ボルテスV』とは、これまでのシリーズでは似たようなチームということですぐに意気投合していたが、今作では豹馬が健一にケンカを売るという珍しい展開となっており、ボルテス関連のDLCシナリオではしばらく対立する。それだけにDLCシナリオ後半で互いに和解し、お馴染みの合体攻撃を会得するカタルシスある展開となっている。
        また、ボルテスVが加入するミッションがマニラという分かる人には分かるファンサービスも。*14
    • 『レイアース』は、前作で不在が問題視されたファーレン、チゼータなど第二部のキャラクターたちが登場。特にファーレンは、巨大サンユンがユニットとして参戦し、条件を満たせば隠しユニットとして使用できる。
      • また、過去にセガからゲームが数作発売されていた事での縁か、『サクラ大戦』の面々との関わりも描かれている。
  • オリジナル関係
    • 本作では多数のオリジナルキャラが登場するが、主人公のエッジ、アズと、副主人公にあたるミツバは、グラフィック、キャラクターともに好評。
      • 中でもエッジは、マサキ、アクセル、クロウ、総司などの系譜となる二枚目半のキャラクターで、強い信念やお人よしな性格が魅力である一方で、クロウに匹敵する守銭奴っぷりや総司に共通する非モテなどの三枚目な面も見られ、本作のオリジナルキャラクターではトップクラスの人気を誇っている。
      • 一方のアズもビジュアルや時に年相応な性格面などから「可愛い」とプレイヤー間での評価は上々。
      • 副主人公のミツバもまた彼らに負けず劣らず、若くして艦長を務める事となった重圧を受け止めつつ世界のためにと奔走する姿や、ドライストレーガーの乗員たちとの交流で徐々に変わりゆく姿、勇太やエルへの反応からとある疑惑を持たれる等で好評を得ている。

システム・演出面

  • ミッション制の導入により攻略の自由度が大幅に向上。
    • ストーリーを急いでクリアしたい時はキーミッションのみを選択したり、他のミッションをじっくりこなしたりとプレイヤー側に委ねられる選択が増えた。
    • 好きな作品のユニットを強化するミッションを優先することも可能になり、特定のキャラの撃墜数を稼ぐことで後継機の登場を早めたりすることも可能。最終的にはキーミッションだけで隠しを除く強化・後継機は出揃う。
    • ミッション数はキーミッションだけなら50話程度とVXT三部作より少し少ない程度だが、サブミッションも同数以上が用意されており、合計すると100ミッション以上。『IMPACT』をゆうに超える大ボリュームとなっている。
    • またこの影響でシナリオでの会話内容の差分が膨大になっており、必然的に周回プレイの楽しみも増している。
  • X』において合体攻撃の出撃制限が撤廃されたことに加え、今作では距離制限も撤廃された。
    • 参加ユニットを出撃させ、隣接させた方が威力が上昇するのは変わらないが、使い勝手は大きく向上している。
  • パイロット養成に使用するポイントが他の要素から切り離された。
    • VXT三部作ではファクトリーなどに関わるTacPと共用であったため、やりくりに苦心する点が見られたが、本作では専用のPPを使用する方式に戻された事でこの問題が解決している。
    • 部隊全体で共有する点はTacPと変わらないため、利便性は失われていない。
  • 戦闘アニメーションのバリエーションが大きく豊かになった。
    • それまでは攻撃側の機体が画面の端から登場してから攻撃という手順を踏んでいたが、本作では機体や武装ごとにアニメーションが異なっており「開始の時点でいきなりマシンガンをぶっ放しながら戦闘アニメが始まる」という物も多く、この影響でテンポも大きく向上している。
    • パイロットカットインも多様性に富んでいるほか、グリッドマンやシルヴァ・バレト・サプレッサー等は動きの良さが評価されている。
  • BGMに歴代作品からのBGMアレンジが広く採用された。シリーズ経験者なら聞き覚えのある曲が一つでも入っていることに唸らせられるだろう。
    • いくつかの曲は『α』系列と『IMPACT』系列を統合したものになっている。わかりやすいのは敵増援出現時のBGM「忌むべき愚か者達の帝国*15」あたりか。
    • 主題歌である「鋼のサバイバー」も好評で、その勇壮な曲調は、ラスボス戦でのBGMに相応しいものとなっている。
  • オリジナル主人公のBGMは男女とも史上初のボーカル付き。今まではインスト曲に歌詞をつけて歌唱したものがサントラに収録されるパターンだったが、今回は最初からボーカル曲としてゲームに収録されている。エッジの曲は遠藤正明氏、アズの曲はM.A.R.Y. 4 TUNESが歌唱を担当している。
    • 曲の歌詞については前期のものはそれぞれのテーマソングで、後継機乗り換え後のものはエッジの場合は曲名の様に自身とヒュッケバインをイメージした曲、アズの場合は自身とミツバとの絆をイメージした歌詞となっておりいずれの曲も好評を得ている。
  • 豊富な隠し要素。
    • 今作も例に漏れず隠し要素が多く、スパロボシリーズにて恒例になりつつある特定のパイロットで戦闘及び撃破して加入するタイプと該当するパイロットの撃破数が要件を満たしていると後継機を早期加入させて自軍の戦力アップを図るタイプの他、既存のサポーターの効果を強化や隠しサポーターまでと幅広い。
  • 育成の幅を広げた戦線ミッションと遺産ミッション。
    • 戦線ミッションは、ストーリーをある程度まで進めると解禁されるミッション形態の一つで、一度クリアしてからも後別のミッションを幾らかクリアすると再び復活するいわゆる稼ぎ用のミッション。これを使うことでほぼ無限に育成が気の済むまで可能となり、普段主力として出撃させているパイロットはおろか、全てのパイロットを限界まで強化できるというこれまでのシリーズでは出来なかった(全滅プレイをすれば出来ない事はないが効率などを考慮すると現実的とは言えない)事が出来るようになる。
    • ストーリーの進行度に合わせて出現する敵や会話が変化して行くのも特徴であり、一部のミッションでは該当する作品で決着をつくまでネームドパイロットと戦う事も出来る。
      • 基本的には各地で防衛戦闘を行っている友軍の元に自部隊が向かい、撤退する友軍と入れ替わる形で戦線を引き継ぐ流れとなっている。友軍は『ガンダムNT』のイアゴや『真ゲッターロボ』の武蔵といった、プレイヤー部隊に同行していないNPCが務めており、彼らとプレイヤー部隊のちょっとしたやり取りを見る事も出来る。
    • 最終盤に差し掛かる所で未知の戦線という更なるミッションが解禁され、このミッションではある王道シリーズの人物がボスを務めている。かなりの強敵でクリアする度に性能が強化される他、その見返りとして強力な強化パーツが貰えるという一種のやりこみ要素と言える。
    • 遺産ミッションは、ワールドマップから直接開始できるミッションで、敵の性能や改造度、レベルが固定となっている。また、出撃枠が非常に少ないうえに特殊な勝利条件、敗北条件が課せられることがほとんどであることから、非常に何度が高いミッションとなっている。その分報酬も豪華で、積極的に挑む価値がある。
    • いずれも今までにない革命的なシステムで、マンネリ要素の打破に大きく貢献している。クリアに必須ではないため、シナリオのみに重点を置いたプレイも可能だが、クリア報酬等も無視できないくらいにはあるので、完全に無視するのは一種の縛りプレイとも考えられる。また、一部の遺産ミッションは隠し要素にも関わってくる。

賛否両論点

  • レベルが上げやすすぎる。
    • 今作では、自由進行に伴い、携帯機スパロボのように「敵レベルがこちらのレベル上位数十人の平均に合わせて可変する」というシステムになったため、前マップで出さなかったキャラを出した場合、最初に雑魚1機倒すだけで2~3レベル上がる事も珍しくない。レベル上昇時のExCカウント増加が健在なことからマルチアクションが使いやすく*16、1ターンに何度も行動できるためレベルの低いパイロットの育成が容易になっている。 他にもサポーターコマンドで幾度も「努力」の効果を付与できたり、MxPアップデートで経験値が常時1.3倍になる、一定条件で全員に努力がかかる等、経験値自体が入りやすいシステムとなっている。
      これらが組み合わさった結果、すべてのミッションをプレイする場合、繰り返し可能な稼ぎミッションをプレイしなくともゲームクリア前に全キャラが上限レベルである99に到達できる。この点は、早いうちからパイロットの全力を発揮できることや、いわゆる二軍のパイロットでも愛着があれば十分育成できる一方で、レベルが上がりきると、それ以降のミッションでExCポイントの確保ができなくなることから、賛否両論となっていた。
    • サブ&サイドミッションが全体の半分程度を占めるというゲームデザイン上、キーミッションのみのプレイであればいつものスパロボらしいペースとなる。また、12月のアップデートで上限が200まで拡張されたことで、ゲームクリアまでにレベルがカンストすることはほぼなくなった。*17
  • 強力な味方が多い中で『ガンダムNT』のヨナは原作再現として、搭乗機のナラティブガンダムともどもゲーム上でも本当に「中の上」程度の強さしかない。出撃枠の少ない中盤では、優先して鍛えても1.5軍がせいぜいで、使い続けるには、他の強力なMSに乗り換えるなどの工夫が必要になる。
    • ゲーム後半にフェネクスに乗り換えることで大幅にパワーアップするが、このタイミングが最終決戦間近とかなり遅め。ただし、フェネクスは彼の専用機なので、自然と表舞台に返り咲けるようになっている。
  • オリジナル関係
    • オリジナルキャラクターのうち、「イーリス」、「オルキダケア」がかなり癖の強い画風によるデザインでプレイヤーから賛否の声が上がっている。
      • 公式でもその事を見越してなのかは不明だが、この2キャラのデザイン担当者は公表されていない。
  • 上記の通りUIデザインが刷新されており、慣れないプレイヤーからは「どこにどのコマンドがあるのか解りづらい」と、戸惑いの声も見られている。
    • 一部操作も変わっており、「今までヒットアンドアウェイ持ちが戦闘終了後待機する場合キー操作は下だったが、今作では逆に上になっている」「戦闘アニメのON/OFFの切り替えが方向ボタンに変わっており、誤動作で変わってしまいがち」等。

問題点

シナリオ面

  • ミッション制との兼ね合いによるものか、大半のシナリオが一話完結形式であり前後編的な構成のシナリオが少ないなど、シナリオの連続性が薄まった。ただし、本作はテロリストや犯罪者、侵略者は居るものの全面戦争中ではないためか設定的に移動の自由が効きやすいため、不自然ということはない。
    • 進め方によっては味方の離脱が発生したのに、次のミッションシナリオではキャラが明るく振る舞うなど齟齬が発生する現象も見られている。また、宇宙にいたはずなのに次の話では地球にいるなど人によっては気になる点もある。
    • 「戦線ミッション」や「遺産ミッション」等は開始時の極々簡易的な会話以外にはシナリオがなく、これらのミッションもやっているとどうしてもシナリオを薄く感じてしまい、メインシナリオを忘れてしまう事にも繋がりやすい。
  • 新規参戦作品のうち、『ナイツ&マジック』はほぼ原作再現なし。
    • 元が異世界(中世ファンタジー寄り)での兵器開発及び戦争の話なのだが、原作における戦争相手が本作において同じ世界にある『レイアース』の敵勢力と協力して地球侵攻を始めた所から30の物語が始まるので、原作のシナリオはほぼ再現されていない。また、おまけシナリオ以外では元の世界での戦闘もない。
      • 原作アニメの終盤も終盤のラスボス機体との決戦がかろうじて再現されているくらいで、古いスパロボのいるだけ参戦を思い出すような状況である。兵器開発の部分はスパロボでは描写しにくいため、仕方ないといえば仕方ないが。
      • 登場キャラクターもかなり絞られており、味方側は銀鳳騎士団の主戦力であり原作の戦闘描写で活躍の目立ったエドガー・ディー・ヘルヴィが専用機も含め一切登場しない。敵側もエドガーやディーと因縁があり搭乗機体も特徴的なグスターボは未登場。このためほとんど戦闘機会のなかったケルヒルトやクリストバルがライバルキャラのように扱われ何度も何度も戦うことになる。
      • 一方で味方側でも王族という立場上、戦闘機会の非常に少ないエムリスがシナリオに都合が良かったのかゴルドリーオ込みで参戦、ドワーフ族師弟のダーヴィド&バトソン、クシェペルカ王国のマルティナ&イサドラ&エレオノーラ、隠し要素としてノーラもサポーターとして登場しているため、原作ファンからすると参戦キャラに違和感が強い。
    • その分もあってか、評価点にある通りクロスオーバー面ではエルがかなり目立っており、シナリオ全体でみれば扱いが悪いという事はない。また総じて機体性能がかなり良いと、原作再現以外の面では優遇されている。それだけに、最近の参戦作品としては原作再現面では目立って扱いが悪い作品となっているのが残念なところ。
  • 『ジェイデッカー』はメイン以外のシナリオについては大幅カット
    • 一例として、敵ユニットとして「アビスガード」が登場するが、原作アニメで護衛していた「アビス」がストーリーを駆け足で済ませた結果未登場で終わる、などが挙げられる。
    • 評価点にある通りメイン部分の扱いはしっかりしているのだが、フリーシナリオ制であるだけにその他のシナリオ再現も頑張ってほしかったところ。VXT3部作に参戦した勇者シリーズ前作『マイトガイン』と異なり、単発エピソード出演の犯罪者が多いことがスパロボ的には仇になってしまった形になる。
  • 『ガオガイガー対ベターマン』の勇者ロボの扱いについて。
    • 原作のGGGブルーの勇者ロボは登場せず、従来のGGGグリーンの勇者ロボも修復されているため自軍で使えない。中でもビッグボルフォッグや超竜神は、今までガオガイガーが参戦する作品ではほぼ一貫して使用可能だったため、残念がるプレイヤーも見られた。
    • GGGグリーンの勇者ロボは原作での過酷な運命を回避できたと解釈できないこともないが、後継ビークルロボたちは出番が消えてしまった形になる。
      • 後継ビークルロボに関しては『ジェイデッカー』とのクロスオーバーの関係で、超AI搭載ロボの開発がストップしており、ブレイブポリスの面々が10年ぶりに新しく作られた超AI搭載ロボとなっているので、設定的に彼らがその役割を担っているといえなくもない。
  • 真ゲッターロボが使用できない。
    • 本作では、竜馬が仲間になってすぐに、『T』でも登場した『ゲッターロボ大決戦!』版の真ゲッタードラゴンが使用可能になる。その代わりと言うべきか「真ゲッターロボ」が使用不可能になってしまっている*18。原作が13話かつ実質2部構成の中で『Zシリーズ』『V』『T』に『30』と何回も参戦を重ねているため、サプライズが必要という側面はあるのは理解できるが、『T』と同様に、両方の機体に乗り換えさせて欲しかったという声も聞かれた。
  • エンディングについて
    + シナリオのネタバレにつき格納。
  • 今作ではエンディングを迎えてもゲームが継続する、いわゆる「エンディング後の世界」が用意されている。
    • メインとなるシナリオ上のラスボスを倒しても「まだ戦火は残っている」として、部隊は解散しない。エピローグも今後の展望を語る展開はあるものの、いつものように戦後のエピローグで綺麗に終わる事もなく、原作通りならエピローグで機体を降りて戦いをやめるキャラもそのまま戦い続ける事になる。
      • ある種「俺たちの戦いはこれからだ」とも言えるような終わり方な為、ストーリーが尻切れトンボに感じやすい。
    • DLCキャラを絡めて残った問題に対応していく追加のシナリオが存在し、ある程度補完がなされてはいる。しかし、それも残った問題から考えると途中で止まってしまったまま音沙汰がない状況が続いており、追加のDLCにしろ、『T』のようなエキスパンションシナリオにしろ、何らかの形で綺麗に終わってくれる事が望まれている。
    • 従来通り、2週目以降へデータを引き継がせる事も可能。

システム・演出面

  • マップ画面のミッション選択操作が良くない。
    • 右方向を押したら上のポイントに行ったりと解りづらい。またレスポンスも妙に悪い*19
  • スパロボシリーズでは最早お馴染みとなりつつあるがやっぱり今作もバグが多い。同じくフリーミッションを採用している『OE』と同じく、アップデート時に修正されたら別のバグが発生する現象も見られた。
    • 有名なのはDLC第1弾のアップデート時にレッドファイブが消滅してしまい、強制出撃するミッションを選択するまでは任意出撃不能になる「レッドファイブバグ」だろう。一部のプレイヤーからは 「同時に来たギリアムに『ヒーロー戦記』の世界の話を聞き、彼と入れ替わりでそちらへ行った」「初期に付け忘れられていたV2アサルトバスターの腰部アサルトパーツに作り替えられた*20などとネタにされていた。なお、このバグはDLC第2弾の実装時に修正されている。
    • それ以外には中断セーブからの再開時に敵味方いずれかの機体の武装の残弾数が0になるバグもある。味方に発生した場合は補給を使えばいいが、弾数タイプの武装しか持っていないボスと戦う場合、反撃してこないボスをそのまま倒すか、インターミッションからやり直すしかない。こちらのバグは2022年3月現在のバージョンでも発生することが確認されている。
  • AOSアップデートの状況を周回時に引き継ぐことが出来ない。
    • 使用したMxPは還元されるので実質的には引き継げるようなものではあるのだが、一段階ごとに演出が入るのもあって初期状態から全てMAXにするのには10分弱ほどかかってしまう。周回毎に一度やれば終わりとはいえ、せめて機体改造のようにまとめて強化できれば良かったのだが…。
  • 一部のアニメーションデモの質が低い
    • ガンダムMk-IIやギラ・ドーガは『第3次Z』からアニメーションを使い回している事もあり、ジャギーが目立つ他、他の機体と比べて頭身に違和感を感じてしまう。
    • フルアーマー百式改の戦闘アニメは見様によっては処理落ちの様にも見えるカクついた演出になっており、非常に好みが分かれる。本機は今作ではクワトロのデフォルト搭乗機体となっており、目にする機会が多いのも人によっては気になる点。
    • マジンガーZの戦闘アニメは『T』から使い回されている。お馴染みの武器が省略され、印象的な動き*21が再現されない状況には落胆するファンも多かった。
      また、「カイザーを使用する機会の方が最終的に多くなるため、マジンガーZの戦闘アニメクオリティを上げるコストを避けた」という指摘も存在するが、そちらも、大元となったプラモデルや『X』にあったショルダースライサー(カイザーブレード)がオミットされるなど中途半端な部分もある。
      • 『T』では時期的な都合で未実装だったグレートマジンガーのグレートブースターが追加されているが、原作未登場ゆえか機体カットイン等が挿入されず、威力では劣るサンダーブレーク等の既存技と比較して迫力不足は否めない。
    • 使いまわしとは異なるが、フェネクスの最強武器は原作再現を重視した結果動かなくなったと言われてしまっている。*22この点は派手なモーションと原作再現のどちらを重視するかで変わるため、一概には言えないのもまた事実だが…。
      また、原作と異なるシナリオ展開にも関わらず原作の演出を再現した結果、シナリオと矛盾しているとも解釈できる演出になってしまっている*23
    • ラスボス機の武装の演出は、鈍重な動き、軽いエフェクト、コピペや拡大縮小の多様、手前へ向かって歩くモーションが左右反転していることがすぐにわかってしまうなど、知る人によってはやや残念に見える。
      • ネタバレになるので詳細は避けるが、本作のラスボスはシンプルな巨大化・極端なまでの均一化といった方法を好んで使うような節があるので、あえてそのような武装演出にしているのかもしれない。実際歴代のラスボスのようなド派手なアクションこそないが無機質な怖さは感じられる。
  • DLC追加参戦作品には原曲BGMが用意されていない。
    • プレミアムサウンドを購入していても原曲が追加される事はなく、ゲーム側で用意したBGMのみでしか使用できない。
    • カスタムサウンドトラック機能のあるPS4/Steam版はまだしも、Switch版には機能が無いため特に気になりやすい。
  • 本作は、単発作品ながらシリーズ作品である『T』に近い点があるが、そこから劣化した部分がいくらか見受けられる。
    • フルカスタムボーナス(フル改造ボーナス)取得の保留が不可能になった。
    • 周回時にスキル習得状況の引き継ぎが不可能になった。
    • スキルの並び順を変えられなくなった。
    • 強化パーツの購入が出来なくなった。その一方で、入手可能なパーツ自体は非常に多く、整理が大変という意見が見られる。
    • シナリオチャートにあたるミッションチャートは、タイトル画面を経てのライブラリから閲覧できなくなっている。
  • 哨戒任務の仕様
    • 一覧画面があるミッションと違って全てのエリアを虱潰しに調べなければならない。発生しているかどうかもインターミッション画面では把握できない。イーリスが発生した場合も「発生している」のは分かるが、どこに発生したかが分からないので、結局虱潰しに探す必要がある。
  • 出撃枠の少なさ
    • 最近の例(ソーシャル作品も含む)に漏れず、本作も機体数に対して出撃枠が少ない。中盤から終盤に主人公クラスに限定しても全員出撃できないミッションも存在する程。
      小隊システムやタッグシステムを復活させることで解消できるため、それを求める声も大きいが、そうなると今度は編成が面倒という声も出るため、悩ましいところである。
      • とはいえ、本作と同様にフリーミッションを搭載していた『OE』とは異なり、強制出撃のみのユニットで戦わなければならないなどといった極端な事態にはなっていない。
    • なお、DLCを購入して機体を増やすと更に出撃枠が厳しくなる。そのため一部では「出撃枠もDLCで購入出来るようにして欲しかった」という声も見られる。
    • 一方で「SRポイントが存在しないため早解きの必要が薄くマルチアクションで少数の機体を暴れさせていても問題ないバランスの本作で、出撃枠だけ増えても手持ち無沙汰な賑やかしの機体がマップ上に増えるだけで意味が無い」という指摘もあり、この問題については難しいものとなっている。
  • 緊急ミッションのタイミング
    • 前述のようの該当ミッションが発生すると会話内で示唆されるのだが、はっきりとした形で明示されることはない。
      • そのためいつ緊急ミッションになるのか分かりづらく、戦線ミッションでPPやMxPを稼いだり好きなキャラを育てたいプレイヤーからは不評である。物語の都合上仕方ない部分もあるかもしれないが…。
      • 一部のミッションは最初から緊急ミッションとして発生する。
      • 緊急ミッション発生中でも艦内ミッションはこなせる。「艦内ミッションは移動中にシミュレーターを使っているだけだから」という解釈なのかもしれないが、不公平感はある。

総評

過去作で搭載されたフリーオーダーシステムと、サブシナリオシステムがミックスされた意欲作。
システム面に多くのテコ入れが行われた事でシリーズに長らく指摘されていたマンネリ感が大きく緩和している。
難易度面でも、豊富な難易度設定や、特定の高難度ミッション、繰り返しプレイが可能な育成ミッションなど、プレイヤーの行動自体で歯ごたえが変わる要素が多く盛り込まれており、シリーズ経験者でも新鮮味を強く感じられるだろう。
一方で、「戦闘アニメーションのクオリティの良し悪しが顕著」「出撃枠の問題」など、過去作で見られた問題点は未だに健在なのは残念なところ。
とはいえ、ストーリー、クロスオーバーがおおむね優れていることから、DLCも含めた参戦作品に惹かれたユーザーなら、プレイして損はない作品と言える。


余談

  • 前述のように『覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~』は非映像化作品からの参戦だが、ベースがアニメだったこともあってできる限りアニメと同じキャスティングがなされている。
    • 担当の紗ゆり氏が逝去している戒道だけは米たにヨシトモ監督の指名で斎賀みつき氏が代役を務めている。
    • ただ、本作での護は20歳の青年で、原作でも声変わりしたという設定があるので、キャストを変更しなかった結果、声変わり前の少年のような声のまま*24なのはどうかという意見も聞かれる。
  • 今作の主人公2人を演じる杉田智和氏と相沢舞氏はともにスパロボ公式ラジオ番組『スパロボOGネットラジオ うますぎWAVE』のレギュラーを勤めており、発表があった際はファンの間でちょっとした話題となった。
    • ライバルキャラを演じるのが杉田氏の親友として有名な中村悠一氏・それ以外の出演者にも杉田氏がファンであることを公言している早見沙織氏が居たことから「包囲網」と一部のプレイヤーからはネタにされていたが、キャスティングについては意識したものではなく偶然だと公式サイドから明かされている。
  • ジェイデッカー役の古澤徹氏は2021年4月に芸名を古澤融に改名しているが、プレイヤー側の知名度を考慮してか本作では旧芸名でクレジットされている*25
  • 本作発売後に長らくシリーズのプロデューサーを務めた寺田貴信氏がB.B.スタジオを退社。以後はスーパーバイザーとして携わる事となる。
  • 今まで声優に関しては「UCで変更があったブライト・ノア」のように、原作で代役が立てられたキャラ以外は、収録済みのライブラリー音声での出演というのが原則だったが、本作ではその縛りが若干緩和され、3キャラの声優が原作から変更されている。全員存命だが声優としての活動を行っていないのが原因と思われる。
    • 『マジンガーZ』のあしゅら男爵(男)と、『Vガンダム』のオデロ及びマーベットが該当。後者2名は『Gジェネレーション スピリッツ』の代役声優が起用された。
    • 『新』『α』以来音声の収録が行われないまま演じた檀臣幸氏が亡くなられてしまった『Vガンダム』のクロノクルについては『Gジェネレーション』シリーズからもライブラリ音声の流用が行われている。加藤治氏が亡くなられているゴメスも同。
    • 『ジェイデッカー』のガンマックス役の巻島直樹氏も現在闘病中の為、代役として野島裕史氏が起用されている。ガンマックスの代役は全メディア通してスパロボが初となる。
  • 前述のように本作ではルルーシュの搭乗機として月虹影帥が新規で起こされている。これにより現在「コミックNewtype」にて連載されているコミック版でもそちらに搭乗予定となっている。
  • 『ナイツ&マジック』のエルに対してスパロボオリジナルのキャラが「まるでチートだ」と発言する場面がある。
    • おそらく「異世界に転生した一般人が超越的な力を用いて無双する」という作品のジャンルをネットスラングで「異世界チート」と呼ぶことに由来していると思われる。この言葉に対してエルはいかにも彼らしい返答と主張で返しており、スパロボオリジナルの展開の見どころになっている。
    • なお本作は広義の意味では異世界チートにあたるジャンルと呼んでも差し支えないが、エルはあくまで周りから見ればチートのような強さに見えてしまうだけであり、チート行為は行っていない。
  • これまで限定版として収録・発売されていた原曲BGMが「プレミアムサウンド&データパック」としてDLC化。値段は今までの原曲付き限定版の差額と同じ4000円。
    • 限定版と比べて入手しやすくなり、通常版を買った後でやはり原曲が欲しいと思った場合にも対応可能。また、限定版と違い通常版は安くなりやすいので、合わせても安価で購入しやすくなった。
    • 一方で中古販売と異なり必ず表記価格を支払う必要がある事を気にするユーザーも見られている。