【あい そむにうむ ふぁいる】
ジャンル | アドベンチャー | |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション4 Xbox One Windows |
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開発・発売元 | スパイク・チュンソフト | |
発売日 |
【Switch】2019年9月18日 【PS4/Win(Steam)】2019年9月19日 【One/Win(MS Store)】2021年9月30日 |
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定価 | 7,480円(税込) | |
プレイ人数 | 1人 | |
レーティング | CERO:Z(18才以上のみ対象) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
人間とAIの異色コンビによる刑事サスペンス 「夢の世界を調査する」という斬新なシステム 全ての伏線を見事に回収するシナリオ 「提灯怖い!提灯怖い!」 |
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AI: ソムニウム ファイルシリーズ AI: ソムニウム ファイル / ニルヴァーナ イニシアチブ |
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チュンソフトサウンドノベル関連作品 |
殺したのは AI が欲しかったから…
『極限脱出』シリーズの監督・脚本を手掛けた打越鋼太郎と同シリーズのプランナーを勤めた岡田昌による新作アドベンチャーゲーム。
舞台は現代に近い東京で、主人公である特殊班に所属する刑事「
本作発売前に打越氏はスパイク・チュンソフトを退社し、新会社トゥーキョーゲームスを立ち上げている。
そのため、氏がスパチュン時代に手掛けた最後の作品となる(*1)。
東京。
11月のとある金曜日の夜。
降りしきる雨の中、ひとりの女性の遺体が発見された。
場所は廃墟と化した遊園地のメリーゴーランド…。
その遺体の顔には左目がなかった。
どうやら犯人にくり抜かれ、奪われたらしい。
一報を聞きつけ事件現場に訪れた刑事、伊達。
彼の遺体の顔には見覚えがあった。
なぜ、彼女が――
――これは、夢と現実を捜査し、失った記憶と因縁の殺人犯を追う、ある刑事と相棒の物語。
※公式サイトより抜粋。
本作では各地を移動し、関係者との会話でストーリーを進める他に、現場で証拠物件を調べる「捜査パート」と、重要参考人の夢の中に入って操作を行う「ソムニウムパート」というものが存在する。
「ソムニウムパート」は相手の夢の世界で擬人化された「アイボゥ」を操作し、制限時間内に事件に繋がる手がかりを探すというもの。
このパートの存在が他のADVでは見られないかなり変わった要素を持ち合わせており、本作の大きな特徴となっている。
捜査パート
ソムニウムパート
マルチエンディング
やりこみ要素
打越テイスト溢れる完成度の高いシナリオ
個性豊かなキャラクター達
高クオリティの3Dキャラクターモデル
全編フルボイス
親切設計のユーザーインターフェース
豊富なパロディ・小ネタ
+ | 強烈なスパチュンネタ |
ソムニウムパート
少ないながらも強烈なインパクトを誇るスプラッター要素
捜査パートでの謎解き要素の薄さ
見た目に反して強烈なギャグ要素
シナリオの流れ
一部登場人物の個別ルートのシナリオ
+ | 一部登場人物に関する大きなネタバレ |
機種によって頻発する処理落ち
一部キャラクターのトンデモ設定
+ | よく槍玉に挙がるトンデモ設定 |
一部ソムニウムパートの難易度
+ | どのように理不尽かと言うと… |
特定の登場人物の扱い
+ | その登場人物とは…(深刻なネタバレ) |
+ | (深刻なネタバレ) |
捜査パートの問題
その他
ソムニウムパートのシステムや世界観、満遍なくちりばめられているギャグ要素、そして強烈なグロテスク要素など人を選ぶ部分は多いが、個性豊かなキャラクター達が織り成すシナリオの完成度は高く、それらさえ合えば打越作品のファンはもちろんのこと、ADV好きにも強くおすすめできる作品である。
現在は体験版が配信されており人を選ぶ要素は概ね集約されているため、気になる方はまずそちらに触れてから判断することを推奨する。体験版で面白いと思えたなら、本作は間違いなく楽しめるだろう。
+ | 発売前のセルフ実況プレイ |
+ | 本作と『パンチライン』のネタバレ |
+ | エンディングの若干ネタバレ |
*1 打越氏はかなり早い段階で退社しているが、円満退社でスパチュンとの関係は続いているため、最後まで本作の開発に携わっている。また、トゥーキョーゲームスの名も協力会社として本作のスタッフロールに載っている。
*2 制限時間自体は減るが、0.01秒で止まる。
*3 モチーフはハムスター。
*4 伊達と比較的親しくなった芸能事務所の受付嬢、メイド喫茶のメイドはおろか、ヤクザの事務所で軽くあしらったチンピラ、事件現場にいただけの鑑識官、一度しか登場しないタクシー運転手すらも含む。
*5 『刻のジレンマ』のオリジナル版は3DS/PSVと携帯機用だった。また、『刻のジレンマ』と近い時期にMAGES.から出た打越作品の『パンチライン』はPSV/PS4の同時発売だったが、3Dモデルの出来は不評だった。
*6 ちなみに、そのゲームのタイトルは「イクラマンふとし」であり、これを並び替えると…。
*7 ノーミスでクリアすると尋問毎にトロフィー/実績が解除される。
*8 一部のルートでは主人公が捜査が止めたわけでも何でもないのに話が終わってしまう。
*9 氏の代表作『Ever17』も今でこそ名作と名高いが、発売当時は最後までプレイせず低評価を下される例が散見された。
*10 『infinty』のもう1人の生みの親・中澤工の作品。余談だが、主人公の担当声優が本作と同じである。
*11 ただ、「(クズ人間だが)事件を起こすような悪い奴じゃない」というニュアンスで。
*12 みずきの祖父はイルカに育てられ、10代の時にはカツオを手掴みで捕まえられるようになっており、そのまま陸に上がって起業したという伝説がゲーム中で語られているが、ネタバレ座談会ではこれが紛れもない事実であり、その力を隔世遺伝子で受け継いだのがみずきとされる。
*13 ネタバレ座談会では「この世界ではエロ本が規制されていて、手に入れるのが難しくて貴重なもの」という設定が後に判明する。
*14 補記には「薬の服用で頭が豆腐みたいになっていてまともな判断ができない」と記載されており、レビューや考察等でそれが原因ではないかと予想されている。
*15 打越氏がかつて企画・監修を手掛けたリアル脱出ゲーム。
*16 過去に放送された打越氏原案のアニメ『あかねさす少女』でも主演を務めた。