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マリオカート8 デラックス - (2023/08/09 (水) 15:36:34) の編集履歴(バックアップ)


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マリオカート8 デラックス

【まりおかーとえいと でらっくす】

ジャンル レースゲーム
対応機種 Nintendo Switch
発売・開発元 任天堂
発売日 2017年4月28日
定価 5,980円(税別)
判定 良作
ポイント マリオカートとしては初の「完全版」的作品
『8』で不評だった要素を概ね改善
バトルモードが本当の意味で復活
シリーズ初の中量級環境
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

レース、バトル、すべてがデラックス」の売り文句を引っ提げてNintendo Switchに登場した、マリオカートシリーズの新作。
『9』ではなく『8 デラックス』とあるように、本作は『マリオカート8』の完全版として制作されている。そのため『8』のシステムを基に問題点の改善や要素の追加・復活が行われている。


『8』からの変更点

基本的な部分は『8』とほとんど変わらないため、ここでは主に『デラックス』での追加・変更点を挙げる。

  • アイテム2個持ちの復活
    • 画面左上の所持アイテムを表示するスロットが2つに拡大された。1つアイテムを保持している状態(バナナなどを後ろに付けた状態にする必要はない)でアイテムボックスを割ると、小さい方のスロットに2つ目のアイテムがストックされる。
    • ただし『ダブルダッシュ!!』のように所持しているアイテムの順番を切り替えることはできない(ブーメランフラワー・テレサなど、一度使ったあと戻ってくるアイテムは例外)。
    • コース上の一部のアイテムボックスが、『ダブルダッシュ!!』と同様に一度に2つのアイテムを獲得できるもの(以下、「ダブルアイテムボックス」)に変更されている。
      • 1位でダブルアイテムボックスを割ると高確率でどちらかのアイテムがコインになるので、独走したとしても有利にはなりづらい。ただし両方のアイテムがコインになることはない(アイテムスイッチでコインをオフにした場合を除く)。
  • ハンドルアシスト・オートアクセル
    • マリオカートシリーズに慣れていない初心者でも安心して遊べるように追加されたシステム。どちらもカスタマイズ決定時やレース中ポーズ時にプレイヤーごとオン・オフの切り替えが可能。ただしタイムアタックでは2つとも、バトルではオートアクセルが使用できない。
      • ハンドルアシストは、使用時にダートや壁などに突っ込みそうになると、減速しつつ自動で方向修正する。修正は非常に強力で、特に200ccで走る時にONにしておくと幾分難易度が下がる。
        下記のウルトラミニターボが発動しなくなるデメリットもあるが、キノコ系アイテムやスターを所持しているとショートカットを反映したアシストに変化するなど実用性は高い。
      • オートアクセルは、アクセル用のボタンを押さずとも自動でボタンを押した時と同等の速度になるシステム。停止やバックができなくなるが、減速やスピンターンは可能なためこちらは目立ったデメリットは無い。
  • ウルトラミニターボ
    • 長時間ドリフトすると火花が発生し、この状態でドリフトを終了すると短時間最高速が上がるミニターボシステムは健在だが、ミニターボ・スーパーミニターボの他に第3段階の「ウルトラミニターボ」が追加された。
    • ドリフトの時間によって火花の色が青(ミニターボ)→オレンジ(スーパーミニターボ)→ピンク*1(ウルトラミニターボ)と変わっていき、ウルトラミニターボでは2秒以上もターボ状態が続く。
    • 前述の通りハンドルアシスト機能がオンの状態だと、いくらドリフトを続けてもウルトラミニターボは発生しないようになっている。
  • バトルゲームの一新
    • 『8』では「バトルコースが一部レースコースの使い回し」「ルールもふうせんバトルのみ」とあからさまに手を抜かれたバトルゲームだが、本作では新旧のバトル専用コース8つと専用ルール5つが用意された。
      • バトル用新コースにはゲスト参戦である『スプラトゥーン』の「デカライン高架下」が存在。アイテムスロット中の効果音が ダウニーガチャ ギアスロット抽選中のものになっていたり、バトル時間が残り1分を切ると原作のナワバリバトル同様「Now or Never!」が流れる等、他のコラボコース同様原作要素の再現が豊富。
      • バトルゲーム中にアイテムによる攻撃を受けた直後の無敵時間はレースゲームの時より若干長くなっており、ハメ状態にはなりにくくなっている。
      • 専用コースが用意された代わりに、『8』での通常のレースコースは選択できなくなっている。
    • ふうせんバトル
      • アイテムを駆使して相手の風船を割って得点を稼ぐいつものルール。
      • 風船を全部割られたプレイヤーはリタイアにはならず、得点が半減し風船を3個持った状態で復活するようになった。
    • パックン VS スパイ
      • 本作の完全新規ルール。パックンチームとスパイチームに分かれ、パックンチームは制限時間内にスパイチームを全員捕まえれば勝ち、スパイチームは一人でも制限時間いっぱい逃げ切れれば勝ち。要はマリオカート版ケイドロ(ドロケイ)
      • パックンチームは常時アイテムのパックンフラワーを装備した状態で、このパックンフラワーの攻撃にスパイチームのプレイヤーが接触すると捕まえた扱いになる。なおこのパックンフラワーはゲッソーなど他のアイテムを食べられず味方も攻撃しない特殊仕様。
      • スパイチームはコース上の特定の場所にある檻のボタンを押すことで、その檻に捕まっていた仲間を開放することができる。
      • このルールのみチーム戦固定・参加人数が12人固定(足りない場合はCPUで補われる)となっている。
    • ドッカン!ボムへい
      • 『ダブルダッシュ!!』にあったルール。アイテムの仕様が特殊なふうせんバトルで、取得できるアイテムがボムへいのみで10個までストックでき、自チームのボムへいによるダメージは受けない。
      • ボムへいを前に投げた時の挙動もこのルール独自のもので、投げる直前にLボタンを押し続けた時間が長いほどより遠くへ飛んでいく。
    • あつめてコイン
      • Wii』『7』にあったルール。コース上に散らばっているコインを回収したり、アイテムによる攻撃で相手のコインを減らしたりすることで、コインの獲得枚数1位を目指す。
    • いただきシャイン
      • 『ダブルダッシュ!!』にあったルール。コース上に1つ存在する巨大なシャインを奪ったまま走り、20カウント逃げ切ったプレイヤーが1位となる*2。試合が5分経過した場合はそれまでに減らしたカウントで順位が決まる。
      • シャインを持っているプレイヤーは『スプラトゥーン』のガチホコのように移動速度が若干下がってしまう。またシャインを持った状態で攻撃を受けてしまうとシャインがどこかへ飛んでいき、プレイヤーはわずかの時間静止状態になる。
  • キャラクター・マシンパーツ・アイテムの追加・復活
    • 過去作の参戦キャラクターからクッパJr.・カロン・キングテレサが復活。新規のキャラクターとして、メタルマリオの色替えであるゴールドマリオ*3と、『スプラトゥーン』からのゲストであるガール・ボーイ*4が追加された。
      • ゴールドマリオのみ隠しキャラで、他のキャラは初期状態で選択可能。
    • マシンにクッパクラウン(カート)・スプラバギー(バギー)・トルネード(バギー)の3種が追加された。
    • Ver.1.6.0では『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』仕様のリンク*5・マスターバイク零式(ドリフトバイク)・古代のタイヤ・パラセールが追加された。
    • 『8』に登場したキャラクター・マシンパーツ・レースコースなどは全て引き続き登場し、ほとんどが初期状態で選択可能。
      • キャラクターは、当時の隠しキャラクター、DLCで追加されたキャラクター、ヨッシーとヘイホーのカラーバリエーション等も含めて全て初期状態で使用可能になっている。
      • 追加パーツ(メルセデスとのコラボを含む)は初期状態もしくはコインの獲得枚数による解放で全て使用可能。パーツ獲得に必要なコインも最大5000枚と『8』から半減している。
      • レースコースは『8』で登場したもの(DLC含む)全てが初期状態で選択可能。
    • アイテムは『8』に登場したもの全てに加え、テレサ・ハネが復活した。
      • テレサは他のプレイヤーのアイテムを奪いつつ一定時間透明(無敵状態)になれる。透明中は他のプレイヤーや設置されているバナナなどをすり抜けるが、キノピオハイウェイで走っている車などの障害物はすり抜けられない。なおスターとの併用時はスターの効果が優先される(アイテム奪取は可能)。
      • 初代『スーパーマリオカート』から25年振りの復活となるハネはバトル専用アイテムで、ジャンプすることで障害物や低い壁を通り越したり、他のプレイヤーに接触することで風船やコインなどを奪ったりできる。有効に活用できる状況は限られるが緊急回避や奇襲に役立つ。またジャンプアクション扱いのためか着地後わずかにターボがかかる。
  • パラメータの調整
    • キャラクターの能力のカテゴリーが『8』の9種類から16種類となり、より細分化された。
      • たとえば『8』では同じ中量級だったマリオとルイージも、僅かながら能力に違いが出ている。また一部キャラの能力が同じだったクッパ7人衆もそれぞれ違うカテゴリーになっている。
    • マシンパーツもパラメータが調整され、同一の性能が当てられているパーツの数が概ね均等化された。反重力特化から水中特化に変更されたわくわくビートルなど、『8』とは別物になっているものも多々ある。
    • ミニターボの性能(発動するタイミングの早さや持続時間)に関わる能力はマスクデータだが、加速のパラメータとおおむね連動する形となっている。
    • Ver.2.2.0では、キャラクターやマシンパーツの隠しパラメータとして「無敵度」が追加された。この値が大きいほど被弾後の無敵時間が長くなる。
      • 大まかな傾向として、キャラクターは軽いほど、マシンパーツは加速性能が低いほど無敵度が高くなり、また同じ性能のマシンパーツでもサイズが大きいものは無敵度が高くなる(シルバーアローはハナチャンバギーより無敵度が高い、など)。
    • Ver.2.3.0で一部のキャラクター・マシンパーツに強化が入った(弱体化されたキャラ・パーツはない)。
      • それまでは非常に長い間性能調整がなく、実に5年弱越しでの本格的なバランス再調整となった。問題点として後述する「悪花・悪パタ環境」を踏まえたもので、このカスタムの性能を据え置いたまま他を強化するような調整が行われた。
  • オフラインのレースモードについて
    • ミラーモードと『8』のアップデートで追加された200ccモードは初期状態で選択可能。
    • 150ccのグランプリをクリアすると50ccと100ccの同じカップもクリアした扱いになる。
    • タイムアタックでは従来の150ccだけでなく200ccでも挑戦できるようになった。もちろんゴーストデータをオンラインで登録することも可能。
  • 対応amiiboの追加
    • 『スプラトゥーン』シリーズのamiiboを読み込むと新規のMiiスーツが入手できるようになった。
    • スマッシュブラザーズ』シリーズのキャラクターのamiiboでないと呼び出せなかった『どうぶつの森』と『ピクミン』のMiiスーツが、各原作作品のamiiboフィギュア・カードでも入手できるようになった(『ピクミン』シリーズはVer.1.2.0以上へのアップデートが必要)。
  • 「マリオカートTV」の仕様について
    • YouTube・Miiverseへの動画投稿機能は削除された(MiiverseはそもそもSwitchが対応外になっており、本作発売後の2017年11月8日にサービスが終了している)。
    • インターネットを通じて他のプレイヤーのハイライトを見ることができなくなった。
    • リプレイ中にコース図やプレイヤー名の表示・非表示を切り替える場合に一手間かかるようになった(ボタンによる切り替えではなくメニューを開いてから設定する必要がある)。
    • 『8』ではゴール時に実際のレース同様全員の順位が表示されていたのが、本作では対象のキャラクターの順位のみ表示されるようになった。
  • インターネット対戦の仕様変更
    • コース選択画面の間、制限時間が切れるまでキャラクターやマシンのカスタマイズを自由に変更できるようになった。
    • 様々な固定文による挨拶が、コースを選択する前にも行えるようになった。またごく一部の固定文が変更されている*6
    • 「せかいのだれとでも」「こくないのだれかと」(以下「野良戦」)で遊ぶ際、一定数以上のレートを満たすと、コース決定時のクラスとして150ccだけでなくミラーや200ccも出るようになった。
    • 野良戦で「200cc限定」「カートのみ」等のカスタムルールを指定できなくなった。
    • フレンド限定の部屋でチーム戦を行う際、チーム分けを部屋のオーナーが自由に決めることができるようになった。
    • 「他のプレイヤーがオーナーであるフレンド限定部屋に入っているフレンド」に合流できるようになった(自分がそのオーナーとフレンド関係であるかは問わない)。合流してほしくない場合はSwitch本体でオンライン状況の公開設定を変更する必要がある。
    • レース・バトルの観戦時に、観戦対象のプレイヤーの切り替えがAボタンでしか行えなくなった(『8』はBボタンで逆順に切り替える事ができた)。
  • アイテム関連の仕様変更
    • テレサ・スター・キラーによる無敵状態で他のプレイヤーのサンダーを受けた時、持っているアイテムを喪失しなくなった。
  • アイテムスイッチ
    • Ver.2.2.0で、ローカルのVSレースや各バトル、ローカル対戦、オンラインの大会やフレンド戦におけるアイテムの出現可否を1アイテムごとに主催が変更できるようになった。チーム戦ではチームごとに出現アイテムを設定することも可能。
    • 元々あった「○○(アイテム名)のみ」ルールではそのアイテムに加えてコインも出現する仕様だったが、アイテムスイッチでコインをオフにすれば1位でも強力なアイテムを使い放題になる。
    • キラーのみ、トゲゾーこうらのみなど、設定次第でこれまでとは一味違う(どころか場合によっては非常にカオスになる)レースやバトルを味わえる。
    • 「ダッシュキノコとトゲゾーこうらのみに設定して1位を走り続け、トゲゾーこうらの回避を練習する」など、設定によってはテクニックの練習にも使える。
  • 有料DLC「コース追加パス」
    • 発売から約5年経過した2022年に、過去作(スマートフォンの『ツアー』を含む)のリメイクコースを追加する有料DLC「コース追加パス」が発表された。
      • 実際には過去作のコースだけではなく、「アイスビルディング」「ヨッシーアイランド」といった完全新規コースも存在する。いずれも配信後に『ツアー』にも登場した。
    • 価格は2,500円だが、「Nintendo Switch Online + 追加パック」に加入しているユーザーは期間中無料でDLCが適用される。
      • さらにDLC未購入者の場合も、購入者とマッチングすることで一時的に追加コースを遊ぶことが可能。
    • 追加予定コースは全12カップ・48コースという特大ボリューム。標準収録の48コースからさらに倍増する形となり、シリーズの最多コース数を大幅に更新している。
    • 第4弾からはコースだけではなく、キャサリン等過去作のキャラクターも追加されるようになった。こちらは自分でDLCを適用させないとオンラインでも選べない。
    • 初回配信は2022年3月18日で、1弾につき2カップ・8コース。2023年末までに全6弾を順次配信予定。
  • その他
    • Switch本体をドックから外した状態(テーブルモード・携帯モード)でももちろん遊べる。ただしこの状態での1台4人プレイは一人当たりの画面が非常に小さくなるため、プロデューサーも推奨していない
    • Switch間のローカル通信やLANプレイ*7に対応している。Switchと本作を持ち寄ることで、ローカル通信は最大8人まで、LANプレイでは最大12人まで一緒にプレイできる。
      • 1台で2人まで同時に遊べるので、画面の狭さを考慮しないなら最大人数でも4台または6台の本体とソフトがあれば十分。
    • HD振動に対応しており、様々な状況でコントローラが異なる振動を発するようになっている。
    • ゲーム内の動画投稿機能が削除された代わりに、Ver.1.3.0からSwitch本体の録画・投稿機能に対応している*8。上記のマリオカートTV再生時だけではなく、実際のレース中の様子も録画できる。
    • アップデートにより、対応コントローラに『Nintendo LABO Toy-Con 01 VARIETY KIT』の「バイクToy-Con」(Ver.1.5.0~)、『Nintendo LABO Toy-Con 03 DRIVE KIT』の「クルマToy-Con」(Ver.1.7.0~)が追加された。
      • 通常のコントローラと違い「バックミラーが使えなくなる」などの制約があるため、ガチの対戦には向かない。

評価点

  • バラエティ豊かなバトルモード
    • PVなどで強調してきたこともあって、バトルモードの充実ぶりは特筆に値する。
    • 5種類の異なるルールで様々なアイテムが飛び交うハチャメチャな内容は、『8』で薄まってしまった「パーティゲームとしてのマリオカート」を取り戻せたと言ってよいだろう。
  • 様々な仕様変更による戦略性の増加
    • バトルモードだけでなく、レースモードでもアイテム2個持ちによって一発逆転の要素が強まったため、1位を独走していても気が抜けなくなっている。
      • 当初は『8』より酷い下位同士の潰し合いが発生することもあったが、アップデートにより被弾後の無敵時間の延長・下位プレイヤーの加速系アイテム取得率増加・パックンフラワーの出現頻度減少などのバランス調整が施された。
    • ウルトラミニターボも上手く活用すれば追い上げや引き離しに有利だが、無理をしてウルトラを狙うよりスーパーミニターボで妥協した方が良い場面もある。
      • 「ウルトラミニターボをどこで使うべきか」というコースの攻め方の戦略性が高まったほか、「欲張ると却ってコースアウトなどの自滅を招く」というハイリスク・ハイリターンなシステムになっているため、ゲームプレイの熱中度が増した。
    • ネット対戦ではコース選択時にカスタマイズを変更できるようになったため、選択されるコースを予見して最適なカスタマイズにすることも可能になった。
  • バグテクニックの削除
    • 『8』ではアップデートによる改善を望まれながら放置されていた「サンダードリフト」「ねじれドリフト」といったバグテクニックが修正され、同様の動作を行っても速度が上がらなくなった。
      • 『8』で特に問題視されていた点の一つであったため、この対応は『8』のプレイヤーから概ね受け入れられている。
      • またサンダードリフトができず他の車種に比べ不利だったハングオンバイクの価値が相対的に上がった。
  • 解像度アップによりグラフィックが更に美しくなった
    • 『8』の時点でもグラフィックは十分綺麗だったが、本作では解像度がHD(720p)からFullHD(1080p)に向上し、更にくっきり・鮮やかに描かれるようになった。
    • Switchをドックから外して本体に映すテーブルモード・携帯モードではHDに落ちるが、肉眼ではほとんど気にならないレベル。
      • もちろんいずれのモードでもフレームレートは60fpsをキープしている。
  • 有料DLC「コース追加パス」
    • 発売から5年の歳月をかけて追加が始まったリメイクコースに関してもクオリティは抜かりない。
      ボリューム面から見ても、単純にコース数がデフォルトから倍増するため、DLCとして見てもかなりお得。
    • 本作より後にサービス開始したスマートフォン版『ツアー』の一部コースも収録。
      • 原作での「1つのステージに対し複数パターンのルートがナンバリングコースとして別々に収録される」という特徴をフル活用し、本作では周回ごとにコースの順路が変更される形式となっている。特に都市コースでは1周ごとに別々のルートを走るため、1コースで2度3度と楽しめる。
      • この仕様を活用し、「N64 カラカラさばく」も線路の上を走る『ツアー』で登場したルートを導入している。
      • 第3弾の「DS ピーチガーデン」は原作や『Wii』と異なり、3周目のみ『ツアー』の逆走版と同じ仕様に変更されるという魔改造を受けた。
      • 完全新規コースは『ツアー』とほぼ同時収録なのだが、両者でコースの仕様がそれぞれ異なっており、しっかりと差別化された内容になっている。
    • 過去作コースに関しては『ツアー』と互いに受け渡している形*9だが、それらもグラフィックはバッチリHD・FullHD画質となっている。
      • また、BGMも『ツアー』と異なる新規アレンジ*10になっており、据置可能ハードならではの美麗なサウンドでプレイできる。
      • 「GBA リバーサイドパーク」に至っては、完全新規ギミックとして「フーフーパックン」が追加されるという気合の入りようである。

賛否両論点

  • インターネット対戦中の仕様
    • 野良戦で遊ぶ場合に時々出現するミラーや200ccはパーティゲームらしいサプライズや刺激として働くこともあるが、これらに慣れていないプレイヤーには不評であることも多い。
      • そのためかVer.1.1.0のアップデートで出現率が下げられた。
  • 一部のコース
    • 『8』からあるサンダーが脅威すぎるコースや運ゲー色の強いコース、打開*11が強力なコース、動く障害物があるコースなど上級者から嫌われるコースは本作にも健在。
      • ただしサンダーについては後述の仕様変更で若干緩和されている。
  • 通称・バグボックス
    • アップデートによって1位との距離だけでなく順位も考慮されるようになった。
    • しかし、1位との距離は文字通り1位とアイテムボックスをとったプレイヤーの距離を考慮され、その距離差に実質的な優勢劣勢は考慮されておらず賛否が分かれている。
    • コースによっては実質的な優勢劣勢はどうあれ1位との距離だけなら開きやすいコースも存在し、距離が開く事でサンダーなどの強力なアイテムを引く確率が跳ね上がり、上記のサンダーが脅威すぎるコースや運ゲー色の強いコースの原因となる事もある。
    • 上記のように距離だけは開きやすいコースによって1位との距離が開いて強力なアイテムを引く確率が跳ね上がった状態で取るアイテムボックスは「バグボックス」という通称で呼ばれている。
  • 有料DLC追加コースのグラフィック
    • 『ツアー』をベースとしているためか、グラフィックデザインが既存のものと比べてやや簡素なコースが見られる。
      • 背景のオブジェクト数が少ない他、木や岩、建造物などはツルツルした質感のデザインになっている。他方でアスファルトなど要所要所では既存コースと同様リアルに書き込まれており、ファンシーとリアルが混じった独特な世界観である。
      • 一応、『ツアー』版よりはブラッシュアップされてはいるのだが、同じ旧作からの再録コースでも既存とDLCでリメイクのレベルが大きく異なるため、統一感の無さが気になるという人もいる。
      • さらに『Wii』のようなグラフィックレベルが高めな作品がリメイク元で、上記のようなデザインにされたコースでは、人によっては劣化しているように感じられる。
      • DLCコース同士で見ても、「3DS キノピオサーキット」と「GBA リバーサイドパーク」の草地、「Tour シドニーサンシャイン」と「Tour シンガポールスプラッシュ」の水など、第4弾とそれ以前ではクオリティの差が激しい。
  • Ver.2.2.0から、グライダー使用時にサンダーを受けてもグライダーが閉じなくなった。
    • 滑空中のライバルにサンダーを当てることは「落とサン」として知られる戦術だが、特に上位を走っている時サンダーが使われるかどうかは運であり、理不尽な要素の一つだったため評価する向きもある。だが、下位からの逆転を狙ったり、サンダーのタイミングを読んでスターを使ったりなどの戦略性がある要素でもあったため、この仕様変更は賛否ある。
    • なおサンダー以外のアイテムに被弾した場合は従来通りグライダーが閉じるので、打つ手がなくなったわけではない。
  • Ver.2.3.0のパラメータの更新により従来のキャラクター・パーツの格差がある程度改善されたが、タイムアタックにも影響が出てしまい、強化前の記録を簡単に更新できてしまうことで、旧性能の期間が長かったこともあり従来のタイムアタックをやりこんできた人からは非難の声も上がっている。

問題点

  • 「完全版」共通の問題だが、『8』からの変わり映えが少ない
    • デフォルトのレースコース数は「シリーズ最多の48コース」と謳われているものの、ダブルアイテムボックスの存在を除き『8』のDLC込の全コースと全く同じ内容で、今作からの新コースはバトル専用に追加されたもの以外は一切無い。他の要素でも『8』と同じ部分が大半を占めている。
    • 『8』のセーブデータが引き継げる訳でもなく(マシンパーツも集め直し)、『8』からのプレイヤーに対して何か特典等がある訳でもないため、『8』からのユーザーが単純に損をする結果になってしまっている。
      • 上記の通り「キャラクターはゴールドマリオ以外初期で全員使用可能」「50ccと100ccのグランプリはクリア不要」と、経験者にとってのフォローは無いわけではないが…。
    • マシンのフレームについてはカート、バギー、ドリフトバイクで新しいものが追加されたが、ハングオンバイクのみ『8』と同じものしか存在しない。
      • 他の車種よりハングオンバイクが不利になりやすいコースが多いのも併せて、相変わらず冷遇されているといえる。
    • とはいえ、これらの問題はあくまで「既に『8』をプレイした人から見た問題点」であり、未プレイ者が初めて『8DX』に触れる場合は最初から豊富なコースとキャラクターで文句無しの大ボリュームを味わえる。
      • 他のWiiUソフトからのSwitch移植にも言えるが、そもそもWiiUとSwitchで本体の売上に大きな差が付いており、Switch版で初めて手に取るユーザーが大多数になっている点も大きいだろう。
    • なお『8』とコースが代わり映えしなかった点に関しては、『8DX』発売から約5年後と大幅にタイムラグがあったものの、前述の「コース追加パス」によって完全に解消されている。
  • カスタマイズ間の格差は相変わらず
    • マシンパーツが自由に組み替えられるようになったにもかかわらず、シリーズ近作における日本のプレイヤーによるインターネット対戦では、ほとんど同じカスタマイズばかり*12が並ぶ様子がしばしば問題視されていた。
      • 海外のプレイヤーはそれなりにバラけているが、『7』以降では近い地域のプレイヤーと優先的にマッチングする仕様のため、結果的に同じカスタマイズばかりが並んでしまう。
    • 本作では上記の通り「加速性能≒ミニターボの性能」となっており、またミニターボ性能の影響が強く、最重要ステータスとなっている。
    • Ver.2.3.0以前では、タイヤは「ローラー系タイヤ」、フレームは「ハナチャンバギー」「スタンダードバイク」*13、もしくは「パタテンテン」「そらまめ」*14、そしてキャラクターはワルイージ、ドンキーコング、ロイ*15がテンプレとなっており、特にワルイージとハナチャンバギーまたはパタテンテンを組み合わせた通称「悪花」「悪パタ」が特に上位プレイヤー内では一大勢力となっていた。
    • Ver.2.3.0では、一部のキャラクターやパーツの性能が上がった。強化を受けたキャラクター、マシンパーツの中で特に一線級の性能に躍り出たのが、キャラクターではロゼッタ*16、ルイージ*17、マリオ*18、ヨッシー*19。フレームでは「くまライド」*20「トルネード」*21
      今まで最も人気であったワルイージや「ハナチャンバギー」「パタテンテン」といったキャラ・カスタムは従来から性能そのままであり、これらの新環境カスタムに次ぐ程度の性能に落ち着いている。
      • 特にマリオを含む中量級がガチ対戦の環境で活躍できるほど強くなったのはシリーズ通じて初であり、名実ともに「マリオカート」となった初の作品といえるかもしれない。
      • 以上のように選択肢こそ増えたものの、この変化はこれまでもそこそこ強かったカスタムの中で強化されたものが従来の「悪花」「悪パタ」のようなポジションに取って代わったというだけという見方もできる。
        特に今まであまり使われていなかった上に強化を受けていないクッパ*22といったキャラクターや、強化を受けてもなお弱いマシンパーツは存在し、特にタイヤに関しては当初から「ローラー系タイヤ」一強の状態が続いているなど格差が無くなったわけではない。
      • 上位勢の中では研究が進み、上に挙げたいくつかのキャラ・カスタムの中でも、更なる画一化が進みつつある。

総評

バトルゲームやバグテクニックを始めとする『8』での様々な問題点が改善されただけでなく、追加要素も多い。
任天堂らしい初心者へのサポートや『8』ではあまり見られなかったアップデートによる細かなバランス調整など、『8』のプレイ経験の有無を問わないよう気を配った内容となっている。
DLCを含めたボリュームは最高レベルで充実しており、純粋に実力を競い合う「レースゲーム」としても、家族や友達とワイワイ遊ぶ「パーティゲーム」としても充分良作と呼べる完成度といえる。


余談

  • ハンドルアシスト機能とオートアクセルを併用するとプレイヤーが全く操作しない状態でプレイヤーキャラが正しい順路で進むようになる
    • ただしドリフトやアイテムを使用しないので、COMを「よわい」にしたとしてもこれだけで1位を取るのは難しくネタの域を出ない。
    • 各レース順位決定後の操作だけ行い半放置しながらコインを集めさせることも可能だが効率は当然悪い。4レースで15枚も集まれば上出来といったところか。
  • ガールとボーイは原作だと水に入ると融解して即ミス扱いになってしまうのだが、本作ではウォーターパークなどの水中コースでも特に問題なく走れる(苦しむ素振りも見せない)。溺死する様子を見てきたプレイヤーにとっては奇妙な光景に見えるかもしれない。
    • スーパーマリオメーカー』のキャラマリオとして登場した際は「あくまでマリオの変身なのでセーフ」という意見もあったが…*23。マリオワールドとハイカラシティ周辺では水の成分が違うのか*24、それともインクリングには水に強い個体が存在し、彼女達がその個体なのか…謎である。
      • 身も蓋もないことを言ってしまえばゲーム的に「水に入っただけでアウト」だと成り立たないのは言うまでもない。いずれ公式で何か補足があるかもしれない。
      • そもそもマリオをはじめ大半のキャラクターが生物であり、生身で潜水しながらのレースは実質不可能。水が特殊(水のような特殊液体)か、キャラクターが特殊(耐水加工済)のどちらかであろう。
        スマブラSPでも「水に落ちるとダメージは受けるが即死はしない」という仕様になっているので、その辺りは原作の設定に囚われず、ゲームごとに原作を尊重しつつ調整しているという形と見るのが正解か。
  • 本作で追加された『スプラトゥーン』コラボのバトルコース「デカライン高架下」の構成が、原作の旧バージョン準拠となっている。
    • 元ネタになった原作での同名ステージはゲームバランス面に問題があったため、発売から僅か3ヶ月後の2015年8月の大型アップデート(ver2.0.0)で「改修工事」が行われ、内容が大幅に変更された経緯があった*25
    • 本作はそれから2年後の2017年発売であるのだが、このコースは開発時期の関係か、かつての大型アップデート以前である改修前の旧バージョンをベースに作られている。
      • そのため、原作ファンから見れば慣れ親しんだ新バージョンと異なるため戸惑いがある一方、逆に「ほとんど遊ぶ機会の無くなった、貴重な旧バージョンのデカライン高架下を懐かしむことができる」とも取れる。
    • なお、本作と同じくSwitchで発売された続編『スプラトゥーン2』および『スプラトゥーン3』にはこのステージは登場していない。
  • ガールのモーションの内、「二の腕にもう片方の手を添えてからのガッツポーズ」が欧米で「侮辱とみなされるポーズである*26」と指摘があったため、Ver.1.1.0のアップデートで片手を添えないように修正されている。
    • 過去のマリオシリーズの内『スーパーマリオRPG』でも、国内版で勝利時に同様のポーズをとっていたクッパが海外版では別のポーズをとるように変更されていた。
  • コース追加パスの第1弾で追加された「Wii ココナッツモール」は、原作だと終盤で往復している車に接触するとクラッシュしてしまうが、本作ではリリース当初は車が完全に停止しており、接触しても減速するだけとなっていた。
    • 特に海外でこの仕様変更に不満が多かったためか、Ver.2.1.0では通常のレースに限ってこの車が予備動作の後2回大きくスピンして接触したカートをクラッシュさせるようになり、話題となった(タイムアタックでは上記の仕様のまま)。
  • 本作と同時に、Switchの周辺機器としてJoy-Conハンドルが新たに発売された。
    • 『マリオカートWii』の時のWiiハンドルと同様に、Joy-Conを装着するハンドルタイプのアタッチメントである。Joy-Conのサイズの都合上Wiiハンドルより小さくなっている。
  • 発売から約6年経った2023年3月末の時点で、全世界の売り上げが『8』の846万本の6倍以上となる5,546万本と、全Switchソフトの中でもぶっちぎりのトップとなっている。
    長らくマリオカートシリーズ最高売上だった『Wii』の3,738万本どころか、初代『スーパーマリオブラザーズ』の4,024万本をも2021年12月末の時点で既に4,335万本となったことで上回りマリオ史上最も売れたゲームとなった。
    先述の通り2023年末に掛けて大型DLCを実装するため、今後もしばらく記録を伸ばしつづけると思われる。
    • 国内売上も2022年12月末の時点で 500万本突破と、『DS』を突き放してシリーズ1位となっている。