元カスレア

登録日:2020/01/11 Sat 21:41:18
更新日:2025/05/15 Thu 11:54:30
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この項目ではカスレアと呼ばれたカード達の中から後年再評価を受け、無事に?カスレアを脱却したカード達について記述する。カスレアの細かい定義については上記記事を参照されたし。

TCGにおいて、レアカードは強力だったり派手だったりするものが普通だが、
何を間違えたのかレアと呼ぶには少々無理のある程に弱いカードがレア枠に収まっていることが稀にある。
しかし、腐ってもレアはレア。カスレアのカードの中でも、コストの高さやデメリットの大きさ、使い所のわかりにくい効果故に低評価されていたカードは、活躍できる使い道の発見や誕生、新しいカードとコンボを組むことでデメリットの無視やデメリット自体をメリットに変える等の方法、再評価される事がある。
中には一躍トップレアに大化けするものもいたりする。


以下は、大出世した元カスレア達。


MtG

テキストが無駄に複雑すぎてまず正しく理解できない。これが冗談でも何でもない。
正しく理解した人も、通常ドローは来ない、ライフ支払いがキツい、追加カード入手タイミングが遅い……と、ハイリスクすぎてカスレア扱い。
しかしその実態は狂気のドローエンジンで、環境をネクロに染め上げ、使用者からさえ「実力を度外視するゲームを作る。禁止にすべき」とまで提言された。
なお、現在よく遊ばれている環境「統率者戦」では多人数戦という都合上、追加カードの入手タイミングの遅さが2人対戦以上に重くのしかかるため、
禁止カードには指定されていないし、「どんなデッキにも入る」「戦略の軸になる」というほどの評価も得ていない。
かつての人々が敬遠したイメージを味わえるだろう。
詳しくは個別項目へどうぞ。


  • オークの司書/Orcish Librarian
2マナ1/1、ライブラリー操作能力持ち。
そのライブラリー操作能力にライブラリーを無作為に4枚追放するデメリットがあり最初は弱く見られていた。
だが、初期型スライで活躍してからはその強さが認識された。
「追放されたカードは元々そのゲームで引けなかった、ライブラリーの底のカードと同じようなものなのだ」と開き直る考え方(デモコン理論)の開発に大きく役立ち、
カードゲームという遊び方自体を一歩前進させたカードでもある。


  • 政略/Political Trickery
土地のコントロールを交換するカード。3マナも使っておいて相手依存、しかも環境には《露天鉱床》という最強の土地対策があったのでカスレアだった。
しかし《露天鉱床》が制限になり、カウンターポスト全盛期となると一変。デッキのキーである《Kjeldoran Outpost》を強奪するためのカードとして一躍人気カードとなり、
その後も相手の土地を強奪するためのカードとして定番サイドカードになった。


  • ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond
Black Lotus》の調整版。0マナ→3マナという変換効率は変わらないが手札が全部飛ぶため、そもそも生み出したマナの使い道がなかった
しかしカードが増え、「墓地から唱える」だの「特殊な処理を行う」だので手札を使わずにマナを払う手段が増えたことでだんだんと化けていった。
ドレッジやマッドネスを扱うデッキでは手札を捨てることがメリットにすらなる。
相棒・ザ・ギャザリング時代のジャイルーダコンボでも、「5回マリガンしても初手にこのカードが2枚あれば勝てる」「Black Lotusの上位互換」とまで言わしめたトンデモカード。
今ではレガシーとEDHくらいでしか活躍できていないが、カードプールが広がれば広がるほど、どんどん悪用されては周囲のパーツが規制されていく
ヴィンテージプレイヤーに「ヴィンテージが世紀末っていうけど、俺達には渦まく知識とLEDが無制限のレガシーの方がよほど世紀末に見える」とまで言わしめた。
これに限らず、大味な動きをするカードはカードプールの充実によって化けることが多い。
ちなみにこんな大問題児が禁止されない理由は、レガシーが「こういうカードを使って遊んでもらうための環境」だから。EDH需要もあり、再録禁止カードということもあって値段がどんどん本物のダイヤモンドに近づいていく。


4マナ4/4でも、毎ターン手札1枚は食費がかさむなぁ……なんて思われていたのは初期の頃。
食費以上の費用対効果で暴走して最強クリーチャーと呼ばれるまでに。
ただしこの項目が立てられた頃は、すでに食費ばかりかかる駄クリーチャー、過去の栄光という扱いだった。


実質2マナ払って土地をタップするだけ……どこが強いの? とみんなが思った。そして使われて始めてその凶悪さに気付いた。そして、メルカディアンマスクスが出るまではカスレア扱いされてた《すき込み》も便乗する形で一気に化けた。
ちなみにこれを調整した結果カスレアと化したのが《冬月台地》である。
現在でもこのカードの強さが分からないというプレイヤーは非常に多い。レガシーでも入るデッキは相当選ぶので、なかなか理解できないようだ。
実際に上手いプレイヤーに使われたら、その感情は明確な憎悪に塗り替わるだろう。まさに1行目を地で行くことを、マスクス時代には生まれてさえなかったプレイヤーが繰り返していくのだ。


  • 寄付/Donate
相手に場札を文字通り寄付する……以上。2;-1交換という、遊戯王のネタ系ノーマルレアみたいな挙動のカードである。
見たまんまのカスレアだったが、↓が発掘されてヤバいことに。
この事件がきっかけでカスレアにも「《寄付》する」という使い道が出来たというのは有名な話。
後にリメイク版のカードがいくつか登場し、「デメリットだけ相手に押し付ける」という使い方は環境内で存在感を発揮した。


  • Illusions of Grandeur
出すと20ライフを得るが、除去されると20ライフを失う。
しかも毎ターン増加する上にそもそも1回目から重い維持コスト持ちなのでその場しのぎにしかならず、維持しようとすると逆に敗着が近づく。
「使うヤツはガキ」とまで言われたカスレアだが、↑のカスレアと組めば、デメリットだけを相手に押し付けるドネイトデッキが出来上がる。


1マナ12/12トランプルというアホみたいなステータスを、「出したらパワー合計12以上になるようにクリーチャーサクらないと自滅」という自身の能力により台無しにしているカスレア。
言うなれば1マナで他のクリーチャーを全部合体させて、トランプルをつけて殴りに行ける(サイズ勝負で圧勝できる)というデザインのカード。実用性?ねぇよそんなもん
だが伏魔殿という、クリーチャーを出す度にそのパワー分のダメージを飛ばすエンチャントが現れたことで「1マナ12点火力」というすさまじい火力パーツとなった。
登場と自壊の間に隙があるので、他にも悪用法は結構ある。シンプルに《投げ飛ばし》や上述の《伏魔殿》のほか、《もみ消し》《倦怠の宝珠》やフェイジングで自滅をなかったことにしたり、《領事府の弩級艦》《パルヘリオンII》などの搭乗コストの重い機体を動かしたり。
他にもETBによる自壊という点を逆用し、「裏向きに出すことでETBを踏み倒す」という手段もある。《Illusionary Mask》《運命の巻物》などで、これも1マナという点がものすごく役に立つ。
つまりこのカード、現在ではコンボパーツとして八面六臂ってこと。このカードのコンボパーツ性能が圧倒的過ぎるせいで、オンスロート・ブロック以前の《誘うワーム》などの同コンセプトのカードはまったく日の目を浴びない


  • ドラゴンの嵐/Dragonstorm
ライブラリーからドラゴンを呼び出す呪文。さらに同一ターン中に使った呪文の数だけ複製される。3~4枚のデカブツが並ぶさまはティミー大歓喜。
しかし9マナと重すぎる上に、手札に来たドラゴンを出すことができない、ドラゴンを出したからと言って勝てるわけでもない、いくら複製できると言っても9マナ呪文と同一ターンに使える呪文なんてそうそうない。
そもそも9マナも払えるなら6マナあたりのドラゴンを複数積んで出せばいいだけの話。環境をぶっ壊したカードだらけの「ストーム」では非常におとなしいカードという扱いだった。
しかし時は流れ、スタンダードタイムスパイラル期。
世界選手権はヘルカイトの炎に包まれた……!
その後も《猛火の群れ》の手札コストとして活躍したのち、EDHやカジュアルモダンでは強力なドラゴンと《アイレンクラッグの妙技》という相棒を手に入れて活躍している。
最近は強いドラゴンが増えたことで強化されたのだが、赤単ストーム用の強力なパーツも増えたため、
わざわざ手札に無駄牌を抱え込みやすいドラゴンストームに寄せる意味自体がなくなってしまい、EDHでドラゴンに寄せたデッキを組むときくらいしか使われなくなってしまった。
この辺の流れも時のらせん期に近い。



  • マナ結合/Manabond
終了ステップ時に手札の土地を全て戦場に出せる…が、それ以外のカードを捨てなければならないエンチャント。
この強烈過ぎるデメリットのせいで土地を一気に置いたところでその後の展開が苦しくなり、当時は土地だけ一気に並べたところで即座に勝利が決まるようなコンボもないため、土地単ですら使われることがなかった。
ちなみに例の紙屑ランキングにも29位にランクインされている。
しかし「墓地にある土地を3枚回収」「このカードで捨てても墓地から戻って来る」「墓地から戻ってくる際に墓地を肥やす」《壌土からの生命》の登場により評価は一変。「墓地から回収した土地を1ターンで全部出せる」《マナ結合》の評価が向上する。
この2枚で凄まじい勢いで土地を展開することができ、5枚目以降の《踏査》(デメリットはないが土地の展開速度は比較的ゆっくりなカード)として使われることが増えていった。
さらに《演劇の舞台》の登場で「土地だけで全てが完結するコンボ」が可能になったため、《踏査》よりも優れた点が増えていき、エターナルの土地単の原動力となるカードとなった。


  • 滋養の群れ/Nourishing Shoal
手札からマナ・コストXの緑のカードを追放することでも唱えられるX回復呪文。秘儀。
ライフゲイン自体が単独ではそこまで強くないし、ノーコストで唱えられるからといって手札2枚消費では割に合わない…という評価が長く続き、特に神河における緑が桜族の長老以外不遇だという論拠にされる際に出されるカードだった。
しかし、ライフをドローに変換できるグリセル様、踏み倒しギミックを共有できるコスト役《世界棘のワーム》が登場したことで、このカードは「手札2枚からライフを調達し、7枚ドロー用のコストを確保できる」カードに一躍化ける。
このカードをフル投入した【グリセルシュート】の型が開発されたとき、モダンのプレイヤーは「そんなカードそもそもあったの!?猛火の群れのサイクルの緑!?」「あのカスレアにそんな使い道があったの!?」「思いついても普通やるか!?」とそれはそれは驚愕したものである。
これまで群れサイクルの中で100円程度で買えたカードは、再録がないまま10年近くが経過していたことも相俟って需要が大高騰し、このカードで捨てるための専用のコストカードさえちょっと値段が上がった始末。1枚は禁止、3枚は過去の栄光となってしまった群れサイクルの中で今でも現役で戦える。
たまに「秘儀」という性質を参照されて、他のカードを連繋されてすごい動きをすることも。
他には致命傷を回避するために下記の【Super Crazy Zoo】のサイドボードに入っていたという実績も。大きいマナ総量をルールで減らしていくメカニズム「探査」との相性が抜群に良いのだ。
「秘儀」はたまにこのような評価を得るカードがあり、たとえばモダンの制定によって「《実物提示教育》《騙し討ち》《再活性》でいいな、乙。」となっていたカードが大化けすることにもなった。具体的には《裂け目の突破》《御霊の復讐》《御霊の足跡》など。


MtG屈指の高額トップレアも、「バニラだし、どうせ大して成長しないから弱い」と思われていた時期がありました。
ただしこのカードの場合、初動がその後の高騰っぷりを考えると考えられないほどに安かった
……という話が過度に神話化されているだけであり、本当に安かったのは初動だけ。ローウィンが出るころには未来予知のトップレアどころか、
この時点で下手なレガシーのカード(青の絡まないデュアルランドなど)よりも高額で、この値段の話はとにかく枚挙にいとまがない。
「八十岡翔太プロが4枚目の投入をためらって負けた」「Foilのタルモゴイフを剥いてしまった参加者がタルモゴイフを持ち帰るために大会をその場で棄権して物議をかもした」などといった話がとにかくたくさん出てきてしまい、
こういう話が「最初は500円レアだった」という話を過剰に面白がらせているだけというところであり、「元カスレア」に掲載するにはかなり毛色が違う。
直近で再録されたにもかかわらず2014年8月頃に2.4万程度まで高騰したこのカードも環境の変化によりどんどん下火になり、さらに度重なる再録を経て2024年現在は2000円以下で買える場合もある。
他にも「タルモゴイフ・トークン」を出すカードなども登場してしまい、今ではすっかり公式的には「MTGの名物カード」扱い、ガチプレイヤーには「ほとんど過去の栄光」といったところである。


  • 風景の変容/Scapeshift
土地を任意の枚数生贄にしてライブラリーから生贄にした枚数分土地を引っ張り出すカード。
すごく強い《輪作》といえば聞こえはいいのだが、出した土地はタップインでしかも4マナもかかるとなっては使い勝手が悪くカスレアだった。
しかし《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が登場してからは大量の山とともにヴァラクートを引っ張り出して瞬殺するためのカードとして一躍評価が上がった。
同様のカスレアだった《虹色の前兆》も、ヴァラクートの登場によって《風景の変容》と組むためのコンボパーツとなり、この2枚はカスレアから脱却した。
他にもウルザランドやpostを一気に揃えるために用いられる事もある。特にpostの場合は《雲上の座》がそもそもタップインなためデメリットも気にならない。
変わったところでは「上陸」能力を一気に誘発させるために用いられることもある。


  • 死の影/Death's Shadow
1マナ13/13という2019年現在でも最大のマナレシオを持つクリーチャー。
当然ながら美味い話には裏があるもので、自分のライフの数値だけ死の影のP/Tはマイナスされてしまうため、自分のライフが12以下の時しか場に出せないし、ある程度のサイズを求めるならさらにライフを減らさなければならない。
死の影の登場以降に登場したファイレクシアマナや《縞痕のヴァロルズ》とのコンボで注目されたものの、やはりその不安定さから構築レベルに至ることは出来なかった。
一応スタンダードでは《等価返し》《臨死体験》のようなスーサイド系のギミックを共有できることからポテンシャル自体は十分あったのだが、この時代は感染デッキが突然死を狙ってくることもあるのでものすごく不安定で、その隣で「この色にできないことはない」と揶揄された当時の万能色の白と青が大暴れしているので組む意味自体が希薄である。
しかし、後に「研究仙人」と呼ばれることになるクソデッキ愛好家「まつがん」こと伊藤敦が冗談で生み出した【Super Crazy Zoo(SCZ)】で死の影は中核パーツとなり、条件付きとはいえ1マナでタルモを超えるサイズになれるそのポテンシャルが再評価された。
これはタルキール・ブロックで登場した、探査持ち+6/+6パンプアップ呪文と、パワー4以上の時にトランプルを与える二段攻撃付与呪文によるところが大きかったが、当時電波デッカー以外には見向きもされていなかったカードが一躍高騰する原因になり、それがふざけきったデッキ解説記事から生まれたガチデッキという華々しさもあってたいへん有名になったカード。
最終的にSCZは別の中核パーツが禁止されて衰退したが、同様に死の影を中核にした【○○シャドウ】と呼ばれるフェアデッキはモダン環境の中核となっている。更に《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》が禁止されたことでレガシー環境でも注目されるようになっている。
余談ながら《死の影》が収録されたワールドウェイクは妙にそういうカードが多く、カウブレードの《石鍛冶の神秘家》、アミュレットコンボの《精力の護符》、エルドラージの《ウギンの目》など、登場当初はジェイスくじのハズレ枠だったのが後に大化けしたというものが多い。まだまだ可能性が眠ってるかも…?


  • ウギンの目/Eye of Ugin
ワールドウェイクに収録された、異色尽くしの伝説の土地。
伝説の土地
あなたが唱える無色のエルドラージ(Eldrazi)呪文は、それを唱えるためのコストが(2)少なくなる。
(7),(T):あなたのライブラリーから無色のクリーチャー・カードを1枚探し、それを公開してあなたの手札に加え、その後ライブラリーを切り直す。
ワールドウェイクでこのカードが神話レア枠として登場した当時は、当時のレジェンド・ルールとの兼ね合いで収録されない方向性が示されていた「伝説の土地」、謎の固有名詞「ウギン」に加え、謎の単語「エルドラージ」。しかもマナ能力すら持たない(当時はマナ能力およびそれにつながる能力を持たない土地は収録しないということが明言されていた)という、さながら未来予知の《蒸気打ちの親分》のような土地だった*1
ただ、ハッキリ言うとそんなもんを喜ぶのはヴォーソスだけ。今のようにWeb連載もないしストーリーもすごくこんがらがっていた頃なのでヴォーソスの絶対数自体が少なく、そのヴォーソスの話題も今ほど裏取りがハッキリできる時代ではないためレスバトルに向かいやすい性質を持っていたのでさらに敬遠される始末*2。当時多かったスパイク気質のプレイヤーにとって、このカードは「フレイバー・テキストが中央に書いてあるクソ重い無色サーチ」でしかないので、レガシーの【MUD】にあくまでもネタで1枚挿す程度でしか用いられなかった。
さらに同パックに収録されている神ジェイスがたいへん高額なレアだったため他のカードが不当なレベルで安く売られてしまい、《ウギンの目》もだいたい100~500円程度でショーケースの片隅にそっと添えられ、店員と仲のいいプレイヤーが「ぼったくりだろ!絶対親分枠だぞ?」とからかったりすることもあったほどの、まごうことなきカスレアであった。
現在でこそ《幽霊火》の「精霊ドラゴン、ウージン」の話がやたら有名だが、ミスリード枠に《エルドラージの碑》*3なんてカードもあったし、《幽霊火》は無色という点を除けば3マナ3点という激烈に弱い火力。当時のプレイヤーは浅原晃氏の公式ネタ記事の助けもあって「どうやら無色呪文っぽいぞ」というところまでは行き着いたが、その先はまったく予想が立てられず、バイヤーを中心に「このエルドラージというのはどれくらい強くなるだろうか?」ということが盛んに議論されていた。
その後「エルドラージ覚醒」で、MTG史上初の「非アーティファクトの、法外な重さを持つ無色クリーチャー」ということが明らかになり、《ウギンの目》はそれらの無色の激重カードの素出しをサポートするためのカードだったということで決着がついたのだった。その陰で肝心の《幽霊火》が再録されなかったことに赤使いが深い悲しみに包まれた

……と、ここまでなら誰でも知っている話で、本題はここから。
エルドラージの正体が「専用デッキを必要とする超デカブツクリーチャー」ということが明らかになると、エルドラージデッキを組む予定のない人は自分のデッキには入らない《ウギンの目》から興味を失った。
そして当時のレジェンド・ルールは「コントローラーを問わず、戦場に2枚目が出るとどちらも状況起因処理で墓地送り」という、いわゆる「対消滅ルール」だった。
そのためクリーチャー以外の伝説のカードは手札に腐りやすく、さらにスタンダードには《探検の地図》《原始のタイタン》が存在するので「1枚だけ入れてサーチカードを使う」という手法で事故を軽減することが好まれた。
つまり「エルドラージという割とニッチなデッキにしか入らず、しかも1枚あれば十分」というカード、かつ「あらゆる環境を支配しつくしたレアカード目当てで非常によく剥かれたパックからハズレ枠として出てくるカード」だったため、需要に対して供給が多くなってしまい、このカードは結局500円前後で取引されるカード、「カスってほどじゃないがパックから出てきても嬉しくはならない」という評価で落ち着いたのである。
「どうせ《蒸気打ちの親分》もこの程度で終わるだろう」という、バイヤーには失望(高くならないならどうでもいいや……)を、ヴォーソスには期待(あんま高くなられても困るし……)を抱かせ、この話は一旦は平和な結末を迎えたのだった。
しかし時は流れ2016年、「戦乱のゼンディカー」にて欠色持ちの軽量エルドラージが登場すると、《ウギンの目》はモダンにおいて「4~6マナのエルドラージを素早く出すカード」として注目される。そしてこれが《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》と組み合わさると、「エルドラージを2マナ軽減」+「ウギンの目から1マナ捻出」で、実質3マナランドとして振る舞うことが有名になる。
この2年前にレジェンド・ルールが改訂され、現在の「自分がコントロールする2枚目が出ると、どちらか片方を選んで墓地送り」という、「上書きルール」になっていたことで伝説性がもたらす事故率が完全に解消されていた。そしてエルドラージデッキには他にも《エルドラージの寺院》という専用の2マナランドがある。
つまり「4マナだからバランスがとれているカードを、高い確率で2ターン目に出せる」という圧倒的なロケットスタートが可能なデッキのパーツとしてフル投入されるようになり、特にモダン環境は「5色去るとき」とまで揶揄されるほどにエルドラージが支配してしまい、このカードも一時は1枚2万円で取引されることもあったほどの高額カードとなったのである*4。100倍だぞ100倍。
モダンでは結局禁止カードに指定されてしまったが、現在ではレガシーや統率者戦においてエルドラージデッキのほかにも【MUD】のように無色マナを大量に使うデッキで用いられている。ここ最近は「ワールドウェイク」時代に比べ、TCG自体の高額化が進んでいることもあり、だいたい4000~5000円で取引されている。
MTGにはこの手の「未来に収録するカードの予告」のようなカードがたまに収録されるが、あれが期待される傾向にあるのは《カルドラの兜》と《ウギンの目》のウケがよかったからというのはあるだろう。そしてエルドラージも今や人気クリーチャーの一角のような扱いなので、時が進むごとに強くなることが分かりきっている。買うなら今だ。


  • 弧光のフェニックス/Arclight Phoenix
自分のターン中にインスタントかソーサリーを3枚以上唱えていれば戦闘フェイズ開始時に無償復活するフェニックス。速攻持ちなので即座に攻撃に参加できる。
登場当初は素のスペックが飛行速攻しかない4マナ3/2で、復活能力も縛りが厳しいと思われていたこと、同マナ帯に《再燃するフェニックス》という優秀なフェニックスがいたこと、
そもそもフェニックス自体に構築級のカードがほとんどなかったという先入観もあり、「どうせいつもの枠潰しフェニックスだろ」というカスレア扱いだった。
が、デッキ構築に気をつければ1ターンで3枚のインスタント・ソーサリーを唱えるという条件はさほど厳しくないことが分かり、スタンダード・パイオニアにおいてこれをメインアタッカーとする【イゼット・フェニックス】が成立。「赤い《復讐蔦》」と呼ばれ高い評価を得ている。


  • パルヘリオンⅡ/Parhelion Ⅱ
ボロス軍が誇る空中機動要塞、飛行先制攻撃警戒5/5、しかも攻撃するたびセラの天使相当のトークンが2体も攻撃した状態で出撃する超強力な機体。
しかし現実には8マナという重すぎるマナコスト、速攻がないために場に出したターンに何もしない、搭乗4というこれまた重めのコストで搭乗員も必要とする三重苦から、まったく活躍できないままスタン落ちし、カスレアとしてストレージ(格納庫の隅)で埃をかぶることになった。
ただしこれは当時の超の字がつくほどの大インフレ(禁止が次々と出て最終的に10枚禁止・10枚エラッタというすさまじい環境)となり、コロナ禍も重なってカジュアル勢がまったく遊べなかったという周囲の環境によるところも大きい。強いのかって?か、勝つだけがデュエルじゃないから……
時は流れ、『神河:輝ける世界』において「マナコストを踏み倒して墓地から戦場に出す」「速攻付与」「ちょうど1人で搭乗できるパワー4」の《大牙勢団の総長、脂牙》という最高の暴走族神(ゾクガミ)と出会う。
ピーキー過ぎてラヴニカでは誰にも扱いきれなかったパルヘリオンⅡは大化けし、パイオニアやヒストリックを舞台に黄金時代(オウゴン)を築くことになった。まさに「返り咲いたカスレア」である。
ちなみに直前に統率者セットで再録されていたため、価格自体はそこまで高騰していない。


  • 白羽山の冒険者/White Plume Adventurer
戦場に出た時にイニシアチブを得て、対戦相手のアップキープ時にクリーチャーをアンタップさせるクリーチャー。
イニシアチブとはコンスピラシーの「統治者」*5とフォーゴトン・レルムの「ダンジョン」を掛け合わせたメカニズムで、ざっくり言うと取得時とアップキープ時に自動で専用ダンジョンを探索して決められたアドバンテージを得るメカニズム。
登場時は大元のダンジョンメカニズムがスタンダードですら振るわなかったことと収録セットのバルダーズ・ゲートの戦いがボロクソ評価だったこと、マジックオンラインへの実装が遅れたことから、「リミテッドの賑やかし」程度の印象しか持たれていなかった。ルールもちょっと複雑だったし。そんなわけでエターナル環境の開発職人でさえこのポテンシャルを真面目に研究していなかったのである。「統治者でいいよね」的なところもあったのかもしれない。プレイヤー人数が少なくなっただけ?なんのこったよ
しかし2022年9月にパウパーフォーマットにてコモンのイニシアチブ生物4体が一気に禁止指定を受けた*6ことで「ライフ40の多人数戦用に設計されたイニシアチブはライフ20のタイマン戦では強烈なアド源と化す」ことが知れ渡り、その勢いはレガシー、果てはヴィンテージにまで伸びることとなった。
その中でも《白羽山の冒険者/White Plume Adventurer》はイニシアチブ生物最軽量の3マナで別格の強さを誇り、【イニシアチブ・ストンピィ】には確実に4枚投入されていたが、余りにも強すぎたせいでついにはレガシーで禁止される事態と相成った。


  • 永遠の策謀家、ズアー/Zur, Eternal Schemer
コールドスナップ以来久々の登場となるズアー。クリーチャーとしては3マナ白青黒で1/4飛行であり、それに加えてズアーらしくエンチャント絡みの常在型能力と起動型能力を持つ。
常在型能力は自陣のクリーチャー・エンチャントに接死と絆魂と呪禁を与えるもので、ズアー自身はクリーチャー・エンチャントではないものの後述する起動型能力と噛み合っている。一方起動型能力は白2マナでエンチャントをクリーチャー化するもので、そのパワーとタフネスはクリーチャー化したエンチャント自身のマナ総量と等しい。
色拘束のきついこいつを採用するからにはこの2つの能力を活かしたいのだが、そのためにはマナ総量が大きいが軽く唱えられるエンチャントが必要であり、登場当初のスタンダードには《力線の束縛》ぐらいしかなかったのでさっぱり活躍できなかった。
しかしながら2年後の「ダスクモーン:戦慄の館」で最高の相棒である《ホーントウッドの大主》《ミストムーアの大主》といった大主サイクルが登場すると、【ドメイン・ランプ】から母屋を奪う形で出現した【ズアーオーバーロード】のキーカードとしてスタンダードのメインストリームに躍り出る。最終的にプロツアーのトップ3を【ズアーオーバーロード】が独占するほどの大出世を遂げた。


遊戯王

初出はスターターボックスと最古のカード。
原作では通常モンスターだったのだがなぜか融合モンスターになり、ウルトラレアで収録された。
デッキ特典だったうちは良かったのだが、再録時もウルトラレアと高レアリティを維持。
青眼の白龍》や《サンダー・ボルト》を狙って買った小学生を絶望させていた。

しかし時は流れ、微妙な融合モンスターの救世主《簡易融合》が登場。アドバンス召喚S召喚X召喚に使えるレベル5の融合モンスターと一気に需要が増えた。
ただ炎属性と戦士族を同時に持つというメリットを生かせる状況が少ないが、初期の微妙と評価されたカードの中では随分と出世したほうである*7
その後、《蒼炎の剣士》等の「炎属性・戦士族」を指定するカードも登場したため、専用デッキを構築する意義もできた。
更に海外先行で《炎の剣士》を名指して指定するサポートカードや派生カードが大量に登場し、遂に【炎の剣士】デッキが組める様になった。


初出はVol.1。最古の不確定除去かつ単体除去でもある。今でこそ相手のモンスターのみを破壊するカードだが、実は2期のころはエラッタで「相手の」が消えており、自分のモンスターも巻き込みかねないカードになっていた。
その後3期で現在のテキストになるも、不安定過ぎるためあまり評価は得られていなかった。

しかし1:1除去満載デッキ【除去ガジェット】で《地砕き》の次に優秀な単体除去として注目され、結果制限カードになるほどまで活躍した。
もっともこの制限カード化はこのカードの評価というより、【除去ガジェット】の台頭を防ぐためという意味が大きいが。だがなかなか侮れないパワーを秘めたカードと注目されたのは事実である。

どちらかというと元々それなりの力があったが、評価されずに埋もれていた1枚ともいえる。
ただ特にこの時期までの遊戯王はゲーム的に「低攻撃力モンスターは殴って処理されるので場持ちが悪くなる」ということになりやすく、「除去してから殴る」という使い方をしたい除去カードとしては矛盾を孕んでいた。
地砕きが3枚使えたような時代に地割れを優先的に使うシチュエーションがまったくなかったのが事実である。《マシュマロン》除去?まぁそれ見越して採用するのはいいけど《シールドクラッシュ》のが確実では?
つまり「評価されずに埋もれていた」というより、「再評価される前にKONAMIが危険性に気づいて封印した」というカードに近い。これが制限じゃなかったら除去ガジェはまだまだ猛威を振るってたはずだし。
こういったカードの制限化や、当時のモンスターの除去耐性のなさから、カジュアル環境では除去を自制して戦う紳士協定の時期が長く続いた。

「ファラオのしもべ」に収録。レアリティはどちらもウルトラまたはパラレル。
原作でペガサスが使用したことでお馴染みのカードだが、「原作出身のカードを無理矢理OCG化した結果著しく弱体化しカスレアになる」のまさしく典型例。
《トゥーン・ワールド》は一度エラッタされているが、エラッタ前の性能は
  • 発動時に1000LP支払う
  • 毎ターン500LPの維持コストが必要になる
そして《ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン》の方は
  • 特殊召喚したターンに攻撃できない
  • そもそもその特殊召喚にリリース(2体)が必要
  • 500LPを支払わなければ攻撃宣言できない
  • 「トゥーン・ワールド」が破壊されると道連れで破壊される
  • 原作にあった無敵効果は完全に削除
そしてこれだけのデメリットを背負って得られる見返りがただのダイレクトアタック効果だけであり、2期当時の基準で見ても割に合ってるとはいえず、一部では遊戯王史上最弱のテーマとすら囁かれたほどの弱さだった。

後に扱いやすいサポートや関連カードが登場し、当時と比べたら格段に扱いやすくなっている……が、それはテーマとしての【トゥーン】の話。
実のところ《トゥーン・ワールド》・《ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン》自体は【トゥーン】においても採用されることは稀であり、カスレアを脱却できているかどうかはかなり怪しいところ。
一部では《トゥーンのもくじ》や《王立魔法図書館》との組み合わせで使われた実績はあるが、魔力カウンター稼ぎやデッキ圧縮のためのコストという本来の用途とはかけ離れた運用というオチである。
ただ、こういう使い方をしなければ魔力カウンターが貯められない時代もあったわけで、そういう意味では現在で言う「出張パーツ」としての仕事がある分、他のトゥーンよりよほどマシとも言える。
コストとして運用するのは愛がないじゃん!と言われても、「俺はトゥーンじゃなくて魔力カウンターを愛してるんです」と言われればそれまでだし。

現在はともかく登場当初では間違いなく《寄生虫パラサイド》や《女邪神ヌヴィア》に負けず劣らずであり、パックを開いたお子様を絶望に叩き落としてきた罪深いカードでもある。
そもそもお子様にとっては、トゥーンに書いてあるデメリットだらけの部分が本当に意味不明だった。「なんで《デーモンの召喚》より弱くなってんだろう……?」


CYBERDARK IMPACTに収録。
相手のモンスターを装備カードにして戦闘破壊の身代わりに使えるという能力を持つカード。腋と太腿を露出した年増というイラストが、まさに名は体を表す
しかし「レベル7なのに攻撃力が1500」「《魅惑の女王 LV5》のレベルアップしないと装備効果が使えないのでレベル7で攻撃力1500のバニラになる」「そのLV5の効果も《魅惑の女王 LV3》の条件を満たさないといけない」「レベルアップ前のステータスが低すぎる上にレベルアップ条件が厳しい」「戦闘以外で破壊されたときには身代わり効果を使えない」など、まともに運用できる要素がない。
テキストを無視して「レベル7で攻撃力1500の魔法使い族」という点に注目し、《キラー・トマト》から特殊召喚することを前提に《突然変異》の餌にする、《黒の魔法神官》を特殊召喚する際の素材にする、《拡散する波動》と組み合わせるなどの運用は見られたが、それらすべてにもっと適切な役割のカードが存在するので、どう頑張ってもハズレアの誹りは免れないカードだった。CDIPってそういうカードばっかりなんだけど……。
肝心のイラストの方も当時のプレイヤーには「LV5の方がかわいい」といわれることも多く、そういう意味でも……まぁこれは個人の嗜好の話だからこれくらいにしておきましょう。

転機が訪れたのは16年後アニメに登場した際のサポートカードがOCG化したことによる。
レベルアップの遅さと攻撃力を補うことが可能になり、フリーチェーンで装備を行える様になり、実用性は大幅に増したと言える。
ただ、基本的な運用ではこのカードへのレベルアップではなく、各種カードで墓地に置いてから蘇生、X素材やL素材にされることになるが。


  • 《氷炎の双竜》
この時期何故かよく出てきた、開闢の下位互換である《カオス・ソーサラー》のコストを変えて効果を劣化させたようなカード。
下位互換の劣化という時点で既にヤバい立ち位置だが、ステータスは《カオス・ソーサラー》と同じで効果自体も生きる《死者への手向け》。
除外が破壊となり攻撃できないデメリットの代わりに手札コストを要求と、全体としては効果は負けてるが戦力としての価値は上がってるので出せればやや劣化ぐらいと悪くない。
まあ出た当時両方とも禁止カードに入っていたのでその劣化でもその程度の評価になるのは当然っちゃ当然だが…

問題は出すための墓地コストが水属性2体・炎属性1体に変化していること。新たなカオスを生もうとしたのだろうか。
しかしカオスというのは元々シナジーがないグッドスタッフの寄せ集めにカオスモンスターが入ったもの。
水属性はまだしも炎属性は特に不遇な種族であり、実用レベルに達しているのがネフティスホルスのような大型モンスターしかいないため墓地コストには全く適しておらず看板倒れもいいところだった。

そんなこのカードに大きな転機が訪れたのは、【爆風ロケット】というデッキトップへのバウンスによるドローロックを中心戦術に据えたメタビートが現れた時である。
《ヴォルカニック・ロケット》&《ヴォルカニック・バレット》と《ジェネクス・ウンディーネ》という炎と水を墓地に落としながら手札補充を続ける手段が出たことで、コストも事故も気にならなくなったのだ。
更に《ファイヤー・ハンド》&《アイス・ハンド》や《Emトリック・クラウン》といった汎用性の高いモンスターや、簡易融合から各種素材にするなどで両属性を揃えやすくなったおかげで出すことにもさほど苦労しなくもなった。
2024年現在では環境レベルではないものの、専用デッキを組むだけの価値はある一枚とみなされている。
それなりの性能を秘めていたおかげでカードプールの増加で救われた一枚と言えるだろう。


  • 《E・HERO キャプテン・ゴールド》
手札から捨てることで《摩天楼 -スカイスクレイパー-》をサーチできるカード。攻撃力2100、スカイスクレイパーがあれば攻撃力3100で殴ることもできる。
同じような効果を持っている《ジェネラルデーモン》《天空の騎士 ゼラディアス》などに比べると、高い攻撃力がさらに上がるのだからまさにレアに相応しい風格だ。
しかし「フィールドにスカイスクレイパーがなければ自壊」「《摩天楼2-ヒーローシティ》をサーチできない」「スカイスクレイパーは条件を満たすモンスターを攻撃をするときにしか発動しないため、案外火力増強につながらない。そのためスカイスクレイパー自体を採用しない人も多い」という性質が重くのしかかる。
そして現在のプレイヤーは見落としがちなこととして、当時の環境事情が「フィールド魔法は自分・相手ともに合計1枚しか場に残らない(上書きルール)」というのも問題。フィールド魔法を破壊されるのはもちろん、張り替えられるだけで簡単に質の高い1:2交換を行われてしまう。アタッカーとしては不安定である。
加えて当時のE・HERO……というかほとんどの融合モンスターは、融合素材を名称までがっつり指定することが多く、キャプテン・ゴールドを融合素材として指定するモンスターは存在しなかった。当時はただでさえエアーマン。フォレストマン、オーシャンなどの「融合素材にはならないが優秀なカード」が多かったのでデッキに入れると円滑な融合戦略を阻害してしまう*8
極めつけが「融合軸のE・HEROは非常にお金がかかるデッキで、組む人自体が少なかった」「融合を軸にするためアド損しやすくメインデッキ枠がカツカツなので、スカイスクレイパーを入れた上でこのカードを入れる余裕がない」というもの。
同期のフィールドサーチカードが《ハーピィ・クィーン》《アトランティスの戦士》という、攻撃力1900のアタッカー(デメリットなし)という優れたものだったこともこの評価に拍車をかけてしまう。
さらにここになりきりグッズ需要としての問題点まで追加される。このキャプテン・ゴールド、アニメにも漫画にも一切登場していないのである。まさに「なんだこのオッサン!?」である。
そんなわけで「ただでさえ組む人が少ないデッキの、そのさらに組む人が少ない型の、選択肢に過ぎないフィールド魔法に、大きく依存したカード」というとんでもない評価となってしまい、ショーケースやストレージの賑やかしとして燦然とその金色の輝きを放っていた。
もちろんパックから引いても「い、いらねェ~~……!」という評価に落ち着いてしまう。まぁ今も自分が使う予定のないテーマのレアカードとか引いてもそんな感じかもしれないし、当時はシングル買いのプレイヤーがかなり多かった時代なのだが……。
これに加えて、このカードの登場後にルールが「新エキスパートルール」から「マスタールール」に移行して、融合デッキ(エクストラデッキ)の枚数に制限がかかるようになると、……まぁこの先は皆まで言うまい。
その後【E・HERO】はアーキタイプとしては息を吹き返すが、役割がニッチになるキャプテン・ゴールドが使われることはほとんどなかった。

転機が訪れたのは【ノーデン1キル】の登場後。
《E・HERO エアーマン》などの豊富かつ優秀なサーチ手段を介してフィールド魔法を容易に手札に加えられるという性質が注目され、同デッキにおける潤滑剤として役に立つようになった。
ほとんど《ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン》みたいな評価だが、それでもこのカードにしかできない仕事というのは評価されて然るべきである。
融合モンスターの素材指定が非常に緩くなったことや、その融合先のモンスターが発売当時とは比べ物にならないほど強くなっていることなども受けて、現在ではカスレアの評価からは脱却している。その後ノーデンは禁止になったが、一応カスレアからは脱却した経験を持つので「元」ということで。



手札コストと引き換えに相手フィールド上のモンスターとも融合できる、強力な速攻魔法。
だが、初出の時は素材指定がゆるい上に扱いやすい融合モンスターがまったくいなかった。
ゆるいだけならいることにはいたが、出揃ってない上に暴れた後で締め上げられていたり指定されている素材の汎用性が低かったりしたためである。
一応バトルフェイズに融合して追撃という使い方はなくもなかったが、それにしても手札コストありと厳しいカードだった。
そもそも融合を多用するデッキ自体が限られており、その融合素材が都合よく揃っているなんて状況そのものがなかったのだ。
登場当時はE・HEROミラーでしか使われないと言われ、そのミラーですら発動まで持っていくのは厳しかった。
ついでに言うとアニメでは超融合で平然と出されていたE-HEROがOCGでは出せない、というおまけつき。当時よくあった「アニメだと強いがカード化して台無し」系のカードのひとつと扱われていた。

だが?
リンク先にあるように、現在は融合召喚用と言うより「手軽にSモンスター・Xモンスターをなんとかできる上に反撃されにくいコンボパーツ」として一定の地位を得ており、制限カードにまで登り詰めた。海外では一時期禁止だったことも。


  • 《闇霊術-「欲」》
フィールドの闇属性モンスターと引き換えに2枚ドローし実質2:2の手札交換が可能な、一見良さそうな通常罠。
だが相手は手札の魔法カードを見せてこの効果を無効にできるという余計な一文のせいで使い物にならない。
魔法カードは基本的に自分ターンに使うため手札に溜め込まれやすく、しかも少しの情報アドバンテージだけで無力化できるため相手は損失なしで止めれるも同然なのである。つまり2:0。
この頃にはハンデスは相当厳しく規制されており使い道は限られていたが、《真実の眼》を使える【シモッチバーン】の新たなキーカードで闇属性の《堕天使ナース-レフィキュル》、
自分のコントロールする通常罠が無効化されなくなる《アトラの蟲惑魔》の登場でじわじわと実用性が向上。
フィールドのモンスターを全て闇属性にした上にリリースのコストを相手に押し付けられる《闇黒世界-シャドウ・ディストピア-》が出てきたため絶対損をしない取引が可能になり、
相手ターンにリリースができて1:1or1:3交換と化したこのカードは完全に実戦レベルまで昇華された。

ちなみに、闇の霊使いが出るかなり前に出たカードであるため、霊術ではあるが霊使いの姿はない。残念。
光霊術はライナ登場後なのでイラストが他の例術フォーマットに合わせられており、闇例術と対になるように「罠を見せることで無効」にできる。
そのためイラストの雰囲気がなおのこと浮いている。っていうか「欲」って……まぁダルクは男の子だし、そんなもんかもね。


「バトルフェイズを行えない代わりに手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する効果」と「フィールド魔法を破壊してライフ回復とフィールド魔法をサーチする効果」を持つ。
シリーズ3作目である5D'sにて物語のカギを握るシグナー竜の1体。

……ではあるのだが、作中でも最初の時点で敵に奪われていたり持ち主のデュエルが少なかったりとどうにも扱いが悪い。
ライディングデュエルではフィールド魔法が固定され除去されないため後者の効果は意味がないので仕方ない面もある。
アニメで出てきた時に自力で何とかしない(できなかった)様子から「他力本願竜」、細長い容姿から「鰻」などとデュエリストからは揶揄されていた。

OCGに登場当初もバトルフェイズに入れないデメリットが重く、強力なフィールド魔法が少なかったため、評価はあまり高くなかった。
しかし、モンスターの展開・制圧が重視される環境に変化した事や、強力なフィールド魔法が増えてきたことにより、縛りが緩くS召喚しやすいこのカード自体もだんだんと恐れられるようになってゆく。

特に第9期以降はデッキからカードを手札に加える効果を持ったものが登場し始め、それらを利用することで事実上のサーチカードとして機能し始めるようになる。
中でも9期末期に登場したSPYRALがVRAINS環境になってから手に入れたリンクモンスターによって大☆暴☆走を始め、環境を制圧し尽くし、このカードはそれに組み込まれて先攻1ターン目からフィールドをガチガチに固めるループコンボの温床と化してしまう。
折しも征竜のとばっちりで規制されていた《竜の渓谷》が緩和され、また召喚権を使わずに墓地からも出てくるレベル7チューナーの《亡龍の戦慄-デストルドー》が登場したために、
過熱する先攻制圧ゲーに歯止めがきかなくなり環境がSPYRALやABCで塗りつぶされる暗黒時代を築いてしまった。
バトルフェイズを行えないデメリットも、相手が何もできなくなるまでフィールドを制圧し尽くせば関係ないのである。

そしてついに2018年1月1日より禁止カードとなることが発表された
その後、23年1月1日にエラッタと共に制限復帰し、23年7月1日に制限解除された。
禁止カード入りはシグナー竜の中では初であり、登場当時は注目されていなかった彼女が、
それを成し遂げたという事は環境の変化を如実に語る一例といえる。


「ヴォルカくじ」と呼ばれたデュエリストパック遊馬編のハズレの方。
登場時は非常に使いづらいカード…だったのだが、のちに相性のいい《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》が登場してようやく就職先が出来た。
《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》が環境で活躍した影響もあって、《No.19 フリーザードン》の価格が《No.61 ヴォルカザウルス》を超えるという逆転現象が起こる*9
このことに対して遊戯王カードwikiでは「《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》のつなぎとして活躍している。」と若干辛辣な言葉で評価(?)されている。一時期は「下敷き」と明記されていた。
とはいえ、環境で活躍する機会を得たのは事実であり、お手本のようなカスレア脱却例と言えるだろう。
6年以上もの間、唯一の素材に縛りのないランク5水属性であったが、後に同じ素材指定のランク5水属性の《ヴァリアント・シャーク・ランサー》が登場。優秀な効果を持つ彼の存在で立場が揺らぎ、《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》との連携を前提とした【アーマード・エクシーズ】に属し、ランク3・4にも重ねられる水属性ランク5の《エクシーズ・アーマー・フォートレス》で下敷きとしては完全にトドメを刺された。
…が、今度はランク5テーマの【K9】にてこれまで見向きもされてなかったX素材肩代わり効果を目当てに《No.67 パラダイスマッシャー》の相方として抜擢される事に。
ハズレアから脱却した後にインフレによって再度ハズレアとして眠りについたかと思えばまさかの再浮上を果たすと言う稀有な一例。


発売日当日たった1日だけカスレア扱いされた稀有な存在。

まず前提として、彼が登場した2024年では「遊戯王カードは(一部の女の子を除いて)特定のテーマデッキ向けのカードは安くなる」という現象がある。
如何に強力な効果を持っていたとしても、特定のテーマデッキ以外で活躍できないとなればプレイヤーからの評価は低くなってしまう。
そういう彼も「千年」というテーマに所属していたが、前情報ではその「千年」自体の評価が低く、挙げ句イラストはなんか1つ目の原人が吠えているというもの。
一応25年前のカード《千年原人》のリメイクであるが、元の《千年原人》自体がややマニアックなカード*10であったため、発売当日はスーパーレアの中でも特に安めの値段で取引されていた。
…が、実際に発売してすぐに出張性能が非常に高く汎用性に優れるモンスターということが判明。
同じパックで登場した【白き森】や強化された【マドルチェ】【センチュリオン】とも相性が良い事で一瞬にして値段が高騰した。
また「千年」自体も「エクゾディアによる特殊勝利」をちらつかせる地雷デッキとして再評価され、そこだとライフコストすら払わずに登場する彼の姿はまさしく恐怖。
発売から数週間経ち、市場に多数出回るようになると値段は落ち着いたものの、今では「オデ君」などとしてデュエリストに愛されている。

冷静に読み解いて彼の性能は非常に高くこれで評価がつかない方がおかしいのだが、「テーマ所属か否か」「イラストアド」「環境での研究」が市場価値に影響する好例となった。



デュエル・マスターズ

アドラスがDM-11唯一のカスレアとなってしまった元凶。
かの凶悪呪文である《英知と追撃の宝剣(エターナル・ソード)》や《魂と記憶の盾(エターナル・シールド)》と同じ11弾で登場したベリーレア呪文。
文明を指定し、その文明のクリーチャーの攻撃を封じるというかなり地味な能力だったため、長年カスレアの地位に甘んじていた。

しかし、ドラゴン・サーガ環境になると、龍解したガイギンガの攻撃を止められる*11点が注目され、メタカードとして脚光を浴びた。
また自分のターンで使っても相手ターンまで効果が持続するため、予めこれを使っておいて即死を防ぐという使い方も出来る。
他のエターナル呪文と違って一度も再録が無くかなりの値が付いている時期が続いたが、2019年6月についに再録された*12


アースイーターとジャイアントの数だけコストを軽くし、
バトルゾーンに出た時にアースイーターとジャイアントの数だけドローできる。
映画の主役にもなった《龍炎鳳エターナル・フェニックス》と同じ13弾で登場したスーパーレア。

当初はロクなサポートカードが存在せず、他のSRが優秀だったこともありカスレア扱いされていたが、
2008年あたりから優秀なサポートに恵まれるようになり、戦国編環境では一時トーナメントシーンに進出していた。
特にシノビを組み込んだ【シノビドルゲーザ】は攻守揃ったデッキとして有名。

その後はしばらく環境から遠ざかっていたが、相変わらず中堅デッキとしての地位を確立していた。
また、物凄く微妙なリメイクカードも度々作られた。

2017年、まさかのシノビドルゲーザをフィーチャーした『風雲!! 怒流牙忍法帳』が発売。
これによりシノビドルゲーザの流行が再燃し、大会での優勝報告も上がるようになった。
かつて同弾一のカスレアとされたカードが、こうして公式からデッキごとフィーチャーされるというのは感慨深いものがある。


恐らくデュエル・マスターズでは最強クラスの逆転劇を起こしたカード。
元々は「相手のシールドを入れ替え、リセットさせる」というショボイcip能力を持っているクリーチャーであったが、
「デッキに戻して再びシールドを貼り直す」という作業が曲者だった。

後に「シールドが追加された時、そのプレイヤーのシールドを墓地に置く」能力を持つ《海王龍聖ラスト・アヴァタール》が登場。
これにより、相手のシールドをトリガーごと全て墓地に送る凶悪コンボ、その名も「ラストパトロール」が誕生。
アクア・パトロールは一夜にして無限のシールドを焼き尽くす鬼畜カードに生まれ変わってしまったのだ。

だが、このコンボを公式も問題視し、結果アヴァタールが登場後わずかひと月でパトロールは温泉行きになってしまった…。
カスレアがやっとのことで力を手に入れたと思ったら温泉行き…。かわいそうに…。
現在ではシールド・プラスや城などシールドに何かを付けるカードが増えており、それらに対するメタカードとして機能するため、リメイクを希望する決闘者も多かった。

現在では禁止カードでも自由に使えるレギュレーション「殿堂ゼロデュエル」が存在するため、そちらで活躍できる。
しかもカードプールの増加により、アヴァタールよりも軽い上に類似効果を持つ《デュエマの鬼!キクチ師範代》が登場。
かつてプレイヤー達を震撼させた「ラストパトロール」「キクチパトロール」とその名を変え、
かの魔境で元気に暴れまわってるそうな…。

オリジナルのプレ殿から約8年後、革命編で遂に調整版《アクア警備員(パトロール) ラスト》が登場。
本家の面影を残しつつも、そちらに決定的に欠けていた「普通のデッキにおける実用性」を備えた良調整に仕上がっており、
彼の登場は多くのプレイヤーに好意的に受け止められた。ついでに本人もネタ枠としてではあるが初の再録を果たした。


  • 光姫聖霊ガブリエラ
死にそうになる時に自身を破壊することで1ターンの猶予を作れるクリーチャー。
シールド0枚かつ同名クリーチャーがいなければG・ゼロによりノーコストで出せる。

1ターン稼いだところで勝てなきゃ結局死ぬだけということもありカスレア扱いされた。
しかし、《邪神M・ロマノフ》と《デビル・ドレーン》を絡めたコンボデッキで採用されたことで評価が変わる。
このデッキ、DMでは初となる実用的な1ショットキルデッキであり、文字通り1ターン稼げば勝てる。しかも《デビル・ドレーン》で自分からシールドを吹き飛ばすため簡単にノーコストで出せ、シールド0枚で戦うというリスクを軽減できる。
簡単にノーコストで出せるという点を用いて《ヒラメキ・プログラム》のタネにするという運用も。

M・ロマノフがプレミアム殿堂になってからも自分からシールドを飛ばすようなコンボデッキの定番カードとして見かける機会が多くなっている。


ブロッカーから出せるブロッカー持ちで進化クリーチャーで、メテオバーンで進化元を10枚切ると特殊勝利できる。
他のブロッカーが死ぬと進化元として吸収できる。

ただ何の耐性もなくそれどころか半分デメリットに近いブロッカーを持つこと、条件がやけに厳しいエクストラウィン能力、そして極めつけに収録パックはフルボコさんと同じであり競合先目白押し。フルボコさんと並んでカスレア扱いされるのに時間はかからなかった。

DMデッキ開発部がエクストラウィンコンボを公開したもののやっぱり実用性には微妙に欠ける状態に。

しかし《龍覇 イメン=ブーゴ》と《邪帝斧 ボアロアックス》を用いたループコンボを応用する事で楽に進化元10枚を達成することが可能になった。

DMでは基本シールドを殴らなければ勝利できず、うっかりSトリガーを踏む可能性を考えると封殺用のクリーチャーを別に用意したりする必要がある。
しかしジークを使ってエクストラウィンを狙う場合に必要なことは攻撃して、メテオバーンで進化元を10枚捨てるだけであり、ループが開始したら最後死亡確定である。

こうして即死系フィニッシャーとしての立ち位置を手に入れ、専用デッキも組まれるようになり一時はトップメタにまで上り詰めている。


  • MEGATOON・ドッカンデイヤー
cipで自分の手札すべてと引き換えに複数回のGR召喚を行うクリーチャー。
なお、cip以外の効果で手札を捨ててもGR召還を行える。

当初は手札をゼロにする効果(オールディスカード)が重いとされ、総じて酷評の嵐だった。
《復讐 チェーンソー》の再来とも呼ばれ、GRクリーチャーの大量展開と全軍スピードアタッカー化を持ち合わせた 《BAKUOOON・ミッツァイル》 と比較された結果、カスレアと言われていた。

ところが全国大会「DMGP-9th」で意表を突くように専用デッキの【メルゲドッカンデイヤー】がベスト4を獲得しており、当初の評価をある程度覆した。【メルゲドッカンデイヤー】自体はこのカードの発売当初から存在していたが、これほどの実績を残す素質のあるデッキだとは事前に予想されていなかった。要因としては直前のDMRP-11にて獲得した《生命と大地と轟破の決断》によって速度やコンボ耐性・安定性を向上したことが大きい。

その後、2020年1月1日付で《BAKUOOON・ミッツァイル》の殿堂入りと共に、相方の《アクア・メルゲ》がプレミアム殿堂に指定され、【メルゲドッカンデイヤー】は消滅。

しかし、今度は殿堂入りした《BAKUOOON・ミッツァイル》と共にDMRP-12で新たに登場したGRクリーチャーを取り込んだ【ドッカンデイヤーミッツァイル】でトップメタとなった。
《アクア・メルゲ》がいなくとも《天啓 CX-20》と《サザン・エー》などGRクリーチャーによる手札補充でオールディスカードを簡単にカバーできたのである。
その後も研究が進むにつれ、環境に適応できる自由枠が多く、更に安定感の高い【ドッカンデイヤー】の立場はより強固なものとなっていき、ほぼ一強の状態を築く事となる。
見かねたプレイヤー達からは 「《ミッツァイル》は殿堂入りしていない。5枚デッキに投入できるようになっただけだ」「ドッカン・マスターズ」「核戦争から手榴弾戦争に変わった」 などと恐れられる事に。

このように大量GR召喚手段としてメタゲームを支配していたことから、2020年7月1日付で殿堂入りとなった。
殿堂入り後も【青魔導具】や【白青ギャラクシールド】、【赤黒邪王門】など手札が確保できるデッキでは、試合が長引いた際のサブフィニッシャーとして投入されている。



くっはははは、買取価格2桁かよ。
カスレアはカスレア同士、庇い合いか?


どんな記事にも存在する以上必要とされる力がある。
カスレアの一言で記事を否定するあんたに、Wiki籠もりを名乗る資格などない。

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最終更新:2025年05月15日 11:54

*1 もう少し言うと、当時の赤かつゴブリンというあからさまにネタ臭のひどい親分よりも、イラストも性能もガチな雰囲気だったので、真面目な意味で期待するプレイヤーの絶対数は多かった。

*2 若月繭子氏が「女史」という敬称で呼ばれる理由のひとつが、この時期の入手しづらい一次情報源を分かりやすく平和な形で解説してくれる筋金入りのヴォーソスだったからである。

*3 当時一大勢力を築いていたデッキのキーパーツ。かつては「エルドラージ」といえばこれのことを指した。

*4 ただし当時はTCG自体の価格がインフレ傾向にあったことも留意すること。たとえばワールドウェイクの頃はレガシーでさえ15万円あれば満足いく【トリコロール】が組めたが、戦乱のゼンディカーの頃は土地を5~6枚買うだけで予算オーバーである。

*5 類似のメカニズムだが、得られるアドバンテージはエンド時1枚ドローで固定。《宮殿の看守》や後に登場する《進め、エオルの家の子よ!》など、レガシーでもそれなりに採用実績がある

*6 マジックオンラインへの実装から僅か半月後のことであった

*7 ただし、レベル5の戦士族融合モンスターは、同じく原作出身で光属性の《魔導騎士ギルティア》、水属性である《E・HERO セイラーマン》、風属性かつ自身の効果で《簡易融合》のデメリットを回避可能な《召喚獣ライディーン》などライバルは多い。属性で上手いこと差別化したい。

*8 一応軸にはできたようだが、そもそも融合型のE・HEROは当時としてはかなりの札束デッキなので研究者自体が少なかった。本当に満足いくE・HEROを組むお金でファンデッキが4~5つくらい、あるいはかなり質の高い【黄泉帝】と【除去ガジェット】が組めちゃうわけで、プレイヤーがどちらを選ぶかというと……。エクストラデッキの15枚制限は「制限を加えることでデッキに多様性を産む」という目論見に加え、こういう事態を防ぐという意味合いもあるのだ。

*9 ただし、これは《No.61 ヴォルカザウルス》は再録されていたのに対して《No.19 フリーザードン》は絶版していたという事情もある。

*10 どちらかというと、プレイヤーよりもコレクターに人気があるカードである。

*11 当時の裁定。現在では裁定変更により止める事ができなくなっている。

*12 テキストが変更され、また龍解が止められるようになった