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ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 - (2024/01/25 (木) 12:08:32) の編集履歴(バックアップ)


ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

【ふぁいあーえむぶれむ せいせんのけいふ】

ジャンル シミュレーションRPG
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
メディア 32Mbitロムカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
発売日 1996年5月14日
定価 7,500円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 4個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年1月30日/926Wiiポイント(税10%込)
【WiiU】2013年4月27日/943円(税10%込)
【New3DS】2016年8月27日/943円(税10%込)
書換 ニンテンドウパワー
1997年9月30日/1,000円/F×8・B×4
判定 良作
ポイント 3すくみ・結婚システム初導入
親子2世代の戦いを描いた壮大なストーリー
武器・クラスともに大きな格差あり
ファイアーエムブレムシリーズ


概要

FEシリーズ第4作。シリーズ恒例の武器の3すくみシステムはこの作品から導入された。
一方でシリーズの中でも異色なシステムも多いが、これはディレクターの加賀昭三氏がこのゲームをファイアーエムブレムとして作ろうと思っていなかったところ、任天堂上層部の意向でFEのタイトルを冠せられたという経緯によるもの。


ストーリー

かつてユグドラル大陸を力と恐怖で支配したロプト帝国。
暗黒神ロプトウスの加護を受けた闇の帝国を打ち倒したのは、ほかならぬ皇帝の弟マイラと、
神より十二の神器を与えられた十二人の聖戦士たちだった。
聖戦士の一人聖者ヘイムはグランベル王国を建国。他の聖戦士たちは、
ある者はグランベル王国を支える諸侯に、ある者は他の土地で国を興す。
かくしてユグドラル大陸に平和が訪れた。

時は流れ、グラン歴757年。
グランベルの交易都市ダーナを東の王国イザークが急襲したとの報が入る。
この暴挙に対し、グランベル王国は国を挙げてイザーク王国を討伐すべく兵を送る。
だが、手薄になったグランベルを狙い、南の王国ヴェルダンが突如侵攻を開始する。
これこそがユグドラル全土を揺るがす長い闘いの幕開けであった……


特徴

  • 3すくみシステムが初搭載
    • 「剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い」という「3すくみ」システムが登場。使用武器による味方ユニット同士の差別化や戦略性の増加等に繋がった。
    • 本作以降のほとんどのシリーズに導入されており、今ではすっかりシリーズを象徴するシステムとなっている。さらに、ユグドラ・ユニオンなど、本シリーズ以外のSRPGでも見られるようになる。
  • 戦闘時に特殊な効果を発揮する「スキル」システムが登場
    • 兵種毎に設定されたスキルの他、ユニット自体が個別にスキルを所持していることもあり、こちらも味方ユニット同士の差別化に貢献した。一部の武器や道具には、装備・使用している間スキルを発動できる物も存在する。
  • クリア後評価
    • ゲームをクリアすると4つの項目でプレイを評価される。オールAを目指す場合は緻密な攻略・育成計画を立てる必要があり、手強いやりこみ要素になっている。
      • 「攻略評価」は要したターン数、「経験評価」は全ユニットのレベルアップ回数の合計、「戦闘評価」はユニットの負け回数*1、「生存評価」はロストしたユニットの数で評価される。
  • 恋愛・結婚システム
    • 男女のユニットは会話イベントを起こしたりマップ上で隣接させていると「恋愛値」が上昇し、一定以上になると「恋人」同士になる。前半で恋人になったカップルは結婚して子供を産み、その子供が後にユニットとして登場する。
      一部のユニットは固定カップルだが、それ以外はある程度組み合わせが自由で、カップルになったキャラ同士には支援効果がつくほか、必殺の一撃を発生させることができる。カップルで発生する必殺の一撃は、敵の「見切り」スキルすら無効化するので非常に強力。
    • 前半のカップリングによって後半の仲間の成長率や習得するスキル、所持品、サブイベントの有無などが決まる。
      • ユニットによっては「聖戦士」の血を引いており、ステータス画面で確認できる。聖戦士の血が入っていると該当種類の武器レベルに補正が付いてより上級の武器を使えたり、レベルアップの能力上昇確率にボーナスが付くなど特典がある。神器を使える濃い血統だとさらに効果が高い。これも両親から受け継がれる。
    • 前半で女性ユニットが誰とも結ばれなかったり、一定点までに途中で死亡したりした場合、本来仲間になるはずだった子供たちの代わりのキャラが仲間になる。これらのユニットたちは「平民ユニット」*2や「代替キャラクター」*3などと呼ばれる。ステータスや成長率も、カップリング成立時の子供達に比べると低め。
    • 後半のキャラもカップリングができる。支援効果は発生するが、子供は生まれない。代わりにエンディングの内容に関わってくる。
      • 基本的には、所有スキルや聖戦士の血脈が優れたユニット同士を結婚させると後半が有利になるが、敢えて不利なカップリングを作ったり、もしくはそもそもカップルを作らずに難易度を高めるといった楽しみ方も可能となっている。
  • ターンごとにセーブが可能になった
    • これは、他のシリーズに比べてマップはかなり広大であるため、従来通り章の間にしかセーブできないとなるとプレイが困難になるため。
    • ただし、敗北数0プレイを行う場合、敗北数は同一セーブデータから進行していると、コピーしたデータにも反映されてしまうため、「普段はデータ1で進行し、データ2で博打をする」という手段は通用しない。
      敗北数をリセットするには、前章終了直後に行えるセーブによる「ターン数が表示されていないデータ」から開始しなおす必要がある。
  • 他にも、シリーズの他の作品と比べてシステム的に次のような特徴がある。
+ 一覧
  • 他の作品で言う「進撃準備画面」や「拠点画面」は存在しない。その代わり、マップの開始地点となっている自軍の城にて、アイテムの売買などの戦闘準備を行う。
    • この開始地点の自軍の城が敵軍の手に落ちたらその時点でゲームオーバーになる。
  • 所持金はユニット毎に設定されており、アイテムと同様に味方同士で自由に金銭の受け渡しをすることができない。恋人同士、もしくは兵種がシーフの者なら相手に「あげる」ことが出来る。
  • 敵ユニットにカーソルを合わせてAボタンを押すことで、移動範囲に加えて攻撃範囲を表示させられるようになった。
  • 闘技場のシステムが他の作品と異なっている。
    • 闘技場は各城に設置されている。戦う相手は章毎に固定されており、勝つ度により強い相手と戦うことになる(7回勝利すると闘技場制覇となり、戦う相手がいなくなる)。
    • 最も大きな違いは、闘技場で敗北しても死亡せずHPが1になるだけという点。負け数もカウントされず、何度でも再挑戦することができる。
    • また闘技場で勝てば賞金が貰える上、挑戦料も必要ない。
  • 武器は使用回数を使い切ると「壊れた武器」となるが、城の「修理屋」でお金を払うことによって直すことができる。
    • 武器ごとに倒した敵の数がカウントされてゆき、50を超えるとその武器を使っている時は「必殺」スキルを持たなくても必殺が発動するようになる。確率は(倒した敵の数-50)%(カウントは最大で100までのため、最大50%)。実際の発動率は武器の必殺率にさらに使用者の技のパラメータを足したものになる。
  • ユニット毎の最大レベルは20ではなく30。レベル20に達すれば自軍の城でクラスチェンジを無償で行え、ステータスや武器レベルを上昇させられる。レベルは1に戻らず継続。
  • 必殺は、前述したように「必殺」のスキルを持つか、恋人、あるいは親族にあたるユニットが隣にいる、前述のように50体以上敵を倒した、或いはキラーボウや神器ミストルティンのように元から必殺が発動するようになっている武器を使う、のいずれかを満たさなければ発生しない仕様となっている。
    • その効果も、最終ダメージ3倍ではなく攻撃力2倍になっている。そのため、守備力が高いからといって安心はできない*4
  • 山賊、海賊が村に立ち入ると崩壊してしまい、情報やアイテムが得られなくなるのは従来通りだが、本作では村に入られても、10ターン以内に倒せば崩壊を免れられる。
  • HPの上限が80、それ以外のパラメータの上限が最大30に増加した。また、パラメータの上限値がクラスごとに設定されるようになったのも本作が初だが、*5それをゲーム内で確認することはできない。
  • 武器レベルはキャラクター毎に固定されており、クラスチェンジ以外で上昇することはない。
    • 子世代に関しては後述の結婚システムにより、聖戦士の血統によって通常より高まる場合もある。
  • 本作の乱数には疑似乱数が用いられており、初期の乱数種が固定のうえ、乱数を回す方法が攻撃することくらいしかないため、ROMにかかわらず、同じ操作をすれば必ず同じ結果になる。
    • それを利用した"詰めエムブレム"なるものも登場。オープニングからエンディングまでの操作方法を記載した攻略本まで発売された(但しその本には誤植があり、途中で崩れてしまう)。
    • 一見中断セーブでリセット戦法を封じるためにも見えるが、これは実は制作側が意図していなかった模様。

評価点

  • 親子2世代にまたがる壮大な物語
    • 本作最大の特徴は、ゲーム全体が前半のシグルドを主人公とする「親世代」と、後半のシグルドの息子・セリスを主人公とする「子世代」に分かれており、後半になると親世代の自軍ユニットの殆ど全員*6がゲームから離脱し、代わってその子供達を操作するようになることである。この要素は、『覚醒』(子世代のキャラクターが仲間に加わる)や『風花雪月』(時間経過を伴う二部構成)など、後のいくつかの作品にも継承されている。
    • 後述の結婚システムにより、親世代の女性ユニットがどの男性ユニットと結ばれたかで登場する子供の能力等が左右される。
  • 元々見た目は軟派ながら戦場としてリアルなイベントの多いシリーズだが、前半はその中でもストーリーがかなり重め。『風花雪月』がリリースされるまではシリーズ中一番重いと言われていた。
    • 前半部である親世代は、序盤は隣国にさらわれたお姫様を救いに行くというような王道を絵に描いたような展開*7なのだが、中盤以降から、親友との戦いを余儀なくされたり、無実の罪によって反逆者の汚名を着せられるなど、どんどん暗い展開になってゆき、クライマックスではRPG史上屈指の悲劇的展開であろう「バーハラの悲劇」を以って幕を下ろすことになる。
+ バーハラの悲劇
  • ストーリー中盤、主人公シグルドの妻であるディアドラが息子と夫を残して誘拐されてしまう。のちにディアドラは記憶を消去されて王国近衛司令官アルヴィスに引き合わされ、シグルドの目の前で妻として紹介されるという、驚愕の寝取られ展開となる。
    • さらに弁明の機会も降伏の権利も与えられず、シグルド一行は反逆者としてアルヴィスらグランベル王国軍により不意打ちを受け、全滅という結末を迎える。これが「バーハラの悲劇」である。国のため、正義のためと信じて戦ってきた見返りがこの仕打ち。しかも愛する妻は自分のことを覚えておらず、よりにもよってその妻とくっついた男の手で殺される…と、あまりにも無情で惨めな最期を迎える。
    • シグルド(と先に離脱しているキュアン夫婦)は死んだと断言されており、他のキャラも(ここまで生き延びていれば)「生死不明」という扱いになり、一部を除いてその後の子世代の物語には全く登場しない。
      • 女性キャラについては公式にその後が設定として存在しているが、無事を子供達から明言された1名除き、子供を遺して死亡したり行方不明になったりしている者がほとんど。また、ディアドラについてもその後の末路が作中で描かれているが、通常の方法でお目に掛かったプレイヤーは相当なやりこみ勢。
  • このイベントがあるからこそ、無念に散った彼らの子供達が遺志を継いで立ち上がるという後半のシナリオが光る*8
    • なお、このことからシグルドは「RPGでもっとも可哀想な主人公は?」といった話題になると、必ずと言っていいほど名前が出てきて候補に挙げられる*9
  • その後の子世代においては暗黒神を崇拝するロプト教が台頭し、親世代以上に陰惨な状況でスタートする。
    • しかし親世代とは異なり、帝国に支配されつつある世界が主人公たちの活躍によって救われていくという展開になっており、親の仇もしっかりと討つことができるなど、バーハラの悲劇で受けた屈辱を存分にはらすことができる。
      • これは、シグルドが強さのみならず、正義感の強い好青年で、結果的に敗れ去るものの、戦いの最中で多くの国々の英雄たちと絆を育んでいたことが大きい。その結果、セリスの率いる解放軍が聖戦士の末裔を束ね、数で勝る帝国軍を圧倒する結果を産む*10に至ったのである。
  • 宿命と情が絡み合う人間関係はかなり複雑でシリアス。
    • 今作の敵は(ほぼ暗黒神の操り人形であるとはいえ)全員が人間であり、以前の作品で敵対した竜や魔物は登場しない。
      • さらに実の兄弟・親子・親友・従妹などが戦うケースも以前より多くなっている。かつて世界を救った聖戦士たちの末裔が、同じ血族同士で愛憎を交えつつ殺し合う様はかなり皮肉なものがある。とはいえ、敵方は一部を除いて、聖戦士の末裔とは思えないほど腐敗してたり強欲だったり狡猾だったりと、同情の余地がない悪党である事*11が殆どである。かつて味方だったキャラと戦うわけでもないので、後の作品ほど悲壮ということはない。
    • また、勇者の斧獲得イベントをはじめとした隠しイベントや、仲間同士の会話ではコミカルな部分も多く見られるなど、決して重苦しさ一辺倒というわけではない。
  • 前作までに見られた、死に際の一言以外に台詞がないようなキャラは存在せず、代替キャラを含めたすべてのユニットに会話が存在する。また、全体的に味方キャラは美形が多い上に結婚システムが加わり、子世代も含めた攻略の範疇を外れたカップリング論などが交わされるなど、キャラ人気が以前の作品より高まっている。
  • 音楽の評価は非常に高い。
    • 他作品とは異なり章ごとに専用曲が用意されていて、自軍フェイズでは自軍ユニット達の心情を表した曲、敵軍フェイズでは敵国のイメージを表した曲になっており、展開にマッチしている。
    • 例を挙げると序章「聖騎士誕生」と親世代最後である第5章「運命の扉」の自軍フェイズ曲は意図的に同じメロディーラインで作られており、勇壮だった曲が一転悲壮感漂うものとなることでシグルド達の心境・状況の変化をプレイヤーに強く印象付けてくれる。
    • 更に1章をプレイしている時間が長い本作に合わせ、前作『紋章の謎』と比べて軽めでポップ調に近い曲にされており、プレイヤーは飽きることなくゲームを続けられる。
    • 本作の曲には「唱歌のように」というテーマの元で作曲されており、どの曲も解りやすく、長く親しめる物になっている。
    • 作曲者はイメージ出しとして沢山の音楽と映画を鑑賞し、研究したという。その成果はまさに素晴らしいものであったと言えよう。
    • 第10章「光と闇と」の自軍フェイズの曲は人気の高い曲の一つで、蒼炎の軌跡でアレンジされている。
  • グラフィックもさらに強化され、非常によく動く。
    • 戦闘デモは『紋章』にあった「○○の攻撃!」などのダイアログは完全にオミットされ、以降の作品でも準じられていく。
      • 必殺のモーションだけでも通常の物・止め専用のもの・初手の必殺で止めを刺した時用のもの…など、複数用意されている力の入れようであり、現在でも根強い人気がある。特にセリスやリーフの歩兵時の、初手で敵に止めを刺した時の必殺モーションは必見。
      • 負担が大きかったのか封印の剣以降は攻撃後に自分のいた位置に戻る動きを追加することでモーションをほぼ画一化している。
    • アニメーションOFFの場合はMAP上のユニットアイコンが簡易的なアニメーションで戦闘を行うが、これでさえもよく動く。
    • インターフェースまわりも良好。ハードをまたぐに連れ変わっていくが、基本はここで完成されている。
  • 主人公が強い。
    • 前作に当たる「紋章の謎」では、主人公のマルスがリメイク前より弱く*12、不満に思うプレイヤーがいた。しかし、本作では、2人の主人公がいずれも非常に強く、爽快感を感じることができる。
      • シグルドは、最初から上級職の「ロードナイト」であるうえ、パラメータの初期値、成長率ともに高く、序章はボスユニットを1人で倒すことも難しくないほど。さらに序盤で強力な武器である「銀の剣」を入手できるため、レヴィンやアイラなど、一握りの強力なユニットを除いて最強と言われる。専用武器のティルフィングは入手時に『壊れた剣』となっているために修理が必要な手間こそあるが、装備ボーナスが非常に優秀。
      • セリスは、母親であるディアドラのナーガの血が継承されることからシグルド以上の成長率を誇る。特に魔法防御の成長率が剣士系とは思えないほど高く、後半の魔法が増えてくる章でも活躍が可能。さらに両親の能力に応じて初期値も高くなるため、最終的にはシグルドを大きく上回る能力となる。そのうえ、やはり序盤で神器に匹敵する強力な武器である「勇者の剣」まで入手できる*13ので、並のユニットにはまず負けることがない。ただし、シグルドと異なり最初は下級職のジュニアロードから始める必要がある。後述するが本作では騎馬ユニットが非常に強いため、前半の最終章である5章でシグルドに「エリートリング」*14を持たせて、早いうちにレベルを20にすることが有効とされる。
    • なお、後の作品では、一時はリーフやロイなど、微妙な能力の主人公が多かった。しかし、「烈火の剣」のヘクトルや「聖魔の光石」のエフラム、「蒼炎の軌跡」のアイクなど、次第にシグルドやセリスに匹敵する強力な主人公が登場するようになる。

賛否両論点

  • 広大な戦闘マップ
    • 本作は、現在でいう「オープンワールド」に近い要素が備わっており、従来のシリーズに比べると1マップが非常に広い(『紋章の謎』等の約数倍)。他のシリーズではマップごとに1つしかない制圧拠点(敵城)が3つも4つもある。
      • その代わり章の数自体は序章と終章入れて全12章と少な目。また1マップのプレイ時間が長いことから、ターンの開始時にセーブすることが可能。
    • 遠方に出現し時間をかけて進軍してくる敵の軍勢・主人公達とは離れた地域で行われる第三者同士の戦い といった広いマップを活かした演出や、広範囲に散らばる村々をいかにして山賊から守るかといった戦略性など、本作の形式ならではの利点や見所は多数存在する。
    • 一方で、移動力の低い歩兵ユニットが活躍しづらくなったり(問題点にて後述)、交戦が行われず移動だけにターンを費やすパートが長くなりがち*15な面もあり、一長一短と言える。
    • 出撃人数の制限がなく、敵の数も多いためすべてのユニットを戦場に出すことができる。ただし、移動は全て手動で行わなければならず、まったく別の場所に新しい敵の拠点が出現した場合はなどは、移動だけでかなりの労力がかかってしまう。
  • 武器・キャラともにバランスブレイカーが多く、これも難易度が下がった大きな要因になっている。
    • 前述したシグルド、セリスのほか、強力なスキルを数多く所持することから死神兄妹と称されるラクチェとスカサハ、加入直後は最弱だがクラスチェンジすると一転して最強になるラケシスやリーフなど、飛びぬけて強いユニットが従来より多い。
      • 神器と呼ばれる専用武器は、装備するだけで特定のステータスが爆発的に増加するうえ、スキルが追加されるものもある。このため、装備可能なキャラを極限まで育てれば、「3すくみでの弱点属性の神器持ちのアルヴィス」や「圧倒的な命中率の高さを誇る神器持ちのイシュタル」という、システム上決定的なメタとなるキャラを除けばラスボスさえも含めたほぼ全ての敵の攻撃の命中率が0%になってしまうほど。特に、主人公専用装備であるティルフィングや、速さ補正がすさまじいバルムンクやフォルセティ、全ての能力が爆発的に上昇するナーガは、本作のみならずシリーズの中でもバランスブレイカーとして名高い。ただし、ナーガはラスボスとそれを護衛する「十二魔将」との戦いのみでしか使用できず、ほぼイベントアイテムと考えるプレイヤーもいる。
        このことは、『複数の神器があればユグドラル大陸(本作の舞台)を征服できる』という風評に、システム的にも説得力が持たせられている。ただし、威力こそ高いものの命中に不安の残るイチイバルや、重さから追撃しづらいゲイボルグ、キャラロストをしなければ使い道のないバルキリーなど、すべての神器が一戦級に優れているというわけではない。
      • ただし、今作は歴代で唯一「使用可能な味方ユニット全員を一度に出撃させられる」という仕様があるので、「こいつを出撃させるには主力を留守番させないといけない、そうすると戦力的にきついからできない。」というような問題はない。
      • 威力と命中が高いうえに二回攻撃が可能な「ゆうしゃ」シリーズの武器も非常に強力で、必要武器レベルが高い「ぎん」シリーズより明らかに使い勝手がいい。特に「ゆうしゃの剣」は命中が100もあり、さらに重さが3であるため極めて追撃しやすく、4回攻撃が容易に行える。前述の通り、本作の武器は、50体以上の敵を倒すことで「ひっさつ」が付与されるため、鍛えれば神器すら上回る効果を叩き出せる。
    • 能力・スキルに長けた強キャラと言えど実際には武器に耐久度がある関係で一人で全ての敵を倒すのは困難であり、相手側にも神器を持つ敵キャラがいる事や、神器で無双しようにも修理代が莫大なのでシーフの腕輪や値切りのスキルと組み合わせなければ乱用は難しい。こうしたインフレ要素を持たないキャラでも、スキル次第では十分活躍の場はある。
      • フォルセティについても継承者によって使い勝手が大幅に変わる*16上、カップリング次第では使用できないことも十分にありうる。また、バルムンクの使い手であるキャラクターはステータスを少し低めに設定することや、本作では騎兵より使い勝手が悪い歩兵とされていることなどでバランスが取られている。
      • また、ラスボスは「見切り」で必殺・特殊剣を発動無効+防御が高い+ダメージ半減効果を持つので、力のボーナスが無いバルムンクではダメージが通り辛く、ほぼ1ダメージまで抑え込まれる事もザラ。また、魔法防御が極めて高いので、ある魔法以外はほとんどダメージが与えられないため、フォルセティでも1ダメージしか通らないようになっているという風に、基本的にはこれら2つに頼りすぎると泣きを見るように調整されている。ただし、後述するある魔法さえ手に入れられれば楽勝。
    • このため「キャラクター本人ではなく武器が戦っている」と揶揄されることも。本作の世界観を的確に表現しているとも言えるが。
  • 必殺、追撃の条件が独特。
    • 前述通り、技依存で通常よりも強力な攻撃を放つ「必殺の一撃」、および条件を満たすことで敵の反撃の後に再度攻撃できる「追撃」が、専用のスキル、あるいは武器を持ったキャラしか発動できない。この影響から、ステータスよりスキルの方が重要で、追撃のスキルを持っていないキャラはかなり扱いづらい。ただし、敵のほとんどはこれらのスキルを持っていないため、味方側が不利になるということはない。
      • 次回作「トラキア776」以降は、再度追撃と必殺がスキルではなくステータス依存になった。
  • 守備よりも回避を推奨したバランス
    • 味方の守備力より敵の攻撃力が低い場合、雑魚敵でさえ攻撃を仕掛けてくることがなくなる(いわゆる「ゼロ避け」)*17。あまりに守備が高いと大勢の敵軍を倒す効率が悪くなる。
      • 本作は『外伝』同様、守備がいくら高くても必ず1ダメージは通るにもかかわらずこの仕様*18である。硬いキャラで受け止めて削るといった戦法が通じ辛く、守備を上げるメリットが感じられない風潮を助長してしまっている。
      • そのため多数の敵を相手するシミュレーションゲームという都合上、守備の高いキャラクターの扱いが難しく、プレイヤーは速さの高いキャラクターや軽い武器を使おうという傾向が強くなり、また速さの差が一つ違うだけで追撃の判定が起こるため必然的に剣や風のような軽い武器が有利な環境を生み出した。それを表すように上述の風の神器フォルセティや剣の神器バルムンクは速さの能力を強化している。
    • このため力・技(命中)・守備が強化されるが重さも高い地槍ゲイボルグは、必殺を出せば大抵の敵を一撃で倒せる強大な攻撃力を持つ反面、装備することでかえって雑魚敵が戦闘を避けてしまう様になりこちらから一人一人倒す必要が出て非効率的、高威力を誇る神器同士では重いので追撃されてしまい守備の補正がかえって役立てられないなど、使いづらい。
      • そもそも、子世代への継承システムを特徴づけるためか、ゲイボルグは最初の持ち主であるキュアンとやけに相性が悪い。重量があるので彼のスキルである連続*19が発生しづらい、技がブーストされても命中率が上がるだけで味気ないなど、「必殺」持ちのエスリンとの子であるアルテナが持って初めてそのポテンシャルを引き出せるように設定されている。
      • そのため「槍の神器ゲイボルグよりほそみのやりのほうが軽くて修理費も安いから強い」とまで言われる始末。
      • さらにいうなら、敵専用の神器グングニルは技ではなく速さにボーナスがかかるため、重量13だがボーナスを考えれば実質重量3になるので、こっちを使わせてほしいという意見も…。
  • 親世代で恋愛がうまくいかなかった場合に登場する代替キャラクターは、概して本来産まれるべき子供達より弱い。プレイヤーに親世代で積極的にユニット同士の結婚を進めていくことを推奨する調整になっている。
    • 親からの装備引き継ぎがなく所持金も最低限で、まずお金を稼がないと強力な武器や有用な腕輪を買う事ができない。
    • 個人スキルを持つ者もいるが、子孫キャラクターは兄妹両方に引き継げるのに対して代替キャラクターは片方しか持っていない。
      • ただし子孫キャラクターでは受け継ぐ事ができない個人スキルを持っていたり、代替キャラクター専用のイベントでパラメータアップやレアなアイテムを入手できるなどの利点もあり、これ目当てにわざと恋愛不成立で親世代を終わらせるプレイヤーもいる。
    • ステータス面では基本代替キャラクターの方が低く、成長率も両親から引き継げないため普通に育てているとあまり強くならない。また父親から聖戦士の血を受け継ぐ事もできないので武器レベルも固定で底上げができない。
      • 一応、能力面では親世代に匹敵する者もいるので完全に役立たずにはならない。実際、一部の代替キャラクターは子孫キャラクターより人気がある者もいる。
    • なお、「平民キャラ」はプレイヤーからの通称で、公式からそう呼称されているわけではない。聖戦士の血を引いている代替キャラクターも存在する。
  • 重い展開が多いにもかかわらずテキストフォントが老若男女ナレーション関係なく、可愛らしい丸字であるため、雰囲気に合わないとするプレイヤーもいる。

問題点

  • 子供たちの兵種は母親によって決まっているが、初見プレイでは実際に登場するまでわからない。そのため、組み合わせ次第では、親が持っていた神器や「月光剣」などの強力なスキルが、子供の兵種が合わないために使えない・役に立たないなどといった事態も起こりうる。また、子世代へのスキルの継承についてはゲーム内で細かい補足がない。
    • 一例として、ホリンの持つ「月光剣」やデューのもつ「太陽剣」は、子供が剣を使えて、かつ歩兵限定の時のみ継承できる。子供が剣を使えるからといってラケシスとホリンを結ばせても、子供が両方とも騎兵なので継承できない。
    • スキルにはその兵種に標準装備の「兵種スキル」とキャラによって違う「個人スキル」があり(この区別はできる)、継承できるのは「個人スキル」のみ。例えば、ボウファイターのジャムカ、あるいはセイジにクラスチェンジしたレヴィンがもつ「追撃」や、ジェネラルにクラスチェンジしたアーダンの「大盾」は兵種スキルであり、子供に継承することができない*20
      • 『覚醒』や『if』では、親同士が結ばれた直後に子供キャラが仲間になるシナリオが解放されるうえ、ある程度自由に兵種を変更できる。さらに、スキルもすべて継承されるなど、幾分かこの問題が緩和された。
  • キャラ同士のアイテムの受け渡しが面倒。
    • 本作では「交換」コマンドが存在しないため、「一度中古屋に売り、受け取るキャラが買い戻す」という、仲間同士なのに妙に他人行儀で間接的な方法で行う必要がある。
      • 所持金は全体でなく個人に設定され、一部クラスや恋人など限られたユニットしかお金を受け渡し出来ない。そのため大抵は売った人が売却金を買い取り側に渡すことが出来ず、買い取り側の方で十分な資金を用意しておかなければならない。
    • このシステムにより、強い武器を前線で複数人が使い回しにくくなっている。
    • これは開発者がプレイヤーに考える余地を与えたかったからとの事だが、不評だったのか以降の作品では採用されていない。
  • 今作で導入された「3すくみ」には大きな偏りがある。本作においては味方側では剣と風、オーラ*21を除いた光の魔道書が大きく優遇されている一方、斧と炎の魔道書が冷遇されている。
    • 剣は他の武器と比べ攻撃力が低いが、命中率が高く、また武器の重量が軽い。剣を扱えるキャラは味方の中で7~8割と多い上に高いステータスを持った兵種も多く、特に剣を専門とする「ソードファイター」とその後継職は、5回連続攻撃を行う「流星剣」や、敵の防御を無視する「月光剣」など、非常に強力なスキルを有している。
    • 槍は剣と斧の中間の性能。剣に3すくみで優位に立てるが、四倍程度の重量があるため追撃しづらいほか、回避率の低下を招いてしまう。子世代に槍を引き継がせられるのは固定カップルを除けば1人。神器を除けば最強とされる勇者の槍の本来の持ち主はフィンなのだが、後述の通り3章終了時に離脱してしまうため、4章冒頭のフィン離脱前にフュリーに渡され、そのままフュリーの子供であるフィーに受け継がれがち。
    • 斧は酷い扱いで、攻撃力は高いが、命中率が低い上に重量も重く、使いづらい。そもそも斧を使える兵種自体が少なく親世代3人・子世代3人しかおらず、3人中2人は様々な武器を使える兵種なので斧専業は1人ずつ*22、その性能も先の剣使いを大きく下回る。ただし2回攻撃できる勇者系武器は威力が高く重さも控えめと非常に強力で、勇者の斧だけは他にも劣らない一線級の性能である。
      なお、重量が軽くて命中に優れた細身の剣*23と細身の槍はあるが、細身の斧だけは何故か存在しない。
      • 親世代で斧を専門に扱うレックスは、獲得経験値が2倍になるスキル「エリート」を唯一子世代に引き継がせられるユニットであるため、武器を継承できなくてもスキルのためにカップル成立させられることが多い。また、血筋の関係で子供の守備力の成長率に大きなボーナスがかかるのも利点。武器継承を取るかスキルを取るか成長率を取るかでプレイヤーを悩ませるユニットの代表ともいえる。
    • 「剣優遇・斧冷遇」は第1作目からずっと続いていることではあるが、当時の斧はあくまで「序盤の蛮兵の得物」というポジションの武器なので大した問題ではなかった。
      しかし、今作で前述の「3すくみ」システムによって剣・槍と同じ土俵に上げられたにもかかわらず、剣・槍より遥かに弱いため非常に大きな問題となった。
    • 魔道書に関しては、同じランクの魔道書同士を比較すると、威力や命中は同じにもかかわらず、重さだけが風>雷>炎の順に軽くなっている*24という差別化のみ。槍・斧と違って武器の性能を見るだけで冷遇されているのが分かる。
      • 風は重さ2、雷は重さ7、炎に至っては重さ12と圧倒的な差があり、回避率だけで考えても単純に20もの差がでてしまう。
      • 一応、炎魔法は序盤で登場し、風魔法の店売りは終盤になるなどバランス調整がされていないわけではない。実際今までのシリーズでは、炎魔法のファイアーは最初に使われる基本的な魔法であり、風魔法という位置づけのシェイバーは終盤に手に入れられる強力な魔法という位置づけだったため問題は無かった。しかしこちらも斧と同様、3すくみによって同じ土俵に立たされたゆえ生じた問題と言える。
      • 炎Aの魔法は重過ぎる以前に、使えるユニットが子世代で2人しかいないという不遇点もある。*25。しかも魔道書が手に入るのが最終盤であるうえ、それらが使えるユニットには他にもっと強力な攻撃手段があったり、肝心の魔力の成長率がさっぱりなので実用性がない…というダブルパンチであり使わせる気を感じない。
    • この偏りを象徴するように、本作には12個の伝説の武器が存在するが、そのうち斧・炎の魔道書・雷の魔道書は敵専用のものであり、味方が使うことはできない。特に伝説の斧スワンチカは間接攻撃が可能で、防御力と魔法防御が大幅にあがるものの、重量が20と異様に重い上に命中も70と低い。さらに味方側に防御力を無視する「月光剣」のスキルの所持者がいるとあっさり倒されたりするし、魔法防御のボーナスは+10どまりなのでフォルセティ持ちにもなすすべなく撃破される……いう散々な扱いである。ただし、炎→風が有利な相性なため、10章のアルヴィスは能力の高さもあいまってフォルセティ持ちが相手でも結構な確率で当ててくる。さらにアルヴィスもラスボス同様に『見切り』を持つ上に、防御と魔法防御がともに40であり非常に硬い。
      • その反面、前述したように今作で優遇されている剣と風魔法には、最強神器と名高いティルフィング・バルムンク・フォルセティがあり、この点で優遇不遇は明らかに意図したものであることが窺える。なお、炎魔法で味方が使える専用武器は、シリーズを通しても『暁の女神』のシムベリンのみ。のちに大きく復権する斧と異なり、炎魔法の不遇はシリーズ通じて変わらずじまいとなっている。 ファイアーエムブレムとは…
  • 因みに、弓は基本的に間接攻撃ができるが命中70と低め*26。神器のイチイバルは威力が非常に高い*27が、これまた命中70のため、使い手の技のパラメータを吟味しないと、後半は外すことが多くなってしまう。
    • ただしキラーボウだけは例外で、 命中100、かつ必殺のスキルが武器に付与されている うえに重量も軽いため、ユーザー間ではネタとして 「13番目の神器はキラーボウ」 と言われている。
  • マップが広大な上に入り組んだ地形が少ないため、移動力に優れた飛行系(ペガサスナイト、ドラゴンナイトなど)や騎馬系ユニット(ロードナイト、パラディンなど)が優遇されている。
    • ソードファイター系など、性能の高い歩兵もいるのだが、歩兵系の足の遅さにイラついて騎馬系だけでプレイするという人もおり、高い攻略評価を狙う場合がそれが最適解となるほど。
    • 特に冷遇されているのが、防御力が高い代わりに移動力が特に低いアーマー系。前述の通り守備より回避が重視されるために扱いづらいうえに、味方の進軍に追いつくことができず、前線に出る頃には敵が殲滅されていることがほとんど。それを見据えたのか、本作では親世代・子世代でもアーマー系は1人ずつしか仲間にならない。
      • 親世代で仲間になるアーマーの「アーダン」は登場時に「お前の役目は城の防衛」と会話で言われるが、しかし本城を守る必要があるシチュエーションが全編通しても数回程度しかなく、活躍の場は少ない。アーダンは他にも美形キャラ揃いの中で唯一のブサイク顔だったり、能力もスキルも優れていないなど明らかに冷遇されている。攻略本でも「誰ともくっつけないほうがいい」*28と書かれてしまうほど。
      • 子世代で仲間になる「ハンニバル」も、「れんぞく」「まちぶせ」とスキルは優秀なのだが、高齢のためか速さの初期値、成長率が共に低く、クラスもジェネラルの例にもれず足が遅いため、仲間になる時期が遅すぎることもあって戦力として計上されることはほとんどない。
  • 常時発動でないスキルは「踊る」を除き全部任意発動不可
    • この関係で戦略にスキルを組み込みづらく「敵の防御力によって防御無視の「月光剣」と手数の「流星剣」を使い分ける」とか、「こいつは何としてもこのターンで倒さないといけないから「突撃」で継続して戦う」というようなことはできない。
      あえていうと「怒り」と「待ち伏せ」のみ、発動条件が「HPが半分を切ると常時発動状態になる」なので、HPを調整すれば任意の時に出せなくもない。
      • 確かに自由に使えるとバランス崩壊につながりかねないスキルも多いが、スパロボの精神コマンドのように専用のリソースを消耗したりして制限掛けてでも任意発動できた方がSRPGとしてよかったのではないかという意見もある。
      • この問題は以後のシリーズでも続き、『蒼炎』では重要な敵とのタイマン戦闘がほぼ運ゲー(主人公がスキルを発動すればほぼ勝ち、スキルなしではターン制限もあり困難。負けても進めるが後味は悪い。)という事態が起きたり、『暁』ではコマンドで選べるスキルがいくつか出たが肝心の奥義系が全部ランダム発動で「瞬殺(敵HPを1にする)」など「通常攻撃で倒せてたのに発動してHP1で止まり倒せなくなった」などという問題も起きていた。ただし『Echoes』以降は「戦技」という形で任意発動が可能になっている。
  • 敵の使う「大盾」が鬱陶しい
    • 本作の「大盾」は、ユニットのレベルの値そのままの確率で発動し、いかなるダメージをも無効化するという強力なものとなっている。親・子世代ともに終盤ともなると敵のレベルが30になることがほとんどのため、常に命中率が70%の戦いを強いられる事となる。
      • リザイアと大地の剣*29による攻撃は大盾を無効化できるのだが、前者は使用可能キャラが限られており、後者は高価な上使用回数がたったの10回となっており根本的な解決には至らない。せめて物理攻撃のみを無効化にすればよかったのではないかという意見もある*30
    • 大盾を兵種スキルとして所持するクラスのジェネラル・バロンとの対戦機会がゲーム全体を通して多く、二章以降ほぼ全ての章でボスとして登場するため、城の地形効果も相まって撃破に運が絡みやすい。10章のアルヴィスもクラスが「エンペラー」であり、大盾を持っている。
      • 味方も大盾を修得できるが、前述した通り、味方の重装ユニットは使いづらく、事実上敵だけが得をしている。
  • ラスボス戦がいまいち盛り上がらない
    • 従来作のラスボスと同様「特定の武器で攻撃しなければほぼダメージが与えられない」という設定だが、本作ではその設定が極端であり、多くの場合ラスボス前に手に入った対抗武器を扱えるキャラ(主人公ではない)と戦わせれば楽に倒せてしまうため、こういった感想を持つプレイヤーが多い。特に主人公が関わらない点についてはファンブックでもネタにされている。
      • 一応やり込みによって必勝法以外の方法で倒すことも可能。主人公で止めを刺すとラスボスの台詞が専用の物に変化する隠し要素もある。また、バグによって本来効かないはずのある武器*31が確実に効いてしまうなど、開発の想定外と思われる弱点も存在する。
    • その上、竜など巨大な存在に変身していた過去作品と異なり、最後まで人間の姿のままである。戦闘曲も、展開に合っていない訳ではないが地味。
    • 攻略本に掲載されたスタッフインタビューによると、シナリオ上の本来のラストバトルは10章(セミファイナルの章)であり、最終章はおまけという位置付けらしい。また、元々はその章で子世代が終了となり、孫世代が始まるという構想であった。本作のラスボスは物語上でも元凶と言える存在であるが、孫世代でその真の姿を現すという構想だったのだろうか。
    • また、このラスボスに対抗できるアイテム入手のために戦うマンフロイ戦も最終局面にしては同様に盛り上がりに欠けている。
      • 物語上の黒幕でラスボスの右腕という非常に重要なキャラでありながら、これまで何度も戦ってきた城を守備する中ボス達と大差のない強さで下記の難敵達と比較するとあまりにも弱すぎる。
      • 前作ではこのユニットに相当するようなキャラは強力な専用武器を使ってきたが、本人は下級の敵も使う一般の武器であるヨツムンガンドとフェンリルしか持っておらずスキルも貧弱なため。一応本作最重要スキルである追撃は持っているが、ヨツムンガンドもフェンリルも重いのでまず発動しない。イベントでは強力な状態異常魔法を使うのに、それすら使おうとしないので呆気なさ過ぎる。
      • ストーリーにおいてもラスボス戦の脅威となりうるキャラを誘拐しておきながら、 殺すでも監禁するでもなく催眠をかけて単身セリス達に差し向けるという雑な策を実行 。そして本人はあっけなくやられてしまう。そんなこんなでラスボス戦直前にトントン拍子で対抗武器とキャラが揃ってしまう。*32
      • また、特定の手順を踏めばマンフロイを無視してラスボスを倒す事も可能。その場合は断末魔を残して実にあっけなく消滅する。
    • そのため、寧ろラスボス戦より前に戦う事になるファルコン3姉妹*33やイシュタル戦*34のほうが山場と言われる事も。
  • 恋愛要素に穴がある
    • 本作では、恋愛値は基本的にマスクデータとなっており、上昇の法則などはゲーム中では説明されない。自軍の城の占い師に「こいのゆくえ」を尋ねることでキャラごとに自身の恋愛の進行状況(現在誰にどのくらい好意を抱いているか)を見ることができるが、これでも大まかにしかわからない。
      • さらに、一度カップリングが成立すると、死亡しない限り解除ができないので、意図しない組み合わせによるカップリングが成立した場合、取り返しのつかないことになる。これらの点は、後の作品で搭載された「支援」システムによって改善されている。
    • 自由なカップリングがウリの本作だが、一部恋愛が困難、あるいは不可能なキャラクターがいる。
      • 親世代では、キュアンとエスリン、シグルドとディアドラは強制的に結ばれるため、恋愛は事実上不可能。ただし、前者は既に夫婦であり、後者も序盤で結ばれるため恋愛が不可能なことはすぐにわかるようになっている。
      • 子世代では、アルテナ、フィン*35、ハンニバルは恋愛が一切できず*36、ユリアも隣接以外では恋愛値が一切上がらないうえ、セリス相手は諸事情*37から毎ターン恋愛値が低下するため、他のキャラクターに比べて結ばれることが困難*38になっており、そのことが一切説明されない。特にアルテナとユリアはユニットとして有用ということもあり、残念がったプレイヤーも多い。
    • 前述の通り、セリスはユリアとアルテナ以外の、後半で出会う女性たちの誰かと結ばれることになるのだが、その際のやり取りが、シグルドとディアドラと比較してかなり簡素なものとなっている。もっとも、パターンが多いため仕方ないとする意見もある。
    • また子世代のユリア、ティニー、パティは恋人を作ったとしても、 ユリアはどう足掻こうが確定で、ティニーとパティは親世代のカップリングによっては、エンディングで恋人と離れ離れになってしまう。
      • これを防ぐためにはティルテュとブリギッドの夫を平民にするか、ホリンを夫にした上でシャナンを最後まで生存させてオードを継がせてやらないといけない。そうすればアーサーとファバルがフリージ家とユングヴィを継ぐ事になるのでティニーとパティを嫁に行かせられるのだが、そうでない場合はエンディングでアーサーとファバルが父親の国を、ティニーとパティがフリージ家とユングヴィを統治する事になってしまうのである。*39
      • だがユリアに関しては何故恋人と離れ離れになる羽目になってしまうのか、理由が一切語られず意味不明である。
      • 後の作品では「統治が一段落した後に恋人の下に嫁ぎに行った」という後日談が多く見受けられるため、本作でもそうあってほしかったという声が大きい。
  • 「聖戦士の系譜」はあちこちおかしいところがある
    • 今作での「聖戦士の系譜」は武器レベルを上昇させる効果があり、この効果は敵にもちゃんと適用されている…のだが、ゲームシステムとしての系図を優先した結果世界観の設定とあちこち食い違っている。
    • ファラ(炎)傍系の血が敵の子供キャラに継がれていない。例えばフリージの敵将二人の母「ヒルダ」はファラ傍系持ちだが、子供二人はファラの系図を持っていない。さらに、ヒルダ自身も終章ではミスによりダインの直系になってしまっている。
      • セリスもユリアも母親がロプト傍系持ちなのだが、何故かロプト傍系だけが継承されていない。シャガールもヘズル傍系すら継承していない。*40
      • 『ファイアーエムブレム聖戦の系譜を遊びつくす本』掲載の開発者Q&Aによれば、「聖痕が出るのは個人差が激しくて、幼い頃に出る者も年老いてから出る者もいます。また、これが出るのは長子であるとか男子であるとかはまったく関係ありません。まったく法則性はなくて、時々は直系でもその因子を受け継いでいない人もいます。たとえばノディオン王家は黒騎士ヘズルの傍系(直系はアグスティ王家)ですが、唯一ミストルティンの契約因子を受け継いでいます。」とのこと。
        設定的には、プレイヤー側の子供が必ず系譜を受け継いでいるのはゲーム的な都合であって、シャガールのように子孫なのに傍系点灯すらないということが起きるし、聖痕なし(子孫なのに点灯なし)or聖痕なし(傍系点灯)or聖痕なし(まだ聖痕が現れていないだけで実は直系点灯)、を作中世界の住人が見分けることもできないのである。
        ただし、「聖なるしるし」(聖痕)は直系子孫の幼児期に現れると語る村人が4章に居るため、成長してから聖痕が現れるのはレアケースのようである。
    • 問題となるのは、これらの点がゲーム内ではほとんど語られないことである。これを反省してか、『蒼炎』や『覚醒』、『風花雪月』など、後の作品では聖痕や紋章に関する言及、調査方法の提示などが実際にメインストーリー内でなされている。
  • ノーヒントの隠し要素が多い
    • 特定のマスに特定のキャラを待機させることで発生したり、特定の村を特定のキャラで訪問することで見られる隠しイベントが多数存在する。ノーヒントでの発見はほぼ不可能。
    • お遊び程度のイベントであればよかったのだが、キャラの使い勝手を激変させるレベルで有用なアイテムが手に入ったり、主人公に関する重要な会話が発生したりと、ゲームバランスやシナリオの掘り下げに直結する要素がかなり多い。
    • 今でこそこれらの隠し要素は知っていて当然・回収して当然といった形で語られがちだが、攻略情報などを見ずにプレイすることにこだわりたいプレイヤーの場合、まず間違いなくこれらの要素を見逃してしまい、苦戦を強いられたり重要な会話を見損ねてしまう。
  • 詰み要素の存在
    • 変な状況でセーブしてしまい、「どうユニットを動かしても誰かが死んでしまう」などの(プレイヤーにとって)実質的な詰み状況になる事態に陥ることもあった。死者が出た場合は、のちに入手できる「バルキリーの杖」でリカバリーが可能だが、城を落とされることが確定した場合、「ワープの杖」がない限りはどうしようもなくなる。
      • 本作ではセーブデータが3つ作成可能なので、章開始時のセーブデータを残しておく事が望ましい
  • 永久離脱ユニット
    • 本作では、今までと異なり戦闘で敗北する以外でも味方が離脱することがある。
      • キュアン、エスリン、フィン、ディアドラが該当。このうち、ディアドラは離脱前に操作不可能になるため、ターンセーブを利用して所有装備を売れば問題はない。他のユニットも、会話である程度示唆されているため、唐突というわけではない。だが、所有アイテムが中古屋に売られるという措置がないため、初見のプレイヤーからはやや窮屈に思われがち。
  • シナリオ
    • 前述の通り、マクロ的には非常によくできたシナリオではあるのだが、細かなところでツッコミどころ、あるいは描写が不足している点がある。主に親世代で顕著。
      • シグルドは、公爵の留守を預かっている*41にもかかわらず、友人のエーディンやエルトシャンを助けるために数年単位で城を開けてしまう(一応、領地を空けた件については王都より駐留の命を受けた為、仕方がない側面もある)。
        さらに、中盤で反逆者の汚名を着せられた結果、シアルフィに戻ることができなくなる。もちろん、悪いのはありもしない罪状をでっち上げたアルヴィスたちなのだが、それでも領民を心配する描写は欲しかったところである*42
    • 親友であるキュアンは、自らが統治するレンスターが常にトラキアから狙われている事を知っていながら、親友を助けたいという「私情」のために祖国・レンスターの軍を多数引き連れて出撃し、さらに激戦が予想されていた戦場に幼い娘であるアルテナを連れてきてしまう*43
      キュアンも無策ではなくレンスターには腹心フィンと半数の兵士を残し、自身の出撃も秘密裏に行っていた*44のだが砂漠で奇襲を受け命を落としてしまう。結果的にこれが最大の原因となってレンスターの滅亡を招いたばかりか、自身とエスリンの死をも招いてしまい、自身の子供であるリーフとアルテナの人生さえも大きく狂わせる結果となってしまっている。一国の王としても、夫、父親としても失格だと言わざるを得ない。
      • エルトシャンも、暗黒教団の甘言に乗った挙句父親を殺して連合国の主権を奪い取り、悪政を敷いた挙句無謀な戦乱を巻き起こし*45、エルトシャン自身のこともぞんざいに扱う暴君「シャガール」を、「自分にとっては主だから」という理由でわざわざ助けてしまい、結果としてシグルドの足を大きく引っ張ってしまう。それどころかエルトシャン本人も命を奪われるなど、悪い結果ばかりが残ってしまう。
        エルトシャンの出身であるノディオン家はアグスティ家の分家筋にあたり、*46シャガールの父親はエルトシャンに対して個人的にも厚遇していたので、王に対する忠誠心が高いことは不自然ではない。だが、前述の通り、父親を殺して王家を私物化し貶めているシャガールをわざわざ助けるのは、むしろ王家への忠誠を放棄しているのではないかという意見もある。*47
      • なお、(シグルドを含めた)3人については意図的に考えが甘いという欠点のある人物として描いていることが、ある攻略本のインタビューで明かされている。
      • シグルドは子世代で悲劇の英雄として人々に再評価されているというフォローがなされているものの、他二人については作品中では無い。また、キュアンに関してはトラキア776で軍師アウグストに痛烈に批判されている。
    • 子世代はストーリーそのものが親世代と比べて単純なためそこまでツッコミどころは多くないものの、ラスボス戦については上記の通りお粗末な流れとなっている。
      • この失態が無ければシナリオ的に主人公側が半ば詰んでしまうため仕方がない面もあるが、ゲーム全編を通して狡猾に暗躍し続けてきた因縁の相手であるにもかかわらずこの有様なため、かえってガッカリさせられてしまう*48
      • 先述の通り本作は孫世代まで構想しており、ラスボス戦の流れは取りやめとなった孫世代の展開を簡素にして詰め込んだため大味となってしまった。
  • 周回を重ねる毎にOPが変化し、全部で16パターン用意されているのだが、どんなに効率よくプレイしても1周するのに50時間程度はかかる*49ので、全てのパターンを見ようと思ったら物凄く手間と時間が掛かってしまう。
    • しかも、いわゆる「強くてニューゲーム」のような要素も無いため、また最初からプレイし直さなければならない。既にクリアしたデータでもう一度クリアして回数を稼ぐといった方法も通用しない。
    • 極め付けにクリア回数はセーブデータ欄に記録されるため、既にクリアしたデータを上書きしなければならない。別のセーブ欄に移し変えることで残してはおけるが、2周目をクリアするまで気づかない人も多かった。
    • OPの内容も、単なるおまけ要素で済むならまだしも、中にはストーリー中の伏線が明らかになるという超重要パターンが含まれている。
  • 隠しエンディングの出現条件が非常に厳しい。
    • 条件は『クリア時の総合評価をAにすること』。評価の内容は『生存』『攻略』『経験』『戦闘』の4つ。当然速攻攻略が求められるが、それのみならず、『経験』という項目をAにするにはアーダンといった使えない(使わない)ユニットのレベルも相当あげないといけないほどである。
    • また『戦闘』をAにするには「全ユニットの負け数の総和が3敗以下」というものだが、これはマップの途中でユニットが負けてしまって、そこでリセットしても加算されてしまう。またバグで負け数が増えてしまうこともある。後にFEのスタッフが語ったところによると、当初はライフポイントが導入される予定だった*50ので、仕様変更時の見落としと考えられる。
    • そこまで無理してみるほどのものでもないが(エンディングで少しムービーが入る程度)。またどれかの評価が1つだけBでも、他がAなら総合評価はAになる。
      • 4つの中で厳しいのは総ターン数400未満が求められる「攻略評価 A」。A狙いをすると歩兵をぶっちぎって騎兵だけで突き進むような攻略が必要になる。攻略評価Bならそれなりに余裕を持てる。
  • バグが非常に目立っており、現在でも新たなバグ報告が絶えない。
    • 特定の条件下でレベルアップすると成長率が下がるなど、攻略を妨げるものが多い。中にはゲームが進行不能になるものも。

総評

本シリーズの大きなセールスポイントである、国家間の争いや人間関係などの部分を更に深く作り込んだ意欲作。
親から子へと続く壮大な物語や精巧に作られた一つの世界、結婚システムや3すくみ、スキルや職業ごとに異なるパラメータ上限、アルファベットで処理される武器レベルなどなど、後の作品にも継承される斬新なシステム、レベルの高いグラフィック・BGMなどから、異色作とされながらもシリーズ屈指の人気タイトルとなった。

賛否が分かれやすいのはバランス面。神器をはじめとした強力な武器の存在や、兵種や武器種の格差、「上手く活用すれば多大な恩恵を受けられる反面、逆もまた然り」のシステムがその偏りを助長するため、強いキャラクターは隆盛を極め不遇キャラクターはとことん不遇となる。ただし難易度自体は低めなので、攻略評価を気にしないのであれば本作を象徴する概念である「愛」で十分カバーできる。


余談

  • 本作の登場人物の名前(主に親世代)や神器などの用語名はケルト・北欧などの神話から取られているものが多い。
    • 物語における重要な地名である「ティルナノグ」もケルト神話からとられたものである。後に加賀氏はISから独立する際、「ティルナノーグ」という名前の会社を設立している。
  • 親世代の主人公であるシグルドの妻はディアドラで固定なのだが、当初はシグルドも自由にカップリングが出来る予定だったらしく、子世代の主人公の「セリス」という名前も、男でも女でもどちらでも使える名前だからという理由で付けられた物らしい。後のシリーズでも、「クリス」、「ルフレ」、「カムイ」、「リュール」など、男性としても女性としても使える名前の主人公がおり、実際に性別を選択することができる。
    • ただし、当時の公式掲示板で加賀氏はセリスは最初から男として設定していたと、この説を否定している。
    • ちなみに前述した通り、セリスはユリア、アルテナ以外のすべての女性キャラと結婚が可能。主人公が複数のキャラから相手を選べるのは本作が初めてで、のちに『封印の剣』などのGBA版タイトルでは複数の候補から相手を選ぶシステムになり、『覚醒』からの新作タイトルでは、本作と同様に、特定の相手を除いたすべての味方ユニットと結婚ができるようになっている。
  • 本作で採用された「神器」は、「神将器」や「双聖器」、「英雄の遺産」など、類似したものがのちのシリーズ作品にも存在している。また、本作の影響を大きく受けたとされる『風花雪月』では、聖戦士の系譜に近い「紋章」と呼ばれるシステムも存在する。
  • 異父兄妹同士が子を成すという倫理的に真っ黒な展開がある*51。後にリリースされた『FE覚醒』には結婚したユニットの子供が未来からやってくるというシステムがあるが、その際に近親相姦は基本的に不可能になっている。また、本作でも主人公のセリスとその妹ユリアが(兄妹だと知らずに)フラグを立てるが、バグ技を使わない限りは結ばれることはできない。
    • この要素は、今の家庭用ゲームのシナリオではまずあり得ないことだろうと思われていたが、『エンゲージ』でついに、バグを使わず主人公とその妹の結婚が可能*52となった。主人公が女性であっても可能なので、ある意味本作より危険だと言える。
  • 本作のストーリーの一部に焦点を当てた次回作『トラキア776』も、本作の背景を引き継ぐと共に、「滅びの美学」というテーマの元でかなり重いストーリーになっている。その後の据え置き機も同様で、『蒼炎の軌跡』、『暁の女神』では、人体実験や、身分格差、種族差別など、『風花雪月』は貴族と平民の対立や、登場キャラのほとんどが本作に劣らぬ壮絶な過去を背負っている事、また、かつての仲間たちが殺しあう姿を描くなど、やはりシリアスな展開が続く。
    • 一方、携帯機作品(『封印の剣』~『if』)ではライトユーザーを意識してか、本作よりも勧善懲悪色の強いストーリーになっている。
  • タイトルの「ファイアーエムブレム」は本作のストーリーにあまり関係ない。進め方によっては存在すら気がつかずに終わる。
  • 本作の攻略本は20社以上から出されている。攻略本が多くの会社から発売されていた時期である事を考慮しても、凄まじい量である。
    • またコミカライズも非常に盛んで、大沢美月氏や藤森ナッツ氏をはじめ、多くの(主にスクウェア・エニックス関係)作家に描かれている。小説版も刊行されており、第2次スーパーロボット大戦OGゼノブレイドなどの脚本を担当した竹田裕一郎氏が手掛けている。
      • 尤も「エニックスお家騒動」による作家陣の大量引き抜きにより打ち切りも含まれているのが残念なところ。
  • 同盟軍や乱数調整などを利用したものではあるが、シーフの腕輪、値切りを禁止しバルムンクとフォルセティのみでクリアした猛者が存在する。
    • フォルセティとバルムンクさえあればユグドラル大陸(本作の舞台)を征服できる』そんなジョークが真実化した動画もあるので、興味があれば探してみてほしい。
  • ゲームオーバー画面の採用は本作が初
    • 初代』、『外伝』、『紋章の謎』では「きろくしたところからはじめますか?」や「きろくがありません」の2種類のメッセージしか出ず、採用されなかったが、ゲームオーバー専用の画面が採用されたのが本作が初めてである。
      • 以降のFEシリーズ*53から採用するようになった。
  • 本作は自由恋愛が売りとなっているが、『トラキア776』で固定となったカップルが2組ある。片方はこの作品でカップルが自動的に成立する専用イベントがあったのだが(こちらはユーザーからのカップル人気も非常に高くほぼ受け入れられた)、もう片方のカップルに関しては、ファンから「勝手に固定しないでくれ」という声が未だにある。後日、このカップルに関する任天堂公式HPの記述は削除されたほど。
    • しかしながら、その『トラキア776』においても、カップルが成立したにしては不自然な点があったり、子供がもってくるある武器の名前がかなり意味深なものとなっているなどの疑問点もある。作中では明かされないため真相は闇の中だが。
    • 更に、任天堂公式HP・ファイアーエムブレムワールドの「マスター級Q7解答」の解説で若干揉めた。
      • この影響により、この後にリリースされた作品は、連作の際には恋愛が成立しなかったり、父親か母親のみが明らかになっているなど、カップリングに矛盾が生じないよう配慮されている。
    • この「自由恋愛」の要素は、ファイアーエムブレム界隈にすさまじい革命を起こしており、シリーズの女性人気が爆発したのは本作の影響と言える。事実、本作のメディアミックス作品の書き手は男性より女性の方が多い。
  • スペースワールド95で展示された際の仮タイトルは『ファイアーエムブレム 光をつぐもの』だった。このタイトルは本編6章で使われた他、冬季ねあ氏が手掛けたコミカライズ版のタイトルに使用されている。
  • 前述したアーダンは有用なレアアイテムの獲得できる隠しイベントが存在することや、特定のキャラを恋人にした場合の専用の会話が妙に男らしかったりと、逆にファンから愛されているキャラでもある。また、火の玉ゲームコミックの4コマなどでは、他のどのキャラよりも 色々な意味で *54ネタにされまくっていた。
    • この影響からか、早いうちからソーシャルゲーム『ファイアーエムブレム ヒーローズ』にも参戦し、追撃リングを得られるなど、公式からもある程度の優遇を受けている。
  • のちにリリースされた『ファイアーエムブレム ヒーローズ』で、十二聖戦士のウル本人が参戦した。