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兇闇

兇闇(まがつやみ/Böswillig Dunkel)

ドイツ出身の亜人種。イヴル種に属する。
癖のない白髪と、同じ色の瞳を持ち、右の蟀谷からは天を衝くように黒い尖角が伸びている。
この尖角は硬質ケラチンで形成されており、シカ類の角のような骨芯はなく、神経は通っていない。
サイの角のように、体毛が変化したものと見られる。
とは同じ種類の亜人である。

白皙の容貌は端正と言って相違なく、肢体は薄く無駄のない筋肉に覆われており、
ともすれば美男子と形容できもするのだが、冷たく睥睨するような鋭い眼と、底冷えするような低い声、
粗野とも言える口調に、常に不機嫌そうな表情も相俟って、人を惹きつける魅力には大幅に欠ける。
なお、彼は実際に不機嫌なわけではなく、決して人を脅迫する意図はない。素である。
性格的には父性というより母性が強く、世話好きで、家庭的な趣味を好む。


薔薇十字団に所属する一級の処刑者であり、幼少期から対亜存在戦の技術を叩き込まれ、
斥候や調査員、兵士としても働けるよう様々な教育を受けた、一種のエリート。
扱いとしてはドイツの国家公務員だが、役割は非合法工作員に類する。

その特徴的な名前は本名ではなく、薔薇十字団内での通名のようなものである。
Dunkelは名詞形ではなく形容詞であるため、正確な意味合いは『兇つ闇の』ということになる。

(優性種としての自覚がそうさせるのか、ほぼ全世界・全時代において、
 亜人種の名付けは人間よりも自由な傾向があるが、それでもこのような名前は非常に珍しい)

活動時に必要な場合、活動地域の国籍を持つ住民を演じる事がある。
この時に用いる架空の人物は、各国での情報処理を円滑にするため、
同一の人物を他の処刑者たちと『共有』することが多い。
例えば彼が以前用いていた『白河螢一』という戸籍も、多くの処刑者が日本で活動する時に用いている。
ただし、同時期に二人以上が同一人物を名乗るようなことはない。


12歳までの間に、日本で言う中学校相当の教育プログラムを終えており、
以降は定期的な訓練を受けながら実務にあたってきた。
うち、かなり初期からにその才能を評価されており、
アゲート界にも彼の護衛として共に転移したことがある。

その中で初の長期的任務として、鏡面転送の実験を兼ねた、
『あちら側』での亜存在の出現に関する単独調査に赴き、
人が集まり情報を仕入れやすい、現地の中学校に潜入する。
その学校で、当時まだ人間であった聖やと知り合った……のだが、
情報源にもなるため放置していたら、思いっきり真っ先に巻き込まれて、両方人間じゃなくなった。
この件は、彼の中で若干どころではなく心的外傷になっている。


一連の亜存在事件の後は、かなり早期に聖と結婚しており、
表向きはアルファズル・インダストリーの社員として、亜存在の残党を狩りながら過ごす。
何度か殉死しかけたが、その都度家族への愛で生還したようだ。

一人娘のには「どっちかっていうとこっちのが母親」との評価を下されている。
最終更新:2014年12月04日 00:57