而して『緋色の女』と称さるる彼の者の女に、諸々の力授けられたり。
彼らは我が子らを寄せ集め、一団とするだろう。彼らは人々の心に星々の栄光を齎すだろう。
彼はいつでも太陽であり、彼女は月なのだから。
のみならず、彼には翼ある秘密の炎があり、彼女には湾曲する星影がある。
――――アレイスター・クロウリー『法の書』第1章15-16節より抜粋
ルナ・エーベルヴァイン
ライトの双子の妹……という体で同居し、人間社会に紛れて暮らしている自律駆動型
鐫界器。
元々は旧西暦4299年に造られた、
デュー?や
クロス?のような自立駆動型の試作体であり、
危険制御のため単独で鐫界能力を使うことはできないが、道具として使役された場合の性能に一切の制限がない。
ただしその分、使用時の
エーテルエネルギー消費量はほとんど調整の効かない凄まじいもので、
『使い手の生命を使い切りで消費して強力無比な破壊を齎す兵器』とでも表現するのが剴切な有様だった。
自律駆動型鐫界器を『デヴィル・ドール』と俗称するのは、九割方彼女に纏わる事象が原因である。
『ルナ』という名前は修復後につけられた名前であり、
クロノブレイク以前は『シルフィード』と呼ばれていた。
本人の記憶の中にも、もはやその情報は存在しない。
西暦4302年のクロノブレイクに巻き込まれ、身体を転移時の潮汐力に引き裂かれながらも、
大部分を残した状態で、おそらく14世紀ごろの北極圏の氷塊に封じられる。
彼女らにとって実数物質としての形骸の欠損はさしたる意味を持たないが、
脳という演算装置が失われたことにより彼女の意識は失われており、
また独力での鐫界能力行使ができない彼女は、長らくその中で眠り続けることとなった。
地球温暖化が取り沙汰されるようになった頃、氷の中の彼女の残骸は発見され、
然るべき研究機関に回されようとしていたが、それに最初に手を触れた研究員が、
エーテルエネルギーを吸い尽くされて死亡するという事件が発生。対して、残骸の基幹組織の再生が観測される。
情報は秘密裏に処理されることになり、国連への要請が受諾され
薔薇十字団に管理が移行。
薔薇十字団は厳重な監視下において、大量の動物を接触させて
エーテルエネルギーを充分に吸収させ、完全再生を試みるも、
おそらく生存本能のようなものによって誘起されたその現象は、ある程度までの再生を終えた段階で停止。
しかし、それによって修復されたのは、意識を取り戻すのに充分な姿ではなかった。
それからは安全確認の後、手術によって人工的に蘇生する試みが取られ、今の姿に至る。
整形手術時の姿は、後にペアで実験体として扱われることが確定していたライトに似せられ、
蘇生に必要とされた大量の血液も、彼のものを使用している。
なお、実験の過程で肉体の変形や再構築を幾度となく繰り返したためか、
手術痕は既に無く、複数人の死体を用いたはずの体組織の遺伝子情報も、彼女自身のものに均一化している。
性格は明るく、また幼く見えるが、決して楽観的ではなく、基本的には冷静で現実的な思考で動く。
数多くの不幸や理不尽を諦観しながら、その中で可能な限り楽しく生きようとしている結果である。
故に普段の明るさは演じているわけではないが、意識的にそう在ろうとして振る舞っているのは確か。
場合によっては冷酷にも邪悪にも見える。そのためか、時折『腹黒』と見られることも。
一度記憶ごと全てを失っているためか、『喪失』に対する忌避感が非常に強く、
他者との繋がりに安堵を覚えながらも、それを失うことへの恐怖心も大きい。
特に『兄』であるライトへの執着心は強力で、彼の『妹』であるという自己認識は、
刹那的な現実の社会に彼女を結びつける命綱のようなものとなっている。
彼との性的な接触も肯定的に行っているが、その間にあるものは恋愛感情ではなく、
飽くまでも妹として在りながら、より強い結びつきを求めた結果の行為である。
お互いに欺瞞のない愛情表現であることは確かだが、決して恋心を抱いているわけではない。
故に、むしろ理解してもらえれば自分も一緒に可愛がってくれるかもしれない
リミルの恋路は応援しており、
逆に『妹』としての立場が被りかねない
華鈴などには対抗意識を抱いている。
甘いものが好きで、
兇闇とはよく甘味目当てに出かけている。
様々な娯楽文化を好み、所謂オタク文化にもそこそこの理解と経験を経ているが、
聖とは微妙に守備範囲が被っていないようだ。アニメソングやエロゲ主題歌などは『可愛いのが多い』ので好き。
スポーツの才能があるわけではないが、どちらかと言うと身体を動かすのが好き。
少しばかり肉付きが良いが、あまり気にしていない。
最終更新:2016年11月23日 08:32