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プルガラティール争奪戦

私たちは平和の中に暮らすためとして戦争をする。
 ――――アリストテレス『ニコマコス倫理学』

“罪の匣”とも呼ばれる巨大な立方体状の艦が人類の記録に現れたのは、ディエス・イレの波動が宇宙を揺るがしてから数世紀が経過した頃。
元はかつて未開発惑星管理委員会が使用し、アスガルド内乱時に失われた戦艦プルガラティールであることを人が知る由はもはや無い。

この巨大すぎる宇宙の棺桶は、観測室による発見以降、その存在こそ認知されていったが、内部に入る方法も解らず、あらゆる兵器を受け付けないため、詳細に関しては謎のままだった。
だが、鐫界器アカシャの書の発掘によって状況は一変。プルガラティールに関するあらゆる“知識”を得た少女アイテールによって、あまりにも呆気無く占領される。
こうして特に問題なく使用可能だと証明された瞬間、現状の技術水準を遥かに上回るそれは、様々な組織が様々な思惑を持って奪い合う対象に変わった。

私欲と私欲がぶつかり合っては、両陣営ともプルガラティール本体に消し炭にされるという不毛な流れが何度か繰り返されるうちに、匣を目指す者たちの技術競争は加速。やがては自力で匣とほぼ同等程度の技術を得るに至り、ルクレーン星系第三惑星ジェリアに落とすことに成功。(全て彼女の思惑通りだとも知らずに)

状況を正確に把握していた者は、この時点ではいなかったに違いない。
しかしそれでも、星団連邦政府はこの物体の奪取を、それが成らないと判れば速やかな破壊を命じた。
結果、プルガラティールの破壊は成功するが、未開発惑星管理委員会が昔この惑星に送り込んだ生体管理ユニット・ゼロがアカシャの書によって再起動。少女の支配下に置かれたゼロは一瞬で百の艦隊を消し、世界の敵として認知される。
一つの恒星系を丸々使った大戦に発展するが、破壊作戦の参加者が迅速に動いたためか、比較的早い段階で決着。
最終更新:2014年07月06日 17:40